JP2674837B2 - 相変化型光ディスク - Google Patents
相変化型光ディスクInfo
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- JP2674837B2 JP2674837B2 JP1184510A JP18451089A JP2674837B2 JP 2674837 B2 JP2674837 B2 JP 2674837B2 JP 1184510 A JP1184510 A JP 1184510A JP 18451089 A JP18451089 A JP 18451089A JP 2674837 B2 JP2674837 B2 JP 2674837B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording film
- composition
- film
- disk
- information recording
- Prior art date
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は相変化型光ディスクに関し、さらに詳しくは
1つのビームスポットですでに記録された情報を消去し
ながら新たに別の情報を記録する1ビームオーバライト
が可能な相変化型光ディスクに関する。
1つのビームスポットですでに記録された情報を消去し
ながら新たに別の情報を記録する1ビームオーバライト
が可能な相変化型光ディスクに関する。
[従来の技術] レーザ光を用いた光ディスク記録方式は大容量記録が
可能であり、非接触で高速アクセスできることから、大
容量メモリとして実用化が始まっている。光ディスク
は、コンパクトディスクやレーザディスクとして知られ
ている再生専用型、ユーザで記録ができる追記型、およ
びユーザで繰り返し記録・消去ができる書き換え型に分
類される。追記型・書き換え型の光ディスクはコンピュ
ータの外部メモリ、あるいは文書・画像ファイルとして
使用されつつある。
可能であり、非接触で高速アクセスできることから、大
容量メモリとして実用化が始まっている。光ディスク
は、コンパクトディスクやレーザディスクとして知られ
ている再生専用型、ユーザで記録ができる追記型、およ
びユーザで繰り返し記録・消去ができる書き換え型に分
類される。追記型・書き換え型の光ディスクはコンピュ
ータの外部メモリ、あるいは文書・画像ファイルとして
使用されつつある。
書き換え型光ディスクには、記録膜の相変化を利用し
た相変化型光ディスクと垂直磁化膜の磁化方向の変化を
利用した光磁気ディスクがある。このうち、相変化型光
ディスクは、外部磁場が不要で、かつオーバライトが容
易にできることから有望視されている。
た相変化型光ディスクと垂直磁化膜の磁化方向の変化を
利用した光磁気ディスクがある。このうち、相変化型光
ディスクは、外部磁場が不要で、かつオーバライトが容
易にできることから有望視されている。
従来より、レーザ光照射により結晶−非晶質間の相変
化を起こす記録膜を用いた書き換え可能な、いわゆる相
変化型光ディスクが知られている。相変化型光ディスク
では記録膜に記録すべき情報に応じた高パワのレーザ光
スポットを照射し、記録膜温度を局部的に上昇させるこ
とにより、結晶−非晶質間の相変化を起こさせて記録
し、これに伴う光学定数の変化を低パワのレーザ光によ
って反射光強度差として読み取ることにより再生を行っ
ている。
化を起こす記録膜を用いた書き換え可能な、いわゆる相
変化型光ディスクが知られている。相変化型光ディスク
では記録膜に記録すべき情報に応じた高パワのレーザ光
スポットを照射し、記録膜温度を局部的に上昇させるこ
とにより、結晶−非晶質間の相変化を起こさせて記録
し、これに伴う光学定数の変化を低パワのレーザ光によ
って反射光強度差として読み取ることにより再生を行っ
ている。
例えば、結晶化時間が比較的遅い記録膜を用いた相変
化型光ディスクでは、ディスクを回転させ、該ディスク
に形成された記録膜にレーザ光を照射し、該記録膜の温
度を融点以上に上昇させ、レーザ光が通過した後、急冷
することによりその部分を非晶質状態とし、記録する。
消去時には、記録膜温度をガラス転移点以上でかつ融点
以下の結晶化可能温度範囲で結晶化を進行させるために
十分な時間保持する方法として、レーザ光進行方向に長
い長円レーザ光を照射し、結晶化させる。ここで、既に
記録したデータを消去しながら新しい情報を記録する2
ビームによる疑似的なオーバライトを行う場合には、消
去用の長円レーザ光を記録用円形レーザ光に先行させて
照射するように配置する。
化型光ディスクでは、ディスクを回転させ、該ディスク
