JPH04338323A - 放出制御製剤およびその製造法 - Google Patents

放出制御製剤およびその製造法

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JPH04338323A
JPH04338323A JP11044691A JP11044691A JPH04338323A JP H04338323 A JPH04338323 A JP H04338323A JP 11044691 A JP11044691 A JP 11044691A JP 11044691 A JP11044691 A JP 11044691A JP H04338323 A JPH04338323 A JP H04338323A
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高畑 英夫
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孝 大澤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放出制御製剤およびその
製造法に関する。さらに詳しくはシグモイド型の溶出パ
ターンを有する散剤または細粒剤として好適な放出制御
製剤およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の経口投与製剤においては、1日に
1〜2回の投与で24時間有効血中濃度を維持しうるよ
うな徐放性製剤が好まれている。このような徐放性製剤
としては、服用して、所望の時間経過後に所望の有効血
中濃度に達するように、投与後有効成分が溶出し始める
までの時間(ラグタイム)を異にする粒を種々組み合わ
せ、一剤として構成されたものが多い。
【0003】このような種々の粒の組み合わせより成る
製剤においては、その構成粒には、一定のラグタイムの
後、急速に医薬有効成分を溶出し、短時間で有効血中濃
度に達するいわゆるシグモイド型の溶出パターンを有す
ることが要求される。
【0004】しかしながら、このような製剤の開発は困
難であり、満足しうるものがえられていないのが現状で
ある。たとえば、ラグタイムの後に溶出する製剤として
は、アクリル系エマルジョンを用いたものが特開平1−
113322号明細書に開示されているが、この方法で
はアクリル系高分子を用いているため、モノマーの残存
などが懸念され、安全性に不明な点が残る。また、特開
平1−106817号明細書には、キチン、セルロース
などの多孔性物質の気孔中に医薬化合物を充填した後、
ポリマー膜、脂質またはこれらの混合物で被覆した封入
体が提案されている。しかしこの製剤は、担体の気孔部
から封入された有効成分が徐々に溶出するものの、溶出
速度が遅く、所望の血中濃度に達するまでに非常に時間
がかかり、シグモイド型の溶出パターンはえられないと
いう問題を有している。さらに、特開昭62−3070
9号明細書には、核粒子の周囲に膨潤性物質と共に医薬
化合物を付着させ、それをエチルセルロースとタルクの
混合物で被覆した膜破裂型の持続性製剤が開示されてい
る。この方法では膨潤圧が発生するため、シグモイド型
の溶出パターンを有する製剤がえられるものの、この方
法において、小粒子の製剤をえるために小さい核粒子を
使用したばあいには、膨潤性物質の被覆工程で粒子の凝
集が発生するという問題が生じ、さらに、溶出制御膜の
コーティング工程においても、エチルセルロースなどの
高分子物質は、これを小粒子上にコーティングする際、
静電気、凝集物が発生しやすいなどの技術的問題点を有
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上述べた
ごとき問題点を解決し、一定のラグタイムの後急速に有
効成分を溶出し、いわゆるシグモイド型の溶出パターン
を有する放出制御製剤およびその製造法を提供しようと
するものである。
【0006】さらに、本発明は、散剤や細粒剤として好
適なシグモイド型溶出パターンを有する放出制御製剤お
よびその製造法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行なった結果、水膨潤性の担体
の周囲に医薬化合物を含有する有効成分層を形成せしめ
