JPH0434467B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、籾中に存在するワラ屑等を分離する
穀粒粗選機の改良に関する。

従来技術とその問題点 機械化農業の普及に伴い、収穫された原料穀物
にはビニール紐、ワラ屑、木片、枝梗、小石など
の粗大夾雑物が混入しており、この原料穀物を直
接調製加工機に供給した場合、その粗大夾雑物の
ために調製加工機の流動行程に異状を招来し詰ま
りやムラ乾燥等の原因となつていた。

これに対して、前記粗大夾雑物を穀粒中から分
離する穀類粗選機として既に各種の物が知られ、
例えば（第４図参照）周面に多数の通孔１設けた
多孔壁選別筒体（スカルパ）２を回転自在に横架
すると共に、該選別筒体２の内部に誘導用翼車３
を嵌挿して回転し、前記選別筒体２の上部一側と
その上部に設けた供給ホツパー４との間に、流穀
板５に複数のクシ歯状線体６を上載した給穀部７
を設けた構成が知られている。この粗選機は、供
給ホツパー４から夾雑物の混入した穀粒を複数の
クシ歯状線体６に流下してビニール紐・ワラ屑等
の粗大夾雑物を分離すると共に、その夾雑物を線
体６の弾力によつて選別筒体２の上端面付近に排
出し、複数の線体６の透溝８を貫通し、落下した
穀粒および小型夾雑物を選別筒体２の上側面付近
に流下して排出し、選別筒体２の回転によつて前
記夾雑物を筒体２周面に沿つて回動させて前方に
排出し、また穀粒を筒体２面の通孔１を貫通させ
て筒体２内に集めると共に、翼片３の回転によつ
て前記穀粒をその翼片に上載して筒体２底部に誘
導して排出し、また筒体２底部の通孔１を貫通し
て流下する穀粒を風選し、さらに下部に設けた傾
斜多孔板面に流下し粒大選別して精選穀粒を確保
する。この前記多孔壁選別筒体２における選別作
用は、前記給穀部７と接する筒体２面およびその
周辺の小面積の多孔面に限定され、その筒体２全
周の多孔面全体に比べ利用率が低く、また選別筒
体２に設けた多孔面の通孔１に夾雑物が嵌挿・挾
着して目詰まりを生じて選別作用を阻害し、穀粒
の損失を招き、またその目詰まり除去のためにし
ばしば運転を中断せざるをえない等の欠点を有し
ていた。

また、例えば（第５図参照）多数の山形脈条に
よつて波状面を形成した波状有孔板９からなる穀
粒選別板１０を前上がり前後に揺動することによ
り穀粒選別板に供給した粗大夾雑物の混入した穀
粒を上送しながら、粗大夾雑物はそのまま高位側
板端部より排出し、穀粒は孔を貫通して前記波状
有孔板９の下部に一体的に配した波状無孔板１１
上に流下し上送して同じく高位側板端部１２より
排出し、さらに風選作用を加えるという構成が知
られているが、この粗選機においても、前記粗選
機同様に多孔板に夾雑物が嵌挿・挾着して目詰ま
りを生じ選別性能の低下を来たしていた。

この現状に対し、本発明者はすでに特願昭59−
112462号明細書において、有孔板における目詰ま
りによる欠点を解消しうる穀類粗選機を提案して
いる。すなわち多数の山形脈条によつて波状面に
形成した波状無孔板からなる穀粒選別盤を前上が
りに揺動することにより、穀粒選別盤に供給した
粗大夾雑物の混入した穀粒をそれぞれ分離しなが
ら前後方向に移動させ、穀粒を上送して高位側板
端部から排出し、また前記夾雑物を傾下状に転
動・滑流させて低位側板端部から排出して選別す
るようにした穀類粗選機であり、また夾雑物のみ
を傾下状に転動・滑流させるために、穀粒層厚を
検知するセンサを設けて、波状無孔板からなる穀
粒選別板の低位側と高位側のセンサで低位側排出
弁と高位側の穀粒規制板を関連的に開閉して調節
しており、目詰まりによる障害のない精度の良い
選別は可能となつたが、各種原料の特性（含水
率・夾雑物の混入率等）により、ある限定した供
給流量でないと良好な選別が不可能である等の欠
点が解決されないものである。

