JPH043444B2 - - Google Patents
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- JPH043444B2 JPH043444B2 JP24362888A JP24362888A JPH043444B2 JP H043444 B2 JPH043444 B2 JP H043444B2 JP 24362888 A JP24362888 A JP 24362888A JP 24362888 A JP24362888 A JP 24362888A JP H043444 B2 JPH043444 B2 JP H043444B2
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Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は乾湿式紡糸方法、特にアクリル系繊維
の静置浴乾湿式紡糸方法において多ホール化、多
糸条化に有利な紡糸方法に関するものである。 より詳しくは、乾湿式紡糸を行うに際して、凝
固浴での糸条の走行安定性を増すことにより、特
に総フイラメント数が多い糸条を安定に紡糸する
方法に関する。 また本発明は、総フイラメント数が比較的少な
い複数のマルチフイラメント糸条を凝固浴中で混
繊なく紡糸し、かつ均一な性状を備えた糸条を得
ることを可能とする紡糸方法に関するものであ
る。 [従来の技術] 加熱溶融しないポリマや極めて重合度の高いポ
リマを紡糸して繊維化する方法として、湿式紡糸
法が採用される。この湿式紡糸法の1変形として
いわゆる乾湿式紡糸法がある。これは口金から吐
出されたポリマを一旦気体中に走行させた後、直
ちに凝固液中に導入し凝固させる方法であるが、
単なる湿式紡糸と異なる点として、該気体部分に
ドラフトが局在化する結果により、高速あるいは
高ドラフトでの紡糸が可能である特徴があり、ア
クリル系繊維の紡糸、特にフイラメント数の比較
的少ない衣料用フイラメントや炭素繊維用プリカ
ーサの紡糸などに使用される。乾湿式紡糸方法に
は、流下浴方式と静置浴方式がある。流下浴方式
とは、フイラメント数が比較的少ないポリマの紡
糸生産性を向上させるために、浴液を流下させな
がら紡糸する紡糸方式である。一方静置浴方式と
は、通常垂直方向に走行する凝固糸条をガイドを
用いて方向転換させて引き取り、凝固浴液から分
離させながら凝固浴の上方に引き取る紡糸方法を
指し、特別の工夫なしでも凝固浴随伴液を効率よ
く分離させることが出来るため、特に比較的フイ
ラメント数が多く低速で紡糸を行う場合などに広
く実施されている。 このような乾湿式紡糸においてフイラメント数
が少ない糸条の場合は、湿式紡糸法に比べて高速
化のメリツトを生かして高生産性が発揮される。
しかしこの方法は湿式紡糸法に比べ紡糸張力が低
い傾向にあるため、フイラメント数が多いものに
ついては、単糸の融着を防ぐ目的で口金の孔間隔
を大きくとる必要から装置が大型化したり、凝固
液の随伴流による糸条の乱れが著しくなり、生産
性が低下する問題点があつた。 これらを改良したものとして以下の技術が公知
である。 例えばUSP4702876号公報には、ポリアミドフ
イラメントの流下浴乾湿式紡糸の際に1つの口金
から多数本の糸条を紡糸することが知られてい
る。しかし流下浴によるものは、開閉装置等を備
えた流管との組合せが必須であるため、装置的に
複雑となる。 静置浴乾湿式法に於て紡糸糸条の乱れを防ぐ目
的で、浴中のガイドにベルトを掛け回転するよう
にし、随伴する液流の影響により発生する単糸の
巻き付けなどのトラブルを防止するという構成の
考案がある(実開昭54−93514号公報)。また浴液
を制御して糸条の乱れを防ぐという発明も公知で
ある(特開昭60−39406号公報)。しかしこれらの
考案、発明では装置が複雑化する問題点があつ
た。 紡糸口金の改良について検討した例が特開昭63
