JP2000044331A - α―アルミナ触媒担体、その製造方法、該触媒担体を用いた触媒 - Google Patents

α―アルミナ触媒担体、その製造方法、該触媒担体を用いた触媒

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JP2000044331A JP11141402A JP14140299A JP2000044331A JP 2000044331 A JP2000044331 A JP 2000044331A JP 11141402 A JP11141402 A JP 11141402A JP 14140299 A JP14140299 A JP 14140299A JP 2000044331 A JP2000044331 A JP 2000044331A
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alumina
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Akemi Shobu
明己 菖蒲
Yoshio Uchida
義男 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた部分酸化用α−アルミナ触媒担体、その
製造方法および該触媒担体を用いた触媒を提供する。 【解決手段】(1)平均細孔直径が0.3μm〜4.0
μmであり、かつ細孔容積が0.01cc/g〜15c
c/gであるα-アルミナ成形体よりなる触媒担体。 (2)銀、銀にセシウム、レニウムの1種以上を触媒成
分として上記(1)の触媒担体に担持された触媒。 (3)8面以上の多面体の形状を有し、平均粒子径が2
μm〜20μmであり、平均粒子径をD50としたと
き、1/2・D50〜2・D50の割合が90重量%以
上であるα−アルミナ粒子を原料として、水、並びに/
又は、高分子結合材及び/若しくは無機系結合材を混合
して成形後、生成形体となし、該生成形体を、必要に応
じ、乾燥または1000〜1800℃の範囲で加熱して
得られるα−アルミナ成形体である上記(1)の触媒担
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の平均細孔直
径を有し、かつ特定量の細孔容積をもつα−アルミナ触
媒担体、その製造方法、該触媒担体を用いた触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、部分酸化用触媒担体として溶融ア
ルミナを主骨材とし、これに無機結合剤を配合してなる
ものが使用されている。しかし、この担体は原料溶融ア
ルミナの大きさ、形状が不均一であるために、細孔分布
が不均一で、かつ細孔直径が0.001μm〜500μ
mと広範囲になり、反応の転化率(仕込み原料に対する
変化した原料の体積百分率で表わされる)が低くとどま
り、また、細孔分布が広いことによって、銀触媒の担持
状態が不均一となり、結果として、選択率(反応生成中
の目的生成物の体積百分率で表される)が低く、必ずし
も十分とはいえず、さらに優れた触媒の開発が要望され
ている。
【0003】最近の技術改善の方向は、高い転化率およ
び、より高い選択率を与える触媒担体の開発に向けられ
ている。他方、仮焼α−アルミナ粉末等を主骨材とし、
これに無機充填剤を配合して成る、比較的表面積の高い
触媒担体が提案されている。この仮焼α−アルミナより
なる部分酸化用触媒担体の多くは、主骨材として焼成ア
ルミナ粉末を使用し、無機結合剤としてシリカ−アルミ
ナよりなるムライト質、あるいはこれに相当するもの
が、該アルミナ粉末と無機結合剤の合計量中10〜30
重量%の範囲で添加されている。この担体は無機結合剤
を多量に含んでいるため、アルミナ粉末粒子よりなる構
成部分と無機結合剤よりなる構成部分とに大きく別れる
ため、細孔分布が0.01μm〜100μmと広く不均
一となり、その結果として、反応の転化率および選択率
が低下するという不都合を招く欠点がある。
【0004】従来、一般に転化率を向上させるには、担
体の比表面積を大きくすることにより、活性を高めるこ
とで対応されている。すなわち、実際の反応は、転化率
が標準値に達するまで温度を上げる方法で実施されるた
め、活性を高めることにより反応開始温度を低くでき、
低い反応温度ゾーンから反応が遂行されるため、好まし
くない副生成物の生成を抑制するという効果を発揮し、
