JPH04341200A - ラフィノースを含有する粉末含蜜糖、その製造方法及びその乾燥装置 - Google Patents

ラフィノースを含有する粉末含蜜糖、その製造方法及びその乾燥装置

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JPH04341200A
JPH04341200A JP11306791A JP11306791A JPH04341200A JP H04341200 A JPH04341200 A JP H04341200A JP 11306791 A JP11306791 A JP 11306791A JP 11306791 A JP11306791 A JP 11306791A JP H04341200 A JPH04341200 A JP H04341200A
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molasses
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sugar solution
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▲塚▼田 正幸
Masayuki Tsukada
Ichiro Fujita
一郎 藤田
Takeshi Seto
剛 瀬戸
Yoshinobu Nobuyo
延与 慶喜
Hiroaki Tsujioku
辻奥 宏昭
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、てん菜糖液からビフィ
ズス菌増殖因子であるラフィノースを含有する粉末含蜜
糖、その製造方法及びその乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体状の砂糖商品を大別すると、砂糖の
結晶と糖蜜を遠心分離機で分離して得た砂糖の結晶であ
る分蜜糖と、糖蜜が分離されていない、即ち、糖蜜を含
んだままの砂糖である含蜜糖に分類されている。分蜜糖
のほとんどは、稲科の植物である甘蔗と、あかざ科の植
物であるてん菜の根、即ち、ビート(砂糖大根)を原料
に製造されている。したがって、分蜜糖は、原料により
甘蔗糖及びてん菜糖(ビート糖)と分類して呼ぶことが
あるが、どちらもシュークロースの結晶を母体とする砂
糖商品である。
【0003】一方、含蜜糖は、原料のほとんどが甘蔗か
ら作られており、甘蔗を原料とした含蜜糖の製造方法は
、一般的には、甘蔗の搾汁に少量の石灰乳を加えること
により不純物を沈澱分離し、得られた清澄液を加熱濃縮
した後、攪拌しながら冷却することにより糖蜜を含有し
たシュークロースの結晶を晶析させる方法により製造さ
れていた。
【0004】これに対して、ビートを原料とした含蜜糖
の製造例は、従来ほとんどなく、例えば、ビートを截断
し滲出して得たロージュースに石灰処理をして不純物を
沈澱分離し、得られた清澄液を加熱濃縮した後、結晶化
工程でシュークロースの結晶を晶析させて、結晶と糖蜜
とに分け、糖蜜を濃縮することにより濃縮液の形態のま
まか、或いは、濃縮液を乾燥粉砕して固形化していたが
、このようにして得た含蜜糖は、吸湿性があり固結し易
い性状であり、また粉末化が困難であった。
【0005】ところで、ビートを截断し滲出させて得た
ロージュース中には、大部分のシュークロースの他に、
砂糖製造工程における不純物成分として、ごくわずかの
還元糖(グルコース及びフラクトース等の単糖類)及び
ラフィノース等の糖類と、カチオン成分としてのカリウ
ム、ナトリウム及びアニオン成分としての有機酸や無機
酸で構成される塩類と、アミノ酸やベタインのような含
窒素化合物の水溶性の不純物が種々含まれている。これ
らの成分のうち、ラフィノースはビート中に0.03〜
0.2重量%程度極微量含まれている。
【0006】このビートから得られる砂糖、即ち前記し
た分蜜糖である、てん菜糖の製造においては、ラフィノ
ースはシュークロースの結晶化を阻害する性質を持って
いることが知られていた。ここで、従来のてん菜糖の製
造方法の例を図1に示す。先ず、原料のビートを截断し
、滲出してロージュースを得る。このロージュースに石
灰を加えて、蛋白質や石灰で反応する不純物を沈澱させ
ることにより清浄させる。次に、この清浄ジュースを濃
縮して濃厚汁(シックジュース)を得る。ここで、シュ
ークロースを結晶させ、遠心分離によりシュークロース
の結晶と糖蜜とに分離する。得られたシュークロースの
結晶は砂糖商品として製品にされるが、残りの糖蜜中に
はまだ、60〜70重量%程度のシュークロースと先の
石灰処理によっても除去されない不純物、例えば、前記
の塩類、含窒素化合物の水溶性の不純物が含まれている
ので、糖蜜はさらに処理されて、先の石灰清浄工程前に
戻されてリサイクルされる。
【0007】この糖蜜の処理には、従来、ステフェン法
、樹脂脱塩法、クロマト分離法等が用いられていた。 ステフェン法とは、糖蜜に石灰を加えることにより糖蜜
中のシュークロースをシュークロース−石灰として沈澱
させて回収する方法である。この方法では、糖蜜中のラ
フィノースも石灰と反応し、シュークロースと同時に回
収されることになる。したがって、この回収されたシュ
ークロース及びラフィノースは砂糖製造工程における石
灰清浄工程前に戻されるので、工程中のラフィノース含
有率が高くなってくる。
【0008】また、樹脂脱塩法とは、糖蜜をイオン交換
樹脂で脱塩し、先の石灰処理工程へ戻す方法であり、ラ
フィノースもシュークロースと同じ挙動をする。また、
クロマト分離法とは、糖蜜をクロマト分離することによ
り塩類等の非糖分とシュークロースとに分離し、シュー
クロースを回収し、砂糖製造工程に戻すものである。ラ
フィノースは、非糖分区分の方へ移行し、砂糖製造工程
