JPH04346835A - エチレンオキシド製造用銀触媒 - Google Patents

エチレンオキシド製造用銀触媒

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JPH04346835A
JPH04346835A JP3115824A JP11582491A JPH04346835A JP H04346835 A JPH04346835 A JP H04346835A JP 3115824 A JP3115824 A JP 3115824A JP 11582491 A JP11582491 A JP 11582491A JP H04346835 A JPH04346835 A JP H04346835A
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cesium
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ethylene oxide
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旬 高田
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    • B01J23/38Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
    • B01J23/54Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
    • B01J23/66Silver or gold

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレンを分子状酸素に
より接触気相酸化してエチレンオキシドを製造するに際
して使用される銀触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業的にエチレンを分子状酸素により接
触気相酸化してエチレンオキシドを製造するに際し使用
される触媒には、その性能として高選択性、高活性、お
よび触媒寿命の耐久性が要求される。
【0003】これらの要求に対し、その性能を改善する
目的で触媒調製上今日迄種々検討がなされており担体の
種類、銀触媒に添加する促進剤の種類、銀化合物等の改
良に多くの努力が払われてきた。促進剤に関する報告は
多数提案されている。たとえば、米国特許第21253
33号明細書には、ナトリウムまたはカリウムおよびそ
の金属塩を含有するアルカリ金属塩はエチレンオキシド
製造用銀触媒の添加剤として使用されることが記載され
ている。
【0004】米国特許第2238474号明細書には、
水酸化ナトリウムはエチレンオキシド製造用銀触媒の活
性度を向上させるが、水酸化カリウムは触媒作用に悪影
響を及ぼすことが記載されている。
【0005】米国特許第2765283号明細書には、
担体に銀を担持する前に触媒担体に塩化ナトウムのごと
き無機塩素化物を1〜2000ppm重量添加すること
により触媒が改善される旨が記載されている。
【0006】米国特許第2799687号明細書には、
20〜16000ppm重量の塩化ナトリウム、塩化カ
リウムのごときハロゲン化物は抑制剤として作用し、触
媒の活性低下を起すことが記載されている。
【0007】特公昭46−32242号明細書には、銀
触媒の特性が促進剤の添加によって向上されることは公
知である。促進剤としては、アルカリおよびアルカリ土
類金属の酸化物が特に有効である。促進剤は、完成した
触媒中、担体の重量を基準にして0.03ないし0.5
重量%で一般に十分であることを開示している。また銀
触媒の製造方法として、促進剤は、銀含有溶液による含
浸と、その後につづく乾燥の後で添加することもできる
が、担体をアルカリおよびアルカリ土類金属の化合物の
水溶液で含浸させそのあとで酸素または空気のごとき酸
素含有ガス中350〜650℃乾燥後、銀含有溶液によ
る含浸と、その後につづく乾燥によりエチレンオキシド
製造用銀触媒が得られることを開示している。
【0008】特開昭49−30286号明細書には、最
終触媒1Kgあたり0.0003ないし0.0030グ
ラム当量のカリウム、ルビジウムおよび/またはセシウ
ムが担体上に銀と同時に堆積した銀触媒が使用できる。 触媒の表面上に存在するアルカリ金属の量は臨界的であ
る。0.0003ないし0.0030グラム当量の範囲
外では改良をもたらさないように見える。またアルカリ
金属の量は触媒の表面に存在する量でありそして故意に
、銀の添加と同時に触媒に添加されたものであると開示
している。
【0009】特開昭50−74589号明細書には、担
体をアルカリ金属化合物の溶液で含浸処理し、少なくと
も一部乾燥し、銀含有溶液による含浸と、その後につづ
く乾燥によりエチレンオキシド製造用銀触媒が得られる
ことを開示している。
【0010】特開昭50−160189号明細書には、
銀と一緒にアルカリ金属を沈着せしめ、カリウム、ルビ
ジウムおよび/またはセシウムが全体の触媒1Kgにつ
き0.00004〜0.008グラム当量重量の範囲で
ある銀触媒が使用できる。またアルカリ金属の量は触媒
の表面に存在する量でありそして故意に、銀の添加と同
時に触媒に計画的に加えられる分量であると開示してい
る。
【0011】特開昭52−117293号明細書には、
銀を含む銀触媒を150〜900℃で安定化処理をし、
安定化された触媒上にカリウム、ルビジウムまたはセシ
ウムのイオンを0.00004〜0.008グラム当量
重量沈着させた銀触媒が使用できると開示している。
【0012】特開昭50−90591号明細書には、担
体中に不純物またはセメントとして存在するよりも過剰
量であって促進作用を有する量の銅、金、亜鉛、カドミ
ウム、水銀、ニオブウム、タンタル、モリリブデン、タ
ングステン、バナジウム、または好ましくはクロム、カ
ルシウム、マグネシウム、ストロンチウムおよび/また
はさらに好ましくはバリウム、ならびに好ましくはさら
に、アルカリ金属を含有するアルキレンオキシド製造用
触媒を開示している。
【0013】特開昭52−151690号明細書には、