それ故、選択率を改善することができる。一方、数パー
セントの向上で、極めて大きな付加価値を生み出す選択
率を向上させる方法にも、種々の議論があるが、担体が
不活性物質よりなり、その細孔の平均直径が反応に適す
る範囲内で、狭い範囲に限定された均一細孔分布を持つ
ことが重要視されているが、現実の触媒として、このよ
うな効果を発現させる担体として、どのような細孔直径
および細孔分布を有するものが適しているかは、いまだ
明らかではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の部分酸化用触媒担体の欠点を解消する優れた部分酸化
用α−アルミナ触媒担体、その製造方法および該触媒担
体を用いた触媒を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題につき鋭意研究を重ねた結果、8面以上の多面体の
形状を有し、特定の平均粒子径および粒径分布を有する
α−アルミナ粒子を原料として用いて得られるα−アル
ミナ成形体よりなる触媒担体を見出し、これに部分酸化
用の触媒を担持すると、優れた反応の転化率と選択率を
示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記の(1)〜
(7)に関する。 (1)平均細孔直径が0.3μm〜4.0μmであり、
かつ細孔容積が0.01cc/g〜15cc/gである
α−アルミナ成形体よりなることを特徴とする触媒担
体。 (2)α−アルミナ成形体の2μm以下の細孔直径の細
孔容積が全細孔容積の15%以上である上記(1)に記
載の触媒担体。 (3)部分酸化用である上記(1)に記載の触媒担体。 (4)エチレンオキサイド、無水マレイン酸、無水フタ
ル酸、ホルムアルデヒドまたはシクロヘキサノールを生
成する反応に有効な部分酸化用である上記(3)に記載
の触媒担体。 (5)銀、または銀にセシウム及びレニウムの1種以上
を触媒成分として上記(1)乃至(3)に記載の触媒担
体に担持された触媒。 (6)8面以上の多面体の形状を有し、平均粒子径が2
μm〜20μmであり、平均粒子径をD50としたと
き、1/2・D50〜2・D50の割合が90重量%以
上であるα−アルミナ粒子を原料として、水、並びに/
又は、高分子結合材及び/若しくは無機系結合材を混合
して成形後、生成形体となし、該生成形体を、必要に応
じ、乾燥または1000〜1800℃の範囲で加熱して
得られるα−アルミナ成形体である上記(1)に記載の
触媒担体の製造方法。 (7)エチレンを分子状酸素により接触気相酸化してエ
チレンオキサイドを製造するに当たり、触媒として上記
(5)に記載の触媒を用いることを特徴とするエチレン
からエチレンオキサイドを製造する方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明において、触媒担体となるα−アルミナ成
形体としては、平均細孔直径が0.3μm〜4.0μ
m、好ましくは0.3μm〜2.0μmであり、細孔容
積が0.01〜0.15cc/g、好ましくは0.04
cc/g〜0.15cc/gである。
【0009】本発明の触媒担体としては、平均細孔直径
が0.3μmより小さくなると選択率が低くなり、一
方、4.0μmより大きくなると転化率が低くなり好ま
しくない。また、細孔容積が0.01cc/gより少な
くなると転化率および選択率がともに低下し、一方、
0.15cc/gより多くなると転化率が劣るようにな
るので好ましくない。
【0010】本発明の触媒担体において、α−アルミナ
成形体は、通常2μm以下の細孔直径の細孔容積が全細
孔容積の15%以上、特に40%以上であることが、転
化率を高める点からは好ましい。
【0011】次に、本発明の担体の製造方法について説
明する。本発明の触媒担体は、原料α−アルミナ粒子
を、水、並びに/又は、高分子結合材及び/若しくは無
機系結合材を混合して、造粒、スプレー、押し出し等の
公知の方法にて成形後、球状、ペレット状、リング状等
の形状の生成形体となし、該生成形体を、必要に応じ、
乾燥または1000〜1800℃、好ましくは約120
0〜1700℃の温度範囲で加熱し、平均細孔直径およ
び細孔容積を上述した範囲に制御された成形体を製造す
ることができる。
【0012】水、または高分子結合材の水溶液のα−ア
ルミナ粒子に対する添加量は、特に制限するものではな
いが、通常、α−アルミナ粒子100重量部に対して、