には蓄積されない。
【0009】しかしながら、図1に示すように、糖蜜を
ステフェン法や樹脂脱塩法等で処理し、処理液を砂糖製
造工程の途中へ戻すリサイクルを繰り返していくと、ラ
フィノースはシュークロースと一緒に回収されるので、
当初、微量であったラフィノースが、砂糖製造工程中に
だんだんと蓄積される。この結果、ラフィノースが砂糖
製造工程中に存在するとシュークロースの結晶化を阻害
するため、シュークロースの回収率が低下し、砂糖製造
の効率悪化を引き起こしていた。
【0010】このような、ラフィノースの影響を無くす
ために、従来、砂糖製造工程中にα−ガラクトシダーゼ
を添加してラフィノースを分解することが一般に行なわ
れていた。このような技術として、例えば、特公昭45
−9827、特公昭47−13109、特公昭50−3
380、特公昭52−46289、特公昭53−233
98、特公昭54−12536、特公昭54−2845
5、特公昭54−3183、特公昭54−40617、
特公昭55−6360、特公昭56−1072、特公昭
56−1073、特公昭57−4307があり、てん菜
糖の製造に大きく貢献していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記、従来のビートを
原料とした含蜜糖の製造方法、即ち、てん菜糖の製造工
程で製造される糖蜜の濃縮液を乾燥粉砕して固形化させ
る方法では、ラフィノースの含有率がシュークロースに
対して5重量%より少なければ、比較的容易に乾燥し、
その粉砕物はさらさらしているが、ラフィノースの含有
率がシュークロースに対して5重量%以上であると、乾
燥が困難で時間がかかり、しかもその方法により得られ
た固形物は吸湿性が強く、保存することが困難であった
【0012】乾燥手段として熱風搬送型の乾燥である噴
霧乾燥法によって、ラフィノースの含有率がシュークロ
ースに対して5重量%以上の糖液の乾燥を試みたが、こ
の乾燥方法では粉末状のものはできるが、できた粉末は
アモルファス状の粉末であり、しかも吸湿性が著しく、
室温に放置するとすぐに固結する性状であった。また、
前記噴霧乾燥法に換えて凍結乾燥法を試みたが、前記噴
霧乾燥法と同様に吸湿性の著しいものが得られた。
【0013】ところで、ラフィノースは、前記従来の技
術の項で述べたとおり、ビートからてん菜糖を製造する
製造工程においては、シュークロースの結晶の晶析を阻
害する有害な物質ではあるが、一方、食品としてみた場
合、近年、健康に役立つ有用な物質として注目されてい
る。例えば、ラフィノースは、光岡知足編、(株)学会
出版センター発行(初版)の「腸内フローラと植物因子
」の49〜56頁にも記載されているように、ビフィズ
ス菌増殖物質として知られている。しかるに、ラフィノ
ースをできるだけ多く含んだ含蜜糖を製造することは、
さとうきびから製造される独特の風味やミネラル分を持
つ黒糖、即ち、ラフィノースを含まない含蜜糖とは異な
った健康食品としての位置づけができるものである。
【0014】さらに、ビートを原料として砂糖を製造す
るのに、シュークロースの結晶の生成を阻害するラフィ
ノースを糖液中からできる限り取り除かなければならな
いが、他方では、ラフィノース含有率の高い含蜜糖を作
るには砂糖製造工程における糖液中にラフィノースを蓄
積させなければならないという矛盾した関係にある。と
ころで、てん菜糖製造工程のラフィノースレベルをシュ
ークロースの結晶化阻害を引き起こさない程度に下げて
、かつラフィノース含有率の高い含蜜糖が生産できれば
、α−ガラクトシダーゼによるラフィノースの分解工程
が無くても砂糖製造の効率化を図ることが可能となる。 このようにするためには、ラフィノースをてん菜糖製造
工程の系外に取り出して利用することができれば、同時
に、てん菜糖製造工程におけるシュークロースの結晶化
において、ラフィノースによる結晶阻害の影響を軽減で
きるという効果が期待できるものである。
【0015】そこで、本発明は、ラフィノースの含有率
がシュークロースに対して5重量%以上を含むにもかか
わらず、乾燥、粉末化が容易に行なえ、しかも吸湿性の
少ない、高含有率のラフィノースを含んだ、粉末含蜜糖
、その製造方法およびその乾燥装置を提供することを目
的とする。さらに、本発明は、てん菜糖製造工程におい
てラフィノースがシュークロースの結晶阻害を引き起こ
すという影響を減少させて、てん菜糖を高収率で生産す
ること、及び同時に、てん菜糖製造工程から生じる糖蜜
からラフィノースを多く含んだ粉末含蜜糖を製造するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、ビートを原料として製造されイオン交
換樹脂で脱塩精製された糖液であって、且つ該糖液のラ
フィノースの含有率がシュークロースに対し5重量%以
上の糖液を原料糖液とし、該原料糖液を、還元糖の含有
率をシュークロースに対して5重量%以下になるように
調整して調整糖液とし、該調整糖液を、固形分濃度が6
5〜75重量%になるように濃縮して濃厚液とし、該濃
厚液を粉末化してラフィノースを含有する粉末含蜜糖を
製造するものである。
【0017】また、本発明は、ビートを截断し滲出する
工程、滲出された糖液を石灰処理して清浄する工程、清
浄された糖液を濃縮する工程、結晶を晶析させてシュー
クロース結晶と糖蜜を分離する工程、糖蜜から不純物を
取り除くための処理工程、及び処理された糖蜜を、シュ
ークロース結晶と糖蜜を分離する工程より前に戻す工程
、からなるてん菜糖製造工程における、糖蜜を処理する
工程で処理された糖蜜の一部をイオン交換樹脂で脱塩精
製し、且つ該糖液のラフィノースの含有率をシュークロ
ースに対し5重量%以上にした原料糖液とし、該原料糖
液を、還元糖の含有率がシュークロースに対して5重量
%以下になるように調整して調整糖液とし、該調整糖液