比表面積0.05〜10m2 /gを有する多孔質の耐
熱性担体に担持された銀を含有しさらに担体中の不純物
もしくは結合剤としての存在量以外に、促進量のナトリ
ウムとカリウム、ルビジウムおよびセシウムより成る群
から選ばれた少なくとも1種の促進量の他のアルカリ金
属とを含有するアルキレンオキシド製造用触媒を開示し
ている。
【0014】特開昭54−79193号明細書には、担
体上に先ず銀および場合によりナトリウムまたはリチウ
ムを該当する塩の形で施し、常法により加熱し、そして
後続の処理においてカリウム、ルビジウムおよびセシウ
ムのアルカリ金属の塩をアミンおよび/またはアンモニ
アと共に施すことによりアルキレンオキシド製造用触媒
が得られることを開示している。
【0015】特開昭55−129150号明細書には、
担体に分解可能な銀化合物または錯体の溶液を110℃
以下含浸し、85〜200℃で銀化合物が分解して担体
に銀を担体に沈着させるのに十分な時間保つ、引続いて
残留溶液を溶媒例えばエタノールで銀含有担体から洗浄
除去する。洗浄銀含有触媒を100℃以下で乾燥し、乾
燥銀触媒にアルカリ金属を含浸することによって担持し
てなる銀触媒を開示している。
【0016】特開昭55−145677号明細書には、
酸化反応触媒としてアルミナ、シリカおよびチタニアの
合計含有量が99重量%以上であり、周期率表のVa 
、VIa 、VIIa 、VIII、Ib およびII
b の各族の金属の含有量が金属酸化物合計量として0
.1重量%未満であり、かつpKa が+4.8のメチ
ルレッドにより酸性いろを呈しない非酸性担体に銀およ
び必要に応じてさらにアルカリ金属成分又はアルカリ土
類金属成分を担持してなる銀触媒を開示している。
【0017】特開昭56−105750号明細書には、
ナトリウム成分が0.07重量%以下、比表面積が1〜
5m2 /gのα―アルミナ主成分担体を、完成触媒に
対し5〜25重量%担持率となる如き分解性銀溶液に、
完成触媒1キログラムあたり0.001〜0.05グラ
ム当量のアルカリ金属とホウ素の錯合物、アルカリ金属
とモリブデンの錯合物および/またはアルカリ金属とタ
ングステンの錯合物含む含浸液で含浸処理をおこない、
加熱し、還元または熱分解して製造されたエチレンオキ
シド製造用銀触媒を開示している。
【0018】特開昭57−107240号明細書には、
銀と触媒1キログラムあたり0.001〜0.05グラ
ム当量のアルカリ金属および/またはタリウムとを担体
上に担持した後、最終的に、含有酸素濃度が3容量%以
下の不活性ガス中で500〜950℃の範囲で高温加熱
処理したエチレンオキシド製造用銀触媒の製造方法を開
示している。
【0019】特開昭57−107241号明細書には銀
の他にカチオン成分としてナトリウム(Na)およびア
ニオン成分として塩素(Cl)を少なくとも含有し、か
つCI/Naの原子比が1未満となるよう割合で加えら
れているエチレンオキシド製造用銀触媒を開示している
【0020】特開昭57−140654号明細書には銀
の他にカチオン成分としてナトリウムおよびセシウムを
、アニオン成分として塩素を少なくとも含有するエチレ
ンオキシド製造用銀触媒を開示している。
【0021】特開昭57−171435号明細書には、
ナトリウム成分が0.07重量%以下、比表面積が0.
5〜5m2 /gのα―アルミナ担体に完成触媒に対し
5〜25重量%担持された金属銀粒子と、担体中の存在
量以外に完成触媒1キログラムあたり0.001〜0.
05グラム当量を担持されたアルカリ金属またはアルカ
リ金属の化合物の少なくとも1種とを含有するエチレン
オキシド製造用銀触媒を開示している。
【0022】特開昭59−156436号明細書には、
銀を3〜15重量%、カチオンとしてセシウムを原子比
Cs/Agが0.01/100〜0.4/100になる
ように、またアニオンとしてフッ素を原子比F/Csが
5/100〜10になるように含有し、セシウム及び/
又はフッ素の少なくとも一部は銀と同時に担体に担持さ
れたものであるか、又は銀の担持に先立つて担体に担持
された触媒を開示している。
【0023】特開昭59−196743号明細書には、
銀を3〜15重量%含有し、カチオンとしてセシウム及
びアニオンとして塩素を含有し、セシウム及塩素の少な
くとも一部を銀と同時に担体に担持させるか、又は銀担
持以前にあらかじめ担体に担持された触媒を開示してい
る。
【0024】特開昭62−4443号明細書には、アル
ミニウム化合物をスズ化合物と混合して得られた混合物
を焼成した担体に、銀とアルカリ金属を担持した触媒を
開示している。
【0025】特開昭62−4444号明細書には、アル
ミニウム化合物を元素周期表第1A族の金属の塩と混合
して得られた混合物を焼成した担体に、銀とアルカリ金
属を担持した触媒を開示している。
【0026】特開昭62−4445号明細書には、アル
ミニウム化合物を塩素化合物と混合して得られた混合物
を焼成した担体に、銀とアルカリ金属を担持した触媒を
開示している。
【0027】特開昭63−116743号明細書には、
触媒成分として銀の他にカチオン成分として少くともナ
トリウム、カリウム、ルビジウム及び/又はセシウムを
含み、かつ担体が主としてα―アルミナよりなりその表
面積が0.6〜2m2 /g、吸水率が20〜50%、
シリカ含量0.5〜12重量%、かつ表面積当りのシリ
カ含量(重量%/m2 /g)が0.5〜12,好まし
くは1〜8であって、ナトリウム含量が0.08〜2重
量%であるエチレンオキシド製造用銀触媒を開示してい
る。
【0028】特開平2−194839号明細書には、α
―アルミナ担体にコロイド状シリカを含有する水溶液を
含浸し、ついで加熱乾燥し、さらに焼成して得られた担
体の外表面上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカ
で被覆されたα―アルミナ担体に完成触媒当り5〜25
重量%の金属銀微粒子および完成触媒1キログラム当り
0.001〜0.05グラム当量重量のセシウムを担持
せしめた後、賦活化処理して、銀とセシウムとを多孔性
無機質耐火性担体に析出した後、含有酸素濃度が3容量
%以下の不活性ガス中で400〜950℃の範囲で高温