−85103号公報に見られる。この発明では口金の
吐出面のみに紡糸性良好な材質を使用した構造の
口金に関する。また特公昭62−61684号公報の発
明では溶融紡糸の生産性を上げるため一つの口金
の座ぐり孔に複数の吐出孔を開設している。しか
し、この様な口金は凝固液面と口金の間隔が約10
mm以下である乾湿式紡糸にそのまま適用しても、
糸条の接着や浴液の乱れが生じる問題点があつ
た。 [発明が解決しようとする課題] 従来の静置浴乾湿式紡糸方法においては、特に
フイラメント数が多い糸条を紡糸したり、比較的
フイラメント数の多い糸条と少ない糸条を同一の
装置を用いて紡糸するときは、生産性および糸条
品位が低下する問題点があつた。 特にフイラメント数が多い糸条を高速で紡糸す
る際は、凝固浴中で糸条が混繊したり、糸条走行
方向変更ガイド前後において分繊状態の安定性が
低下し、紡糸延伸工程での毛羽や糸切れの発生の
ために、高速による紡糸が不可能となつて生産性
が低下せざるをえず、また品位も低下し、必要に
応じて複数本に分繊することも不可能であつた。 本発明の課題は比較的簡単な装置を用いて、乾
湿式紡糸の生産性を向上させることにある。とく
に静置浴乾湿式紡糸方法において、高速多糸条時
の糸条を走行安定性を向上させることにより、設
備生産性を従来になく高めることにある。 [課題を解決するための手段] 上述の課題は、静置浴乾湿式紡糸方法におい
て、口金の孔を2ケ以上にブロツク化して配し、
1つのブロツクと他のブロツクの間隔を2a以上
とするとともに、口金のほぼ直下の凝固浴中に、
1またはそれ以上の、突起部分の高さが5mm以上
である分繊用の突起を有する固定式凝固浴中ガイ
ドを設け、ブロツク単位に複数のマルチフイラメ
ントを垂直方向に紡糸し、固定ガイドの突起間に
分繊したのち、引き取ることを特徴とする乾湿式
紡糸方法によつて達成することが出来る。 ここでaは口金端部における口金と凝固浴液面
との距離である。 aは用いるポリマ、紡糸条件によつて変化する
が、通常1〜20mm、好ましくは2〜10mmに設定さ
れる。 本発明の口金孔をブロツク化した時のブロツク
間の間隔は、用いるポリマ、紡糸条件によつて最
適値が変化するが、とくに口金と凝固液面の距離
aの影響を最も大きく受け、2a未満であれば、
ブロツク化された繊維と繊維が絡み合いを生じ分
繊が不可能となり、また60mmを超えると口金全体
が大きくなり設備生産性が低下して好ましくな
く、2a以上、好ましくは3a以上60mm以下とする。 1つのブロツク単位の孔の個数は、要求される
繊度により異なるが、300H以上、好ましくは
500H以上で3000H以下が良好な結果を与える。
ブロツク内の孔相互の間隔は3mm以内、望ましく
は2mm以内0.5mm以上に設計される。口金の孔間
隔が小さくなり過ぎると高速紡糸時に凝固の随伴
流が増加することにより、ブロツク中央部分の液
面が下がり紡糸性が低下する傾向にある。また過
大に過ぎると口金の外周部分の糸条の集束角度が
大きくなり過ぎ、やはり可紡性が低下し易くな
る。 ブロツクの形状は、一例として長方形、正方
形、円形、楕円形あるいはそれらを組み合わせた
形状があり、口金全体とブロツク間隔の形状によ
つて決定される。具体的には、長方形のブロツク
を配してその間に幅2a以上の溝形状の非穿孔帯
を設けたもの、一つのブロツクを円形、楕円形に
配したものがあり、特に円形単位のブロツクを複
数個配し、最も近接したボール間隔が2a以上と
したものがより好ましい。 本発明に使用する口金は、乾湿式紡糸の溶媒耐
蝕性の観点から、少なくともその表面材質が金一
白金合金、タンタル、ハステロイや、オーステナ
イト系、オーステナイト−フエライト系、析出硬
化系等の耐食性ステンレス鋼などからなることが
好ましい。これらの口金は紡糸開始を容易にする
ため、ポリマとの離型性がよい材質を適用し、更
にフツソ系や、シリコン系の離型剤をコーテイン
グしたり、塗布したりするのもより好ましい。 なお口金表面に離型性、耐蝕性の良好な材質を