を、固形分濃度が65〜75重量%になるように濃縮し
て濃厚液とし、該濃厚液を粉末化してラフィノースを含
有する粉末含蜜糖を製造するものである。
【0018】また、本発明は、ビートを截断し滲出し、
滲出された糖液を石灰処理して清浄し、清浄された糖液
を濃縮することにより、結晶化工程に入る濃厚な糖液の
ラフィノース含有率を固形分当り1.3重量%以下にし
、シュークロースの結晶を晶析させてシュークロース結
晶と糖蜜を分離し、分離した糖蜜をイオン交換樹脂で脱
塩精製し、脱塩精製された糖蜜の一部をシュークロース
の結晶を晶析する工程前に戻し、残りの糖蜜のラフィノ
ースの含有率をシュークロースに対し5重量%以上にし
た原料糖液とし、該原料糖液を、還元糖の含有率がシュ
ークロースに対して5重量%以下になるように調整して
調整糖液とし、該調整糖液を、固形分濃度が65〜75
重量%になるように濃縮して濃厚液とし、該濃厚液を粉
末化してラフィノースを含有する粉末含蜜糖を製造する
ものである。
【0019】また、本発明は、前記粉末化を、表面温度
を145〜151℃に保持した鋼板上に、濃縮液を微細
な霧状に吹き付けし、乾燥して固形化し、粉砕すること
により行なうものである。また、本発明は、原料糖液で
あるラフィノースの含有率がシュークロースに対し5重
量%以上の糖液を、クロマト分離法により重量%以上に
するものである。
【0020】また、本発明は、原料糖液に石灰乳を添加
し加熱処理を行なうことにより、原料糖液に含まれる還
元糖の含有率をシュークロースに対して5重量%以下に
調整するものである。また、本発明は、蒸気が導入され
て表面が加熱された、回転可能なドラムと、そのドラム
の表面にラフィノースを含む糖液を噴霧するための噴霧
装置と、ドラム上に噴霧された糖液を定位置でドラムの
表面から剥ぎ取るためのスクレーパーと、ドラムから剥
ぎ取られた固形物を搬送している間にゆるやかに冷却す
るためのコンベアを含むことを特徴とする含蜜糖の乾燥
装置とするものである。
【0021】(1)本発明において、てん菜糖液をイオ
ン交換樹脂で脱塩精製する理由を説明する。てん菜糖液
特有の臭いや味を無くすために、糖液をイオン交換樹脂
で脱塩することにより無色透明の糖液を調整するもので
ある。この目的ために脱塩法を用いたが、これに代わる
方法であれば他の方法でよいことはいうまでもない。ま
た、脱塩処理は、H型に再生した強酸性カチオン樹脂に
通液後、OH型に再生した弱塩基性アニオン樹脂に通液
して行なうが、この方法に準じた方法で脱塩しても構わ
ない。ただ、注意すべき点は、カチオン樹脂によるシュ
ークロースの加水分解をできる限り抑えるために、低温
で通液するのがよく、好ましくは4〜8℃で通液するの
が望ましい。
【0022】(2)また、本発明において、ラフィノー
ス含有率をシュークロースに対して5重量%以上とする
理由を説明する。糖蜜は、結晶分蜜工程において晶析し
たシュークロースの結晶を取り除いた溶液のことをいい
、この溶液中にはシュークロースが60〜70重量%程
度も依然として含まれている。この糖蜜中にはラフィノ
ースも含まれており、そのラフィノースはシュークロー
スの結晶化を阻害することは前記した通りである。した
がって、糖蜜中のラフィノース含有率が高まると、その
シュークロースの結晶阻害のために、もともとラフィノ
ースを含まない甘蔗から作る含蜜糖、即ち黒糖とは異な
り、シュークロースが結晶しずらくなる。しかも、ラフ
ィノースの融点は80℃であり、この温度以上になると
ラフィノースが水飴状となることから、ラフィノースは
シュークロースを含んだ糖蜜の乾燥を悪化させることが
予想された。このことから、下記の実験例1に示した実
験を行ない、ラフィノース含有率の乾燥に与える影響を
確認した。この結果、シュークロースに対しラフィノー
スの含有率が5重量%以上となると乾燥が悪化すること
が判明した。
【0023】〔実験例1〕  厚さ2mmのステンレス
鋼板を電熱器で表面温度が150℃になるまで加熱した
時点で、シュークロースにラフィノースを添加した濃度
75重量%、温度90℃の糖液20mlを前記ステンレ
ス鋼板上に注いだ。5秒後電熱器の電源を切り、スパチ
ュラを用いて1分間掻き混ぜながら乾燥固形化した。固
形化物を室温に4時間放置し、その状態の観察と、10
5℃4時間の加熱乾燥法による水分の測定を行なった。 この水分の測定結果を図4にグラフとして示す。図4は
、横軸にシュークロースに対するラフィノース含有率(
重量%)をとり、縦軸に乾燥物水分重量%をとったもの
で、ラフィノースを含んだシュークロース液の乾燥試験
結果を示している。
【0024】この結果、シュークロースに対するラフィ
ノース含有率が5重量%以下の場合、シュークロースの
結晶も容易に晶析し、乾燥物の水分も図4に示すように
2重量%以下となり、かつ乾燥物は表面がさらさらし、
粉砕しやすい状態であった。これに対し、シュークロー
スに対するラフィノース含有率が5重量%以上になると
、乾燥が困難になり、乾燥物の水分は急激に増加すると
ともに、シュークロースの晶析量が少なくなり、乾燥物
はガラス状で表面が粘性を帯びるようになり粉砕しにく
い状態となった。
【0025】したがって、本発明においてシュークロー
スに対するラフィノース含有率を5重量%以上とする理
由は、このようなラフィノースの高含有率の糖蜜から粉
末含蜜糖を製造するという困難な条件において、その問
題点を克服し、粉末化を成功させる本発明の前提条件を
明確にするために、発明の構成要件として特に規定する
ものである。
【0026】(3)さらに、本発明において、還元糖の
含有率をシュークロースに対して5重量%以下に限定す
る理由を説明する。てん菜糖の製造工程中の糖液中には
、シュークロースやラフィノースの他にシュークロース
が分解して生じる還元糖(グルコース及びフラクトース