加熱処理して得られるエチレンオキシド製造用銀触媒触
媒を開示している。
【0029】以上の特許公報明細書で開示されたエチレ
ンオキシド製造用銀触媒触媒の多くは担体を限定し、促
進剤としてアルカリ金属担持量を限定し、アルカリ金属
以外の促進剤の担持量を限定し、銀とアルカリ金属また
は銀とアルカリ金属およびアルカリ金属以外の促進剤を
担体に担持する方法を限定して触媒性能を向上させてい
るものである。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】エチレンオキシド製造
用銀触媒の調製方法についてまだ不明な点も多く改良す
べき問題が数多く存在する。たとえば特開昭49−30
286号明細書に開示されている最終触媒1Kgあたり
0.0003ないし0.0030グラム当量のカリウム
、ルビジウムおよび/またはセシウムが担体上に銀と同
時に堆積した銀触媒は反応の初期のエチレンのエチレン
オキシドへの選択率の向上は大きいが選択率の低下が早
期に起きるため触媒の寿命に問題がある。
【0031】一方、特開昭57−107240号明細書
に開示されている銀と触媒1キログラムあたり0.00
1〜0.05グラム当量のアルカリ金属および/または
タリウムとを担体上に担持した後、最終的に、含有酸素
濃度が3容量%以下の不活性ガス中で500〜950℃
の範囲で高温加熱処理したエチレンオキシド製造用銀触
媒は、反応の初期のエチレンのエチレンオキシドへの選
択率の向上および触媒の寿命が改善されている。
【0032】現在までに銀触媒に添加する促進剤に関す
る特許が数多く出されているが、その多くは限定された
範囲内のアルカリ金属およびアルカリ金属以外の促進剤
を銀触媒に添加することにより触媒性能を向上させてい
るものである。さらにはアルカリ金属および促進剤を銀
触媒に添加する順序を変えて銀触媒を調製し触媒性能を
向上させているものである。しかしながらこれらの特許
公報明細書で開示されたエチレンオキシド製造用銀触媒
はエチレンのエチレンオキシドへの選択率の向上および
その後の触媒寿命の点で改良の課題がある。
【0033】したがって、本発明の目的は特定の担体の
選択、担体に担持するセシウム化合物の選択、担体にセ
シウム化合物を担持する方法の選択、セシウムの担持し
た担体に添加する銀化合物およびセシウム化合物の選択
、セシウムの担持した担体に銀触媒およびセシウムを担
持する方法の選択、以上の組み合せの最適化を図ること
により高選択性、高活性および触媒寿命の耐久性の各性
能を合せもった新規なエチレンオキシド製造用銀触媒を
提供することにある。
【0034】本発明の他の目的は、α―アルミナ担体の
外表面上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカで被
覆された担体を使用し、担体にセシウム化合物を担持す
る方法の選択、セシウムの担持した担体に添加する銀化
合物およびセシウム化合物の選択、セシウムの担持した
担体に銀触媒およびセシウムを担持する方法の選択、以
上の組み合せの最適化を図ることにより触媒性能を向上
した新規なエチレンオキシド製造用銀触媒を提供するこ
とにある。
【0035】本発明者等はエチレンオキシド製造用銀触
媒に用いる好適な担体を構成する成分および担体の比表
面積に関する研究を行なった結果、従来当分野の工業的
規模で用いられている銀触媒に使用される担体の中で担
体の外表面上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカ
の層で被覆されたα―アルミナ担体を用い、硝酸セシウ
ム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥し、さらに40
0〜1200℃の範囲で高温加熱処理した後、担体に銀
化合物溶液および硫酸セシウム溶液で含浸処理を行ない
、ついで乾燥、賦活化処理して、銀とセシウムとを担体
に析出担持した銀触媒は、これまでになく、高選択性で
しかも高活性を長期に渡って維持できる触媒が得られる
ことを見出して本発明を完成した。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明はα―アルミナ担
体にコロイド状シリカを含有する水溶液を含浸し、つい
で加熱乾燥し、さらに焼成して得られた担体の外表面上
および担体の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆さ
れたα―アルミナ担体に、セシウムが担体1キログラム
当り0.0001〜0.045グラム当量重量の濃度に
なるように、硝酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、つ
いで乾燥し、含有酸素濃度が3容量%以下の不活性ガス
中で400〜1200℃の範囲で高温加熱処理した後、
担体に完成触媒当り5〜25重量%の金属銀微粒子およ
びセシウムが完成触媒1キログラム当り0.001〜0
.05グラム当量重量の濃度になるように、銀化合物溶
液および硫酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで
乾燥、賦活化処理して、銀とセシウムとを担体に析出担
持したことを特徴とするエチレンオキシド製造用銀触媒
に関するものである。
【0037】
【作用】エチレンオキシド製造用銀触媒に用いる好適な
担体に関する研究によれば、比表面積が0.1〜5m2
 /g、見掛気孔率45〜70%よりなる担体の外表面
上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆
されたα―アルミナ担体を用いた場合、触媒にしたとき
の選択率の低さのゆえに当該分野の工業的規模において
一般的に用いられることのなかった比較的高比表面績の
担体をも有効に使用でき、これと特にセシウムが担体1
キログラム当り0.0001〜0.045グラム当量重
量の濃度になるように、硝酸セシウム溶液で含浸処理を
行ない、ついで乾燥し、含有酸素濃度が3容量%以下の
不活性ガス中で400〜1200℃の範囲で高温加熱処
理した後、担体に完成触媒当り5〜25重量%の金属銀
微粒子およびセシウムが完成触媒1キログラム当り0.