使用し、基剤として機械強度の優れた、安価な材
質を選択し、それらをコーテイングや貼合わせな
どの手段によつて複合した口金を形成してもよ
い。 口金と組み合わせて用いる凝固ガイドは、ほぼ
口金の鉛直下に設置され、口金のブロツクに応じ
た分繊用の突起を設けることが必要である。この
場合、突起の高さを5mm以上、好ましくは10mm以
上で30mm以上とすることに特徴がある。凝固ガイ
ドの突起物の高さが5mm未満になると分繊性が低
下し、また突起の高さが30mmをこえると凝固液流
の乱れが過大となり、かえつて紡糸性が低下す
る。 本発明のガイドは回転可能な構造にすると分繊
性が悪化するため、固定されたものである必要が
ある。 また本ガイドは糸条を集束させる効果を持つも
のが好ましい。一例としてガイドの直径は分繊用
の突起間の中央部分の径を10mm以下、両端面の部
分の直径が60mm以下の回転円体ユニツトの分繊用
の突起でつなぎ合わせた棒状構造とする。 凝固ガイドの径が10mmをこえると、ガイドによ
る摩擦抵抗が大きくなり、紡糸性が低下し易くな
る。またガイド両端部の径が60mmをこえると凝固
液流の乱れが増幅されてやはり紡糸性の低下を招
く傾向にある。 このガイドの表面は一般的にクロム鍍金などの
金属、アルミナ、チタンや高性能ガラスなどのセ
ラミツクス、ナイロン、フエノール樹脂、フツソ
樹脂などのプラスチツクなどで製作され、表面が
糸条の傷を防止するために摩擦力が小さく平滑に
仕上がつている必要がある。 各々のブロツクから糸条を紡糸する方法は、要
求される糸条の繊度などによつて変化するが、本
発明では少なくとも1または2ケ以上のブロツク
からの単糸を集束して複数の糸条を垂直方向に紡
糸し、少なくとも表層を凝固させたのち、凝固ガ
イドで分繊して方向を変換し引き取ることが必要
である。この場合、複数のブロツクからの糸条を
同一の凝固ガイド部分に引き取ることも可能であ
り、またガイド出の糸条を合糸してもよいが、糸
条の安定性の面からは1または2ケのブロツクか
ら単糸を集束し、凝固ガイドの同一部分で引き取
り、ガイドで方向を変換した以降もその分繊状態
を保持し、凝固浴から引き取ることが好ましい。 凝固浴の形状には特に制限はないが、液浴の乱
れを防ぐために口金周囲の液表面をポーラスメタ
ル、#50〜500メツシユの金網などで保護するこ
とが好ましい。 本発明に適用する重合体は、湿式紡糸で紡糸さ
れるものであれば特に制限はないが、単量体とし
てアクリロニトリルを90%以上含有するアクリル
系ポリマからなるポリアクリロニトリルに適用す
ると、紡糸性の向上に効果がある。特に毛羽など
少ない高品位の糸条が要求される炭素繊維用途の
アクリロニトリル繊維の製造にて起用すると効果
が大きい。 以下本発明を実施例により詳しく説明する。 [実施例] 実施例 1 アクリル系共重合体を口金より一旦空気中に押
し出したのち凝固浴に導き凝固させ、該糸条を浴
中の深さ500mmに位置した折り返しガイドを用い
て変向して引き取つた。 ここで口金と凝固液面との距離aが4mmになる
ように口金の高さを調整し、口金としては総孔数
が4500Hであり、孔間隔は1mmのものを用いた。
また凝固の方向変換ガイドとしては、高さ20mmの
突起のあるものと、突起の無いものを用いた。何
れの場合も強固浴出からは4500フイラメント単位
で引き取り、後工程に供給した。各々の条件にお
ける限界紡糸速度と、紡糸速度15m/minにおけ
る糸品位を第1表に示す。
の静置浴乾湿式紡糸方法において多ホール化、多
糸条化に有利な紡糸方法に関するものである。 より詳しくは、乾湿式紡糸を行うに際して、凝
固浴での糸条の走行安定性を増すことにより、特
に総フイラメント数が多い糸条を安定に紡糸する
方法に関する。 また本発明は、総フイラメント数が比較的少な
い複数のマルチフイラメント糸条を凝固浴中で混
繊なく紡糸し、かつ均一な性状を備えた糸条を得
ることを可能とする紡糸方法に関するものであ
