JPH04339317A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造方法

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JPH04339317A
JPH04339317A JP3124591A JP3124591A JPH04339317A JP H04339317 A JPH04339317 A JP H04339317A JP 3124591 A JP3124591 A JP 3124591A JP 3124591 A JP3124591 A JP 3124591A JP H04339317 A JPH04339317 A JP H04339317A
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JP
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recording medium
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manufacturing
crystal
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JP3124591A
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English (en)
Inventor
Haruo Kawakami
春雄 川上
Yutaka Ideno
裕 出野
Tanio Urushiya
多二男 漆谷
Kenji Ozawa
小沢 賢治
Yoshikazu Sato
嘉一 佐藤
Atsushi Ueda
厚 植田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所謂、相変化型の光記
録材料で形成された光記録媒体の製造方法に関し、特に
、光記録材料層の形成後に該層を結晶化すべき初期化技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の高密度化、大容量化に
対する要求が高まり、国内外でその研究開発が盛んにお
こなわれているが、特に、レーザーを光源として用いる
光ディスクは、従来の磁気記録媒体に較べておよそ10
〜100倍の高記録密度を有し、しかも記録、再生ヘッ
ドと記録媒体とが非接触状態で情報の記録、再生ができ
ることから、記録媒体の損傷も少なく、長寿命であるな
どの特徴があり、膨大な情報量を記録、再生する高密度
、大容量の記録方式として有望視されている。
【0003】この光ディスクは、用途に応じて再生専用
型、追記、書換型の3種類に大別されているが、このう
ち、書換型の光ディスクについては、光磁気記録方式と
相変化方式の2つの記録方式の開発が進められている。
【0004】ここで、相変化方式とは、一般にレーザー
光のパルス出力及びパルス幅とを制御してディスクの記
録面に照射し、記録材料を加熱してその相変化、即ち結
晶状態から非結晶状態への移行又は相転移等を起こさせ
、それぞれの状態における反射率の相違に基づいて情報
の記録と消去を行うものである。
【0005】この相変化方式を採用した光ディスクは、
多くのトラッキング溝を設けたポリカーボネート製の基
板表面にZnS等のセラミック等からなる保護層を形成
し、この上に記録用材料層を設け、更にその上にセラミ
ックからなる保護層と有機物の表面保護層を順次堆積し
た構造となっている。また、断熱層として作用する保護
層と表面保護層との間にAl等の反射冷却層を設けるこ
とも行われており、この反射冷却層は、レーザー光を反
射して光の利用効率を向上させるとともに、結晶状態か
ら非結晶状態への移行の際に必要な高い冷却速度を確保
するという機能を有する。
【0006】通常の光ディスクにおいては、初期状態で
は光記録材料を結晶状態とし、情報記録時には、これに
光を照射して照射部を溶融した後に急冷することによっ
て、非結晶状態の1μm径程度のスポットを形成する。 非結晶状態のスポットは結晶状態よりも反射率が低いの
で、このスポットを記録マークとして検出することによ
って情報の読出が可能となる。一方、情報の消去は、非
結晶状態のスポットに光照射によるアニールを施すこと
によって結晶状態へと復帰させて行うようにしている。
【0007】この相変化方式の特徴点のうちの一つは、
オーバーライトと呼ばれる記録方法にある。これは、図
5に示すように、照射するレーザー光の出力を高低2つ
のレベルに変調して、高レベルでは記録マークの書込み
を行い、低レベルでは消去を行うものである。即ち、書
込み用の高レベルのレーザー光を照射した場合には、照
射前の状態が結晶か非結晶かを問わず、溶融後急冷され
て非結晶質の記録マークが形成され、低レベルのレーザ
ー光を照射した場合には、アニールされることによって