001〜0.05グラム当量重量の濃度になるように、
銀化合物溶液および硫酸セシウム溶液で含浸処理を行な
い、ついで乾燥、賦活化処理して、銀とセシウムとを担
体に析出担持して得られた触媒はこれまでになく高活、
高選択性、耐久性の触媒が得られることを見い出したも
のである。
【0038】エチレンを分子状酸素により接触気相酸化
してエチレンオキシドを製造する際に用いられる触媒は
銀触媒であり、そのほとんどが担体を使用した担持触媒
であることは言うまでもないことである。また、用いら
れる担体が多孔性粒状耐火物であることも周知である。
【0039】しかしながら、単に多孔性粒状耐火物担体
と言っても千差万別で担体の比表面積、細孔分布、細孔
容積、粒径、形状等の物理的性質及び担体を構成する材
質、例えばα―アルミナ、シリカ、シリコンカ―バイド
、ジルコニア、粘土等のもつ化学的性質等、これらの物
理的および化学的性質が触媒の性能に及ぼす影響は大き
い。
【0040】したがつてどのような性質の担体を選ぶか
は、当業者にとって大きな問題である。担体の物性の中
でも比表面積は細孔径にも関係し、触媒性能に与える影
響は大きく大いに留意しなければならない。即ち、活性
、耐久性の面から考えると触媒比表面積は大きい方が良
く、その為には担体比表面は大きい方が望ましいが担体
比表面積を大きくする為には担体材料のアルミナ粒子は
小さいものを選ぶ必要がある。そのことは必然的に小さ
な細孔径の形成を意味する。このことはガスの拡散滞留
、反応熱の除去という点から考えると不利になる。また
担体表面の露出面積が増大することからも不利である。 これ等のことはいずれも選択率の低下につながる。 このような事実から、必ずしも比表面積は大きい方が良
いとばかりは言えず自ずと制限が出てくる。これ迄の工
業的規模に採用されている大部分の担体の比表面積は1
m2 /g以下であり、さらには0.5m2 /g以下
である。例外的には1m2 /g以上の担体を使った例
もあるが、低表面積のものより選択率は低い。
【0041】本発明者等は、これ等の欠点を無くすべく
検討した結果、これまでの0.5m2 /g以下の比表
面積のものだけでなく0.5m2 /g以上の大きな比
表面積の担体を用いても選択率の低下を招くことなく、
さらに向上させかつ高活性、耐久性を維持、促進させる
方法を発見した。それは簡単にはα―アルミナ担体にコ
ロイド状シリカを含有する水溶液を含浸し、ついで加熱
乾燥し、さらに焼成して得られた担体の外表面上および
担体の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα
―アルミナ担体に、セシウムが担体1キログラム当り0
.0001〜0.045グラム当量重量の濃度になるよ
うに、硝酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾
燥し、含有酸素濃度が3容量%以下の不活性ガス中で4
00〜1200℃の範囲で高温加熱処理した後、担体に
完成触媒当り5〜25重量%の金属銀微粒子およびセシ
ウムが完成触媒1キログラム当り0.001〜0.05
グラム当量重量の濃度になるように、銀化合物溶液およ
び硫酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥、
賦活化処理して、銀とセシウムとを担体に析出担持した
ことにより達成される。このことは、特に0.75m2
 /g以上の高比表面積担体に有効で、また増量された
セシウム化合物添加触媒に有効である。このような物性
面からの不利益が担体の化学的性質特に担体の外表面上
および担体の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆さ
れたα―アルミナ担体を、硝酸セシウム溶液で含浸処理
を行ない、400〜1200℃の範囲で高温加熱処理し
た後、銀化合物溶液および硫酸セシウム溶液で含浸処理
を行ない、銀とセシウムとを担体に析出担持したことに
よって改善されることは驚くべきことである。
【0042】本発明によれば担体の外表面上および担体
の気孔の表面上は触媒性能に微妙に影響し、特に従来当
分野で通常使われている比表面積0.5m2 /g以下
の担体ではその悪い影響は、比表面積が小さくなる程小
さいが、0.5m2 /g以上になるとだんだん大きく
なり0.75m2 /g以上になるとその影響は顕著に
なる。 ところがこれまで選択率が低くなるゆえに使われなかっ
た比表面積0.75m2 /g以上の担体、すなわち比
表面積が0.75〜5m2 /g、見掛気孔率45〜7
0%、50〜100μのアルミナ2次粒子を使用したα
―アルミナ担体が本発明においては使用可能になるばか
りでなく、さらには活性、選択性において優位にさえな
ることか見い出された。そのことは後述の実施例でも解
る様に、同じ0.89m2 /gぐらいの比表面積の担
体でも担体の外表面上および担体の気孔の表面上が非晶
質シリカの層で被覆されたα―アルミナ担体に、セシウ
ムが担体1キログラム当り0.0001〜0.045グ
ラム当量重量の濃度になるように、硝酸セシウム溶液で
含浸処理を行ない、ついで乾燥し、含有酸素濃度が3容
量%以下の不活性ガス中で400〜1200℃の範囲で
高温加熱処理した担体では他の物性が多少関係あるにし
ても、この担体にさらに銀化合物溶液および硫酸セシウ
ム溶液で含浸処理を行ない、銀とセシウムを添加した触
媒にしたときの触媒の寿命に性能の差が出ることは驚く
べきことである。このことがどういう作用によるか、我