0.1〜5重量部添加される。高分子結合材の濃度は、
通常、0.1〜20重量%の濃度で用いられる。また、
該α−アルミナ粒子に対する無機系結合材は、α−アル
ミナ粒子100重量部に対して、通常、0.1〜10重
量部添加される。焼成時間は用いる原料α−アルミナ粒
子の粒子径、結合剤の種類等により、所望の担体強度を
与えるように焼成温度との関連において決めればよい。
【0013】本発明において、原料α−アルミナ粒子と
しては、通常、8面以上の多面体の形状を有し、平均粒
子径2μm〜20μmであり、平均粒子径をD50とし
たとき、1/2・D50〜2・D50の割合が90重量
%以上であるα−アルミナ粒子が用いられる。平均粒子
径および粒子径分布が、上記の範囲を外れると、本発明
の触媒担体を規定する平均細孔直径および細孔容積を与
えることが困難となる。また、原料α−アルミナ粒子の
比表面積は1m2/g〜0.1m2/gの範囲、好適には
0.5m2/g〜0.2m2/gのものが有効である。
【0014】このようなα−アルミナ粒子としては、例
えば、商品名スミコランダム(住友化学工業株式会社
製)あるいは相当品を挙げられる。スミコランダム粒子
は、粒子の大部分が単結晶として存在し、均一な粒子
径、均一な粒子形状、均一な細孔直径を有している。ま
た、原料α−アルミナ粒子にはナトリウム等の他の成分
が常用の範囲で含有していてもかまわない。
【0015】本発明において、高分子結合材としては、
デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース等が挙げられ、無機結合材としては、アルミナ
ゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル等があげられる。
【0016】本発明の触媒担体は、当分野で常用の手段
で触媒を担持すれば、そのα−アルミナ成形体の細孔直
径および細孔容積のためと推測されるが、触媒成分が均
一に担持でき、結果として転化率および選択率を顕著に
高めることができることになる。本発明の触媒担体は、
各種の部分酸化用の触媒担体に適しており、エチレンか
らエチレンオキサイドを、ベンゼン、ブテン、クロトン
アルデヒド等から無水マレイン酸を、ナフタレンなどの
縮合環化合物等から無水フタル酸を、メタンからホルム
アルデヒドを、シクロヘキサンからシクロヘキサノール
を、等生成する反応に有効な部分酸化用等およびその他
の触媒合成反応に有効な触媒製造用の担体として有利に
利用でき、特に、エチレンを分子状酸素により接触気相
酸化してエチレンオキサイドを製造用の銀触媒系の触媒
としてに用いるに好適である。
【0017】本発明の触媒の触媒成分である銀を担持す
るために使用される銀化合物は、例えば、アミンと水性
溶媒中で可溶な錯体を形成し、そして500℃以下、好
ましくは300℃以下の温度で分解して銀を析出するも
のである。このような化合物の例としては、塩化銀、硫
酸銀、炭酸銀、および酢酸銀、シュウ酸銀などの各種カ
ルボン酸銀を挙げることができ、特に、シュウ酸銀が好
ましい。錯体形成剤としてのアミンは、上記銀化合物を
水性溶媒中で可溶化し得るものが用いられ、かかるアミ
ンとしては、例えば、アンモニア、1〜6個の炭素を有
するアミン類が挙げられる。中でもアンモニア、ブチル
アミン、エタノールアミンなどのモノアミン、エタノー
ルアミンなどのアルカノールアミン、エチレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミンなどのポリアミンが好ま
しい。特にエチレンジアミンおよび/または1,3−プ
ロパンジアミンの使用が最適である。
【0018】上記のごとき化合物をα−アルミナ触媒担
体に含浸する方法としては、次のような方法が採用でき
るがこれに限定されるものではない。すなわち、担体に
銀化合物を含浸するには、銀化合物をアミンとの水溶液
の形として用いることが最も現実的であるが、アルコー
ルなどを加えた水溶液としても用い得る。最終的には触
媒成分として1〜35重量%の銀が担持されるように、
含浸溶液中の銀濃度は選定される。含浸は通常の方法で
実施できる。必要であれば、減圧、加熱スプレー吹き付
けなどを併用することができる。アミンは銀化合物を錯
体化するに必要な量(通常アミン基2個が銀1原子に対
応する)で加えられる。通常、必要な量より0〜30重
量%過剰に加えるのがよい。
【0019】含浸後の熱処理は、銀が担体上に析出する
