JPH04342486A - 化粧セメント板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は化粧セメント板の製造
方法に関し、詳しくは二色の色彩が分散状に塗り分けら
れる、いわゆるハジキ化粧の化粧セメント板の製造方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、繊維補強セメント製の建築用板材
、あるいは屋根材などが非常に広く使用されている。 ところで、これら繊維補強セメント製品は吸水性を有し
、また、そのままであると地色が灰白色〜灰黒色の無彩
色であるので美感に乏しく、このため表面溌性付与を兼
ねて各種色彩に塗装されるのが普通である。

【０００３】このような表面模様を付する手段として下
地塗装面に異色の上塗塗料を細かく分散状に塗布した天
然石状の外観の模様塗装をする場合があり、この場合、
下地表面に發水剤を混入しておき、この發水性によって
上塗塗料をはじかせ細かい分散状の模様とする、いわゆ
るハジキ化粧をする場合がある。

【０００４】

【従来の技術の問題点】しかしながら、上記ハジキ化粧
を行う場合、下地用塗料には予め發水剤を混入したもの
を使用する必要があるので塗料の調合に手間取るほか、
發水剤は熱により溶融するものが多く、混合分散あるい
は塗装に際しては塗料自体の温度管理が面倒でこれを怠
ると目的の均一分散状のハジキ模様が得られなくなる欠
点が有った。

【０００５】

【発明が解決使用とする課題】この発明は上記問題点に
鑑み、發水剤等を混合分散する必要が全く無く、容易に
ハジキ化粧の塗装面となし得る化粧セメント板の製造方
法を提供することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明の化粧セ
メント板の製造方法は、パラフィン分を５〜１０％含有
するパルプ繊維を補強繊維として添加したセメント配合
物よりセメント板を成形し、該成形板を養生硬化させた
後、該成形板を加熱し表面に溶剤系塗料で下塗りを行い
、下塗塗膜乾燥後水系エマルジョン塗料で上塗りを行い
、乾燥硬化させることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】この発明において適用される化粧セメント板の
セメント配合自体は従来と同じ配合が使用され、これら
配合量そのものには特に記する点は無い。この発明にお
いて、上記セメント配合材料として添加されるパルプ繊
維としてパラフィン分を５〜１０％含有するパルプ繊維
が使用される。このパラフィン分を含有するパルプ繊維
を補強繊維として使用するのは、セメント板の養生硬化
後加熱することにより、パルプ繊維に含まれるパラフィ
ン分を板表面に浸出させ、これで上塗塗料のハジキ現象
を生じさせるためである。このパラフィン分の含有量を
５〜１０％とするのは、５％より少ないと十分な分散状
のハジキ模様が得られなくなるからであり、また１０％
より多いとセメントマトリックスの結合反応に悪影響を
及ぼし、強度低下となるからである。

【０００８】また、上記パラフィン分は、パルプ繊維を
セメントに配合するに先立ちパルプ繊維に混合処理する
ことが行われるが、パラフィン分を既に含有する故紙パ
ルプを使用することも可能である。このパラフィン分を
含有する故紙パルプを使用した場合、資源の再利用も同
時に図れ好都合である。

【０００９】上記パラフィン分を含有したパルプ繊維を
添加して常法に従いセメント板を成形後養生硬化させ、
この硬化板を加熱しながら表面に溶剤系塗料で下塗を行
うと表面に溶融浸出したパラフィン分が塗膜中に溶け込
んでさらに表面に浸出する。従って、この下塗面を乾燥
硬化させれば自然に發水性のあるパラフィン分が均一分
散された下塗表面が得られる。従って、この表面に水系
エマルジョン塗料で上塗を行えば、ハジキ模様の塗装表
面が容易に得られるのである。

【００１０】

【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。セメン
ト４５重量％、シリカ粉４５重量％、軽量骨材としてパ
ーライトを５重量％に対し、パラフィン分を含有するパ
ルプ繊維としてパラフィン分を５％、７％及び１０％含
む故紙パルプをそれぞれ５重量％添加して均一混合し、
さらに適量の水を加えてセメント配合物を調整し、この
配合物より厚さ５ｍｍ、縦横３０ｃｍの試験板を成形し
た。

【００１１】この試験板を１２時間自然養生し、次いで
、表面をバーナーで加熱して表面温度を７０℃前後のパ
ラフィンの溶融温度とし、その加熱表面に芳香族炭化水
素を溶剤とする塗料（　大日本塗料株式会社製商品名Ｖ
セランシーラー）　を塗布してこれを乾燥硬化させ、次
いでその表面に樹脂固形分２５％の水系エマルジョン塗
料（　大日本塗料株式会社製商品名ＨＰＤ塗料）　を塗
布した。２〜３分の間上塗塗装表面を観察したところ、
いずれも上塗塗膜が次第に弾かれ、上塗塗料が均一分散
状となってハジキ化粧が現れた。塗装完了後、十分に乾
燥させ上記パラフィン分を５％、７％及び１０％含む故
紙パルプのそれぞれについて表面を観察したところ、い
ずれも殆ど同じような分散状のハジキ化粧となっている
のが観察された。

【００１２】なお、比較例として、パラフィン分を殆ど
含まない、２〜３％の含有量のパルプ繊維、及びパラフ
ィン分を１５％の多量に含むパルプ繊維を使用して上記
実施例と同様に試験板を製造し、同様な塗装手段で塗料
を塗布したところ、前者のものは所々にピンホール状の
あばた模様が出来たにすぎず満足のできるハジキ模様と
ならず、また後者のものは上塗塗料が極めて細かくかつ
粗の状態の分散状態となり、塗料の乗りの非常に悪い外
観の塗装表面となって化粧とは程遠い外観となった。ま
た、このものは試験板両端に手で曲げ力を加えたところ
容易に割れてしまい、十分な強度が得られないことが判
明した。

【００１３】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、ハジキ
化粧とする場合、セメント配合物中にパラフィン分を前
もって配合しこれを加熱により表面を浸出させ、この發
水性を利用するので、下塗塗料にパラフィン分を混合す
る手間が不要となるほか塗料の管理も全く不要となり、
容易にハジキ化粧の化粧セメント板が得られるのである
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パラフィン分を５〜１０％含有するパルプ
   繊維を補強繊維として添加したセメント配合物よりセメ
   ント板を成形し、該成形板を養生硬化させた後、該成形
   板を加熱し表面に溶剤系塗料で下塗りを行い、下塗塗膜
   乾燥後水系エマルジョン塗料で上塗りを行い、乾燥硬化
   させることを特徴とする化粧セメント板の製造方法。