々には正確には分らない。ただ担体の外表面上および担
体の気孔の表面上に一定の範囲で非晶質シリカの層が存
在することが良いということ、また非晶質シリカの層で
被覆されたα―アルミナ担体に、硝酸セシウム溶液で含
浸処理を行ない、ついで乾燥し、含有酸素濃度が3容量
%以下の不活性ガス中で400〜1200℃の範囲で高
温加熱処理した後、担体に完成触媒当り5〜25重量%
の金属銀微粒子およびセシウムが完成触媒1キログラム
当り0.001〜0.05グラム当量重量の濃度になる
ように、銀化合物溶液および硫酸セシウム溶液で含浸処
理を行ない、ついで乾燥、賦活化処理して、銀とセシウ
ムとを担体に析出担持したことにより、従来の触媒に比
較し、選択率の向上があることが触媒性能に関係してい
る。
【0043】本発明のα―アルミナ担体にコロイド状シ
リカを含有する水溶液を含浸し、ついで加熱乾燥し、さ
らに焼成して得られた担体の外表面上および担体の気孔
の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ
担体に、セシウムが担体1キログラム当り0.0001
〜0.045グラム当量重量の濃度になるように、硝酸
セシウム溶液で含浸処理する際の好適な添加量の範囲は
、セシウムが担体1キログラム当り0.0001〜0.
045グラム当量重量、好ましくは0.0001〜0.
025グラム当量重量であり、特に好ましくは0.00
1グラム当量重量を越えかつ0.025グラム当量重量
以下である。
【0044】また、本発明のα―アルミナ担体にコロイ
ド状シリカを含有する水溶液を含浸し、ついで加熱乾燥
し、さらに焼成して得られた担体の外表面上および担体
の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―ア
ルミナ担体に、セシウムが担体1キログラム当り0.0
001〜0.045グラム当量重量の濃度になるように
、硝酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥し
、含有酸素濃度が3容量%以下の不活性ガス中で400
〜1200℃の範囲で高温加熱処理した後、担体に完成
触媒当り5〜25重量%の金属銀微粒子およびセシウム
が完成触媒1キログラム当り0.001〜0.05グラ
ム当量重量のセシウムを担持せしめる際の好適な硫酸セ
シウムの添加量の範囲は、セシウムが完成触媒1キログ
ラム当り0.001〜0.05グラム当量重量、好まし
くは0.001〜0.03グラム当量重量であり、特に
好ましくは0.006グラム当量重量を越えかつ0.0
3グラム当量重量以下である。
【0045】本発明のα−アルミナ担体の比表面積とし
ては、比表面積が0.1〜5m2 /gの範囲、好まし
くは0.3〜3m2 /g、さらに好ましくは0.75
〜2m2/gのものが有効である。5m2 /gを越え
るものは実質的に良いものは得られてないので実際的で
ない。
【0046】本明細書における比表面積はBrunau
er−Emmett−Teller(以下、BETとい
う)法により測定される値である。
【0047】さらにまたα−アルミナの担体成分は当分
野で慣用の担体に含まれる程度の成分および量が好まし
い。
【0048】本発明のα−アルミナ担体の見かけの気孔
率は45〜70%、特に50〜60%が好ましい。
【0049】本発明のα−アルミナ担体の比気孔容積は
0.1〜0.8cc/g、特に0.2〜0.5cc/g
が好ましい。
【0050】本発明のα−アルミナ担体は粒径3〜20
mmのα−アルミナ主成分、好ましくは90重量%以上
がα−アルミナ成分であり、1〜100μのアルミナ2
次粒子であるα―アルミナ担体が使用できる。なお、本
発明で使用される担体は球、ペレット、リング等の粒状
の耐火性担体であり、その平均相当直径は3〜20mm
、特に担体を構成する成分、担体の比表面積は触媒性能
に大きく関係し、触媒製造時、銀とセシウムおよび/ま
たはセシウム化合物の担持工程において均一なる担持の
容易な担体の形状を選ぶことが選択性に優れた触媒を得
ることになる。またα―アルミナ担体としては、例えば
好ましくはBET比表面積0.75〜2m2 /g、見
掛気孔率50〜60%、細孔容積0.2〜0.5cc/
g、粒径3〜20mmのα−アルミナ主成分、好ましく
は90重量%以上がα−アルミナ成分であるα−アルミ
ナ担体に、粒径5〜50ミリミクロンのコロイド状シリ
カを担体含水量分の水に分散した液を含浸し、加熱濃縮
乾燥後、700〜1500℃で1〜10時間焼成し、得
られた担体の外表面上および担体の気孔の表面上が非晶
質シリカの層で被覆されたα―アルミナ担体が好適であ
る。
【0051】本発明のα−アルミナ担体はα―アルミナ
担体に対して、担体1グラムあたりSiとして3×10
−4〜2×10−1g/g担体、特に5×10−4〜1
×10−1g/g担体になるように非晶質シリカの層で
被覆されたα―アルミナ担体であることが好適である。
【0052】本発明の担体の外表面上および担体の気孔
の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ
担体に、セシウムが担体1キログラム当り0.0001
〜0.045グラム当量重量の濃度になるようにセシウ
ムを担持する方法は、あらかじめ加熱した、担体の外表
面上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被
覆されたα―アルミナ担体に、セシウムが担体1キログ
