JPH0434492B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、諸種の配管の分岐箇所に使用される
繊維強化樹脂（以下FRPという。）脂製分岐継手
管の製造方法に関するものである。

一般に、Ｔ字管、十字管等の形状をなすこの種
の分岐継手管の形成態様は、Ｔ字型、十字型の金
型を用意し、この金型にFRP材を供給し、硬化
後上記金型を離型させることにより作られてい
た。しかしながら、分岐部分が継手部を含むため
全体を巻回成型することができず、分岐部が成型
上の弱点となつている。

本発明は、上記欠点を解消するため、本体部と
該本体部の外壁に分岐形成された分岐基部とが
FRP材により一体成型され、更に分岐基部に継
手部を接合することを特徴とし、上記分岐基部の
高さが本体口径の1/3以下好ましくは、1/4とする
ことにより、分岐基部も含めて巻回成型すること
が可能となり、弱点のない継手管を作ることがで
きたものである。

以下、図示の一実施例に基づいて本発明を説明
する。

第１図は、３個の管体を同時成型する場合にお
けるFRP材被層工程前の状態を示すが、分断箇
所Ａから図面左方は、分岐口径が本体部の口径と
等寸の分岐継手管の大部を成型させる部分、また
両分断箇所Ａ，Ｂの間は、分岐口径が小径の分岐
継手管の大部を成型させる部分、更に分断箇所Ｂ
から右方は、上述等径の分岐継手管の残部を成形
する部分になつている。

ところで、実施例の方法に用いられる図示成形
具は、不動部に横架された保持シヤフト１と、同
ほじシヤフト１の両側に軸着された保持デイスク
２と、両端が同保持デイスク２の周面に保持され
て内筒を成す金型３と、同金型３に外嵌されて外
筒を成す内側の紙類の可変形材で作られた芯型４
と、同芯型４の周面の３箇所に外嵌された同様の
外側の芯型５，６，７と、内外筒３，４の軸線上
の２箇所に接合された分岐型１０，１１及び該分
岐型１０，１１の上縁外周にフランジ状に形成さ
れた上記と同様の可変形材で作られた芯型８，９
との組型により形成されている。

しかして、金型３及び分岐型１０，１１は、金
属、樹脂等の固形材でつくられ、分岐型１０，１
１は円筒形の下部が、内外筒３，４の軸線上に乗
る形にカツトされている。

また、内、外側の両芯型４〜７と、分岐型に取
り付けられた芯型８，９とは、溶剤等（水等）に
より膨潤あるいは可融質の可変形材で作られてい
る。

更に、各外側芯型５，６，７の周面の１箇所な
いし２箇所には、シールリングの嵌入溝を形成さ
れるためのゴム質のリング１２が装着されてい
る。

ところで、このように形成された組型は、第１
図、第２図および第３図に示すように、組型外周
の離型剤層１５の上にガラスロービング、ガラス
テープ等の線条材１６を用いた巻回成形により成
形されるが、その巻回方式は、第３図に示すほ
か、第４図ａに示すように分岐型１０，１１の上
端開口を閉鎖するように該開口上にも巻回した上
で、第４図ｂに示すように、線条材上部の不要部
分１６′を切断する。また更に余る部分を除去す
るようにしても良い。

また各分岐基部の剛性を補強する目的から、不
飽和ポリエステル樹脂が含浸されたチヨツプドス
トランドマツト、ガラスロービングクロス等が積
層され、更に全体を十分な強度が出る厚さまで
FRP材を積層１６とする。

しかして、被層されたFRP材の硬化後におい
て、先ず全体を水に浸して各芯型４〜７を膨潤あ
るいは膨潤後除去させ、金型３を離型させた後、
積層１６の不要部部分の切除と整形とを行い、分
岐型１０，１１を離型することにより前段工程を
終了する。

更に、その後段工程として、第５図に示すよう
に、長手成型管を、２箇所Ａ，Ｂの分断箇所で切
断した後、図面右側の継手部１７を本体部１８と
分岐基部１９とが一体化された左側の成型管体の
分岐開口面に接着、接合させ、かつその接合面の
外周をチヨツプドストランドマツト、ガラスロー
ビングクロス等によつて継ぎ接着して補強すれ
ば、これによりＴ型分岐継手管２１の製造が完了
する。

なお、図面中央の残された一体状の本体部と分
岐基部とは、別に成型された小径の継手部と組合
わせて使用される。

なお、第６図に示すように、従来の製法による
FRP分岐継手管２２においては、本体部２３と
分岐受口部２４との接合部Ｃが、応力集中部に当
り、突合せ接合部のため強度が弱い欠点があつた
が、実施例の製法による製品では、第５図の接合
部Ｄに示すように応力集中部よりはずれ且つ分岐
基部１９と継手部１７との接着部分が、繊維強化
樹脂材２０で充分に補強されているので強度が高
いものが得られる。

以上説明したように本発明の方法によれば、分
岐継手管の分岐基部の端面開口を閉鎖するように
ロービング成型をした後端開口部のFRP材を切
除させるようにしたので、Ｔ形、十字形等の繊維
強化樹脂製分岐継手管をガラスロービング法を用
いて極めて能率良く製造することが出来、特に分
岐基部の突出高さを本体口径の1/3以下と短かく
することにより上記ロービング成型が容易となり
一層能率良く製造させることが出来る効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例のFRP分岐継手
管の製造方法に用いられる成型具の断面図、第２
図は、第１図の−線における断面図、第３図
は、同製造工程を説明する一部の正面図、第４図
ａおよび第４図ｂは、同側面図、第５図は、分断
された長手成型管の断面図、第６図は、従来方法
によるFRP分岐継手管の断面図である。 Ａ，Ｂ……分断箇所、３……金型、４〜９……
芯型、１５……離型材層、１６……FRP積層、
１７……継手部、１８……本体部、１９……分岐
部、２１……分岐継手管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本体部と該本体部の外壁に分岐形成された分
   岐基部とを、該分岐基部の端面開口を繊維強化樹
   脂材で閉鎖させた状態で、繊維強化樹脂材の巻回
   成型により一体に成型させた後、前記分岐基部の
   端面開口を閉鎖する繊維強化樹脂材を切除させ、
   しかる後該分岐基部の端面開口に分岐部を接合し
   たことを特徴とする繊維強化樹脂製分岐継手管の
   製造方法。 ２ 分岐基部の高さが本体部口径の1/3以下であ
   る特許請求の範囲第１項記載の繊維強化樹脂製分
   岐継手管の製造方法。