JP4367722B2 - マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤 - Google Patents

マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顆粒部及び粉末部を含むマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性薬物の溶出速度を制御する製剤は、シングルユニットタイプとマルチプルユニットタイプに分類することができる。シングルユニットタイプは主に錠剤、マルチプルユニットタイプは主にカプセル剤及び顆粒剤の形態をとることが多いが、マルチプルユニットタイプの製剤はシングルユニットタイプに比べ、(1)有効成分の吸収の変動が少ない、(2)溶出の再現性がとりやすい、(3)2種以上の有効成分への応用が可能などの優れた特徴を有することから、徐放化製剤としてはマルチプルユニットタイプが望ましい。また、カプセル剤や顆粒剤よりも服用のしやすさから、錠剤の形態をとることが望ましい。
しかしながら、従来のマルチプルユニットタイプの徐放性錠剤は、核粒子に薬物層を被覆し次いでこの表面を徐放化剤により被覆した顆粒を徐放顆粒とし、これと粉末部を混合し打錠することによって得られることから、打錠時に徐放顆粒の徐放化膜が破壊され薬物の溶出制御が困難になることが多い。このような問題に対して、顆粒を低融点油脂類及び主薬を含む素顆粒及び放出制御膜からなる不定形顆粒並びに粉末部からなるマルチプルユニットタイプ錠剤(特開平7−316042号)や、持続放出性重合体組成物で被覆した活性成分の微粒子からなる多数のマイクロカプセル群を錠剤化した圧縮錠剤において、マイクロカプセル群の粒子径を不均一でその範囲を約5ミクロンから約400ミクロン以内とし、水溶液中で直ちに崩壊して個々のマイクロカプセルに分散する持続放出性圧縮錠剤(特許番号第2601660号)が提案されている。しかしながら、これらの技術では、徐放性顆粒の形状が不定形又は不均一であるために、均一なコーティング被膜を施すことが困難であり、溶出速度が安定した徐放性錠剤が得難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、打錠工程の圧縮に起因する溶出速度の変化が少ないマルチプルユニットタイプの徐放性錠剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水不溶性高分子と有効成分でマトリックスを形成させた顆粒(以下、マトリックス顆粒と称することがある)を用いるか、又は更にこのマトリックス顆粒を放出制御膜で被覆したもの(以下、被覆顆粒と称することがある)を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
【0006】
(1) 顆粒部及び粉末部からなり、顆粒が水不溶性高分子と有効成分のマトリックスからなることを特徴とするマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0007】
(2) 顆粒が核粒子並びに該核粒子を被覆する水不溶性高分子及び有効成分を含むマトリックス層からなる前記(1)記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0008】
(3) 水不溶性高分子と有効成分の重量比が0.7:1〜3:1である前記(1)又は(2)に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0009】
(4) 水不溶性高分子が、エチルセルロースである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0010】
(5) エチルセルロースが、25℃で重量比8:2のトルエン−エタノール混合液に5重量%溶解したときの粘度が15cps以上のものである前記(4)に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0011】
(6) 顆粒が放出制御膜で被覆されていることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0012】
(7) 放出制御膜が水不溶性高分子である前記(6)に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0013】
(8) 水不溶性高分子が、エチルセルロースである前記(6)又は(7)に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0014】
(9) 顆粒が、放出制御膜で被覆されていない状態で、顆粒強度3,000g/mm2以上である前記(6)〜(8)のいずれかに記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
【0015】