に形成された記録膜にレーザ光を照射し、該記録膜の温
度を融点以上に上昇させ、レーザ光が通過した後、急冷
することによりその部分を非晶質状態とし、記録する。
消去時には、記録膜温度をガラス転移点以上でかつ融点
以下の結晶化可能温度範囲で結晶化を進行させるために
十分な時間保持する方法として、レーザ光進行方向に長
い長円レーザ光を照射し、結晶化させる。ここで、既に
記録したデータを消去しながら新しい情報を記録する2
ビームによる疑似的なオーバライトを行う場合には、消
去用の長円レーザ光を記録用円形レーザ光に先行させて
照射するように配置する。
一方、高速結晶化が可能な情報記録膜を用いたディス
クでは、円形に集光した1本のレーザ光を使う。レーザ
光のパワを2つのレベル間で変化させることにより、結
晶化あるいは非晶質化を行う。すなわち、記録膜の温度
を融点以上に上昇させることが可能なパワのレーザ光を
記録膜に照射することにより、その部分は冷却時に非晶
質状態となり、一方、記録膜温度がガラス転移点以上で
かつ融点以下の温度に達するようなパワのレーザ光が照
射された部分は結晶状態になる。
クでは、円形に集光した1本のレーザ光を使う。レーザ
光のパワを2つのレベル間で変化させることにより、結
晶化あるいは非晶質化を行う。すなわち、記録膜の温度
を融点以上に上昇させることが可能なパワのレーザ光を
記録膜に照射することにより、その部分は冷却時に非晶
質状態となり、一方、記録膜温度がガラス転移点以上で
かつ融点以下の温度に達するようなパワのレーザ光が照
射された部分は結晶状態になる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、ディスクを一定の回転数で回転させて
情報の記録・再生・消去を行うという最も一般的な使用
条件の場合、記録・消去条件の制御が非常に困難であ
る。
情報の記録・再生・消去を行うという最も一般的な使用
条件の場合、記録・消去条件の制御が非常に困難であ
る。
例えば、直径5.25インチの基板を用いて作製した相変
化型光ディスクを1800rpmで回転させた場合、半径30mm
では、線速度は5.65m/sであるが、最外周の半径60mmで
は線速度は11.3m/sとなるう。このように、回転数一定
でディスクを使用した場合、ディスクの内周と外周で線
速度が異なる。従って同一パワ条件では、ディスクの内
周と外周でレーザ照射に伴う温度上昇量に差ができてし
まう。たとえ、記録膜の温度上昇量が同じになるように
パワを制御したとしても、線速度が変わると、記録膜に
レーザが照射されている時間に差ができるため冷却条件
が変わってしまう。即ち、高線速では記録膜のある領域
にレーザが照射される時間が短く、かつ熱源であるレー
ザがすばやく移動していくために急熱急冷状態となり、
一方、低線速では逆に徐熱徐冷状態となる。このこと
は、線速度によって、消去状態を決める結晶化条件に差
ができることを意味している。高線速では結晶化速度の
速い記録膜の方が良好な消去状態になり、低線速では、
結晶化速度の遅い記録膜の方が良好に消去できる。
化型光ディスクを1800rpmで回転させた場合、半径30mm
では、線速度は5.65m/sであるが、最外周の半径60mmで
は線速度は11.3m/sとなるう。このように、回転数一定
でディスクを使用した場合、ディスクの内周と外周で線
速度が異なる。従って同一パワ条件では、ディスクの内
周と外周でレーザ照射に伴う温度上昇量に差ができてし
まう。たとえ、記録膜の温度上昇量が同じになるように
パワを制御したとしても、線速度が変わると、記録膜に
レーザが照射されている時間に差ができるため冷却条件
が変わってしまう。即ち、高線速では記録膜のある領域
にレーザが照射される時間が短く、かつ熱源であるレー
ザがすばやく移動していくために急熱急冷状態となり、
一方、低線速では逆に徐熱徐冷状態となる。このこと
は、線速度によって、消去状態を決める結晶化条件に差
ができることを意味している。高線速では結晶化速度の
速い記録膜の方が良好な消去状態になり、低線速では、
結晶化速度の遅い記録膜の方が良好に消去できる。
ディスク内外周にわたり一定の組成、すなわち一定の
結晶化時間を持つ記録膜を用いたディスクでは、良好な
消去状態を得るには、記録半径毎に消去条件を高精度で
制御することが要請される。言い換えれば、消去条件を
精度よくコントロールしない限り、良好な消去ができな
いという欠点があった。
結晶化時間を持つ記録膜を用いたディスクでは、良好な
消去状態を得るには、記録半径毎に消去条件を高精度で
制御することが要請される。言い換えれば、消去条件を
精度よくコントロールしない限り、良好な消去ができな