、さらにその周囲に溶融性物質を結合剤として水不溶性
非溶融性物質を付着せしめて被覆層を形成せしめること
により、■有効成分の溶出が開始するまでの時間が遅延
しラグタイムを有すること、■溶出開始までの時間(ラ
グタイム)が、被覆層の皮膜量により制御できることお
よび■被覆層の皮膜が水膨潤性担体の膨潤圧によって一
定時間経過後に破裂することにより急速に有効成分が溶
出することを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】すなわち、本発明は水膨潤性担体、該担体
の周囲に形成された医薬化合物を含有する有効成分層、
および該有効成分層の周囲に溶融性物質を結合剤として
形成された水不溶性非溶融性物質を含有する被覆層から
なる放出制御製剤に関する。
【0009】また、本発明は、水膨潤性担体の周囲に医
薬化合物を含有する有効成分層を形成せしめて芯物質を
調製し、ついで該芯物質の周囲に溶融性物質を結合剤と
して水不溶性非溶融性物質を含有する被覆層を設けるこ
とを特徴とする放出制御製剤の製造法に関する。
【0010】
【実施例】本発明の放出制御製剤の模式図を図1に示す
【0011】本発明においては、水膨潤性物質の粒子を
担体として用い、該担体の周囲に医薬化合物を含有する
有効成分層を形成せしめて芯物質を調製する。水膨潤性
担体の周囲に溶融性物質を結合剤として医薬化合物を付
着せしめて有効成分層を形成したものがとくに芯物質と
して好適である。水膨潤性担体(以下、担体という)と
しては、気孔部の担体中に占める割合が約5〜50%の
ものであって、常温の水に浸積したばあいの体積増加率
が約10%以上のものであれば、とくに限定されない。
【0012】かかる担体としては、たとえば結晶セルロ
ース、キトサン、コーンスターチ、低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポ
リアクリル酸ナトリウム、イソブチレン無水マレイン酸
などを多孔質に形成したものがあげられ、好ましくは結
晶セルロースを球状かつ多孔質に成形したアビセルSP
(商品名、旭化成工業(株)製)などが好都合である。 また、担体は比較的小さい粒子のものが好ましく、たと
えば平均粒径が約500 μm以下、とりわけ約100
 〜300 μmのものが好ましい。
【0013】また、有効成分層に含有されうる医薬化合
物としては、経口投与可能な薬物であればとくに限定さ
れず、水易溶性のものに限らず、水に対する溶解度の低
いものでも使用できる。かかる医薬化合物としては、た
とえば化学療法剤、抗生物質、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤
、抗悪性腫瘍剤、自律神経用薬剤、精神神経用薬剤、局
所麻酔剤、筋弛緩剤、消化器官用薬剤、抗ヒスタミン剤
、中毒治療剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛消
炎剤、強心剤、不整脈治療剤、利尿剤、血管拡張剤、抗
脂血剤、滋養強壮変質剤、抗凝血剤、肝臓用薬剤、血糖
降下剤、血圧降下剤などがあげられる。なお、これらの
医薬化合物の粒子径は0.1 〜100 μmの範囲で
あり、好ましくは0.1 〜10μmの範囲であること
が好適である。
【0014】有効成分層は、公知の種々の方法で形成す
ることができるが、好ましくは溶融性物質を結合剤とし
て医薬化合物を担体粒子上に付着せしめることによって
形成される。
【0015】本発明の製剤において、被覆層は、溶融性
物質を結合剤として使用し、水不溶性非溶融性物質、す
なわち放出制御剤を芯物質の周囲に付着せしめて層状に
形成せしめたものである。放出制御剤としては、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸マグネシウムなどのケイ酸もしくは
ステアリン酸のアルカリ土類金属塩、酸化チタンまたは
軽質無水ケイ酸などがあげられる。このうち好ましいも
のとしては、ケイ酸マグネシウムがあげられるが、合成
品でもよくまた天然物、いわゆるタルク、であってもよ
い。なお、これらの放出制御剤の粒子径は0.1 〜1
00 μm、好ましくは0.1 〜10μmの範囲が好
適である。
【0016】また有効成分層および被覆層において結合
剤となる溶融性物質としては、約30℃以上、とりわけ