結晶化され、記録マークが消去される。
【0008】この光ディスクを製造する場合には、ディ
スクの各層をスパッタリング法によって形成した後、そ
の記録材料を全面的に結晶化した状態(消去状態)とす
る初期化工程が行われている。これは、スパッタ形成後
の記録材料は非結晶状態にあり、このまま消去レベルの
レーザー光の走査を行っても結晶状態への変化が充分で
なく、記録部分と消去部分との間の反射率のコントラス
トが得られないからである。この初期化工程では、低エ
ネルギー密度のレーザー光を記録再生時よりも大きなス
ポット(例えば50μm径)で照射し、光記録材料を固
体状態で結晶化していく方法が一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
初期化工程においては、レーザー光が同時に複数の記録
トラックを照射するので、レーザー光の光束内のエネル
ギー分布によって照射領域内の加熱温度が異なる結果、
過熱部分においては結晶粒が成長しすぎて、結晶粒径が
大きくなる。これは、光記録材料の初期化状態の均一性
を害する上に、図7に示すように、初期化による記録材
料の結晶状態に比して、通常の消去状態の記録領域23
内には30μm程度の粒径をもつ微細結晶粒が形成され
ており、この微細結晶粒よりも結晶粒径が大きくなるこ
とによって、この粒度の違いが反射率の差として検知さ
れ、初期消去比(初期化直後の書換え時の記録信号と消
去信号との出力比)の低下を招来する。なお、この図7
において21は記録マーク部分以外の初期化状態が維持
されている領域、22は記録マークであって非結晶状態
にある領域を示す。
【0010】これとは逆に、この過熱部分の発生を防止
するために、低出力のレーザー光を用いて初期化する場
合には、光記録材料の結晶化速度が小さくなるので、初
期化時間が短かければ充分な消去状態にも至らずに初期
CN比(初期化直後の記録信号とノイズレベルとの比)
が悪化することから、適切な初期化を施すには必然的に
工程時間が大幅に長くなり、生産性が低下する。
【0011】このように、従来の初期化方法では、結晶
成長の観点のみで初期化を行っていたことから、加熱用
のレーザー光の出力が結晶成長の程度に敏感に反映する
結果、レーザー光の出力に対するマージンが小さく、光
記録媒体の均一かつ適切な初期化が困難であり、光記録
媒体の初期特性に悪影響を及ぼしていた。
【0012】そこで、本発明は上記問題点を解決するも
のであり、その課題は、従来の光記録材料の単なる結晶
化のみを目指した初期化方法を改め、光記録材料内の微
細結晶の成長促進を図ることによって、均一かつ適切な
初期化を短時間に行うことを可能とし、初期消去比と初
期CN比の何れも悪化させることなく、高品質で生産性
の高い光記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた手段は、記録領域形成後の記録領
域に対する初期化工程において、記録領域の結晶核形成
段階を設けるものである。また、この初期化工程を、結
晶核形成段階と、この後に行われる記録領域の結晶粒成
長段階との2段階で構成する場合もある。
【0014】この初期化工程は光照射によって行なうこ
とが望ましく、特に初期化工程を2段階で行う場合には
、結晶核形成段階を低エネルギー密度の光束により、結
晶粒成長段階を其よりも高エネルギー密度の光束により
、連続して施すことが好ましい。
【0015】さらに、前記結晶核形成段階では、前記記
録領域を、結晶化核形成速度の高い温度TN 近傍に保
持するか、あるいは、融点TM 以上に昇温し、その後
急冷することが望ましい。
【0016】
【作用】光記録材料の結晶化過程には、■結晶化核の形
成過程と、■結晶化核からの結晶成長過程との2つの過
程が存在することが知られている。■は結晶成長のため
の核となる結晶化核が材料中に形成されていく過程であ
り、■は形成された核を中心として結晶粒が成長してい
く過程である。この2つの過程の進行速度は、図6に示
すように、物質毎にそれぞれ異なった温度において最大
値をとる。図中において、点線は、結晶化核形成速度を
示す曲線であり、実線は結晶成長速度を示す曲線である
。結晶化核形成速度は温度TN で最大となり、結晶成
長速度は温度TG で最大となる。温度TG は記録材
料の融点TM よりも若干低い温度であり、通常、温度
TN は温度TG よりもある程度低い温度となる。
【0017】このような光記録材料の特性から、従来、
初期化工程において、レーザー光の照射で記録材料の温
度がTG になるように設定すると、結晶成長速度が早
く、粗大な結晶粒が形成される一方、温度TN で初期
化工程を行うと、結晶速度が遅く初期化工程が長時間と
なっていた。
【0018】本発明の手段は、先ず、結晶化核形成段階
を設けるものであって、結晶化速度よりも結晶化核形成
速度の高い温度に記録材料の温度が上昇するように初期
化条件を設定し、記録材料の内部に充分な数の結晶化核