問題点を解決するための手段と作用 本発明は、夾雑物の混入した穀粒の供給口下方
に粗雑面無孔選別板を配して前上がり前後に揺動
し、該板の高位側板端部を穀粒排出口に連絡し
て、該板の低位側板端部には制限板を設けて軽比
重大夾雑物排出口に連絡し、前記選別板の下方に
高位側を軽比重中夾雑物排出口に連絡した粗雑面
有孔選別板を前記低位側板端部よりも突出させて
設け、前記有孔選別板の下方に高位側を前記穀粒
排出口に臨ませた無孔搬送板を設け、前記両選別
板と搬送板とを機枠に一体的に配設して構成した
ものである。

これにより夾雑物の混入した穀粒を最上段の粗
雑面無孔選別板に供給して穀粒を上送して高位側
から排出し、通孔の目詰まりの原因となりやすい
ワラ屑・枝梗とかビニール紐等の軽比重大夾雑物
を低位側に転動・滑流させ選別して排出し、夾雑
物に混入して排出する穀粒を中段の粗雑面有孔選
別板で再選別して回収するものであり、通孔の目
詰まりをなくして選別処理能力を向上するもので
ある。

実施例 第１図ないし第３図に基づいて本発明の一実施
例について説明する。１３は本穀類粗選機１４の
機枠である。１５は、多数の山形脈条１６によつ
て波状面に形成した波状無孔板１７からなる粗雑
面無孔選別板であり、該板１５を傾斜状に設け、
高位側板端部１８に穀粒を通過させる通孔１９を
有した多孔板２０を延設し、多孔板２０の先端２
１は重比重大夾雑物排出口２２に臨み、多孔板２
０の下方には穀粒排出口２３を開孔する。低位側
板端部２４には制限板２５を設け、複数のクシ歯
状線体２６を制限板２５基部に延設し、制限板２
５には、穀粒層厚を調節しうる制限調節板２７を
添設し、複数の傾斜状のクシ歯状線体２８を設け
てある。２９は粗雑面無孔選別板１５上に中央部
から低位側にかけて制限板２５に連結する三角形
状の分離板であり、３０はワラ屑などの軽比重大
夾雑物排出口である。粗雑面無孔選別板１５の中
央部上方に、ホツパー３１から該板面に夾雑物の
混入した穀粒を供給する供給口部３２を配する。
該板１５の下方に多数の小形脈条３３によつて波
状面に形成した通孔３４を有する波状有孔板３５
からなる粗雑面有孔選別板３６を配設し、該板３
６の低位側は、上方にある無孔選別板１５の低位
側端部２４に延設された複数のクシ歯状線体２８
から流下する穀粒を受ける位置に突出させ、高位
側は機枠１３側方に開孔する軽比重中夾雑物排出
口３７に連絡している。粗雑面有孔選別板３６の
下方には粗雑面を有した無孔搬送板３８を設け、
該板３８の高位側板端部は穀粒排出口２３に連絡
する。３９は無孔選別板１５と有孔選別板３６と
搬送板３８とを一体的に配設する選別機枠、４０
は上方カバーである。４１は供給口部３２に付設
した吸塵口、４２は多孔板２０の上方に配設した
吸塵口であり、それぞれダクトによつて排塵フア
ン４３に連絡される。選別機枠３９は支杆４４，
４５とバネ４６，４７とにより基台４８に枢支さ
れており、４９は偏心輪、クランク軸等からなる
揺動装置である。基台４８には、選別板の傾斜角
度を調節する角度調節装置５０を設け、５１は該
調節装置５０の駆動用電動機であり、５２は粗雑
面有孔選別板１５上の選別機枠３９に設けた穀粒
センサーにである。