る。 [従来の技術] 加熱溶融しないポリマや極めて重合度の高いポ
リマを紡糸して繊維化する方法として、湿式紡糸
法が採用される。この湿式紡糸法の1変形として
いわゆる乾湿式紡糸法がある。これは口金から吐
出されたポリマを一旦気体中に走行させた後、直
ちに凝固液中に導入し凝固させる方法であるが、
単なる湿式紡糸と異なる点として、該気体部分に
ドラフトが局在化する結果により、高速あるいは
高ドラフトでの紡糸が可能である特徴があり、ア
クリル系繊維の紡糸、特にフイラメント数の比較
的少ない衣料用フイラメントや炭素繊維用プリカ
ーサの紡糸などに使用される。乾湿式紡糸方法に
は、流下浴方式と静置浴方式がある。流下浴方式
とは、フイラメント数が比較的少ないポリマの紡
糸生産性を向上させるために、浴液を流下させな
がら紡糸する紡糸方式である。一方静置浴方式と
は、通常垂直方向に走行する凝固糸条をガイドを
用いて方向転換させて引き取り、凝固浴液から分
離させながら凝固浴の上方に引き取る紡糸方法を
指し、特別の工夫なしでも凝固浴随伴液を効率よ
く分離させることが出来るため、特に比較的フイ
ラメント数が多く低速で紡糸を行う場合などに広
く実施されている。 このような乾湿式紡糸においてフイラメント数
が少ない糸条の場合は、湿式紡糸法に比べて高速
化のメリツトを生かして高生産性が発揮される。
しかしこの方法は湿式紡糸法に比べ紡糸張力が低
い傾向にあるため、フイラメント数が多いものに
ついては、単糸の融着を防ぐ目的で口金の孔間隔
を大きくとる必要から装置が大型化したり、凝固
液の随伴流による糸条の乱れが著しくなり、生産
性が低下する問題点があつた。 これらを改良したものとして以下の技術が公知
である。 例えばUSP4702876号公報には、ポリアミドフ
イラメントの流下浴乾湿式紡糸の際に1つの口金
から多数本の糸条を紡糸することが知られてい
る。しかし流下浴によるものは、開閉装置等を備
えた流管との組合せが必須であるため、装置的に
複雑となる。 静置浴乾湿式法に於て紡糸糸条の乱れを防ぐ目
的で、浴中のガイドにベルトを掛け回転するよう
にし、随伴する液流の影響により発生する単糸の
巻き付けなどのトラブルを防止するという構成の
考案がある(実開昭54−93514号公報)。また浴液
を制御して糸条の乱れを防ぐという発明も公知で
ある(特開昭60−39406号公報)。しかしこれらの
考案、発明では装置が複雑化する問題点があつ
た。 紡糸口金の改良について検討した例が特開昭63
−85103号公報に見られる。この発明では口金の
吐出面のみに紡糸性良好な材質を使用した構造の
口金に関する。また特公昭62−61684号公報の発
明では溶融紡糸の生産性を上げるため一つの口金
の座ぐり孔に複数の吐出孔を開設している。しか
し、この様な口金は凝固液面と口金の間隔が約10
mm以下である乾湿式紡糸にそのまま適用しても、
糸条の接着や浴液の乱れが生じる問題点があつ
た。 [発明が解決しようとする課題] 従来の静置浴乾湿式紡糸方法においては、特に
フイラメント数が多い糸条を紡糸したり、比較的
フイラメント数の多い糸条と少ない糸条を同一の
装置を用いて紡糸するときは、生産性および糸条
品位が低下する問題点があつた。 特にフイラメント数が多い糸条を高速で紡糸す
る際は、凝固浴中で糸条が混繊したり、糸条走行
方向変更ガイド前後において分繊状態の安定性が
低下し、紡糸延伸工程での毛羽や糸切れの発生の
ために、高速による紡糸が不可能となつて生産性
が低下せざるをえず、また品位も低下し、必要に
応じて複数本に分繊することも不可能であつた。 本発明の課題は比較的簡単な装置を用いて、乾
湿式紡糸の生産性を向上させることにある。とく
に静置浴乾湿式紡糸方法において、高速多糸条時
の糸条を走行安定性を向上させることにより、設
備生産性を従来になく高めることにある。 [課題を解決するための手段] 上述の課題は、静置浴乾湿式紡糸方法におい
て、口金の孔を2ケ以上にブロツク化して配し、
1つのブロツクと他のブロツクの間隔を2a以上