ラム当り0.0001〜0.045グラム当量重量の濃
度になるように、硝酸セシウムを水溶液あるいはアルコ
―ル性溶液の形で、好ましくは硝酸セシウム水溶液で含
浸処理を行ない、ついで100〜300℃、好ましくは
120〜200℃で加熱濃縮乾燥し、ついで含有酸素濃
度が3容量%以下の不活性ガス中で400〜1200℃
、好ましくは500〜800℃での範囲で高温加熱処理
して得られる。
【0053】本発明の非晶質シリカの層で被覆されたα
―アルミナ担体に、セシウムを担持する際の高温加熱処
理は含有酸素濃度が3容量%以下の不活性ガス中で40
0〜1200℃の高温加熱処理を行なわなければ有効で
ないことも重要である。有効な不活性ガスとしては窒素
、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオンが挙げられ
、特に窒素または二酸化炭素が好ましい。
【0054】高温加熱処理時間は高温側では少なくとも
5分以上、好ましくは30分以上である。
【0055】本発明の担体にセシウムを担持する際に、
担体として担体1グラムあたりSiとして3×10−4
〜2×10−1g/g担体、特に5×10−4〜1×1
0−1g/g担体になるように非晶質シリカの層で被覆
されたα―アルミナ担体を使用すること、担体に担持す
るセシウム化合物として硝酸セシウムを使用すること、
含浸処理、加熱濃縮乾燥し、ついで含有酸素濃度が3容
量%以下の窒素、不活性ガス中で400〜1200℃の
範囲で高温加熱処理することのいずれの構成要件を欠い
ても本発明の効果を達成することはできない。
【0056】本発明の担体にセシウムを担持する際に使
用する硝酸セシウムは水に溶解させて使用することが好
ましいが、メタノール、エタノール等の低級アルコール
に溶解させて使用することができる。
【0057】本発明の担体の外表面上および担体の気孔
の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ
担体にセシウムを担持した担体に、銀とセシウムとを析
出担持する方法は、本発明の担体の外表面上および担体
の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―ア
ルミナ担体にセシウムを担持した担体を使用し、これに
完成触媒当り5〜25重量%の金属銀微粒子およびセシ
ウムが完成触媒1キログラム当り0.001〜0.05
グラム当量重量の濃度になるように、有機酸銀のアミン
錯体等の分解性銀溶液および硫酸セシウム溶液ので含浸
処理を行ない、含浸後100〜300℃に加熱し、還元
、あるいは熱分解し、銀とセシウムおよび/またはセシ
ウム化合物とを多孔性無機質耐火性担体に担持せしめエ
チレンオキシド製造用銀触媒が得られる。
【0058】本発明の担体の外表面上および担体の気孔
の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ
担体にセシウムを担持した担体に、銀とセシウムとを析
出担持するする際に、完成触媒当り5〜25重量%の金
属銀微粒子およびセシウムが完成触媒1キログラム当り
0.001〜0.05グラム当量重量の濃度になるよう
に、有機酸銀のアミン錯体等の分解性銀溶液および硫酸
セシウム溶液で含浸処理を行なうことの構成要件を欠い
ても本発明の効果を達成することはできない。
【0059】本発明の銀化合物溶液は、分解性銀塩の水
溶液域いは有機溶媒溶液、例えば硝酸銀水溶液、無機酸
銀、有機酸銀のアンモニア錯体、域いは有機酸銀のアミ
ン錯体、乳酸銀水溶液等を前記のごとき担体に含浸する
方法が採用される。
【0060】本発明の銀触媒の銀は触媒に対し5〜25
重量%好ましくは5〜20重量%を微粒状に担体内外表
面に析出させることができる。
【0061】本発明の外表面上および担体の気孔の表面
上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ担体に
セシウムを担持した担体に銀とセシウムとを析出担持す
る際に使用する硫酸セシウムは水に溶解させて使用する
ことが好ましいが、メタノール、エタノール等の低級ア
ルコールに溶解させて使用することができる。硫酸セシ
ウムはセシウムが完成触媒1キログラムあたり0.00
1〜0.05グラム当量、特に0.006グラム当量を
越え、かつ、0.03グラム当量以下の範囲内を銀溶液
に加えて銀と同時に析出させる。
【0062】本発明のα−アルミナ担体を用いた銀触媒
の調製方法としては、たとえばエチレンを分子状酸素に
より気相接触酸化してエチレンオキシドを製造する際に
使用する銀触媒において、α―アルミナ担体にコロイド
状シリカを含有する水溶液を含浸し、ついで加熱乾燥し
、さらに焼成して得られた担体の外表面上および担体の
気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アル
ミナ担体に、セシウムが担体1キログラム当り0.00
01〜0.045グラム当量重量の濃度になるように、
硝酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで100〜
300℃で加熱乾燥し、含有酸素濃度が3容量%以下の
不活性ガス中で400〜1200℃の範囲で高温加熱処
理した後、この担体に完成触媒当り5〜25重量%の金
属銀微粒子およびセシウムが完成触媒1キログラム当り
0.001〜0.05グラム当量重量の濃度になるよう
に、有機酸銀のアミン錯体等の分解性銀溶液および硫酸
セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで100〜30
0℃に加熱し、還元、あるいは熱分解して得られるエチ
レンオキシド製造用銀触媒の製造方法等を採用すること
ができる。
【0063】本発明の銀触媒を使用してエチレンを分子
状酸素により酸化して酸化エチレンを製造する方法にお
いて採用できる反応条件は、これまで当分野で知られて
いる全ての条件が採用できるが、工業的製造規模におけ
る一般的な条件、すなわち原料ガス組成としてエチレン
0.5〜40容量%、酸素3〜10容量%、炭酸ガス5
〜30容量%、残部が窒素、アルゴン、水蒸気等の不活
性ガスおよびメタン、エタン等の低級炭化水素類さらに
また反応抑制剤としての二塩化エチレン、塩化ジフェニ
ル等のハロゲン化物、空間速度1000〜30000h
r−1(STP)、圧力2〜40Kg/cm2 G等が
好適に採用できる。
【0064】
【実施例】以下さらに具体的にするために実施例および
比較例をあげて詳細に説明するが、本発明はその主旨に
反しない限りこれらの実施例に限定されるものではない
。なお、実施例および比較例に記載する変化率および選
択率は次式により算出されたものである。
【0065】 変化率(%)=反応したエチレンのモル数Χ100/原
料ガス中のエチレンのモル数 選択率(%)=エチレンオキシドに変化したエチレンの
モル数Χ100/反応したエチレンのモル数[担体Aの
製造方法] BET比表面積0.89m2 /g、見掛気孔率52.
8%、比気孔容積0.28cc/g、Al2 O3  
 (98.9重量%)担体(ノートン社製担体SA−5
102)に、粒径2〜50ミリミクロンのコロイド状シ
リカを担体含水量分の水に分散した液を含浸し、加熱濃
縮乾燥後、1000℃で4時間焼成し、得られたBET
比表面積0.89ml/g、見掛気孔率52.8%、細
孔容積0.28cc/g、Al2 O3 (98.9重
量%)の気孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆された
α―アルミナ担体をα―アルミナ担体Aとした。
【0066】担体Aに担持した非晶質シリカ量は以下の
方法による測定によれば、5×10−3  Si  g
/g担体であった。
【0067】「得られたα―アルミナ担体Aの担体の外
表面上および担体の気孔の表面上の非晶質シリカの量の
測定方法]10gの担体を8〜10メッシュにくだき4
6重量%フッ化水素酸水溶液20mlに1時間浸した後
、濾過を行ない溶液中のSiイオンを原子吸光分析器で
測定して求めた。
【0068】実施例1 硝酸セシウム14.2gを水1200mlに溶解した液
を、予め約100℃に加熱したα−アルミナ担体Aの4
000mlに含浸後、加熱濃縮乾燥し、さらに、空気浴
中120℃で3時間加熱した。この担体を外部から不活
性ガスを導入できるステンレス製密閉容器に充填し、窒
素ガスを送り込みながら電気炉中で担体層温度700℃
で3時間高温加熱処理した。(これをα−アルミナ担体
Bとした。)  次いでシュウ酸銀830gを200m
lと泥状にしておき、これにエタノールアミン700m
lを加え良く撹拌して溶解した。さらに水100mlと
9.9gの硫酸セシウムを水200mlに溶解した液を
加えて良く撹拌して、含浸溶液を調整した。
【0069】この含浸溶液を予め100℃に加熱したα
−アルミナ担体Bの4000mlに含浸し、加熱濃縮乾
燥に続き、空気浴中120℃で3時間加熱した後、空気
気流中で48時間280℃で賦活化して完成触媒とした
【0070】[α−アルミナ担体Bの全セシウムの量の
測定方法]α−アルミナ担体Bの約20gを粉末にし、
(20Kg/cm2 で)圧縮してテストシートにした
。 セシウム濃度既知の触媒を同様に処理し標準とした。テ
ストシートを、蛍光X線分光分析装置で標準サンプルの
記録データのより得られた計算グラフを使って評価した
。その結果0.26重量%のセシウムが測定された。 この量は19×10−3グラム当量/Kg触媒と計算さ
れた。
【0071】[完成触媒の全セシウムの量の測定方法]
サンプルの約20gを粉末にし、(20Kg/cm2 
で)圧縮してテストシートにした。セシウム濃度既知の
触媒を同様に処理し標準とした。テストシートを、蛍光
X線分光分析装置で標準サンプルの記録データのより得
られた計算グラフを使って評価した。その結果0.26
重量%のセシウムが測定された。
【0072】この量は19×10−3グラム当量/Kg
触媒と計算された。
【0073】得られた完成触媒を内径25mm、管長1
000mmの外部が加熱型の二重管式ステンレス製反応
器に充填し、その充填層にエチレン20容量%、酸素7
容量%、炭酸ガス7容量%、残余がメタン、窒素、アル
ゴン、エタンからなり、さらに二塩化エチレン1ppm
からなる混合ガスを導入し、反応圧力25Kg/cm2
 G、空間速度5500Hr−1、熱媒温度240℃ま
で昇温し反応を行った。その結果および1年後の結果を
表1に示す。
【0074】実施例2〜3 実施例1において高温加熱処理を表1に示す条件にした
以外は実施例1と同様な方法で行なった。その10日後
の結果および1年後の結果を表1に示す。
【0075】実施例4〜5 実施例1において硝酸セシウムとして表1に示すα−ア
ルミナ担体Bの全セシウムの量を用いる以外は実施例1
と同様な方法で行なった。その10日後の結果および1
年後の結果を表1に示す。
【0076】実施例6 実施例1において硝酸セシウムと硫酸セシウムが表1に