を生成させる。初期化工程をこの結晶化核形成段階のみ
で終了させる場合でも、記録材料中には多数の結晶化核
が形成されているので、結晶化自体はそれ程進行してい
ない状態にあっても、消去レベルの光照射によって充分
に結晶成長が行われ、初期から充分なCN比が得られる
。しかも、この多数の結晶化核が存在している状態では
、粗大な結晶粒の形成が加熱条件如何に拘わらず抑制さ
れるという効果もあり、当初から消去状態、即ち結晶化
状態において結晶粒の細かい微結晶が形成されることと
なるので、書換え初期における消去比の低下を抑制する
ことができる。
【0019】この結晶化核形成段階では上記初期特性を
満足するに足る結晶化核生成に必要な時間が結晶化する
場合に較べて短時間であることから、高速の初期化処理
が可能となる。特に、当該段階が結晶化核形成速度の高
い温度TN の近傍でなされるときは、その時間短縮は
更に顕著となる。
【0020】次に、ディスクから得られる各種サーボ信
号の効果を担保するために、光記録媒体の初期状態を、
上記結晶化核のみの生成状態では足りず、完全な結晶状
態としておく必要性が生ずる場合がある。この場合には
、上記結晶化核形成段階の後に結晶化速度の早い加熱条
件で行う結晶粒成長段階を設けることによって、結晶状
態に移行させることができる。この工程によれば、予め
充分な結晶化核形成がなされているので、適度な粒径の
結晶粒成長が確保される上に迅速に結晶成長が行われ、
初期化後の当初の記録再生特性を悪化させずに高速処理
することができる。この場合にも記録材料が温度TG 
の近傍で処理される条件ではその時間短縮の効果は更に
増大する。
【0021】この2段階で処理する場合には、低エネル
ギー密度の光束と高エネルギー密度の光束を別個に用い
、これらの光束を相前後して照射することによって光記
録媒体に対して一括処理的に初期化工程を行うことがで
きる。
【0022】上記の何れの初期化方法においても、従来
方法の欠点であった照射光のエネルギー密度分布、加熱
温度、処理時間等に対する過敏性から解放されており、
その初期化処理の効果を得るために要求される条件設定
に関しては、結晶化核形成段階及び結晶粒成長段階の処
理条件を別個に制御することで、例えば、温度に関して
も上記TG とTN の差に相当するオーダーで制御す
れば足りる程度にまで、その範囲を拡大することが可能
であり、レーザー光の照射条件のマージンもそれに応じ
て大きくなる。
【0023】さらに、結晶核形成段階において、記録領
域の温度を融点TM以上に昇温し、一旦溶融させ、その
後急冷することによっても、結晶化核は生成される。こ
の処理方法では、結晶化核の形成は一旦溶融した後、急
冷により生成されるので、比較的広範囲において同質の
相変化を実現でき、均質な結晶化核の形成が図られる。 従って、初期化後の記録再生特性の均一な記録媒体が得
られ易い。また、結晶化核が、高エネルギー密度の光束
の短時間照射により生成できるので、結晶化核の急速な
形成が可能であり、初期化処理の一層の時間短縮が図ら
れる。また、温度に関してもTM 以上に制御すれば足
りる程度であり、レーザー光の照射条件のマージンは、
更に大きくなる。
【0024】
【実施例】次に、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。この実施例に際して使用した光ディスクは、
直径90mmのポリカーボネート製のディスク基板の表
面上にZnSからなる層厚100nmのセラミック保護
層、Ge2 Sb2 Te5 からなる層厚30nmの
記録材料層、層厚170nmのセラミック保護層、Al
からなる層厚100nmの反射冷却層を順次スパッタリ
ング法によって被着したものである。この光ディスクの
スパッタリング終了直後の光反射率は約10%であった
【0025】先ず、本発明に係る実施例を説明する前に
、従来の方法による光ディスクの初期化を行った。即ち
、アルゴンレーザーによって出力2W、50μm径のレ
ーザー光束を回転数1800rpmで回転するディスク
面上に、送り速度0.5mm/sでディスク半径方向に
移動させて照射し、ディスク全面の初期化を行った。
【0026】この初期化後の光ディスクの反射率は30
%まで上昇した。この初期化工程では、ディスクの回転
数がレーザー光束の送り動作中も一定であるため、ディ
スクの内周側と外周側ではそのレーザー光束に対する周
速度が異なり、内周側の記録材料に対するレーザー光の
照射時間が外周側に較べて長くなるので、内周側の記録
材料層における結晶粒径が大きくなり、内周側の初期消
去比が外周側に較べて若干小さくなった。
【0027】(第1実施例)本発明による第1実施例は
、上記従来の初期化方法のうち、レーザー光束の送り速
度を0.6〜0.8mm/sの範囲内に変えて行った。 従来方法とこの初期化によって得られた送り速度に対す
る初期化後の反射率、初期CN比、及び初期消去比の値