、転化糖)が存在する。これらの還元糖の含有率の多少
はてん菜糖の製造方法によって異なる。その製造方法の
違いによる差の具体例を以下に示す。
【0027】てん菜糖製造方法は次のア〜ウの3つに分
類できる。ア.最初の製造方法は、図2に示す製造方法
であり、ストレートラン法と呼ばれている。まず、原料
のビートを截断し、滲出してロージュースを得る。この
ロージュースに石灰を加えて、蛋白質や石灰で反応する
不純物を沈澱させることにより清浄させる。次に、この
清浄されたロージュースを濃縮して濃厚汁(シックジュ
ース)を得る。ここで、シュークロースを結晶させ、遠
心分離により、シュークロースの結晶と糖蜜とに分離す
る。このように、清浄工程で清浄された糖液を濃縮し、
結晶分蜜工程でシュークロースを回収した後に生じる糖
蜜を処理しないでそのまま工程外に排出する製造工程に
特徴を有するものである。ヨーロッパの工場の殆どがこ
の方式である。
【0028】イ.次の製造方法は、図1に示す製造方法
であり、前記アのストレートラン法により製造された糖
蜜に対して、さらに糖蜜処理工程を加え、処理液を石灰
清浄工程の前に戻す方法である。この方式を糖蜜処理法
と定義する。前記糖蜜処理工程には、〔従来の技術〕の
項で説明したように、ステフェン法、樹脂脱塩法、クロ
マト分離法がある。
【0029】ウ.3番目の製造方法は、図3に示すとお
りである。前記アのストレートラン法において、石灰清
浄工程後で、濃縮工程前に、清浄されたロージュースを
イオン交換樹脂で脱塩する樹脂脱塩工程を追加したもの
である。この方法によれば、糖蜜の量は前記アのストレ
ートラン法と比較するとはるかに少ない。この方法を前
段脱塩法と定義する。
【0030】前記ア及びイの砂糖製造法は、原料のビー
トから持ち込まれたカリウムイオンやナトリウムイオン
をベースとする塩類やアミノ酸、ベタイン等の含窒素化
合物のような不純物は、石灰清浄工程で殆ど除去されな
いで糖蜜へ移行する。そして、これらの砂糖製造法にお
いては、糖液に非糖分(塩類やアミノ酸)が多く含まれ
ているので、緩衝性の強い糖液が得られ、濃縮、結晶分
蜜工程でのPHは弱アルカリ性に保ち運転されるので、
還元糖の増加は極めて少なく、糖蜜中に含まれている還
元糖のシュークロースに対する含有率としては1重量%
以下であるのが通例である。
【0031】これに対し、前記ウの前段脱塩法では非糖
分(カリウムイオンやナトリウムイオンをベースとする
塩類やアミノ酸、ベタイン等の含窒素化合物)は、樹脂
脱塩工程で殆ど除去される。したがって、糖液に緩衝性
がなくなるために、シュークロースが還元されやすくな
り、その結果、糖液中の還元糖の量が前記ア及びイのて
ん菜糖の製造方法よりも増加することになる。例えば、
このウの製造方法で、排出された糖蜜の還元糖(グルコ
ース及びフラクトース)の含有率は、精糖工業会技術研
究所編の「精糖技術研究会誌」vol.31,1982
年,56頁に糖蜜の成分が報告されているが、シューク
ロースに対し11〜15重量%とされている。
【0032】発明者は、還元糖が糖蜜の乾燥に与える影
響を検討するため、以下の実験例2に示す実験をおこな
った。 〔実験例2〕  糖液をイオン交換樹脂で脱塩して、固
形分当りの含有率をシュークロース86.5重量%、ラ
フィノース6.1重量%(シュークロース当り7.1重
量%)、還元糖0.5重量%、灰分0.4重量%、その
他6.5%重量の糖液を得た。この糖液を対照として、
この糖液に還元糖をシュークロースに対しそれぞれ2、
4、6、8、10重量%になるように添加し、固形分濃
度(Bx)を70%に調整した糖液を図5に示す、直径
1650mm、巾1900mmのドラム型乾燥装置に噴
霧し、乾燥後粉砕した。その乾燥条件はドラム表面温度
150℃、冷却時間140分とした。各々の糖液の乾燥
状況の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1によれば、シュークロースに対する還
元糖の割合が2重量%及び4重量%の糖液の場合では、
乾燥状況は対照と同じ状況で、乾燥は良好、粉砕可能で
あった。またそれらの水分重量%も対照と格別な差はな
かった。また、シュークロースに対する還元糖の割合が
6重量%では乾燥が困難になり、8重量%以上では乾燥
物が餅状に粘性を帯び、粉砕が不可能になった。この結
果、シュークロースに対する還元糖の含有率が5重量%
までは、糖蜜の乾燥に対する影響がなく、5重量%を越
えると乾燥、粉末化に悪影響が出てくるので、吸湿性の
少ない含蜜糖を作るにはシュークロースに対する含有率
は5重量%以下でなければならないことを見いだした。
【0035】したがって、本発明においてシュークロー
スに対する還元糖の含有率を5重量%以下とする理由は
、還元糖の含有率が5重量%を越えると、糖蜜の乾燥が
困難になり、粉末化ができないためである。 (4)つぎに、本発明において、シュークロースに対す
る還元糖含有率の高い糖液を、含有率を5重量%以下に
調整する手段を説明する。シュークロースに対する還元
糖含有率が5重量%より越える糖液に対しては、クロマ
ト分離法により還元糖を除去したり、或いは、石灰を用
いて還元糖を分解する方法を取ればよい。
【0036】後者の石灰を用いて還元糖を分解する方法
をさらに詳しく説明すると、還元等の多い糖液をBx1
5〜20%程度に調整し、これに石灰乳(生石灰を水で
溶解したもの)を糖液の容積当りCaOの濃度として1
〜2%添加し、次に糖液を80℃〜95℃に加熱し、こ
の温度条件で10〜15分保ち還元糖を分解する。次に
糖液に炭酸ガスを飽充することにより糖液中の石灰を炭
酸カルシウムとして沈澱させ除去する。沈澱を濾過して
得られた濾液は還元糖が分解されており、糖液中のシュ
ークロースに対する還元糖含有率は0.5重量%以下に
なっている。
