JP3923289B2 - 酸化エチレン製造用触媒の担体、その担体を用いた酸化エチレンの製造用触媒及び酸化エチレンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化エチレン製造用触媒の調製に用いる担体、該担体に銀触媒を担持してなる酸化エチレン製造用触媒および該触媒を用いた酸化エチレンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンを気相で酸化する触媒は、それに用いられる担体について従来から数多くの文献が紹介されている。例えば、ナトリウム含有量を低く抑えたα−アルミナにムライト、コロイダルシリカなどを添加し得られる担体は、比表面積が高く、均一な細孔分布を有する担体であり、耐摩耗性の高いものであることが記載されている(特開昭57−171435号)。またアルミニウム化合物と第IA族の金属塩とを混合し焼成することで不純物の少ない担体を得ることができることが記載され、この担体を用いた触媒は安定に優れることが記載されている(特開昭62−4444号)。また担体のα−アルミナに第4、第5又は6周期元素を含む担体の開示があり、この担体を用いた触媒は高選択性、高寿命であることの記載がある(特開平4−363139号)。高純度α−アルミナ、アルカリ土類酸化物、珪素酸化物及び酸化ジルコニウムを含む担体が開示されている。この担体を用いた触媒は高初期選択率、長期寿命である(特開平6−47278号)。また、担体表面に段差構造を付与されている、または段差構造を有する担体は、熱安定性が高くなると記載されており、その手段として酸で処理した後、水洗除去する方法が開示されている(特開昭62−168547号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り酸化エチレン製造用触媒の担体についてはいろいろな提案がされているが、未だ十分に満足すべきレベルに達しているとは言えず、触媒性能改善のための努力が継続して行われている状況に有る。本発明の目的は、他の触媒に比較してすぐれた活性と高い選択性を有し、さらには長寿命の触媒を提供することにある。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は、生成物である酸化エチレンの異性化活性点と考えられている担体表面上のダングリングボンドの効果を弱める為に、請求項に記載のフッ酸処理とそれに続く焼成を施した担体に触媒成分を担持した触媒を用いることで、上記課題を解決しうる触媒を調製することができるものである。以下、本発明の担体および触媒について詳細に記載する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアルミナ成形体に用いられるアルミナはそれ自体には特に制限はなく、例えば溶融アルミナなどの一般にアルミナとして用いられているものであれば使用することができるが、バイヤー法焼成によるアルカリ含有率の低いα−アルミナが好ましい。バイヤー法焼成によるα−アルミナにはその製法上の理由からアルカリ金属特にNaが含有されるが、そのうちアルカリ含有率の低いα−アルミナが好適に用いられ、アルカリ含有率が通常は70mmol/kg−粉体以下がよく、好ましくは1〜70mmol/kg−粉体であるものがよく、より好ましくは3〜50mmol/kg−粉体、更に好ましくは5〜30mmol/kg−粉体の範囲にあるものが好ましい。
担体の物性を制御するために、α−アルミナ結晶径は0.1〜20μmのものが好ましく、またα−アルミナ粉体の平均粒子径は2〜100μm、好ましくは51〜90μmのものが好適であり、またα−アルミナ粉体のBET表面積は1〜4m 2 /gのものが好ましく、またα−アルミナ粉体の線収縮率が12〜20%であるものが好ましい。本願で用いられる線収縮率とはα結晶の大きさまで粉砕した試料を1t/cm 2 の圧力で成形し、1700℃で2時間焼成したときの線収縮率を意味する。完成担体中のα−アルミナ含有量は80wt%以上あるものが好適で、好ましくは90wt%以上、より好ましくは95wt%以上、さらに好ましくは97wt%以上となるように調製されることが好ましい。
アルミナ成形体を調製する際に、主原料として用いられるアルミナに対し、さらにアルミニウム化合物を加えるのが好ましく、これらにはアルミニウム水和物、β−アルミナ、γ−アルミナなどの使用が可能であるが特に制限はなく、天然鉱物、合成化合物のいずれでもよい。形状も粉体、粒状、ゾル、溶液いずれも使用され、用いられる化合物は一種でも混合物でもよい。また、アルミナ成形体を調製する際に、主原料として用いられるアルミナに対し、珪素化合物を加えることも好ましく、これらには、シリカ、シリカ−アルミナ、長石、粘土、窒化珪素、炭化珪素、シラン、アルミノ珪酸塩(を含む珪酸塩類)などが挙げられるが、含珪素化合物であれば特に制限はなく、天然鉱物、合成化合物のいずれでもよい。形状も粉体、粒状、ゾル、溶液いずれも使用され、用いられる化合物は一種でも混合物でもよい。完成担体中の珪素化合物含有量は、珪素換算で2mol/kg−担体以下がよく、好ましくは0.01〜2mol/kg−担体、より好ましくは0.1〜1mol/kg−担体、さらに好ましくは0.1〜0.5mol/kg−担体となるように調製されることが好ましい。