の依存性を図1に示す。この初期化方法においては、従
来の初期化方法程には初期化後の反射率50が上昇せず
、結晶化がそれ程進まなかったことがわかるが、それに
も拘わらず、初期CN比53,54(53はディスク内
周部分の値、54はディスク外周部分の値である。)と
初期消去比51,52(51はディスク内周部分の値、
52はディスク外周部分の値である。)の値の低下は発
生せず、充分な結晶化核が形成されていることがわかる
。因みに、図1において、送り速度0.4mm/s以下
では、反射率のデータは結晶状態にあることを示してい
るが、初期消去比51,52が低下しており、結晶粒径
が大きいことがわかる。したがって、従来の初期化方法
で採用されていた反射率50の向上が飽和しかつ初期消
去比51,52の低下しない条件は、送り速度で設定し
ようとすると0.5mm/s前後の極めて狭い領域内と
なるが、本実施例の方法では、一部結晶化する範囲をも
含めて、約0.5〜0.8mm/sの広い範囲で初期化
が可能である。
【0028】このように本実施例では、初期化に要求さ
れるのは結晶化の程度ではなく、結晶化核の形成に必要
な条件を満たせば足り、結晶粒の成長に必要な加熱時間
が不要であることが実証されており、初期化工程におけ
る高速処理が可能である。
【0029】(第2実施例)次に、第2実施例として、
上記従来方法及び第1実施例の条件のうち、レーザー光
の出力を1.8Wに変えて初期化した場合の光ディスク
の特性を図2に示す。この場合には、レーザー光の出力
を低下させることによって記録材料層に照射されるエネ
ルギー密度が低下しており、従来例及び第1実施例の場
合に較べて記録材料層の加熱温度が低下している。この
結果、図1の場合と較べて結晶粒の成長速度は低下して
いると考えられ、初期化後の反射率50のデータも送り
速度0.5mm/sの条件では30%まで上昇していな
い。したがって、従来の結晶化を図る条件では送り速度
0.4mm/s程度で初期化する必要があるが、この条
件では初期消去比51,52が既に低下し始めており、
図1に示す場合よりも更に送り速度のマージンが狭いこ
とがわかる。
【0030】これに対して、本実施例では、反射率が充
分に上昇していない送り速度の早い領域で広く初期CN
比53,54と初期消去比51,52の双方が悪化しな
い光ディスクが得られており、最大1.0mm/sの送
り速度でレーザー光束の移動を行っても充分な初期特性
を示している。これは、レーザー光の出力を低下させた
ことによって加熱温度が低下し、前述のように結晶粒成
長速度が低下したものの、逆に結晶化核形成速度は向上
したため多数の結晶化核が形成され易くなっており、高
速で初期化処理を行った場合でも後の消去レベルの光照
射で充分に記録材料層の結晶化がなされるからである。 したがって、この実施例では、更に初期化工程の高速処
理が可能になる(従来の約半分の工程時間となる。)と
ともに、その条件設定のマージンが大きくなり、工程管
理が容易になる。
【0031】(第3実施例)次に、本発明による第3実
施例として、結晶化核形成後に結晶粒成長を行う初期化
方法を実施した。この実施例では、図3に示すように、
アルゴンレーザー40からのレーザー光をビームスプリ
ッター42で2つの光束に分割し、その透過光をミラー
43で偏向したのち、それぞれの光束をビーム整形器4
4、アッティネーター45、及び対物レンズ46を通し
て光ディスク1の表面上に照射した。
【0032】図4には、そのレーザー光の照射スポット
72及び73を示す。光ディスク1は図中の矢印Aの方
向に回転しており、スポット72は50μm径の円形で
1.8Wの出力をもつ。また、スポット73は、ディス
クの回転方向に5μm、ディスク径方向に50μmの楕
円形状で1.2Wの出力をもっている。
【0033】光ディスク1上の記録材料層には、まずス
ポット72が照射され、次にスポット73が照射される
。スポット72のエネルギー密度はスポット73の約1
/6倍であり、より低温で結晶核形成が行われ、この後
、スポット73により高温に加熱されて結晶粒の成長が
なされる。この時の光ディスク1の回転数は上記従来例
、各実施例と同一であり、また、送り速度は1.0mm
/sとした。この初期化方法で処理した後の光ディスク
1の反射率は30%となり、充分に結晶化されたことが
確認された。また、初期のCN比として50dB、消去
比として28dBが得られ、記録再生特性にも問題のな
いことが確認された。
【0034】この実施例では、従来と同様に初期化によ
って記録材料層を結晶化の完了した状態とすることがで
きるにも拘わらず、2つのレーザー光束によって加熱温
度を変えて2段階処理することによって、従来に比して
処理時間を約半分とすることができた。なお、本実施例
では同一のレーザー光源から2つの光束を分離して照射
しているが、別個の2つのレーザー光源を用いることも
可能である。
【0035】(第4実施例)本実施例においては、上記