【0037】(5)また、本発明において、糖液の固形
分濃度は、65〜75重量%が好ましく、濃度が低くて
も高くても乾燥は悪くなる。固形分濃度が高い場合は、
糖液の粘度が高くなり、噴霧した時の粒子が大きくなり
、そのため糖液の乾燥を悪くする。また、糖液のpHは
6.5〜7.5に調整するのが好ましい。pHが高くな
ると乾燥物が着色し、乾燥が悪くなり、逆にpHが低く
なるとシュークロースの転化を引き起こし、乾燥に影響
を与える。
【0038】(6)ラフィノースの含有率をシュークロ
ースに対して5重量%以上の糖液の調製方法ついて述べ
る。前述したとおり、てん菜糖製造方法には、ア.スト
レートラン法、イ.糖蜜処理法、ウ.前段脱塩法がある
。先ず、ストレートラン法の砂糖製造法においては、原
料のビート中のカリウム、ナトリウムをベースとする塩
類や含窒素化合物の不純物が、シュークロースの結晶化
を阻害するため、これらの非糖分の量に応じて糖蜜がで
きる。この方法による結晶分蜜によるシュークロース結
晶の回収は通常、三段で行ない、糖蜜の純糖率が約60
重量%前後となる。ラフィノースの殆どは糖蜜中に移行
し、糖蜜として排出されるので、糖液中のラフィノース
含有率は低く保たれる。文献で報告されている例では、
糖蜜中のラフィノースの含有率は、固形分当り1〜2重
量%で糖蜜中のシュークロース含有率が60重量%程度
なので、シュークロース当り1.6〜3.3重量%程度
である。したがって、ラフィノースの含有率をシューク
ロース当り例えば5重量%以上にするには、クロマト分
離法など他の方法を併用してラフィノースを濃縮する必
要がある。
【0039】つぎに、前段脱塩法においては、造蜜性成
分である非糖分は結晶分蜜工程の前で除去されるので、
結晶化の工程をより多段にしシュークロースを回収し、
糖蜜の生成量を少なくできるとともに、結晶分蜜工程に
よりラフィノースの濃縮も容易である。例えば、前述の
文献の精製技術研究会誌に報告されているようにラフィ
ノースの含有率はシュークロースに対し9〜22重量%
である。ただし還元糖が多く存在するのでこの工程から
生じる糖蜜や糖液もしくは両者の混合物を前述の方法で
還元糖を除去し乾燥すればよい。
【0040】つぎに、糖蜜処理法は、ストレートラン方
式にステフェン法や樹脂脱塩法やクロマト分離法による
糖蜜処理工程を加え、処理液を前段の工程へ循環させる
ものであり、ステフェン法や樹脂脱塩法では、ラフィノ
ースはシュークロースと同じ挙動をして処理液側に移行
するので、砂糖製造工程中にラフィノースが蓄積する。 したがって、しだいにラフィノースが濃縮され、シュー
クロース当り5重量%以上となる。
【0041】(7)発明者は、ラフィノースがシューク
ロースの結晶生成を阻害する弊害をなくし、同時にラフ
ィノースを多く含む含蜜等の製造を検討するにあたり、
ラフィノースとシュークロース結晶の回収率の関係につ
いて鋭意研究を行なった。図6に、横軸に濃厚汁のラフ
ィノース含有率(固形分当り重量%)を、縦軸にその製
法における一番糖のシュークロース結晶の回収率(重量
%)を示す。図6に示すとおり、結晶工程に供給される
濃厚汁(シックジュース)のラフィノースの含有率が固
形分当り1.3重量%以下であればシュークロース結晶
の回収率に影響がなく、1.3重量%を越えるとラフィ
ノースの含有率に比例して回収率が低下することを発見
した。
【0042】一方、濃厚汁のラフィノース含有率が固形
分当り1.3重量%の場合、糖蜜のラフィノース含有率
はシュークロース当り4.5〜5重量%程度にしか濃縮
されない。逆に7重量%程度にまで濃縮するには濃厚汁
のラフィノース含有率は固形分当り1.9〜2.1重量
%にしなければならないが、このように調整すると砂糖
製造工程におけるシュークロース結晶回収率が低下して
しまう。
【0043】シュークロース結晶工程での回収率低下の
問題を解決するため発明者は次の方法を新たに見いだし
た。その工程の概要は図7に示すとおりである。図7は
シュークロース結晶化及び含蜜糖製造工程図を説明する
と、結晶分蜜工程までは、前記したストレートラン法と
同じである。この結晶分蜜工程で生産されたシュークロ
ース結晶を製品とし、一方、糖蜜を樹脂脱塩工程で脱塩
する。得られた脱塩液の一部を石灰清浄工程へ回し、残
りの脱塩液を濃縮し、結晶させ、分蜜する。この結晶分
蜜工程で得られたシュークロースの結晶を最初の結晶分
蜜工程に戻し、他方、糖蜜を乾燥粉砕工程で乾燥し粉砕
して含蜜糖を得る。
【0044】この図7の含蜜糖製造工程図に基づいて、
さらに詳細にその製造法を説明する。まず、濃厚汁の固
形分当りのラフィノース含有率を1.3重量%以下、好
ましくは1.1〜1.3重量%とし、結晶分蜜工程でシ
ュークロース結晶を回収し糖蜜を得る。この時、糖蜜の
ラフィノース含有率はシュークロース当り4〜5重量%
になる。次に、糖蜜に含まれているシュークロースの結
晶化を阻害する塩類等を除去するため糖蜜をイオン交換
樹脂を用いて脱塩する。得られた脱塩液がpH8以上と
なるようにカチオン樹脂とアニオン樹脂の比率、及び通
液条件を定める。脱塩液の一部は前段の清浄工程に循環
し、その残りを濃縮する。この濃縮液から結晶化により
シュークロース結晶を回収し、その結果ラフィノースが
糖蜜中に濃縮されることになる。結晶回収後得られた糖
蜜のラフィノース含有率はシュークロースに対し6〜9
重量%になる。さらに、この方法で得られた糖蜜の還元
糖含有率はシュークロース当り1.5重量%以下であり
、乾燥・粉末化に影響はないので、還元糖の含有率を下
げる処理は必要としない。糖蜜は酸もしくはH型弱酸性
カチオン樹脂を用いて所定のpHに調整し、必要があれ
ばCl型強塩基性アニオン樹脂や活性炭などで脱色後、
前述の方法で乾燥し含蜜糖を作る。
【0045】この方法で、前記した清浄工程へ循環する
