JPH04341662A

JPH04341662A - ガスケット

Info

Publication number: JPH04341662A
Application number: JP13964691A
Authority: JP
Inventors: Sadao Nakao; 中尾　貞夫
Original assignee: Nippon Reinz Co Ltd
Current assignee: Nippon Reinz Co Ltd
Priority date: 1991-05-15
Filing date: 1991-05-15
Publication date: 1992-11-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、強度や油シール性に優
れて自動車のトランスミッション部などに好適なアスベ
ストフリーのガスケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】アスベスト繊維の有害性が指摘されるな
か、自動車のコンバータハウジングとトランスミッショ
ンケースとの接合部などに用いうるアスベストフリーな
ガスケットが求められている。かかる箇所に用いるガス
ケットには、薄いこと、低締付圧で充分なシール性、特
に油シール性を発揮すること、剪断力等の繰返し荷重に
耐える強度、特に引張強度を有することなどが要求され
る。

【０００３】しかしながら、従来の仕様でアスベストフ
リーな性能をもたせつつ前記の要求性能、特に強度的要
求を満足させることは困難であった。また、油シール性
等についてはビード加工等による形状効果でその向上を
はかりうるが、ビード加工に伴う工程増加で製造効率が
低下する問題があり、フラットなシート状態で充分な油
シール性を発揮することが望まれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、フラットな
シート状態で充分な油シール性を発揮し、かつ強度に優
れるガスケットの開発を課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム、非アス
ベスト系繊維、吸油性レジン、及び充填剤を成分とする
コンパウンドからなるシール層を、フック付き金属板の
両側に保持させてなることを特徴とするガスケットを提
供するものである。

【０００６】

【作用】前記構成のシール層は、吸油性レジンの含有に
よりトランスミッションオイル等で膨潤して体積膨張し
、ボルト等による締付け面圧が小さい場合にも充分な油
シールを発揮する。フック付き金属板は、繰返し付加さ
れる剪断方向の力に充分に耐え、シール層の強度不足を
補償してそのフックでシール層を保持する。

【０００７】

【発明の構成要素の例示】本発明のガスケットは、フッ
ク付き金属板の両側にシール層を保持させものである。図１にそれを例示した。１，３がシール層、２がフック
２１の付いた金属板である。

【０００８】図２は、他のガスケットの実施例を示した
ものである。これは、前記実施例（図１）におけるシー
ル層１，３の外側にカバー層４，５を付加したものであ
る。カバー層は、表面の平滑性や馴染性、圧縮率などの
向上に有効である。なおカバー層は、片側のシール層に
対してのみ設けられる場合もある。

【０００９】本発明においてフック付き金属板としては
、シール層を保持するためのフックを金属板の両側に有
するものが用いられる。一般には、鉄板等からなる厚さ
が５０〜５００μｍの金属板に、穿孔処理を施したもの
などが用いられが、これに限定されない。

【００１０】シール層は、ゴム、非アスベスト系繊維、
吸油性レジン、及び充填剤を成分とするコンパウンドに
より形成される。前記のゴムとしては、天然ゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン
ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムの如
き各種のゴムを用いうる。就中、天然ゴム、スチレン・
ブタジエンゴムが好ましく用いられる。

【００１１】非アスベスト系繊維としては、有機繊維又
は非アスベスト系無機繊維の１種又は２種以上が用いら
れる。その有機繊維としては、例えば芳香族ポリアミド
繊維、フェノール樹脂繊維、フッ素樹脂繊維、芳香族ポ
リエステル繊維、芳香族ポリイミド繊維、芳香族ポリベ
ンズイミダゾール繊維、セルロース繊維の如き種々のも
のを用いうる。

【００１２】前記の無機繊維としては、アスベスト繊維
を除く種々のものを用いうる。一般には例えば、シリカ
繊維、ジルコニア繊維、ロックウール、アルミナ繊維、
アルミナ・シリケート繊維、ガラス繊維、ホスフェート
繊維、カーボン繊維、セピオライト繊維、石膏繊維、チ
タン酸カリウム繊維、金属繊維などがあげられる。