約40〜100 ℃の温度で溶融する脂質様物質であれ
ば、どのようなものでも使用でき、たとえば、高級脂肪
酸、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸エステル、高級
炭化水素などを好適に使用することができる。
【0017】高級脂肪酸としては、たとえば炭素数10
〜32の飽和または不飽和脂肪酸があげられる。具体的
な高級脂肪酸としてはたとえばカプリン酸、ウンデシル
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリ
シン酸、ラクセル酸、エライジン酸、ブラシジン酸など
があげられ、これらのうち、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ベヘン酸などが好ま
しく、とりわけパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸
が好ましい。
【0018】高級脂肪族アルコールとしてはたとえば炭
素数12〜30の脂肪族一価アルコールがあげられる。 具体的な高級脂肪族アルコールとしてはたとえばラウリ
ルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアル
コール、ペンタデシルアルコール、セルチルアルコール
、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノ
ナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルア
ルコール、メリシルアルコールなどがあげられる。これ
らのうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
エイコシルアルコール、などが好ましく、とりわけセチ
ルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。
【0019】また高級脂肪酸エステルとしてはたとえば
(1) 炭素数10〜32の飽和または不飽和脂肪酸と
炭素数14〜32の脂肪族一価アルコールとのエステル
、(2) 炭素数10〜22の飽和ないし不飽和脂肪酸
とグリセリンとのエステルまたはそれらの水素添加物が
あげられ、具体的にはたとえば(1) としてパルミチ
ン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン
酸ミリスチル、リグノセリン酸セリル、セロチン酸ラク
セリル、ラクセル酸ラクセリルなどの脂肪酸エステル、
ラノリン、蜜ロウ、鯨ロウ、セラックロウなどの動物由
来の天然ロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウのごと
き植物由来の天然ロウがあげられる。また(2) とし
てグリセリルモノラウリレート、グリセリルモノミリス
チレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジ
ラウリレート、グリセリルジミリスチレート、グリセリ
ルジステアレート、グリセリルトリラウリレート、グリ
セリルトリミリスチレート、グリセリルトリステアレー
トなどのほか、牛脂、豚脂、硬化牛脂、硬化ナタネ油、
硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化大豆油などがあげられ
る。このうち、カルナウバロウ、硬化ナタネ油、硬化ヒ
マシ油、セラックロウ、グリセリルトリステアレート、
グリセリルトリパルミテートなどが好ましく、とりわけ
硬化ナタネ油、硬化ヒマシ油、カルナウバロウが好まし
い。
【0020】上記において天然ロウあるいは牛脂、豚脂
さらには種々の硬化油は各種の成分を含むものであるが
、いずれも好適に使用することができる。たとえばセラ
ックロウはリグノセリン酸セリルを主成分とし、セロチ
ン酸セリルやラクセリル酸ラクセリルを混合して含むほ
か、遊離アルコールや炭化水素、樹脂分などの成分も含
有するが好適に使用することができる。
【0021】高級炭化水素としてはたとえば炭素数12
〜32の炭化水素があげられ、具体的には種々の炭化水
素の混合物である固形パラフィンがあげられる。
【0022】なお、これらの溶融性物質の粒子径は0.