とするとともに、口金のほぼ直下の凝固浴中に、
1またはそれ以上の、突起部分の高さが5mm以上
である分繊用の突起を有する固定式凝固浴中ガイ
ドを設け、ブロツク単位に複数のマルチフイラメ
ントを垂直方向に紡糸し、固定ガイドの突起間に
分繊したのち、引き取ることを特徴とする乾湿式
紡糸方法によつて達成することが出来る。 ここでaは口金端部における口金と凝固浴液面
との距離である。 aは用いるポリマ、紡糸条件によつて変化する
が、通常1〜20mm、好ましくは2〜10mmに設定さ
れる。 本発明の口金孔をブロツク化した時のブロツク
間の間隔は、用いるポリマ、紡糸条件によつて最
適値が変化するが、とくに口金と凝固液面の距離
aの影響を最も大きく受け、2a未満であれば、
ブロツク化された繊維と繊維が絡み合いを生じ分
繊が不可能となり、また60mmを超えると口金全体
が大きくなり設備生産性が低下して好ましくな
く、2a以上、好ましくは3a以上60mm以下とする。 1つのブロツク単位の孔の個数は、要求される
繊度により異なるが、300H以上、好ましくは
500H以上で3000H以下が良好な結果を与える。
ブロツク内の孔相互の間隔は3mm以内、望ましく
は2mm以内0.5mm以上に設計される。口金の孔間
隔が小さくなり過ぎると高速紡糸時に凝固の随伴
流が増加することにより、ブロツク中央部分の液
面が下がり紡糸性が低下する傾向にある。また過
大に過ぎると口金の外周部分の糸条の集束角度が
大きくなり過ぎ、やはり可紡性が低下し易くな
る。 ブロツクの形状は、一例として長方形、正方
形、円形、楕円形あるいはそれらを組み合わせた
形状があり、口金全体とブロツク間隔の形状によ
つて決定される。具体的には、長方形のブロツク
を配してその間に幅2a以上の溝形状の非穿孔帯
を設けたもの、一つのブロツクを円形、楕円形に
配したものがあり、特に円形単位のブロツクを複
数個配し、最も近接したボール間隔が2a以上と
したものがより好ましい。 本発明に使用する口金は、乾湿式紡糸の溶媒耐
蝕性の観点から、少なくともその表面材質が金一
白金合金、タンタル、ハステロイや、オーステナ
イト系、オーステナイト−フエライト系、析出硬
化系等の耐食性ステンレス鋼などからなることが
好ましい。これらの口金は紡糸開始を容易にする
ため、ポリマとの離型性がよい材質を適用し、更
にフツソ系や、シリコン系の離型剤をコーテイン
グしたり、塗布したりするのもより好ましい。 なお口金表面に離型性、耐蝕性の良好な材質を
使用し、基剤として機械強度の優れた、安価な材
質を選択し、それらをコーテイングや貼合わせな
どの手段によつて複合した口金を形成してもよ
い。 口金と組み合わせて用いる凝固ガイドは、ほぼ
口金の鉛直下に設置され、口金のブロツクに応じ
た分繊用の突起を設けることが必要である。この
場合、突起の高さを5mm以上、好ましくは10mm以
上で30mm以上とすることに特徴がある。凝固ガイ
ドの突起物の高さが5mm未満になると分繊性が低
下し、また突起の高さが30mmをこえると凝固液流
の乱れが過大となり、かえつて紡糸性が低下す
る。 本発明のガイドは回転可能な構造にすると分繊
性が悪化するため、固定されたものである必要が
ある。 また本ガイドは糸条を集束させる効果を持つも
のが好ましい。一例としてガイドの直径は分繊用
の突起間の中央部分の径を10mm以下、両端面の部
分の直径が60mm以下の回転円体ユニツトの分繊用
の突起でつなぎ合わせた棒状構造とする。 凝固ガイドの径が10mmをこえると、ガイドによ
る摩擦抵抗が大きくなり、紡糸性が低下し易くな
る。またガイド両端部の径が60mmをこえると凝固
液流の乱れが増幅されてやはり紡糸性の低下を招
く傾向にある。 このガイドの表面は一般的にクロム鍍金などの
金属、アルミナ、チタンや高性能ガラスなどのセ
ラミツクス、ナイロン、フエノール樹脂、フツソ
樹脂などのプラスチツクなどで製作され、表面が
糸条の傷を防止するために摩擦力が小さく平滑に