に必要な温度と時間を選定して実施される。担体上にで
きるだけ銀が均一に微細な粒子、例えば、0.05〜
0.8μmの粒子として存在するような条件を採用する
ことが最も好ましい。一般的に熱処理は高温、長時間と
なるほど析出した銀粒子の凝集を促進するの傾向がある
ので配慮すべきである。好ましい熱処理は130〜30
0℃の範囲で、加熱した空気または窒素などの不活性ガ
ス、または加熱水蒸気または反応ガス、酸素を含む還元
性混合ガス等を使用して行われる。
【0020】本発明の触媒は、α−アルミナからなる触
媒担体上に全触媒重量に基づき、銀が、1〜35重量
%、好ましくは3〜25重量%の量で担持される。担持
された銀は担持上で通常金属銀の形態にある。
【0021】本発明の触媒の製造に当たり、銀成分以外
の促進剤としてはカチオン成分、例えばアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩等、周期律表IB族、IIB族、
IIIB族、IVA族、IVB族、VA族、VB族、VIA族お
よびテルルの金属塩からなる群から選ばれた、少なくと
も1種の金属塩を用いることができる。
【0022】触媒成分としてのカチオン成分は、水性溶
媒中の可溶な化合物の形態で、可溶濃度以下で加えられ
るのが好ましいが、一部不溶な状態になっていてもかま
わない。このような化合物の例としては、硝酸塩、炭酸
塩、ハロゲン塩、水酸化物、亜硝酸塩、硫酸塩、などの
無機塩類、および例えば、ぎ酸塩などのカルボン酸塩が
挙げられる。促進剤として1000ppm以下、好まし
くは5ppm以上500ppm以下の塩素、臭素または
フッ素などのハロゲン塩が加えられることが好ましい。
カチオン成分は銀含浸溶液中に添加してもよくまた前含
浸でも含浸後でも構わない。
【0023】本発明の触媒は、全触媒重量に基づき触媒
成分としてのアルカリ金属は好ましくは10〜10、0
00ppm(アルカリ金属として)より好ましくは、50
〜5000ppmの量で含有する。アルカリ金属として
は例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウムなどのいずれでもよい。これらは1種また
は2種以上で用いられる。アルカリ金属がセシウムの場
合、特に50〜1000ppmが好ましい。添加は同時
含浸が好ましい。これらのものの一部または全部が塩化
物、臭化物または弗化物などのハロゲン化物、特に塩化
物の形で加えられるのがよい。アルカリ土類金属は例え
ばベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、のいずれでもよい。これらは一種また
は2種以上で担持されてもよい。触媒成分としてカチオ
ン成分を同時含浸以外の含浸で添加する場合には、12
0〜300℃の範囲で、窒素などの不活性気体、空気、
酸素、反応ガス、または適当な還元性雰囲気、例えば、
酸素を含む還元性混合ガス中で有機物を乾燥し担持する
のが好ましい。これによりカチオン成分は担体上に均一
に分散される。
【0024】他の金属塩としては、レニウム、モリブデ
ン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、トリ
ウム、ジルコニア、バナジウム、タリウム、タンタル、
ニオブ、ガリウムおよびゲルマニウムのような金属の塩
を挙げることができる。特にレニウムの塩が好ましく用
いられる。例えば、ハロゲン化レニウム、オキシハロゲ
ン化レニウム、レニウム酸塩、過レニウム酸塩が用いら
れる。金属塩は0〜3000ppm(金属として)より
好ましくは、50〜2000ppmの量で添加して用い
られる。添加は他の成分と同時含浸がより好ましいが、
別々に担持させることもできる。
【0025】本発明の触媒、特に、部分酸化触媒として
は、本発明の触媒担体に銀、セシウム、レニウムを触媒
成分として担持させた触媒が、特に好ましく用いられ
る。本発明の触媒は、触媒成分を担持した後の触媒の平
均細孔直径が0.03μm〜0.5μmであることが好
ましい。特に好ましくは0.05μm〜0.2μmの平
均細孔直径のものが用いられる。触媒の平均細孔直径が
0.05μmより小さくなると転化率および選択率が低
下し、一方、0.5μmより大きくなると転化率が低下
し、好ましくなくなる。
【0026】本発明の銀触媒系を用いて、エチレンを分
子状酸素により酸化して酸化エチレンを製造する方法に
おいて採用できる反応条件は、これまで当分野で知られ