1 〜500 μm、好ましくは0.1 〜50μmの
範囲が好適である。
【0023】有効成分層および被覆層における溶融性物
質の含有量は、使用する溶融性物質の種類およびこれと
組み合わせる医薬化合物や放出制御剤の種類によっても
若干変動するが、通常、40%(W/W 、以下同様)
以下、好ましくは30〜10%が適当である。また、溶
融性物質の使用量は、医薬化合物または放出制御剤10
0 重量部に対して10〜40重量部が適当である。た
とえば、溶融性物質としてK3ワックス(種々の動植物
性脂肪油に水素添加してえられる脂肪)を使用し、放出
制御剤としてタルクを使用して被覆層を形成するばあい
には、K3ワックス10重量部に対してタルクを約10
〜80重量部使用するのが好適である。
【0024】また、有効成分層および被覆層においては
賦形剤、結合剤など、通常この分野で常用される種々の
配合剤を添加してもよい。
【0025】賦形剤としては、白糖、乳糖、マンニトー
ル、グルコースなどの糖類、でんぷん、結晶セルロース
、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどがあげられ、
結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、グルコ
ース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトー
ル、マンニトール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、マクロゴール類、アラビアゴム、ゼラチン
、寒天、でんぷんなどがあげられる。
【0026】これらの配合剤の粒子径は、通常0.1 
〜100 μm、好ましくは0.1 〜30μmの範囲
が適当である。
【0027】本発明の製剤は、まず担体の周囲に医薬化
合物を含有する有効成分層を形成せしめて芯物質を調製
し、ついで該芯物質の周囲に放出制御剤を含有する被覆
層を設けることにより製造される。
【0028】本発明の方法は転動造粒機、遠心流動型造
粒コーティング装置、流動層造粒機など、当業者が通常
の造粒、コーティング操作において使用する造粒コーテ
ィング装置を用いて実施することができる。
【0029】有効成分層の形成は、噴霧乾燥法、溶融コ
ーティング法など、通常行なわれるどのような方法で実
施されてもよいが、溶融性物質を結合剤として形成する
ばあい、つぎに記すような被覆層の形成と連続して実施
することができる。
【0030】被覆層の形成はたとえば、(A) 溶融性
物質が溶融もしくは軟化する温度条件下に、芯物質を転
動させながら溶融性物質、放出制御剤および必要であれ
ば通常の医薬製剤の配合剤を混合したものを散付し付着
せしめるか、あるいは(B) 溶融性物質、放出制御剤
および必要であれば通常の医薬製剤の配合剤を適当な溶
媒に懸濁させて、芯物質に噴霧し乾燥させることにより
実施される。上記(A) および(B) の好適な方法
を以下に記す。
【0031】(A) の方法においては、あらかじめ芯
物質を、たとえば遠心流動させながら、使用する溶融性
物質の融点よりも約5℃程度高く加熱しておく。ただし
このばあい、加熱温度は溶融性物質が溶融もしくは軟化
する温度であればよく、厳密な温度コントロールは必要
でない。これに、放出制御剤と溶融性物質を含有する混
合末を徐々に添加し、担体または芯物質に付着せしめる
【0032】また、(B) の方法においては、まず、
放出制御剤と溶融性物質を含有する懸濁液を調製する。 このばあい懸濁液に用いる溶媒としては、エチルアルコ
ール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ア
セトニトリル、アセトンなどの親水性有機溶媒、または
これと水との混合溶媒などがあげられる。そして、該懸
濁液を前記の適切な装置において芯物質に噴霧したのち
、溶融性物質が溶融もしくは軟化する温度で乾燥する。
【0033】これら(A) および(B) の方法は、
「芯物質」を「担体粒子」にかえ、「溶融性物質、放出
制御剤および必要であれば通常の医薬の配合剤」を、「
医薬化合物、溶融性物質および必要であれば通常の医薬
製剤の配合剤」にかえたばあい、溶融性物質を結合剤と
する有効成分層の形成においても用いられる。
【0034】また、本発明において、有効成分層は担体
に対して5〜900 %、好ましくは5〜100 %、