本発明における水不溶性高分子とは、徐放性コーティング剤、腸溶性コーティング剤、胃溶性コーティング剤等として医薬品分野において用いられる水不溶性高分子である。それらは、例えば、エチルセルロース、精製セラック、白色セラック、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、メタアクリル酸コポリマーS、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等が挙げられ、このうち最も好ましいものとしてエチルセルロースが挙げられる。
【0016】
水不溶性高分子は、有効成分の水やアルコールへの溶解度、目的とする徐放化の程度などにより、その種類、置換度、分子量を使い分けることが好ましい。また、これらの水不溶性高分子は単独で用いても、併用してもよい。また、コーティング助剤である硬化油、ステアリン酸、セタノールや、可塑剤である中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、クエン酸トリエチル、セタノール等を添加してもよい。
【0017】
ここで用いられるエチルセルロースとしては、エトキシル基含有率43〜50%(置換度2.2〜2.6)のものが好ましい。また、エチルセルロースは、25℃で重量比8:2のトルエン−エタノール混合液に5重量%溶解したときの粘度が15cps以上、好ましくは20cps以上、更に好ましくは20〜50cpsのものが本発明を実施する上で好適である。
【0018】
水不溶性高分子の溶剤は、水不溶性高分子の種類により異なるが、一般的には水及び低級アルコールの混合物又は低級アルコールが好ましく、エチルセルロースの場合は、60%以上のエタノール水溶液が好ましい。また、これらの溶剤に水不溶性高分子は溶解されていなければならず、更に水不溶性高分子溶液に有効成分は溶解もしくは均一に分散されていなければならない。有効成分が分散系である場合は、核粒子への付着率の向上と均一性確保のために、平均粒子径を20μm以下として、均一性を保つために充分に撹拌することが効果的である。
【0019】
本発明は、水不溶性高分子やその配合比を変えること又はマトリックス顆粒を更に放出制御膜で被覆することで水溶性の薬物を含め種々の有効成分に対して適用が可能である。従って、本発明は有効成分の種類に特に限定を受けない。例えば、本発明で用いられる有効成分を例示すると、ジプロフィリン、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸フェニルプロパノールアミン、ベラドンナ(総)アルカロイド、アセトアミノフェン、テオフィリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、イブプロフェン、ノスカピン、dl−塩酸メチルエフェドリン、リン酸ジヒドロコデイン、エテンザミド、塩酸ブロムヘキシン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、アミノフィリン、プロキシフィリン、カフェイン等を挙げることができる。これらの有効成分は2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
本発明では、有効成分の水に対する溶解性を考慮して、マトリックス顆粒を形成する水不溶性高分子の種類、水不溶性高分子と有効成分との配合比などにより、自在に有効成分の溶出速度を制御することが可能である。更に水不溶性高分子を溶解する溶剤の組成により溶出速度を制御することができる。マトリックス顆粒を形成する水不溶性高分子と有効成分との配合比は、有効成分の溶出の制御を可能ならしめる範囲で適宜選択するものであるが、重量比で通常0.7:1〜3:1、好ましくは0.75:1〜1.25:1である。本発明では、マトリックス顆粒に含有する水不溶性高分子の量を有効成分の3倍以下とすることが製造上好適であるが、この量では目的とする有効成分の溶出速度を確保することが困難な場合は、マトリックス顆粒を更に放出制御膜で被覆することによって、有効成分の溶出速度を制御した方が効率的である。マトリックス顆粒を放出制御膜で被覆する場合は、マトリックス顆粒の顆粒強度を3,000g/mm2以上にすることが好ましく、3,500g/mm2以上が更に好ましい。これによって、被覆顆粒と粉末部を混合し打錠するにあたって被覆顆粒が破壊され難くなり、溶出速度の変化を少なくすることが可能になる。
【0021】
顆粒強度は、水不溶性高分子の種類、置換度、分子量を使い分けること、水不溶性高分子と有効成分との配合比などを適宜選択することにより調製することができる。
【0022】
従って、本発明の通常の実施形態は以下に示すとおりであるが、これに限定されるものではなく、適宜応用される。
【0023】
マトリックス顆粒に含有させる有効成分の溶出を比較的短い時間制御させる場合や、水やアルコールに難溶性の有効成分を溶出制御させる場合には、放出制御膜で被覆しなくても目的とする溶出制御が得られ易いので、そのまま顆粒として用いることができる。また、マトリックス顆粒に含有させる有効成分の溶出を長い時間制御させる場合には、目的とする溶出速度に適した量の放出制御膜で被覆する必要がある.ここで用いられる放出制御膜としては、前記で例示した水不溶性高分子が挙げられるが、好ましくはエチルセルロースである.