いという欠点があった。
本発明の目的は上記の欠点を解決し、回転数一定の条
件で使用しても消去条件の高精度なコントロールが不要
で、記録・消去の半径位置に無関係に一定条件で良好な
消去が達成できる相変化型光ディスクを提供することに
ある。
件で使用しても消去条件の高精度なコントロールが不要
で、記録・消去の半径位置に無関係に一定条件で良好な
消去が達成できる相変化型光ディスクを提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、レーザ光照射による情報記録膜の可逆的な
相状態変化を利用して、オーバーライトにより、情報の
記録・再生・消去を行う相変化型光ディスクにおいて、
情報記録膜は組成によって結晶化速度が異なるInSbTe
系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn
系、SbSeBi系、BiSeGe系のうちの一つを主とする材料で
形成され、かつディスクの半径方向に該情報記録膜の組
成を変え、該ディスク内周に比べて外周ほど該情報記録
膜の結晶化速度が速くなるよう設定されたことを特徴と
する相変化型光ディスクである。
相状態変化を利用して、オーバーライトにより、情報の
記録・再生・消去を行う相変化型光ディスクにおいて、
情報記録膜は組成によって結晶化速度が異なるInSbTe
系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn
系、SbSeBi系、BiSeGe系のうちの一つを主とする材料で
形成され、かつディスクの半径方向に該情報記録膜の組
成を変え、該ディスク内周に比べて外周ほど該情報記録
膜の結晶化速度が速くなるよう設定されたことを特徴と
する相変化型光ディスクである。
[作用] 本発明では、相変化型光ディスクにおける情報記録膜
の組成を半径方向に変化させる。情報記録膜の膜成分と
して、組成によって結晶化速度が変化するものを用いる
と、半径方向に記録膜組成を変化させることで、半径方
向に結晶化速度の異なる光ディスクが得られる。
の組成を半径方向に変化させる。情報記録膜の膜成分と
して、組成によって結晶化速度が変化するものを用いる
と、半径方向に記録膜組成を変化させることで、半径方
向に結晶化速度の異なる光ディスクが得られる。
従って、一定の回転数でディスクを回転した時のレー
ザ照射に伴う冷却条件の違いを、結晶化速度を変化させ
ることでコントロールすることにより、従来のように、
記録半径毎に消去条件を高精度で制御する必要がなく、
半径位置に無関係に一定条件で良好な消去が達成でき
る。
ザ照射に伴う冷却条件の違いを、結晶化速度を変化させ
ることでコントロールすることにより、従来のように、
記録半径毎に消去条件を高精度で制御する必要がなく、
半径位置に無関係に一定条件で良好な消去が達成でき
る。
[実施例] 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
第1図は本発明にかかる相変化型光ディスクの一実施
例の概略断面図である。第1図(a)は円盤状のガラス
もしくはプラスチックからなる基板1上にスペーサ2、
情報記録膜3、保護膜4が順次形成された構成のもの、
第1図(b)は保護膜4の上にさらに反射膜5が形成さ
れた構成のものである。ここで、スペーサ2および保護
膜4としてはSiO2、Si3N4、AlN、TiO2、SiOなどの透明
誘電体が用いられる。情報記録膜3としてはInSbTe系、
InSe系、InTe系、、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn
系、SbSeBi系、BiSeGe系などが用いられる。反射膜5に
はAl、Au、Cu、Ag、Tiなどの金属が用いられる。
例の概略断面図である。第1図(a)は円盤状のガラス
もしくはプラスチックからなる基板1上にスペーサ2、
情報記録膜3、保護膜4が順次形成された構成のもの、
第1図(b)は保護膜4の上にさらに反射膜5が形成さ
れた構成のものである。ここで、スペーサ2および保護
膜4としてはSiO2、Si3N4、AlN、TiO2、SiOなどの透明
誘電体が用いられる。情報記録膜3としてはInSbTe系、
InSe系、InTe系、、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn
系、SbSeBi系、BiSeGe系などが用いられる。反射膜5に
はAl、Au、Cu、Ag、Tiなどの金属が用いられる。
第1図において、情報記録膜3の組成は半径方向に変
化している。これが、本発明にかかる相変化型光ディス
クの特徴である。通常、情報記録膜の結晶化速度は組成