さらに、被覆層は芯物質に対して約20%以上、好まし
くは約30〜300%となるよう調整することが好まし
い。被覆層が芯物質に対して20%よりも少ないばあい
、医薬化合物の溶出を制御できず、300 %よりも多
いばあいは膜の破裂がなく、医薬化合物も放出されない
こととなる。
【0035】このようにしてえられる各層の厚みは、有
効成分層に関しては医薬化合物の配合量によっても異な
るが、通常10〜150 μmであり、また、被覆層に
関しては通常、20〜150 μmである。さらに本発
明の製剤は、粒径が比較的小さいものが好ましく、とり
わけ平均粒子径が約500 μm以下であるものが好ま
しい。これは有効血中濃度の制御を容易にするためであ
る。
【0036】上記のような方法による放出制御製剤の製
造性は良好で、粒どうしの凝集なども非常に小さい。
【0037】また、このようにしてえられた放出制御製
剤は被覆層が緻密で強固なため、内部に浸透した水が膨
潤性の担体に保持されて適当な膨潤圧がかかるまで被覆
層としての形態を保ち、内部の医薬化合物を放出せず(
すなわち一定のラグタイムを保つことができ)、充分に
膨潤圧が高まったとき、被覆層が一挙に破裂されるため
、あるラグタイムの後に急速に医薬活性成分を溶出させ
ることができる。つまり、溶出曲線はシグモイド型とな
る。
【0038】さらにまた、本放出制御製剤のラグタイム
は、被覆層における放出制御剤の種類、配合量あるいは
その皮膜量を変えることによって、所望のものをえるこ
とが可能である。
【0039】かくしてえられる本発明の放出制御剤は、
単独あるいは種々のラグタイムを有する製剤を組み合わ
せ、たとえば適宜賦形剤、滑沢剤、崩壊剤などを加えて
徐放錠としたり、また、必要により滑沢剤を加えてカプ
セルに充填すれば徐放カプセルとすることもできるが、
使用者の年齢、性別、症状などの状況に応じて投与量を
適宜調節するためには、秤取量によって投与量の調節が
可能な散剤、細粒剤または顆粒剤などが好ましい。
【0040】実施例1 膨潤性担体として粒子径200 〜300 μmのアビ
セルSP(粒状アビセル)500gを遠心流動型造粒コ
ーティング装置CFに入れ温度を90℃に保ちながら転
動させ、K3ワックス(粒子径1〜50μm)20重量
部と塩酸ジルチアゼム(粒子径1〜30μm)80重量
部の混合物100gを加熱下徐々に加えて担体に付着せ
しめ、芯物質を製した。さらに、K3ワックス15重量
部とタルク85重量部の混合物1000g を加熱下徐
々に加えて芯物質に付着せしめコーティング顆粒1をえ
た(収率99%)。
【0041】実施例2 塩酸ジルチアゼムをマレイン酸トリメブチン(粒子径1
〜30μm)に置き換えたほかは実施例1と同様の操作
を行ない、コーティング率(芯物質重量に対する被覆層
の重量比(%))がそれぞれ160 %および200 
%のコーティング顆粒2−1および2−2 をえた(そ
れぞれ収率99.2%および99.0%)。
【0042】実施例3 塩酸ジルチアゼムを塩酸ブロムヘキシン(粒子径1〜3
0μm)に置き換えたほかは実施例1と同様の操作を行
ない、コーティング率がそれぞれ160 %および20
0 %のコーティング顆粒3−1 および3−2 をえ
た(それぞれ収率99.4%および98.9%)。
【0043】実施例4 塩酸ジルチアゼムをテオフリィンに置き換えたほかは実
施例1と同様の操作を行ない、コーティング顆粒4をえ
た(収率98.8%)。
【0044】実施例5 塩酸ジルチアゼムをアフロクァロンに置き換えたほかは
実施例1と同様の操作を行ない、コーティング顆粒5を
えた(収率99.5%)。
【0045】上記の全てのコーティング顆粒の調製にお
いて、製造性は良好で粒の凝集などは認められなかった
【0046】実施例6 放出制御層をカルナウバロウ20重量部とタルク80重
量部に置き換えて、以下実施例1と同様に行ない、放出
制御製剤をえた。
【0047】実施例7放出制御層をステアリン酸20重
量部と酸化チタン80重量部に置き換えて、以下実施例
2と同様に行ない、放出制御製剤をえた。
【0048】実施例8 放出制御層をパルミチン酸20重量部とステアリン酸カ
ルシウム80重量部に置き換えて、以下実施例3と同様
に行ない、放出制御製剤をえた。
【0049】実施例9 放出制御層をステアリルアルコール20重量部とタルク
60重量部とエチルセルロース20重量部に置き換えて