脱塩液と、含蜜糖を製造するための脱塩液の配分は、糖
液のラフィノース含有率で決定すればよく、図6に示す
濃厚汁のラフィノース含有率とシュークロース結晶の回
収率(重量%)との関係から、シュークロース結晶回収
率が高くなるように、決定することができる。このよう
に、図7に示す方法で脱塩液を配分することにより、ラ
フィノースを砂糖製造工程の系外へ含蜜糖として取り出
すことができるので、てん菜糖製造工程におけるラフィ
ノースのシュークロースに対する結晶阻害という影響を
減少させて、てん菜糖を高収率で生産することができる
。また同時に、てん菜糖製造工程から生じる糖蜜からラ
フィノースを多く含んだ粉末含蜜糖を製造することがで
きる。
【0046】さらに、特にα−ガラクトシダーゼの酵素
法を用いなくても砂糖製造工程におけるラフィノースの
影響をなくす、もしくは軽減できるという効果がある。 また、この方法は、酵素法を採用しているステフェン法
の工程にも利用できる。すなわち、糖蜜の一部を脱塩し
、以下、上記の方法でラフィノースを濃縮し、含蜜糖を
製造する。残りの糖蜜はステフェン法で処理し前段工程
へ戻す。この方法により、含蜜糖として工程外に排出す
るラフィノースの量だけ、このラフィノースを分解する
に必要な酵素の使用量を削減できるという効果がある。
【0047】(8)本発明の乾燥装置および乾燥方法を
具体的に説明する。ラフィノースがシュークロースに対
し5重量%以上含まれた糖液を通常の噴霧乾燥装置で乾
燥したものは、吸湿性が著しく、室温に放置するとすぐ
固結する性状であった。乾燥物のこのような吸湿性を取
り除くべく、発明者は鋭意検討した結果、本発明で使用
する乾燥装置は、図5に示すドラム型乾燥機とベルトコ
ンベアを用いた冷却装置とを組み合わせたものとした。
【0048】このドラム型乾燥機は、蒸気がドラム内に
導入されてドラムの鋼板表面温度を一定に保った状態に
されている。このドラム表面に糖液が噴霧装置1により
噴霧される。その糖液の噴霧量は、ドラムの鋼板の加熱
面積1m2当り30〜60mlとすることが適切で、こ
のドラムが約1回転する間に噴霧された糖液の水分を蒸
発させ、また、ドラムの回転の所定位置でスクレーパー
2によりキャンデー状の固形物が剥ぎ取られ、走行して
いるスチールコンベア上に落下されるようになっている
。ドラムの鋼板の表面温度は、145〜151℃が好ま
しい。上記の温度の保持時間はドラム一回転あたり8〜
10秒が好ましい。落下物は、冷風を流したスチール製
ベルトコンベア上を走行しゆるやかに冷却されるように
なっている。さらに、キャンディーの厚さを40〜10
0mmとなるようにコンベアの速度を調整する。この時
のキャンデーの温度は140℃以上であるが、冷風を1
30〜150分間通風し室温になるまでゆるやかに冷却
する。このゆるやかな冷却により、キャンデー中にシュ
ークロースの結晶が晶析し、吸湿性の少ない乾燥された
含蜜糖が製造される。乾燥された含蜜糖を粉砕し、篩を
用いて一定の粒度に揃える。
【0049】上記のように製造した粉末を、例えば、粒
径が1mm以下の粉末状の含蜜糖を通常のプラスチック
製の袋に包装する。この包装物を長期間保存しても安定
で固結しにくいものであった。
【0050】
【実施例1】以下の各実施例において、乾燥及び糖類の
分析を次のようにして行なった。含蜜糖の乾燥は図5に
示した直径1650mm、巾1900mmのドラム型乾
燥器を用いて行なった。乾燥条件としては、熱源として
ドラム内に8kg/cm2 の蒸気を入れドラム表面温
度を145〜151℃に保った。ドラムの回転数は6〜
7.5rpm(ドラム上での加熱保持時間10〜8秒)
で通常7.5rpmとした。糖液の噴霧量はドラム加熱
面積1m2 当り30〜60mlで実施した。冷却時間
を130〜150分となるようにドラム下の加熱したキ
ャンディー状の糖液を受けるスチール製ベルトコンベア
の速度を調整し、またスチール製ベルトコンベアの落口
で乾燥物の温度が20〜25℃になるように冷風量を調
整した。
【0051】一方、糖類の分析は、シュークロースとラ
フィノースは高速液体クロマトグラム(HPLC)で行
ない還元糖はベルリン糖業試験所法(ミューラ法)で行
なった。図1に示す糖蜜処理法のてん菜糖の製造工程で
、糖蜜処理法としてイオン交換樹脂法で行なう工程にお
いて、ラフィノースの含有率をシュークロースに対し5
重量%以上になるように調整した糖蜜を、固形分濃度(
Bx)を30〜35%に希釈し温度を4〜8℃でH型に
再生した強酸性カチオン樹脂に通液し、ついでOH型に
再生した弱塩基性アニオン樹脂に通した後、固形分濃度
(Bx)を65〜75%に濃縮し、乾燥固形化した。 固形化した含蜜糖を粉砕機で粉砕し、篩で粒度1mm以
下と1〜3mmに分けた。これを77日間連続して実施
したが、粒度1mm以下も1〜3mmの両者ともビニー
ル製の袋に封入し6か月保存したが、さらさらとしてお
り固結しなかった。このようにして製造した含蜜糖の成
分分析結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【実施例2】図1に示す糖蜜処理法のてん菜糖の製造工
程で、糖蜜処理としてステフェン法を用いた糖蜜(固形
分当りの成分としてシュークロース58.0重量%、ラ
フィノース3.1重量%、還元糖0.4重量%)を実施
例1で示した方法で脱塩し、脱塩液を10lロータリー
エバポレータで固形分濃度(Bx)70%まで濃縮した
。pH調整後、濃縮液200lを実施例1の方法で乾燥
し粉砕し篩い分けした。このようにして製造した含蜜糖
は実施例1と同様の方法で保存したが、さらさらとして
おり固結しなかった。成分は表3のとおりであった。
【0054】
【表3】
【0055】
【実施例3】固形分当りの成分比がシュークロース75
.0重量%、ラフィノース5.6重量%、還元糖11.