また、アルミナ成形体を調製する際に、主原料として用いられるアルミナに対し、アルカリ金属化合物を加えることも好ましく、これらには、金属種としてはLi、Na、K、Rb、Csの少なくとも1種を含むものがよいが、Na、K、Rbが好適である。また、その形態としては、塩、酸化物、水酸化物いずれの形態でもよいが、塩の形態ではアニオン種の存在のため、担体焼成時に不所望の融剤効果を示すことによって物性の制御が困難になり、あるいは担体焼成後も不純物として残存し性能に悪影響を及ぼす場合があり、使用にあたっては、酸化物、水酸化物、あるいは塩の中でも比較的低温で酸化物の形態をとる有機酸塩などが好適である。
また、完成担体中のアルカリ金属化合物含有量はアルカリ金属換算で0.02〜2mol/kg−担体、好ましくは0.03〜0.5mol/kg−担体、さらに好ましくは0.05〜0.3mol/kg−担体となるように調製されることが好ましい。完成担体中には、アルカリ金属と珪素の原子比(アルカリ金属/Si)が0.001〜1となるのが好適で、好ましくは0.01〜0.5、さらに好ましくは、0.05〜0.2がよい。また、担体調製時には、一般的に有機結合剤が用いられるが、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチなどの通常のセラミックスあるいは担体の結合剤として使用できるものであれば良いが、好ましくはメチルセルロース、コーンスターチなどの焼成後の灰分の少ないものが好適である。
以下に担体及び触媒調製方法の好ましい条件を記載するが、本発明の効果を有する限り下記の記載の方法に限定されるものではない。(1)市販のアルミナ成形体(触媒学会参照触媒等)又はα−アルミナ担体を焼成したものを、フッ酸で処理した後、再度焼成して担体を得る方法、(2)α−アルミナ、アルミニウム化合物、珪素化合物、アルカリ金属化合物、及び有機結合剤を同時に混合し、乾燥したアルミナ成形体を焼成したものを、フッ酸で処理した後、再度焼成して担体を得る方法、(3)α−アルミナと有機結合剤を混合し、乾燥した後にアルミニウム化合物、珪素化合物、アルカリ金属化合物を混合し、乾燥したアルミナ成形体を焼成したものを、フッ酸で処理した後、再度焼成して担体を得る方法、(4)α−アルミナ、アルミニウム化合物、珪素化合物、有機結合剤を同時に混合し乾燥、さらにアルカリ金属を混合したアルミナ成形体を焼成したものを、フッ酸で処理した後、再度焼成して担体を得る方法、(5)α−アルミナ、アルカリ金属及び有機結合剤を混合してから乾燥し、さらにアルミニウム化合物、珪素化合物を同時に混合してから乾燥したアルミナ成形体を焼成したものを、フッ酸で処理した後、再度焼成して担体を得る方法がある。α−アルミナ、アルミニウム化合物、珪素化合物、アルカリ金属化合物を混合し、この際に有機結合剤および桃、杏、クルミなどの殻、種子などを均一粒径に揃えたもの、あるいは粒子径が均一で焼成により消失する物質等を気孔形成剤として同時に混合してもよい。これら混合物の成形は湿式でも乾式でもよいが、通常湿式の押し出し成形法で行うことができる。
本発明に用いる乾燥温度は80℃〜900℃、焼成温度は700℃〜2000℃であることが好ましく、より好ましくは1200〜1800℃、さらに好ましくは1250〜1700℃である。完成担体は、低アルカリα−アルミナを主骨材として、適宜、珪素化合物、アルミニウム化合物とアルカリ金属化合物からなる。その物性は、比表面積が0.03〜10m 2 /gであり、好ましくは0.1〜5m 2 /gであり、さらに好ましくは0.3〜2m 2 /gである。比表面積が低すぎると触媒成分の良好な分散担持が困難になり性能が低下し、逆に比表面積が高すぎると細孔径が小さくなり生成物である酸化エチレンの逐次酸化が促進される。
吸水率は10〜70%、好ましくは20〜60%であり、さらに好ましくは30〜50%である。吸水率は低すぎると触媒成分の担持が困難になり、逆に吸水率が高すぎると十分な強度が得られない。平均細孔径は0.1〜5μmが好適で、好ましくは0.2〜3μm、さらに好ましくは0.3〜2μmである。気孔率は40〜80%が好適で、さらに好ましくは50〜70%である。気孔率は低すぎると担体比重が過度に重くなり、逆に気孔率が高すぎると十分な強度が得られない。平均細孔径は大きすぎると活性が低下し、逆に平均細孔径が小さすぎるとガスの滞留により生成物である酸化エチレンの逐次酸化が促進される。フッ酸処理は、フッ酸溶液に担体を沈めた後、気泡が発生しなくなるまでデシケータ中で5.3kPa以下に減圧する。その後0.1MPaに戻して室温で65時間浸漬したのち、溶液部分を除去し、ウォーターバス上(約80℃)で乾燥するのが好適であり、浸漬後の水洗はしない方が特に好ましいが、水洗することも可能である。
フッ酸処理に用いられるフッ酸の濃度は、好適には0.1〜15%、特に3〜10%で用いられる。フッ酸濃度は、使用する該担体に含まれる珪素、アルカリ元素、アルカリ土類元素の含有率に応じて増減させることが出来る。その濃度が低過ぎる場合は、生成物である酸化エチレンの異性化活性点と考えられている担体表面上のダングリングボンドの効果を弱める効果が充分達成されない。