次に上記実施例の作用について述べると（特に
第３図参照）、ビニール紐、ワラ屑、木片、枝梗、
小石、ボルト、ナツト等の夾雑物の混入した穀粒
を供給ホツパー３１に投入して揺動装置４９を起
動すると、、無孔選別板１５は前上がり前後に揺
動し、前記夾雑物の混入した穀粒は、前記選別板
１５上に流下するとともに、前記選別板１５上に
拡散して穀粒層を形成し、揺動装置の揺動作用に
よつて高位側に上送される。この時、ビニール
紐、ワラ屑等の軽比重大夾雑物は、穀粒層上面に
浮上し、穀粒層上面の傾斜によつて上面を前記選
別板１５の低位側へ転動・滑流して、制限板２
５、制限調節板２７を乗り越えて、一部穀粒とと
もに複数のクシ歯状線体２８へ流下する。低位側
へ流下する穀粒は、供給穀粒の５％程度となるよ
う前記選別板１５の傾斜角度を調節する。クシ歯
状線体２８によつてビニール紐、ワラ屑等の夾雑
物は、該線体２８の上面を滑流して軽比重大夾雑
物排出口３０へ排出され、線体２８の間を抜けた
穀粒は、該選別板３６上を上送する間に通孔３４
から流下し、搬送板３６の搬送作用を受けて上送
され、穀粒排出口２３へ排出されることになる。
一方、通孔３４を抜けないワラ屑等の軽比重中夾
雑物は、有孔選別板３６の高位側より機枠１３の
側方へ設けられている軽比重中夾雑物排出口３７
へ排出される。

選別機枠３９に設けた穀粒センサー５２は、穀
粒層厚を検出し、その検出信号によつて供給ホツ
パーの繰込ロールの回転を制御して給穀量を調節
したり、また角度調節装置５０を駆動して選別板
の傾斜角を調節したり、また同様にして揺動装置
４９の揺動数を変化調節したりして穀粒層の層厚
を適正に制御することを使用される。

発明の効果 このように本発明の穀類粗選機は、最上段に設
けた無孔選別板によつて、まず穀粒とビニール
紐、ワラ屑等の軽比重大夾雑物とを選別して排出
し、さらに次段に有孔選別板を設けることにより
夾雑物に混入して排出する穀粒を再選別して回収
することができ、さらに夾雑物による通孔の目詰
まりがなく選別板の全面を有孔に利用して、選別
処理能力を向上させることができ、選別板の傾斜
角度、供給量の増減操作等を簡易化できる等の効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の穀類粗選機の側
断面図、第２図は、本選別板の低位側部分の要部
斜視図であり、第３図は本選別機の選別状態を例
示する部分断面図、第４図、第５図はともに従来
公知の穀類粗選機の側断面図である。 １……通孔、２……選別機枠、３……誘導用翼
車、４……供給ホツパー、５……流穀板、６……
クシ歯状線体、７……給穀部、８……透溝、９…
…波状有孔板、１０……穀粒選別板、１１……波
状無孔板、１２……高位側板端部、１３……機
枠、１４……穀類粗選機、１５……粗雑面無孔選
別板、１６……山形脈条、１７……波状無孔板、
１８……高位側板端部、１９……通孔、２０……
多孔板、２１……先端、２２……重比重大夾雑物
排出口、２３……穀粒排出口、２４……低位側板
端部、２５……制限板、２６……クシ歯状線体、
２７……制限調節板、２８……クシ歯状線体、２
９……分離板、３０……軽比重大夾雑物排出口、
３１……ホツパー、３２……供給口部、３３……
山形脈条、３４……通孔、３５……波状有孔板、
３６……粗選面有孔選別板、３７……軽比重中夾
雑物排出口、３８……無孔搬送板、３９……選別
機枠、４０……上方カバー、４１……吸塵口、４
２……吸塵口、４３……排塵フアン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 夾雑物の混入した穀粒の供給口下方に粗雑面
   無孔選別板を配して前上がり前後に揺動し、該板
   の高位側板端部を穀粒排出口に連絡して、該板の
   低位側板端部には制限板を設けて軽比重大夾雑物
   排出口に連絡し、前記選別板の下方に高位側を軽
   比重中夾雑物排出口に連絡した粗雑面有孔選別板
   を前記低位側板端部より突出させて設け、前記有
   孔選別板の下方に高位側を前記穀粒排出口に臨ま
   せた無孔搬送板を設け、前記両選別板と搬送板と
   を選別機枠に一体的に配設したことを特徴とする
   穀類粗選機。 ２ 前記無孔選別板と高位側板端部に多孔板を延
   設して重比重大夾雑物排出口に連絡したことを特
   徴する特許請求の範囲第１項記載の穀類粗選機。 ３ 前記無孔選別板の低位側板端部に設けた制限
   板に複数のクシ歯状線体を延設し、軽比重大夾雑
   物排出口に連絡したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の穀類粗選機。