示すα−アルミナ担体Bの全セシウムの量および完成触
媒の全セシウムの量を用いる以外は実施例1と同様な方
法で行なった。その10日後の結果および1年後の結果
を表1に示す。実施例7 実施例1において硫酸セシウムとして表1に示す完成触
媒の全セシウムの量を用いる以外は実施例1と同様な方
法で行なった。その10日後の結果および1年後の結果
を表1に示す。
【0077】実施例8〜9 実施例1において担体表面の非晶質シリカの量を表1に
示す量を用いる以外は実施例1と同様な方法で行なった
。その10日後の結果および1年後の結果を表1に示す
【0078】比較例1〜2 実施例1において高温加熱処理を表1に示す条件にした
以外は実施例1と同様な方法で行なった。その10日後
の結果を表2に示す。
【0079】比較例3 シュウ酸銀830gを200mlと泥状にしておき、こ
れにエタノールアミン700mlを加え良く撹拌して溶
解した。さらに水100mlと9.9gの硫酸セシウム
を水200mlに溶解した液を加えて良く撹拌して、含
浸溶液を調整した。
【0080】この含浸溶液を予め100℃に加熱したα
−アルミナ担体Aの4000mlに含浸し、加熱濃縮乾
燥に続き、空気浴中120℃で3時間加熱した後、空気
気流中で48時間280℃で賦活化して完成触媒とした
【0081】実施例1と同様な方法で行なった10日後
の結果および1年後の結果を表2に示す。
【0082】比較例4〜5 実施例1において硝酸セシウムとして表1に示すα−ア
ルミナ担体Bの全セシウムの量を用いる以外は実施例1
と同様な方法で行なった。その10日後の結果および1
年後の結果を表2に示す。
【0083】比較例6 実施例1において硝酸セシウムと硫酸セシウムが表1に
示すα−アルミナ担体Bの全セシウムの量および完成触
媒の全セシウムの量を用いる以外は実施例1と同様な方
法で行なった。その10日後の結果および1年後の結果
を表2に示す。 比較例7 実施例1において硫酸セシウムとして表1に示す完成触
媒の全セシウムの量を用いる以外は実施例1と同様な方
法で行なった。その10日後の結果および1年後の結果
を表2に示す。
【0084】比較例8 実施例1において担体としてノートン社製担体SA−5
102をそのまま用いる以外は実施例1と同様な方法で
行なった。その10日後の結果を表2に示す。 比較例9 シュウ酸銀830gを200mlと泥状にしておき、こ
れにエタノールアミン700mlを加え良く撹拌して溶
解した。さらに水100mlと9.9gの硫酸セシウム
を水200mlに溶解した液を加えて良く撹拌して、含
浸溶液を調整した。
【0085】この含浸溶液を予め100℃に加熱したノ
ートン社製担体SA−5102の4000mlに含浸し
、加熱濃縮乾燥に続き、空気浴中120℃で3時間加熱
した後、空気気流中で48時間280℃で賦活化して完
成触媒とした。
【0086】実施例1と同様な方法で行なった10日後
の結果および1年後の結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明はα―アルミナ担体にコロイド状
シリカを含有する水溶液を含浸し、ついで加熱乾燥し、
さらに焼成して得られた担体の外表面上および担体の気
孔の表面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミ
ナ担体に、セシウムが担体1キログラム当り0.000
1〜0.045グラム当量重量の濃度になるように、硝
酸セシウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥し、含
有酸素濃度が3容量%以下の不活性ガス中で400〜1
200℃の範囲で高温加熱処理した後、担体に完成触媒
当り5〜25重量%の金属銀微粒子およびセシウムが完
成触媒1キログラム当り0.001〜0.05グラム当
量重量の濃度になるように、銀化合物溶液および硫酸セ
シウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥、賦活化処
理して、銀とセシウムとを担体に析出担持したことによ
り高選択性および高活性を長期間に渡って維持できる効
果をもった新規なエチレンオキシド製造用銀触媒が得ら
れるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  α―アルミナ担体にコロイド状シリカ
    を含有する水溶液を含浸し、ついで加熱乾燥し、さらに
    焼成して得られた担体の外表面上および担体の気孔の表
    面上が非晶質シリカの層で被覆されたα―アルミナ担体
    に、セシウムが担体1キログラム当り0.0001〜0
    .045グラム当量重量の濃度になるように、硝酸セシ
    ウム溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥し、含有酸素
    濃度が3容量%以下の不活性ガス中で400〜1200
    ℃の範囲で高温加熱処理した後、担体に完成触媒当り5
    〜25重量%の金属銀微粒子およびセシウムが完成触媒
    1キログラム当り0.001〜0.05グラム当量重量
    の濃度になるように、銀化合物溶液および硫酸セシウム
    溶液で含浸処理を行ない、ついで乾燥、賦活化処理して
    、銀とセシウムとを担体に析出担持したことを特徴とす
    るエチレンオキシド製造用銀触媒。
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