濃度が高過ぎる場合には、性能が低下する。これは過剰のフッ素成分がAl、Si、Na、Ca、Mgなどと化合し、焼成後に強い固体酸、及び/又は固体塩基となって作用し、新たな異性化活性点を発現することが一因と考えられる。フッ酸で処理した後の焼成は、1000〜2000℃の温度が好適に用いられ、好ましくは1200〜1800℃、さらに好ましくは1400〜1700℃が用いられる。
また、エチレン酸化用触媒の原料及び調製方法は、通常使用されるものであれば特に限定されるものではないが、本発明を詳細に説明するために好ましい例を下記に示し説明する。触媒成分は主として銀であり、その銀源は、硝酸銀、炭酸銀、蓚酸銀、酢酸銀、プロピオン酸銀、乳酸銀、クエン酸銀、ネオデカン酸銀などが挙げられるが、特に制限はない。これらの銀源は単独で水溶液で用いたり、錯化剤を用いて錯体溶液として用いたりでき、後者の場合の錯化剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどが挙げられるが特に制限はない。また銀の含有量は、銀換算で完成担体に対して1重量%〜30重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。銀の含有量が少なすぎる場合は単位あたりの触媒銀の負荷量が増大するため触媒の劣化が著しくなり、また多すぎる場合は使用する銀の原単位が増えるため触媒製造コストが高くなり好ましくない。
【0006】
触媒の反応促進剤は、通常は完成担体を用いて触媒調製時に添加され、その反応促進剤としては、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、タリウム、レニウム、硫黄、クロム、モリブデン、タングステンなどが使用でき、これらを単独でも、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0007】
触媒の調製は、上記の方法により調製した担体に触媒成分を含む溶液を含浸させた後、乾燥、焼成することにより行われる。乾燥は、空気、酸素、水素又は窒素雰囲気中で80〜120℃の温度で行なうのが好ましい。焼成は空気、酸素、水素又は窒素雰囲気中で150℃〜600℃の温度で行なうのが好ましく、焼成は1段階あるいは2段階以上で行ってもよい。
【0008】
本発明のエチレンを気相酸化して酸化エチレンを製造する方法は、触媒として上記記載の酸化エチレン製造用触媒を用いる点を除けば、従来から一般に用いられている方法によって行なうことができる。
【0009】
具体的には、例えば、エチレン0.5〜40容量%、酸素3〜10容量%、炭酸ガス5〜30容量%、残部がヘリウム、窒素、アルゴン、水蒸気などの不活性ガス、メタン、エタン等の低級炭化水素類からなり、さらに反応抑制剤としての塩化ビニル、二塩化エチレン、塩化ジフェニルなどのハロゲン化物を含む原料ガスを300〜30000hr −1 (STP)、好ましくは1000〜8000hr −1 (STP)の空間速度、0.01〜5MPa、好ましくは0.01〜4MPaの圧力、160〜300℃、好ましくは180〜260℃の温度で上記の酸化エチレン製造用触媒に接触させることにより行うことができる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
球状アルミナ(触媒学会参照触媒リスト記号 JRC−ALO−5、水沢化学工業社製)を、100〜150μmに粉砕し、1600℃で6時間焼成した。これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1600℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(A)を得た。
【0011】
硝酸銀101重量部を水1.25Lに溶解し、蓚酸42重量部を水1.0Lに溶解して得た水溶液を滴下して蓚酸銀の白色沈殿を得た。この沈殿を硝酸溶液に2日間浸漬して、濾過後、蒸留水25Lにより洗浄した。一方、エチレンジアミン10.2重量部を水2820重量部に溶解させたアミン水溶液に、上記蓚酸銀沈殿19.2重量部を徐々に添加し、銀アンミン錯体水溶液を調製した。この銀アンミン錯体水溶液2850重量部と、0.073重量%の硝酸セシウム、及び0.065重量%の酸化レニウムを含む混合溶液27.4重量部を混合した後、担体(A)100重量部を添加し、含浸させて、さらに蒸発乾固した。含浸物を水素気流中、0.8℃/分の割合で昇温させて250℃まで加熱し、更に3時間水素還元し、触媒(A)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例2)
球状アルミナ(触媒学会参照触媒リスト記号 JRC−ALO−6、日揮ユニバーサル社製)を、250〜470μmに粉砕し、1600℃で6時間焼成した。これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1600℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(B)を得た。
【0012】
担体(A)の代りに、担体(B)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(B)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例3)