によって変化するので、半径方向に記録膜組成を変える
ことにより半径方向に結晶化速度の異なる光ディスクが
得られる。
化している。これが、本発明にかかる相変化型光ディス
クの特徴である。通常、情報記録膜の結晶化速度は組成
によって変化するので、半径方向に記録膜組成を変える
ことにより半径方向に結晶化速度の異なる光ディスクが
得られる。
[参考例] 第2図に参照例を示す。GeTeSbでは第2図に示したよ
うに、Sb2Te3からGeTeにかけての組成範囲で30nsから10
0nsの結晶化速度を持ち、GeTe成分が多くなるほど結晶
化速度が遅くなる傾向にある。
うに、Sb2Te3からGeTeにかけての組成範囲で30nsから10
0nsの結晶化速度を持ち、GeTe成分が多くなるほど結晶
化速度が遅くなる傾向にある。
[実施例1] 第3図は、In1-xSexの結晶化速度の組成依存性を示す
特性図である。In57Se43近傍では8μsの結晶化速度を
持つが、In50Se50近傍では、約500nsの結晶化速度とな
る。
特性図である。In57Se43近傍では8μsの結晶化速度を
持つが、In50Se50近傍では、約500nsの結晶化速度とな
る。
相変化型光ディスクは、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビ
ーム真空蒸着法、スパッタリング法などの成膜法により
作製される。スペーサ2および保護膜4の膜厚は1nmか
ら200nmの範囲に設定される。情報記録膜3の膜厚は20n
mから300nmの範囲に設定される。
ーム真空蒸着法、スパッタリング法などの成膜法により
作製される。スペーサ2および保護膜4の膜厚は1nmか
ら200nmの範囲に設定される。情報記録膜3の膜厚は20n
mから300nmの範囲に設定される。
情報記録膜の組成が半径方向に変化するように成膜す
るには、例えば、第4図に示したように、真空室10の中
にディスク6の回転中心に対して偏心した位置に蒸発源
あるいはスパッタソース11を有する成膜装置を用いる。
記録膜は通常2つ以上の元素からなっているので、記録
膜用の蒸発源あるいはスパッタソース11を主要元素に分
けて2つ以上用意し、成膜時に各ソース11の蒸発速度を
制御すると共に、ディスク6と各ソース11間に仕切り板
12を設け、ディスクの半径方向に組成が変化するように
コントロールする。なお図中、13は排気系、14は成膜時
のガス導入口である。ディスク6をモータ15により回転
させながら成膜することにより、半径方向に所望の組成
分布を持つ相変化型光ディスクが容易に作製できる。
るには、例えば、第4図に示したように、真空室10の中
にディスク6の回転中心に対して偏心した位置に蒸発源
あるいはスパッタソース11を有する成膜装置を用いる。
記録膜は通常2つ以上の元素からなっているので、記録
膜用の蒸発源あるいはスパッタソース11を主要元素に分
けて2つ以上用意し、成膜時に各ソース11の蒸発速度を
制御すると共に、ディスク6と各ソース11間に仕切り板
12を設け、ディスクの半径方向に組成が変化するように
コントロールする。なお図中、13は排気系、14は成膜時
のガス導入口である。ディスク6をモータ15により回転
させながら成膜することにより、半径方向に所望の組成
分布を持つ相変化型光ディスクが容易に作製できる。
[参考例] 第5図は、参考例のGeTeとSbTeの複合ターゲットを用
いてマグネトロンスパッタリング法により作製したGeTe
Sbを記録膜とする相変化型光ディスクの組成分布の半径
方向依存性(第5図(a))、および結晶化速度の半径
方向依存性(第5図(b))を示したものである。基板
1には直径5.25インチのガラス基板(厚さ1.2mm、1.6μ
mピッチのプリグルーブ付き)を、スペーサ2と保護膜
4にはSi3N4を使用した。Si3N4はGeTeSbと同一真空室内
で連続してマグネトロンスパッタリング法により成膜し
た。スペーサ2と保護膜4の膜厚は、それぞれ100nm、2
00nmに設定し、GeTeSb記録膜の膜厚は50nmとした。記録
膜の組成は発光分光分析法により分析した。結晶化速度
は静止型記録特性評価装置を用いて測定した。第5図か
らわかるように、ディスク内周ほどGeTe成分が多くなっ
ており、結晶化速度が遅くなっている。
いてマグネトロンスパッタリング法により作製したGeTe
Sbを記録膜とする相変化型光ディスクの組成分布の半径
方向依存性(第5図(a))、および結晶化速度の半径
方向依存性(第5図(b))を示したものである。基板
1には直径5.25インチのガラス基板(厚さ1.2mm、1.6μ
mピッチのプリグルーブ付き)を、スペーサ2と保護膜