ているすべての条件が採用できるが、工業的製造規模に
おける一般的な条件、すなわち原料ガス組成としてエチ
レン0.5〜40容量%、酸素3〜10容量%、炭酸ガ
ス5〜30容量%、残部が窒素、アルゴン、水蒸気等の
不活性ガスおよびメタン、エタン等の低級炭化水素類で
あり、さらに反応抑制剤として2塩化エチレン、塩化ジ
フェニル等のハロゲン化物を添加してもよい。空間速度
としては、1000〜30000/hr[SV(Sta
ndardVolume):毎時充填触媒1L(リット
ル)当たりに通過する標準温度および圧力におけるガス
のL流量数]、好ましくは、3000〜8000/hr
であり、また、圧力は2〜40kg/cm2、好ましく
は10〜35kg/cm3が好適に採用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。平均
細孔直径、細孔容積は水銀圧入法によって求めた値を示
す。
【0028】実施例1〜6および比較例1〜3 第1表に示すα−アルミナ粒子(住友化学工業株式会社
製 商品名スミコランダム)100重量部を皿型造粒機
に供給しながら、10重量%のポリビニルアルコール水
溶液を2重量部を噴霧により供給し、中心粒径3mmに
造粒し、110℃で乾燥して、次いで1600℃で2時
間焼成した。得られた担体の物性を第1表に示す。比較
として、スミコランダムに代えて、ノートン社製の触媒
担体SA5561を用いた担体を比較例1として第1表
に示した。
【0029】
【表1】
【0030】第1表より、本発明の触媒担体は細孔直径
の分布が狭く、部分酸化用触媒担体として有効であるこ
とが明らかである。
【0031】実施例7〜11および比較例4、5 硝酸銀101重量部を水1.25Lに溶解し、シュウ酸
42重量部を水1.0Lに溶解して得た水溶液を滴下し
てシュウ酸銀の白色沈殿を得た。この沈殿を硝酸溶液に
2日間浸漬して、ろ過後、蒸留水25Lにより沈殿を洗
浄した。一方、エチレンジアミン1.2重量部と1,3
−プロパンジアミン0.3重量部を水206重量部に溶
解させた混合アミン水溶液に2.8重量部の上記シュウ
酸銀沈殿を徐々に添加し銀アンミン錯体の水溶液を調製
した。
【0032】この銀アンミン錯体水溶液に実施例1の方
法で製造したα−アルミナ触媒担体100重量部を、銀
担持量が2重量%になるように添加し、1日含浸させて
蒸発乾固させた。含浸物を水素気流中50℃で24時間
還元し、次いで2.5℃/分の速度で昇温させて300
℃まで加熱し、3時間水素還元した。触媒成分としての
銀の担持量は2重量%であった。上記の方法で調製した
触媒を砕き、32〜60メッシュで篩別し整粒した。こ
の触媒0.2重量部を、内径3mmのガラス製反応管に
充填した。前処理として4ml/分の酸素気流中、25
0℃で30分加熱し、次いで12.4ml/分の水素気
流中250℃で30分間還元した。次いで反応温度16
0℃〜190℃の温度において反応ガスとしてエチレン
12体積%、酸素3体積%、ヘリウム85体積%を、
1.1kg/cm2Gの加圧下、1回のパルス量0.1
92ml[STP(Standard Tempera
ture and Pressure)で通過させて反
応を行った。その結果を第2表に示す。
【0033】
【表2】
【0034】以上の結果から、本発明のα−アルミナか
らなる触媒担体を用いて製造した触媒はエチレンからエ
チレンオキサイドへの反応を有効に促進することが明ら
かである。また工業的に有利に用いられているSA55
61に比較してもかなり優れた結果を与えていることが
わかる。
【0035】実施例12〜14および比較例6 エチレンジアミン10.2重量部を水2820重量部に
溶解させたアミン水溶液に、実施例6〜10と同様に作
製したシュウ酸銀19.2重量部を徐々に添加し、銀ア
ンミン錯体水溶液を調製した。この銀アミン錯体水溶液
2850重量部と、0.073重量%の硝酸セシウムお
よび、0.065重量%の酸化レニウムを含む混合溶液
27.4重量部を混合した後、実施例1の方法で製造し
たα−アルミナ触媒担体100重量部を添加し含浸させ
て蒸発乾固した。含浸物を水素気流中、0.8℃/分の
割合で昇温させて250℃まで加熱し、更に3時間水素
還元した。触媒成分としての銀の担持量は12重量%で
あった。上記の方法で調製した触媒を砕き32〜60メ
ッシュで篩別し整粒した。この触媒0.2重量部を内径
3mmのガラス製反応管に充填した。前処理として4m