α−アルミナ造粒体ZM9X01(住友化学工業株式会社製、細孔容積0.0945cc/g、比表面積0.36m2/g、気孔率27.4%、平均細孔直径1.04μm)を、250〜470μmに粉砕し、700℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1400℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(C)を得た。
【0013】
担体(A)の代りに、担体(C)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(C)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例4)
α−アルミナ造粒体ZM9X01を、250〜470μmに粉砕し、700℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1600℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(D)を得た。
【0014】
担体(A)の代りに、担体(D)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(D)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例5)
α−アルミナ造粒体ZM9X01を1〜2mmに破砕し、1600℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、4%フッ酸で処理した後、再度1600℃で3時間焼成したのち、常温まで冷却して担体(E)を得た。
【0015】
担体(A)の代りに、担体(E)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(E)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例6)
α−アルミナ造粒体ZM9X01を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1500℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(F)を得た。
【0016】
担体(A)の代りに、担体(F)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(F)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例7)
α−アルミナ造粒体SA5252(ノートン社製)を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1500℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(G)を得た。
【0017】
担体(A)の代りに、担体(G)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(G)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例8)
α−アルミナ造粒体SA5502(ノートン社製)を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成し、これを常温まで冷却し、5%フッ酸で処理した後、再度1500℃で6時間焼成してから、再び常温まで冷却し、担体(H)を得た。
【0018】
担体(A)の代りに、担体(H)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(H)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例1)球状アルミナJRC−ALO−5を、100〜150μmに粉砕し、1600℃で6時間焼成後、常温まで冷却し、担体(I)を得た。
【0019】
担体(A)の代りに、担体(I)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(I)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例2)球状アルミナJRC−ALO−6を、250〜470μmに粉砕し、1600℃で6時間焼成後、常温まで冷却し、担体(J)を得た。
【0020】
担体(A)の代りに、担体(J)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(J)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例3)α−アルミナ造粒体ZM9X01を、250〜470μmに粉砕し、700℃で3時間焼成後、常温まで冷却し、担体(K)を得た。
【0021】
担体(A)の代りに、担体(K)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(K)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例4)
α−アルミナ造粒体ZM9X01を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成後、常温まで冷却し、担体(L)を得た。