、以下実施例4と同様に行ない、放出制御製剤をえた。
【0050】実施例10 放出制御層をステアリン酸20重量部とタルク60重量
部とオイドラギットRS20重量部に置き換えて、以下
実施例5と同様に行ない、放出制御製剤をえた。
【0051】実施例11 放出制御層をパルミチン酸20重量部とステアリン酸マ
グネシウム80重量部に置き換えて、以下実施例3と同
様に行ない、放出制御製剤をえた。
【0052】実施例12 実施例1と同様にして調製した芯物質200gをフロー
コータミニに入れ、カルナウバロウとステアリン酸マグ
ネシウムの等量混合物380gを4倍量の80%エタノ
ールに懸濁した組成物を噴霧し、ついで80℃で、約1
6時間乾燥することにより放出制御製剤560gをえた
【0053】実施例13 実施例1と同様にして調製した芯物質200gを遠心流
動装置に入れ、ステアリン酸80重量部とステアリン酸
カルシウム20重量部の混合物380gを4倍量の50
%エタノールに懸濁した組成物を噴霧し、ついで80℃
で、約16時間乾燥することにより放出制御製剤560
gをえた。
【0054】試験例1 実施例1〜5で調製したコーティング顆粒1〜5につい
て溶出試験(日局、パドル法、溶出液水:100rpm
)を実施した。その結果を以下の図2〜6に示す。
【0055】図より明らかなように、水溶性の医薬化合
物のみならず、塩酸ブロムヘキシンやテオフィリンなど
の水に溶けにくい医薬化合物を使用したばあいでも、良
好なシグモイド型の溶出曲線をえることができた。さら
に、マレイン酸トリメグチンおよび塩酸ブロムヘキシン
に関してはコーティング率を160 %、200 %と
変化させることによりラグタイムを制御することができ
(図3および図4参照)、被覆層の厚さによって所望の
溶出パターンを有する放出制御製剤がえられることが示
された。
【0056】
【発明の効果】本発明の放出制御製剤は、充分なラグタ
イムの後、急速に有効成分を溶出させるというシグモイ
ド型の溶出パターンを有する製剤としてきわめてすぐれ
たものである。さらに被覆層の厚さを変えることにより
所望のラグタイムを有する製剤をえることが可能である
。また、本発明の放出制御製剤は、コーティング操作中
の粒どうしの凝集なども非常に小さく、良好な製造性で
、散剤、細粒剤などに好適な粒子径を有するものをえる
ことができる。本製剤を単独で使用し、あるいは種々の
ラグタイムを有する製剤を組み合わせることにより、疾
患、症状、年齢などに適した有効血中濃度の時間コント
ロールが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放出制御製剤の構造を示す図である。
【図2】試験例1におけるコーティング顆粒1の溶出試
験の結果を示すグラフである。
【図3】試験例1におけるコーティング顆粒2−1 お
よび2−2 の溶出試験の結果を示すグラフである。
【図4】試験例1におけるコーティング顆粒3−1 お
よび3−2 の溶出試験の結果を示すグラフである。
【図5】試験例1におけるコーティング顆粒4の溶出試
験の結果を示すグラフである。
【図6】試験例1におけるコーティング顆粒5の溶出試
験の結果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  水膨潤性担体、該担体の周囲に形成さ
    れた医薬化合物を含有する有効成分層、および該有効成
    分層の周囲に溶融性物質を結合剤として形成された水不
    溶性非溶融性物質を含有する被覆層からなる放出制御製
    剤。
  2. 【請求項2】  水膨潤性担体が球状の多孔質結晶セル
    ロースであり、溶融性物質が高級脂肪酸、高級脂肪族ア
    ルコール、高級炭化水素または高級脂肪酸エステルであ
    り、水不溶性非溶融性物質がケイ酸アルカリ土類金属塩
    、ステアリン酸アルカリ土類金属塩、酸化チタンまたは
    軽質無水ケイ酸である請求項1記載の放出制御製剤。
  3. 【請求項3】  水膨潤性担体の周囲に医薬化合物を含
    有する有効成分層を形成せしめて芯物質を調製し、つい
    で該芯物質の周囲に溶融性物質を結合剤として水不溶性
    非溶融性物質を含有する被覆層を設けることを特徴とす
    る放出制御製剤の製造法。
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