l/分の酸素気流中、250℃で30分加熱し、次いで
12.4ml/分の水素気流中250℃で30分間還元
した。次いで反応温度160℃〜220℃の温度におい
て反応ガスとしてエチレン3体積%、酸素20体積%、
ヘリウム77体積%を1.1kg/cm2Gの加圧下、
1回のパルス量0.192ml[STP(前記と同
じ)]で通過させて反応を行った。その結果を第3表に
示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例15〜17および比較例7〜9 より実際の使用状況に近い固定床流通反応での特性を評
価した。実施例1の方法で製造したα―アルミナ担体を
砕き、9〜16メッシュで篩別し、整粒した。これに、
実施例12−14と同じ方法でセシウム、レニウムで助
触した銀触媒を調製した。銀の担持量は12重量%であ
った。この触媒の8.5g(実施例15〜17)または
9.0g(比較例7〜9)を、外径4mmの熱電対挿入
管を中央に備えた内径12mmのパイレックスガラス製
反応管に充填した。前処理として250℃で0.6L/
hの酸素ガス中で0.2時間、次いで0.7L/hの水
素ガス中で2時間還元した。引き続き反応圧力1気圧、
エチレン0.45L/h、酸素0.12L/h、ヘリウ
ム0.93L/hからなる原料ガス1.5L/hを反応
管に流通させて反応させた。反応温度は触媒層の平均温
度で制御し、160〜220℃であった。その結果を表
4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】以上の結果から、本発明のα−アルミナか
らなる触媒担体を用いて製造した触媒はエチレンからエ
チレンオキサイドへの反応を有効に実施することが明ら
かである。また、工業的に用いられているSA5561
に比較してもかなり優れた結果を与えていることがわか
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、優れた反応の転化率と
選択率を示す触媒が得られ、特に、エチレンからエチレ
ンオキサイドへの反応等の部分酸化用触媒として有用に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/00 B01J 37/00 H C01F 7/02 C01F 7/02 G C07D 301/04 C07D 301/04 303/04 303/04 307/60 307/60 307/89 307/89 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均細孔直径が0.3μm〜4.0μmで
    あり、かつ細孔容積が0.01cc/g〜15cc/g
    であるα−アルミナ成形体よりなることを特徴とする触
    媒担体。
  2. 【請求項2】α−アルミナ成形体の2μm以下の細孔直
    径の細孔容積が全細孔容積の15%以上である請求項1
    記載の触媒担体。
  3. 【請求項3】部分酸化用である請求項1記載の触媒担
    体。
  4. 【請求項4】エチレンオキサイド、無水マレイン酸、無
    水フタル酸、ホルムアルデヒドまたはシクロヘキサノー
    ルを生成する反応に有効な部分酸化用である請求項3記
    載の触媒担体。
  5. 【請求項5】銀、または銀にセシウム及びレニウムの1
    種以上を触媒成分として請求項1乃至3記載の触媒担体
    に担持された触媒。
  6. 【請求項6】8面以上の多面体の形状を有し、平均粒子
    径が2μm〜20μmであり、平均粒子径をD50とし
    たとき、1/2・D50〜2・D50の割合が90重量
    %以上であるα−アルミナ粒子を原料として、水、並び
    に/又は、高分子結合材及び/若しくは無機系結合材を
    混合して成形後、生成形体となし、該生成形体を、必要
    に応じ、乾燥または1000〜1800℃の範囲で加熱
    して得られるα−アルミナ成形体であることを特徴とす
    る請求項1記載の触媒担体の製造方法。
  7. 【請求項7】エチレンを分子状酸素により接触気相酸化
    してエチレンオキサイドを製造するに当たり、触媒とし
    て請求項5記載の触媒を用いることを特徴とするエチレ
    ンからエチレンオキサイドを製造する方法。
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