4にはSi3N4を使用した。Si3N4はGeTeSbと同一真空室内
で連続してマグネトロンスパッタリング法により成膜し
た。スペーサ2と保護膜4の膜厚は、それぞれ100nm、2
00nmに設定し、GeTeSb記録膜の膜厚は50nmとした。記録
膜の組成は発光分光分析法により分析した。結晶化速度
は静止型記録特性評価装置を用いて測定した。第5図か
らわかるように、ディスク内周ほどGeTe成分が多くなっ
ており、結晶化速度が遅くなっている。
次に、このディスクへのデータ記録・再生・消去を試
みた。ディスクを一定の回転数2400rpmで回転させ、第
6図のように変調されたレーザパワでオーバライトを行
った。記録周波数は4MHzと5MHzとし、記録パワレベル20
mW、消去パワレベル8mWとした。ディスク最内周と最外
周において、オーバライトを行ったところ、いずれも消
去率25dB以上の特性が得られた。一方、ディスク半径方
向に対して一定の組成、すなわち一定の結晶化速度(10
0ns)を持つディスクにおいては、ここで用いた一定の
記録消去パワレベルでは外周で消去率が低下した。
みた。ディスクを一定の回転数2400rpmで回転させ、第
6図のように変調されたレーザパワでオーバライトを行
った。記録周波数は4MHzと5MHzとし、記録パワレベル20
mW、消去パワレベル8mWとした。ディスク最内周と最外
周において、オーバライトを行ったところ、いずれも消
去率25dB以上の特性が得られた。一方、ディスク半径方
向に対して一定の組成、すなわち一定の結晶化速度(10
0ns)を持つディスクにおいては、ここで用いた一定の
記録消去パワレベルでは外周で消去率が低下した。
[実施例2] 次にInSeを記録膜とするディスクを作製した。InとSe
をそれぞれ蒸着源とする抵抗加熱真空蒸着法により直径
3.5インチのポリカーボネート基板(厚さ1.2mm、1.6μ
mピッチのプリグルーブ付き)に成膜した。スペーサと
保護膜にはSiOを用いた。各層の膜厚はスペーサ150nm、
記録膜100nm、保護膜80nmとした。記録膜の組成は、成
膜時の各ソースの蒸発速度の制御と、各ソースとディス
ク基板間に設けた仕切り板によってコントロールした。
ディスク最内周の記録膜組成はIn52Se48で、最外周の組
成はIn50Se50であった。各組成での結晶化速度は2μ
s、600nsであり、ディスク外周で結晶化速度が速くな
っている。このディスクを1800rpmの一定の回転数で回
転させ、データの記録・再生・消去を行った。記録パワ
15mW、消去パワ6mWの条件で2MHzと3MHzの信号をオーバ
ライトしたところ、ディスク内外周にわたって一定の消
去率が得られ、良好なオーバライト特性が確認できた。
をそれぞれ蒸着源とする抵抗加熱真空蒸着法により直径
3.5インチのポリカーボネート基板(厚さ1.2mm、1.6μ
mピッチのプリグルーブ付き)に成膜した。スペーサと
保護膜にはSiOを用いた。各層の膜厚はスペーサ150nm、
記録膜100nm、保護膜80nmとした。記録膜の組成は、成
膜時の各ソースの蒸発速度の制御と、各ソースとディス
ク基板間に設けた仕切り板によってコントロールした。
ディスク最内周の記録膜組成はIn52Se48で、最外周の組
成はIn50Se50であった。各組成での結晶化速度は2μ
s、600nsであり、ディスク外周で結晶化速度が速くな
っている。このディスクを1800rpmの一定の回転数で回
転させ、データの記録・再生・消去を行った。記録パワ
15mW、消去パワ6mWの条件で2MHzと3MHzの信号をオーバ
ライトしたところ、ディスク内外周にわたって一定の消
去率が得られ、良好なオーバライト特性が確認できた。
なお、ここでは反射膜を持たない第1図(a)相当の
構成を持つ相変化型光ディスクについて説明したが、第
1図(b)相当の反射膜を持つ媒体構成の相変化型光デ
ィスクにおいても本発明が適応できることは言うまでも
ない。
構成を持つ相変化型光ディスクについて説明したが、第
1図(b)相当の反射膜を持つ媒体構成の相変化型光デ
ィスクにおいても本発明が適応できることは言うまでも
ない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、組成によって結晶
化速度が変わる材料を記録膜として用い、さらにディス
クの半径方向に記録膜の組成を変化させておくことによ
って、半径方向に結晶化速度が変化した光ディスクが得
られる。このため、回転数一定の条件で使用しても、デ
ィスク半径位置に対応して記録消去条件を変更する必要
がなく、光ディスク装置への負担を大幅に軽減できると
いう効果がある。
化速度が変わる材料を記録膜として用い、さらにディス