【００１３】混合性等の点より好ましく用いられる非ア
スベスト系繊維の寸法は、太さが５０μｍ以下、就中１
〜３０μｍで、アスペクト比が５〜１０００、就中２０
〜７００のものである。特に有機繊維の場合には、太さ
が４０μｍ以下、就中１〜２０μｍで、アスペクト比が
５〜７００、就中２５〜５００のものが好ましい。

【００１４】吸油性レジンとしては、油分を吸収して膨
潤するものが用いられ、その種類については特に限定は
ない。その例としては、ポリノルボルネンゴム系の吸油
性樹脂、自己膨潤型のアクリル系ポリマーなどがあげら
れ、市販品では例えばオレオソーブ（商品名、日本触媒
化学工業社製）などがあげられる。就中、粒状水スラリ
ータイプ（オレオソーブ　　ＳＬ−２００）、特にエマ
ルジョンタイプ（オレオソーブ　　ＥＭ−６３１）など
が好ましく用いられる。

【００１５】充填剤としては、例えばタルク、クレー、
硫酸バリウムの如きＩＩ族金属の硫酸塩、シリカ、マイ
カ、カーボン、ひる石、アルミナ、炭酸カルシウムなど
の適宜なものを用いてよい。

【００１６】シール層形成用のコンパウンドにおけるゴ
ムの含有量は、シート形成性、シール性能、応力緩和性
等の点より５〜２５重量％、就中７〜２０重量％、特に
１２〜１８重量％が適当である。

【００１７】コンパウンドにおける非アスベスト系繊維
の含有量は、強度、分散性、シール性能等の点より、１
〜５０重量％、就中１０〜４０重量％、特に１５〜３０
重量％が適当である。無機繊維と有機繊維の併用の場合
、無機繊維１００重量部あたり、有機繊維１〜２００重
量部、就中５〜５０重量部が適当である。なお、有機繊
維はシート形成性やシール性能の向上に有効である。

【００１８】コンパウンドにおける吸油性レジンの含有
量は、油シール性等の点より１〜２０重量％、就中２〜
１５重量％、特に４〜１０重量％が適当である。また、
充填剤の含有量は、シート形成性やシール性能等の点よ
り、２０〜８０重量％、就中３０〜７０重量％、特に４
５〜６５重量％が適当である。

【００１９】コンパウンドの調製は、各配合成分を１種
又は２種以上用いて種々の混練機等により適宜に混合す
ることにより行うことができる。その調製に際しては必
要に応じ、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤
、着色剤、カップリング剤などの通例の添加剤を通常量
配合してよい。

【００２０】シール層の形成は、例えばカレンダーロー
ル等を介してコンパウンドをフック付き金属板に摺り込
む方式、予めコンパウンドをシート状に成形し、それを
フック付き金属板に圧接（ラミネート）する方式などに
より行うことができる。なお金属板におけるフックの先
端は、それをシール層形成時に押し潰すなどして、ガス
ケットの圧縮性が阻害されないよう、またシール層の保
持力が高まるようにしておくことが好ましい。

【００２１】形成するシール層の密度は、シール性等の
点より１．６ｇ／ｃｍ３以上、就中１．７ｇ／ｃｍ３以
上が好ましい。シール層の厚さは適宜に決定してよい。ガスケットとしての厚さが、１ｍｍ以下、就中、耐ヘタ
リ性の点より０．４〜０．６ｍｍとなるよう形成するこ
とが好ましい。

【００２２】シール層の外側に必要に応じて設けるカバ
ー層は、シール層と同種のコンパウンドで形成してもよ
いし、異種のアスベストフリーなコンパウンドで形成し
てもよい。カバー層の形成はシール層に準じて行うこと
ができる。その厚さはシール層の５〜５０％が一般的で
あるが、これに限定されない。