仕上がつている必要がある。 各々のブロツクから糸条を紡糸する方法は、要
求される糸条の繊度などによつて変化するが、本
発明では少なくとも1または2ケ以上のブロツク
からの単糸を集束して複数の糸条を垂直方向に紡
糸し、少なくとも表層を凝固させたのち、凝固ガ
イドで分繊して方向を変換し引き取ることが必要
である。この場合、複数のブロツクからの糸条を
同一の凝固ガイド部分に引き取ることも可能であ
り、またガイド出の糸条を合糸してもよいが、糸
条の安定性の面からは1または2ケのブロツクか
ら単糸を集束し、凝固ガイドの同一部分で引き取
り、ガイドで方向を変換した以降もその分繊状態
を保持し、凝固浴から引き取ることが好ましい。 凝固浴の形状には特に制限はないが、液浴の乱
れを防ぐために口金周囲の液表面をポーラスメタ
ル、#50〜500メツシユの金網などで保護するこ
とが好ましい。 本発明に適用する重合体は、湿式紡糸で紡糸さ
れるものであれば特に制限はないが、単量体とし
てアクリロニトリルを90%以上含有するアクリル
系ポリマからなるポリアクリロニトリルに適用す
ると、紡糸性の向上に効果がある。特に毛羽など
少ない高品位の糸条が要求される炭素繊維用途の
アクリロニトリル繊維の製造にて起用すると効果
が大きい。 以下本発明を実施例により詳しく説明する。 [実施例] 実施例 1 アクリル系共重合体を口金より一旦空気中に押
し出したのち凝固浴に導き凝固させ、該糸条を浴
中の深さ500mmに位置した折り返しガイドを用い
て変向して引き取つた。 ここで口金と凝固液面との距離aが4mmになる
ように口金の高さを調整し、口金としては総孔数
が4500Hであり、孔間隔は1mmのものを用いた。
また凝固の方向変換ガイドとしては、高さ20mmの
突起のあるものと、突起の無いものを用いた。何
れの場合も強固浴出からは4500フイラメント単位
で引き取り、後工程に供給した。各々の条件にお
ける限界紡糸速度と、紡糸速度15m/minにおけ
る糸品位を第1表に示す。
【表】
本発明の範囲内の条件(No.5、7)では25m/
min以上の限界紡糸速度を得ることが出来るのに
対して、ガイドに分繊用の突起がなく一本の糸条
として紡糸されるもの(No.1−3)、およびブロ
ツクに分割しないものやブロツク間隔が狭いもの
(No.4、6)、は紡糸性が低下する。 実施例 2 アクリル系共重合体を口金より一旦3mmに設定
した空気層に押し出したのち凝固浴に導き、凝固
糸条を折り返しガイドを用いて変向して引き取つ
た。 ここで口金として総孔数が1000Hで、500Hづ
つの円形の2ブロツクに穿孔したものを用いた。
またガイドについても中央の高さの異なる分繊用
の突起を有するものを用いた。 紡糸安定性を比較するため24時間連続紡糸を行
い、次の2つの項目について評価を実施した。 A 混繊性 突起の高さが12mmの固定ガイドを用いて口金
のブロツク間隔を変更し、口金より凝固ガイド
の間での糸の乱れを観察した。 B 分繊性 口金の溝間隔を10mmに保ち、凝固浴ガイドの
突起の高さを変え、糸条がガイド突起を越えて
となりの糸条に移動合流する回数を観察した。 結果を第2、3表に示す。ブロツク間隔が2a
(この場合6mm)に満たないものや、突起部分の
高さが5mm未満のガイドを用いた場合には、紡糸
性が劣ることが分かる。
min以上の限界紡糸速度を得ることが出来るのに
対して、ガイドに分繊用の突起がなく一本の糸条
として紡糸されるもの(No.1−3)、およびブロ
ツクに分割しないものやブロツク間隔が狭いもの
(No.4、6)、は紡糸性が低下する。 実施例 2 アクリル系共重合体を口金より一旦3mmに設定
した空気層に押し出したのち凝固浴に導き、凝固
糸条を折り返しガイドを用いて変向して引き取つ
た。 ここで口金として総孔数が1000Hで、500Hづ
つの円形の2ブロツクに穿孔したものを用いた。
またガイドについても中央の高さの異なる分繊用
の突起を有するものを用いた。 紡糸安定性を比較するため24時間連続紡糸を行