【0022】
担体(A)の代りに、担体(L)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(L)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例5)
α−アルミナ造粒体SA5252(ノートン社製)を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成後、常温まで冷却し、担体(M)を得た。
【0023】
担体(A)の代りに、担体(M)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(M)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(比較例6)
α−アルミナ造粒体SA5502(ノートン社製)を、600〜850μmに粉砕し、1400℃で3時間焼成後、常温まで冷却し、担体(N)を得た。
【0024】
担体(A)の代りに、担体(N)を用いる以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、触媒(N)を得た。銀の担持量は12重量%であった。
(実施例9)
実施例1〜4、及び比較例1〜3で調製した触媒(A)〜(D)、及び(I)〜(K)を0.2〜1.0gずつ秤取し、それぞれ内径4mmのパイレックス(登録商標)ガラス製反応管に充填した。前処理として、250℃で10Nml/分の酸素ガス中で30分間、次いで12.4Nml/分の水素ガス中で30分間還元した。引き続き反応圧力0.1MPa、エチレン30vol%、酸素8vol%、ヘリウムをバラストガスとする原料ガス26.0Nml/分を反応管に流通させて反応させた。反応温度は触媒層の平均温度で制御し、160〜230℃であった。その結果を表1〜3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
(実施例10)
実施例5で調製した触媒(E)0.5gを用い、熱電対挿入用の内径4mmのガラス管を中央に取り付けた内径12mmのパイレックス(登録商標)ガラス製反応管に充填した。実施例9と同様に前処理として、250℃で10Nml/分の酸素ガス中で10分間、次いで12.4Nml/分の水素ガス中で2時間還元した。引き続き反応圧力0.1MPa、エチレン38vol%、酸素8vol%、ヘリウムをバラストガスとする原料ガス25.0Nml/分を反応管に流通させ、空間速度455時間−1で、反応させた。反応温度は触媒層の平均温度で制御し、180〜220℃であった。その結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
(実施例11)
実施例6、及び比較例4で調製した触媒(F)、及び(L)をそれぞれ0.2〜0.5g秤取し、それぞれ内径4mmのパイレックス(登録商標)ガラス製反応管に充填して、実施例9と同様の前処理を行った。引き続き反応圧力0.1MPa、エチレン24.3vol%、酸素6.7vol%、ヘリウムをバラストガスとする原料ガス26.0Nml/分を反応管に流通させて反応させた。反応温度は199〜220℃であった。その結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
(実施例12)
実施例6〜8、及び比較例4〜6で調製した触媒(F)〜(H)、及び(L)〜(N)を1.2gずつ秤取し、それぞれ内径3mm、管長600mmのステンレス鋼製の反応管に充填し、これに下記条件下にてエチレンの気相酸化を行った。エチレン転化率が原料ガスに対し1%の場合の酸化エチレン選択率および触媒層の反応温度を表6に示した。
<反応条件>
空間速度:11000hr-1
反応圧力:2.1MPa
原料ガス: エチレン20vol%、酸素7.5vol%、二酸化炭素6vol%、メタン50vol%、アルゴン14vol%、窒素2.2vol%、エタン0.3vol%、エチレンジクロライド3ppm
【0033】
【表6】
Claims (7)
- アルミナを主成分とする成形体を700〜2000℃で熱処理した後、フッ酸で処理し、さらに1000〜2000℃で焼成して得られることを特徴とする酸化エチレン製造用触媒の担体。
- 該フッ酸処理を0.1〜15%のフッ酸で施し、フッ酸処理後の焼成を1000〜2000℃の温度範囲で行なうことを特徴とする請求項1に記載の担体。
- 該フッ酸処理後の焼成は1200〜1800℃である請求項1または2に記載の担体。
- 該フッ酸処理を3〜10%のフッ酸で施されてなる請求項1〜3のいずれか一つに記載の担体。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載した担体に銀を含む触媒成分を担持してなる酸化エチレン製造用触媒。
- 該担体に対する銀の担持量が1〜30重量%である請求項5に記載の酸化エチレン製造用触媒。
- 請求項5または6に記載の触媒の存在下にエチレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化することを特徴とする酸化エチレン製造方法。
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