5重量%で固形分濃度(Bx)18%のてん菜糖液を調
整し、この糖液450lにCaOの濃度が16重量%の
生石灰液(ライムミルク)を50l添加し、85℃に1
5分加温放置すのことにより還元糖を分解し、その後炭
酸ガスをpH9になるまで飽充し、石灰分を炭酸カルシ
ウムの沈澱として沈降させた。上澄みを濾布と濾紙で濾
過した。濾過を実施例1の方法で脱塩後10lのロータ
リーエバポレータで固形分濃度(Bx)70%に濃縮し
、pH調整後の液100lを実施例1の方法で乾燥、粉
砕、篩い分けした。得られた含蜜糖の保存試験の結果は
実施例1と同じであり、その成分分析結果を表4に示す
【0056】
【表4】
【0057】
【実施例4】実施例3で用いたてん菜糖液と同じ組成で
固形分濃度(Bx)50%のてん菜糖液を、菱化テクノ
(株)製新MCI方式のクロマト分離装置(二槽式、樹
脂量1m3 )を用いてクロマト分離し、シュークロー
スの多い区分と、ラフィノースの多い区分と、還元糖の
多い区分の3成分に分離した。分離液のうち、還元糖を
排除するためにシュークロースの多い区分とラフィノー
スの多い区分を混合した。この液を実施例3と同じ脱塩
以後の工程で含蜜糖を製造した。得られた含蜜糖の保存
試験の結果は実施例1と同じであり、その成分分析結果
は表5のとおりであった。
【0058】
【表5】
【0059】
【実施例5】図7に示した工程、すなわち、結晶化工程
に入る濃厚汁のラフィノース含有率を1.3重量%以下
とすることにより結晶化工程の糖液中のラフィノース含
有率を低く抑え、図6に示すようにシュークロースの結
晶回収率を最大となるようにしてシュークロースの結晶
を回収した。その結果生じた糖蜜をイオン交換樹脂で脱
塩し、脱塩後の糖液から結晶化法でシュークロースを回
収することにより、ラフィノースを濃縮した糖蜜を得た
。この糖蜜を、Cl型強塩基性アニオン樹脂で脱色し、
pH調整後、実施例1の方法で乾燥し含蜜糖を製造した
。得られた含蜜糖の保存試験の結果は実施例1と同じで
あった。この方法による製造を126日間連続した行な
った。
【0060】この方法と、比較のため実施例1の方法と
の差異を表6に示した。
【0061】
【表6】
【0062】表6によれば、実施例1の方法では、ラフ
ィノースを多く含んだ含蜜糖を製造するため、含蜜糖の
製造期においては濃厚汁のラフィノース含有率を1.6
〜2.0と上げて運転しなければならず、その結果、シ
ュークロース結晶の回収率は48.5%と低下し、また
操業度が落ち込んでいることがわかる。これに対し本実
施例5の方法は、実施例1の方法と同程度のラフィノー
ス含有率の含蜜糖を製造できるにもかかわらず、濃厚汁
のラフィノース含有率を1.1〜1.3%と低く抑える
ことができ、その結果、シュークロースの結晶回収率を
低下させることなく、かつ、操業度を維持できることが
表6に示されている。
【0063】なお、表6の非製造期とは含蜜糖を製造し
ていない時期を意味する。ところで、てん菜糖の製造は
、原料ビートが収穫される10月下旬から開始され、次
の年の2〜3月に終了するものであり、前記非製造期と
は、10月下旬のビートの収穫直後のビート中のラフィ
ノース含有率の低い時期である。というのは、収穫され
たビートは、収穫直後は、ラフィノースの含有率は低い
が、てん菜糖製造期間のビートの貯蔵中に徐々にその含
有率が高くなるからである。この時期のてん菜糖の製造
においては、砂糖製造工程における糖液中にはラフィノ
ースが少ないので、シュークロースの結晶化を阻害しな
い。そして、ビートの収穫直後の含蜜糖の非製造期には
砂糖製造工程における糖液中にラフィノース含有率がシ
ュークロースに対して5重量%に満たないので、含蜜糖
を製造できない。
【0064】また、表6の製造期とは、ビートの貯蔵中
にラフィノースの含有率が増え、そのビートを使用して
、砂糖製造工程の系外にラフィノースを含んだ糖蜜を取
出して粉末含蜜糖を製造する時期を意味する。また、操
業度とは、含蜜糖を製造していない時(非製造期)の1
日当りの原料処理量を100%として表示した。即ち、
非製造期では、前述のとおりラフィノースの量が糖液中
に少なくシュークロースの結晶化にラフィノースの結晶
阻害の影響がほとんどない時期である。
【0065】
【実施例6】図1に示した糖蜜処理工程がステフェン法
で、かつα−ガラクトシダーゼの酵素工程を有するてん
菜糖製造工程から得られた糖蜜(固形分当りの成分重量
%、シュークロース60.5重量%、ラフィノース2.