い、次の2つの項目について評価を実施した。 A 混繊性 突起の高さが12mmの固定ガイドを用いて口金
のブロツク間隔を変更し、口金より凝固ガイド
の間での糸の乱れを観察した。 B 分繊性 口金の溝間隔を10mmに保ち、凝固浴ガイドの
突起の高さを変え、糸条がガイド突起を越えて
となりの糸条に移動合流する回数を観察した。 結果を第2、3表に示す。ブロツク間隔が2a
(この場合6mm)に満たないものや、突起部分の
高さが5mm未満のガイドを用いた場合には、紡糸
性が劣ることが分かる。
【表】
【表】
[発明の効果]
本発明の静置浴乾湿式紡糸方法によれば、比較
的高速で、安定した紡糸を行うことが出来る。ま
たフイラメント数が多い糸条と少ない糸条を同一
の紡糸機で生産性良く紡糸することが可能とな
る。
的高速で、安定した紡糸を行うことが出来る。ま
たフイラメント数が多い糸条と少ない糸条を同一
の紡糸機で生産性良く紡糸することが可能とな
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 静置浴乾湿式紡糸方法において、口金の孔を
2ケ以上にブロツク化して配し、1つのブロツク
と他のブロツクの間隔を2a以上とするとともに、
口金のほぼ直下の凝固浴中に、1またはそれ以上
の、突起部分の高さが5mm以上である分繊用の突
起を有する固定式凝固浴中ガイドを設け、ブロツ
ク単位に複数のマルチフイラメントを垂直方向に
紡糸し、固定ガイドの突起間に分繊したのち、引
き取ることを特徴とする乾湿式紡糸方法。 ここでaは口金端部における口金と凝固浴液面
との距離である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24362888A JPH0291206A (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 乾湿式紡糸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24362888A JPH0291206A (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 乾湿式紡糸方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0291206A JPH0291206A (ja) | 1990-03-30 |
JPH043444B2 true JPH043444B2 (ja) | 1992-01-23 |
Family
ID=17106653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24362888A Granted JPH0291206A (ja) | 1988-09-27 | 1988-09-27 | 乾湿式紡糸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0291206A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020196277A1 (ja) | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 東レ株式会社 | アクリロニトリル系繊維束の製造方法 |
JP2022047402A (ja) * | 2020-09-11 | 2022-03-24 | 帝人株式会社 | アクリル系繊維の製造方法 |
-
1988
- 1988-09-27 JP JP24362888A patent/JPH0291206A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0291206A (ja) | 1990-03-30 |
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