の実施例と同様のディスクに対し、波長830nmの半
導体レーザーをNA0.55の対物レンズにより集光し
て初期化を行う際に、ディスクのトラックをレーザーが
移動する線速度を2〜10m/s、レーザーパワーを1
.5〜10mWの範囲内で照射条件を変更し、ディスク
の反射率への影響を確認した。
【0036】図8は、照射条件と照射後のディスク特性
との関係を示している。図8の領域85は、線速度が5
m/s以上と高速で、レーザーパワーも5mW以上と高
パワーの領域であり、記録材料は、一旦溶融した後急冷
されて非結晶状態となっている。製作後の状態から、反
射率は若干減少した。線速度9m/s、レーザーパワー
10mWにて初期化処理を行ったディスクを、線速度9
m/s、書込みレベル12mW、消去レベル5mWの条
件でオーバーライトを行った結果、書込みレベルが照射
されたところは書込マーク、消去レベルが照射されたと
ころは結晶化し、従来の、全面を結晶化し初期化したデ
ィスクに書込みを行った状態と同様の状態が得られた。 この場合の初期消去比は35dBが得られ、10回の書
込みを繰り返しを行った場合の消去比は、30dBより
も高い値であった。
【0037】一方、領域81は低速、低パワーの領域で
あり、反射率の上昇は小さい。線速度2m/s、レーザ
ーパワー3mW以下で初期化処理を行ったディスクをT
EM観察すると、比較的低温で長時間の照射が行われる
ため、微細な結晶粒が得られていることが分かる。この
領域で初期化されたディスクは、高い初期消去比の値が
得られた。この初期化条件ではレーザーパワーが小さく
、また、半導体レーザーのビーム径が1.5μm程度と
小さいため、初期化される領域が限られており、数度こ
の初期化処理を繰り返して、均一に初期化された領域を
得ることができる。
【0038】低速、中パワーの領域82では、結晶化核
の形成が遅く、結晶成長の方が早いため、大きな結晶粒
となる。また、低速、高パワーの領域84では、記録材
料の溶融後の冷却速度が遅く、この間に結晶が成長する
ため、大きな結晶粒となる。
【0039】このように、これらの領域では、反射率の
増加は大きいが、初期消去比は小さいものとなる。さら
に、低速、高パワーの領域84では、過大な熱負荷のた
め記録材料、保護材料に損傷が認められた。一方、高速
、低パワーの領域83では結晶化核の生成も見られず、
初期化ができなかった。
【0040】高速、高パワーの領域85での初期化方法
は、オーバーライト記録時の記録マーク中での結晶化核
形成と同様の状態を初期化時に行う方法である。従って
、この状態のディスクにオーバーライトを行うと、消去
レベルの照射された記憶領域の結晶粒度は、記録マーク
の消去された場合の結晶粒度と同様となり、書込みの繰
り返し初期から高い消去比を得ることができる。さらに
、線速度が大きく高速の初期化処理が可能であり、高パ
ワーで広い記録領域を均一に初期化することができる。 本実施例は半導体レーザーによる例であるが、Arレー
ザーなど他のレーザーを用いても同様の結果が得られた
【0041】以上説明した各実施例の条件は、記録材料
層の厚さ、材質、ディスクの層構造等によって、種々調
整変更する必要があって、本発明は、上記各初期化条件
の値に限定されるものではなく、記録材料層の結晶化核
形成速度の大きい加熱温度、もしくは急冷法によって結
晶化核形成が行われ、この後結晶粒成長速度の大きい加
熱温度で結晶粒成長が行われることを意図したものであ
り、これによって、従来の初期化工程における条件設定
の基準を刷新して、顕著な効果をもたらすものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、光記録
媒体の初期化工程において、結晶化核形成段階、若しく
は結晶化核形成段階とこの後に行われる結晶粒成長段階
の2段階で処理することに特徴を有するので、以下の効
果を奏する。
【0043】■  結晶化核形成を充分に行うことによ
って、結晶粒の成長を行わずに光記録媒体の初期特性を
確保することが可能となるので、工程時間の短縮及び処
理条件のマージンの拡大を図ることができ、生産効率の
向上と初期化状態の均一化及び安定化を達成することが
できる。
【0044】■  結晶化核形成後に結晶粒成長を行う
場合には、初期化後の記録材料を結晶状態としておくこ
とができるが、この場合にも初期化状態の均一化と処理
条件のマージンの拡大を図ることができる。
【0045】■  結晶化核形成と結晶粒成長とをそれ
ぞれに適した加熱条件となるように別個の光束によって
平行処理する場合には、工程時間の短縮により生産性の
向上を図ることができる。
【0046】■  結晶化核形成は、記録材料を溶融し
、その後急冷することによっても生成でき、この場合高
エネルギー密度の光束を短時間照射すれば良く、工程時
間を一層短縮することが可能である。さらに溶融させる
ことにより、比較的広範囲で同一の相変化を起こすこと