【００２３】カバー層を形成するコンパウンドの組成は
、ゴム５〜２０重量％、非アスベスト系繊維１〜２０重
量％、充填剤４０〜９０重量％が適当である。吸油性レ
ジンの配合は任意であり、配合する場合その量は１〜２
０重量％が一般的である。なおカバー層用の非アスベス
ト系繊維としては、太さ１〜２０μｍ、アスペクト比３
０〜８０の無機繊維、ないし太さ３〜２０μｍ、アスペ
クト比５０〜１００の有機繊維が好ましく用いられる。

【００２４】本発明のガスケットは、例えば自動車のコ
ンバータハウジングとトランスミッションケースとの接
合部など、隙間の狭い箇所や締付け面圧が小さい箇所、
大きい引張力等が作用する箇所で、油シール性が要求さ
れるところに有利に用いることができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、吸油性に優れるガスケ
ットを形成でき、小さい締付け面圧でも優れた油シール
性を示し、引張強度が大きくて耐久性に優れる薄型のガ
スケットを得ることができる。

【００２６】

【実施例】

実施例ＮＢＲ（日本ゼオン社製、商品名：ＬＸ５１３、以下同
じ）６重量％、ＳＢＲ（日本合成ゴム社製、商品名：０
５６１、以下同じ）７重量％、アラミド繊維（エンカ社
製、商品名：トワロン、以下同じ）７重量％、ロックウ
ール（日本セメント社製、商品名：ＣＭＦ１５０、以下
同じ）２３重量％、吸油性レジン（オレオソーブ　　Ｅ
Ｍ−６３１）５重量％、充填剤（タルク、クレー、シリ
カ、以下同じ）４７重量％、加硫剤及び顔料５重量％（
合計）を冷却手段を備えた混練機で約１時間混合してコ
ンパウンドを得、これをカレンダーロールを用いて、厚
さ０．２ｍｍの両面フック付き鉄板の両側に摺り込んだ
のち加熱して加硫処理し、厚さ０．５ｍｍのガスケット
を得た。

【００２７】比較例１ＮＢＲ７重量％、ＳＢＲ８重量％、アラミド繊維７重量
％、ロックウール２３重量％、充填剤５０重量％、加硫
剤及び顔料５重量％（合計）を用いて実施例に準じコン
パウンドを得、これを用いてガスケットを得た。

【００２８】比較例２フック付き鉄板を用いないで、実施例のコンパウンドか
らなる厚さ０．５ｍｍの加硫シートを形成し、これをガ
スケットとして用いた。

【００２９】実施例、比較例で得たガスケットについて
、引張強度（ＪＩＳ　　Ｒ３４５３）、油シール性を調
べた。また、実用テストを行った。なお、油シール性、
実用テストは下記の方法により行った。

【００３０】油シール性ＪＩＳ　　Ｎｏ．３号油を用いて、外径９０ｍｍ、内径
７４ｍｍのドーナツ状のガスケットを１０ｋｇ／ｃｍ２
の圧力で両側より締付け、内部油圧を０．５ｋｇ／ｃｍ
２のステップで０．５ｋｇ／ｃｍ２から上昇させ、各上
昇油圧ごとに１５分間維持して油漏れが発生（目視で確
認）する内部油圧を調べた。

【００３１】実用テスト自動車用コンバータハウジングとトランスミッションケ
ースとの接合部にガスケットを組み付け、オイルの温度
を１２０℃に維持しつつガスケットに繰返し剪断力を負
荷し、切れるまでの回数を調べた。

【００３２】前記の結果を表１に示した。

【表１】

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の断面図。

【図２】他の実施例の断面図。

【符号の説明】

１，３：シール層　　　　２：フック付き金属板　　　
　４，５：カバー層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　ゴム、非アスベスト系繊維、吸油性レ
ジン、及び充填剤を成分とするコンパウンドからなるシ
ール層を、フック付き金属板の両側に保持させてなるこ
とを特徴とするガスケット。