クの半径方向に記録膜の組成を変化させておくことによ
って、半径方向に結晶化速度が変化した光ディスクが得
られる。このため、回転数一定の条件で使用しても、デ
ィスク半径位置に対応して記録消去条件を変更する必要
がなく、光ディスク装置への負担を大幅に軽減できると
いう効果がある。
第1図は本発明の一実施例の概略断面図、第2図は参考
例のGeTeSbの結晶化速度の組成依存性を示す特性図、第
3図は本発明の実施例のInSeの結晶化速度の組成依存性
を示す特性図、第4図は本発明の相変化型光ディスクの
作製に用いられる成膜装置の一例の概略構成図、第5図
は本発明の一実施例の組成分布と結晶化速度の半径方向
依存性を示す特性図、第6図はオーバライト動作時のレ
ーザパワ駆動波形の1例である。 1……基板、2……スペース 3……情報記録膜、4……保護膜 5……反射膜、6……ディスク 10……真空室 11……蒸発源あるいはスパッタソース 12……仕切り板、13……排気系 14……ガス導入口、15……モータ
例のGeTeSbの結晶化速度の組成依存性を示す特性図、第
3図は本発明の実施例のInSeの結晶化速度の組成依存性
を示す特性図、第4図は本発明の相変化型光ディスクの
作製に用いられる成膜装置の一例の概略構成図、第5図
は本発明の一実施例の組成分布と結晶化速度の半径方向
依存性を示す特性図、第6図はオーバライト動作時のレ
ーザパワ駆動波形の1例である。 1……基板、2……スペース 3……情報記録膜、4……保護膜 5……反射膜、6……ディスク 10……真空室 11……蒸発源あるいはスパッタソース 12……仕切り板、13……排気系 14……ガス導入口、15……モータ
Claims (1)
- 【請求項1】レーザ光照射による情報記録膜の可逆的な
相状態変化を利用して、オーバーライトにより、情報の
記録・再生・消去を行う相変化型光ディスクにおいて、
情報記録膜は組成によって結晶化速度が異なるInSbTe
系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn
系、SbSeBi系、BiSeGe系のうちの一つを主とする材料で
形成され、かつディスクの半径方向に該情報記録膜の組
成を変え、該ディスク内周に比べて外周ほど該情報記録
膜の結晶化速度が速くなるよう設定されたことを特徴と
する相変化型光ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1184510A JP2674837B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 相変化型光ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1184510A JP2674837B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 相変化型光ディスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0352137A JPH0352137A (ja) | 1991-03-06 |
JP2674837B2 true JP2674837B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=16154458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1184510A Expired - Lifetime JP2674837B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 相変化型光ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2674837B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7510753B2 (en) | 2004-10-01 | 2009-03-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Phase-change optical recording media |
US7858166B2 (en) | 2006-02-02 | 2010-12-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Phase change recording medium |
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