が可能であり、結晶化核の均一な生成も図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の効果を示すためのデ
ィスクの反射率、初期CN比及び初期消去比のレーザー
光束送り速度に対する依存性を示すグラフ図である。
【図2】本発明に係る第2実施例の効果を示すためのデ
ィスクの反射率、初期CN比及び初期消去比のレーザー
光束送り速度に対する依存性を示すグラフ図である。
【図3】本発明に係る第3実施例の初期化方法における
レーザー光の照射系を示す概念図である。
【図4】本発明に係る第3実施例の初期化方法における
レーザー光束の照射スポットを示す平面図である。
【図5】光ディスクに対して書換え、消去を行うレーザ
ー光の変調状態を示すグラフ図である。
【図6】光記録材料の結晶化核形成速度と結晶粒成長速
度の温度依存性を示すグラフ図である。
【図7】光ディスクの記録領域の結晶状態を示す平面図
である。
【図8】半導体レーザーによる、ディスク初期化処理時
の照射条件と照射後のディスク特性との関係を示すグラ
フ図である。
【符号の説明】
1    光ディスク 40  アルゴンレーザー 42  ビームスプリッター 43  ミラー 50  反射率 51  ディスク内周部分の初期消去比52  ディス
ク外周部分の初期消去比53  ディスク内周部分の初
期CN比54  ディスク外周部分の初期CN比72 
 結晶化核形成用のスポット 73  結晶粒成長用のスポット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  光照射によって結晶状態の可逆的変化
    を生ずる記録領域を備えた光記録媒体の製造方法であっ
    て、記録領域形成後の前記記録領域に対する初期化工程
    において、前記記録領域の結晶核形成段階を有すること
    を特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載の光記録媒体の製造方
    法において、前記初期化工程は光照射によって行われる
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1に記載の光記録媒体の製造方
    法において、前記初期化工程は、前記結晶核形成段階と
    、この後に行われる記録領域の結晶粒成長段階とからな
    ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】  請求項3に記載の光記録媒体の製造方
    法において、前記初期化工程は光照射によって行われる
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】  請求項4に記載の光記録媒体の製造方
    法において、前記結晶核形成段階は低エネルギー密度の
    光束により、前記結晶粒成長段階は其よりも高エネルギ
    ー密度の光束により、連続して施されることを特徴とす
    る光記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】  請求項1又は請求項2に記載の光記録
    媒体の製造方法において、前記結晶核形成段階は、前記
    記録領域が、結晶化核形成速度の高い温度TN近傍に保
    持されることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】  請求項3乃至請求項5の何れか一項に
    記載の光記録媒体の製造方法において、前記結晶核形成
    段階では、前記記録領域が、結晶化核形成速度の高い温
    度TN 近傍に保持され、前記結晶粒成長段階では、前
    記記録領域が、結晶成長速度の最大となる温度TG 近
    傍に保持されることを特徴とする光記録媒体の製造方法
  8. 【請求項8】  請求項1乃至請求項4の何れか一項に
    記載の光記録媒体の製造方法において、前記結晶核形成
    段階では、前記記録領域が、融点TM 以上に昇温され
    、その後急冷されることを特徴とする光記録媒体の製造
    方法。
JP3124591A 1990-12-28 1991-02-27 光記録媒体の製造方法 Pending JPH04339317A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0229927A (ja) * 1988-07-18 1990-01-31 Nippon Columbia Co Ltd 光記録装置

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JPH0229927A (ja) * 1988-07-18 1990-01-31 Nippon Columbia Co Ltd 光記録装置

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