8重量%、還元糖0.4重量%)をイオン交換樹脂を用
いて脱塩した。脱塩液を濃縮し、16lの結晶缶を用い
て結晶化し、遠心分離でシュークロース結晶と糖蜜に分
離した。このようにして得られた糖蜜を固形分濃度(B
x)70%に調整し、100lを実施例1の方法で乾燥
して含蜜糖を得た。得られた含蜜糖の保存試験の結果は
、実施例1と同じであり、その成分分析結果は表7のと
おりであった。
【0066】
【表7】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が奏される。 (1)ビートを原料として、ビフィズス菌の増殖効果の
あるラフィノースをシュークロースに対し5重量%以上
含んだ粉末状の含蜜糖を提供できる。 (2)本発明の方法により製造された、ラフィノースを
シュークロースに対し5重量%以上含有する粉末含蜜糖
は、長期間保存しても吸湿することがなく、グラニュー
糖と同じように使い勝手がよい。
【0068】(3)本発明は、ビートを原料とした、ラ
フィノースをシュークロースに対し5重量%以上含有す
る粉末含蜜糖の製造条件を全て明らかにしたので、例え
ば、てん菜糖の製造法である前段脱塩法を採用すること
により、砂糖製造工程中に還元糖が多く生成し、かつラ
フィノースの含有率の高い糖液からでも粉末含蜜糖の製
造が可能となった。
【0069】(4)本発明は、てん菜糖製造工程におい
てラフィノースがシュークロースの結晶阻害を引き起こ
すという影響を減少或いは消滅させたので、てん菜糖を
高収率で生産することが可能となり、かつ同時に、その
てん菜糖製造工程から生じる糖蜜からラフィノースを多
く含んだ粉末含蜜糖を製造することが可能となった。 (5)本発明は、てん菜糖製造工程においてラフィノー
スがシュークロースの結晶阻害を引き起こすという影響
を減少或いは消滅させたので、ラフィノースを分解する
ために従来使用されていたα−ガラクトシダーゼを用い
ることなく、砂糖の製造が可能となった。
【0070】(6)本発明の乾燥装置は、ドラム型乾燥
機とベルトコンベアを用いた冷却装置とを組み合わせた
ので、この乾燥装置から得られた乾燥物を粉砕したもの
は、ドラム型乾燥機の加熱乾燥とベルトコンベアのゆる
やかな冷却により、糖の結晶の晶析が進み、さらさらと
した粉末状の、吸湿性のすくないラフィノースを含有す
る粉末含蜜糖となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】糖蜜処理法によるてん菜糖の製造工程を示す。
【図2】ストレートラン法によるてん菜糖の製造工程を
示す。
【図3】前段脱塩法によるてん菜糖の製造工程を示す。
【図4】ラフィノースを含んだシュークロース液を乾燥
した実験結果のグラフを示す。
【図5】ラフィノースを含んだ糖液を乾燥固形化するた
めのドラム型乾燥機とベルトコンベアを用いた冷却装置
を組み合わせた乾燥装置の構成を示す。
【図6】濃厚汁のラフィノース含有率とシュークロース
結晶回収率の関係のグラフを示す。
【図7】ラフィノースによるシュークロースの結晶阻害
をなくすか又は軽減するための含蜜糖の製造工程を示す
【符号の説明】
1        噴霧装置 2        スクレーパー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)ビートを原料として製造されイオン
    交換樹脂で脱塩精製された糖液であって、且つ該糖液の
    ラフィノースの含有率がシュークロースに対し5重量%
    以上の糖液を原料糖液とし、(2)該原料糖液を、還元
    糖の含有率をシュークロースに対して5重量%以下にな
    るように調整して調整糖液とし、(3)該調整糖液を、
    固形分濃度が65〜75重量%になるように濃縮して濃
    厚液とし、(4)該濃厚液を粉末化することを特徴とす
    るラフィノースを含有する粉末含蜜糖の製造方法。
  2. 【請求項2】(1)ビートを截断し滲出する工程、滲出
    された糖液を石灰処理して清浄する工程、清浄された糖
    液を濃縮する工程、結晶を析出させてシュークロース結
    晶と糖蜜を分離する工程、糖蜜から不純物を取り除くた
    めの処理工程、及び処理された糖蜜を、シュークロース
    結晶と糖蜜を分離する工程より前に戻す工程、からなる
    てん菜糖製造工程における、糖蜜を処理する工程で処理
    された糖蜜の一部をイオン交換樹脂で脱塩精製し、且つ
    該糖液のラフィノースの含有率をシュークロースに対し
    5重量%以上にした原料糖液とし、(2)該原料糖液を
    、還元糖の含有率がシュークロースに対して5重量%以
    下になるように、調整して調整糖液とし、(3)該調整
    糖液を、固形分濃度が65〜75重量%になるように濃
    縮して濃厚液とし、(4)該濃厚液を粉末化することを
    特徴とするラフィノースを含有する粉末含蜜糖の製造方
    法。
  3. 【請求項3】(1)ビートを截断して滲出し、(2)滲
    出された糖液を石灰処理して清浄し、(3)清浄された
    糖液を濃縮することにより、結晶化工程に入る濃厚な糖
    液のラフィノース含有率を固形分当り1.3重量%以下
    にし、(4)シュークロースの結晶を晶析させてシュー
    クロース結晶と糖蜜を分離し、(5)分離した糖蜜をイ
    オン交換樹脂で脱塩精製し、(6)脱塩精製された糖蜜
    の一部をシュークロースの結晶を晶析する工程前に戻し
    、(7)残りの糖蜜のラフィノースの含有率をシューク
    ロースに対し5重量%以上にした原料糖液とし、(8)
    該原料糖液を、還元糖の含有率がシュークロースに対し
    て5重量%以下になるように、調整して調整糖液とし、
    (9)該調整糖液を、固形分濃度が65〜75重量%に
    なるように濃縮して濃厚液とし、(10)該濃厚液を粉
    末化することを特徴とするラフィノースを含有する粉末
    含蜜糖の製造方法。
  4. 【請求項4】  前記粉末化は、表面温度を145〜1
    51℃に保持した鋼板上に、濃縮液を微細な霧状に吹き
    付けし、乾燥して固形化し、粉砕することにより粉末化
    することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の
    ラフィノースを含有する粉末含蜜糖の製造方法。
  5. 【請求項5】  原料糖液であるラフィノースの含有率
    がシュークロースに対し5重量%以上の糖液は、てん菜
    糖液をクロマト分離法により製造することを特徴とする
    請求項1〜3の何れか1項記載のラフィノースを含有す
    る粉末含蜜糖の製造方法。
  6. 【請求項6】  原料糖液を、還元糖の含有率がシュー
    クロースに対して5重量%以下になるように調整して調
    整糖液とする方法は、原料糖液に石灰乳を添加し加熱処
    理を行なうことにより調整することを特徴とする請求項
    1〜3の何れか1項記載のラフィノースを含有する粉末
    含蜜糖の製造方法。
  7. 【請求項7】  請求項1〜6のいずれか1項記載のラ
    フィノースを含有する粉末含蜜糖の製造方法により製造
    されたラフィノースを含有する粉末含蜜糖
  8. 【請求項8】
      蒸気が導入されて表面が加熱された、回転可能なド
    ラムと、そのドラムの表面にラフィノースを含む糖液を
    噴霧するための噴霧装置と、ドラム上に噴霧された糖液
    を定位置でドラムの表面から剥ぎ取るためのスクレーパ
    ーと、ドラムから剥ぎ取られた固形物を搬送している間
    にゆるやかに冷却するためのコンベアを含むことを特徴
    とする含蜜糖の乾燥装置。
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