マトリックス顆粒には、核粒子を用いても用いなくてもよいが、核粒子を用いる場合の核粒子としては、結晶セルロース球形顆粒、乳糖・結晶セルロース球形顆粒等(例えば、セルフィア;旭化成社製、ノンパレル;フロイント産業社製等)を用いることができる。核粒子の大きさは、平均粒子径100〜1000μmの範囲が好ましい。
【0024】
核粒子を用いる場合のマトリックス顆粒の造粒法としては、複合型コーティング機、転動流動型コーティング機、流動層コーティング機等を用いて製造する方法が挙げられる。核粒子を用いない場合のマトリックス顆粒の造粒法としては、練合機、製粒機を用いて湿式円筒造粒する方法や、レディゲミキサー、ハイスピードミキサーなどを用いて熱熔融攪拌造粒する方法などが挙げられる.また、マトリックス顆粒を放出制御膜でコーティングする方法としては、通常の流動層コーティング機、通気式パンコーティング機などが利用できる。以上の操作後には、必要に応じてキュアリング操作を行うことも効果的である。キュアリング操作は70℃以上で行うことが好ましい。
【0025】
本発明において、粉末部とは、有効成分(薬物)以外の成分、及び必要に応じてマトリックス顆粒に含まれる前記有効成分と同一及び/又は異なる有効成分からなり、服用後速やかに崩壊して顆粒部を放出するとともに、有効成分(薬物)を含む場合には、これらが直ちに溶解を開始する部分を意味する。前記有効成分(薬物)以外の成分としては、通常の錠剤に用いられる賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等が挙げられ、例えば微結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、コンスターチ、ステアリン酸マグネシウム等を混合して用いる。
【0026】
本発明の錠剤において、顆粒部と粉末部との配合割合は、重量比で1:0.5以上が好ましく、粉末部の割合が0.5以下では、顆粒部どうしの接触により、速やかにサブユニットへ崩壊することが妨げられたり、錠剤の成型性の悪化などを招く。なお、粉末部の使用量には特に上限は設けない。顆粒部と粉末部との混合及び打錠については、特に制限はなく、通常の混合機、打錠機を用い常法により行うことができる。本発明によれば打錠圧を上げても溶出速度の変化が少ない徐放性錠剤が得られる。打錠圧は通常0.6t以上、好ましくは1.0〜2.5tである。
【0027】
【発明の効果】
本発明のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤は、顆粒が従来の有効成分の表面を徐放化基剤により被覆した顆粒とは異なり、水不溶性高分子と有効成分の混合物でマトリックスを形成させているので、粉末部を混合し打錠するにあたって顆粒が破壊され難く、従って溶出速度の変化が少ない。また、顆粒が更に水不溶性高分子で被覆した被覆顆粒についても、被覆前顆粒をマトリックスとして硬くしていることから、打錠しても被覆を破壊することがないので安定した溶出速度を得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例及び試験例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
実施例1
95%エタノール4000gにジプロフィリン500gを分散させ、コロイドミルを用いて粉砕し、平均粒子径を20μm以下に調整した。次いでエチルセルロース(25℃で重量比8:2のトルエン−エタノール混合液に5重量%溶解したときの粘度:20cps、エトキシル基含有率48.0〜49.5%(置換度 2.41〜2.51))(以下「エチルセルロース−20cps」という。)500gを溶解させた。ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いてこの分散液を核粒子(セルフィアCP−305)1000gに積層させ、マトリックス顆粒(エチルセルロース:ジプロフィリン=1:1(重量比))とした。このマトリックス顆粒1部に、乳糖とコンスターチを7:3で混合した粉末部800gを流動層造粒機(フロイント産業、FLO−1型)を用いて、7%ヒドロキシプロピル/精製水571.4gを噴霧して造粒した成型用顆粒を1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0029】
実施例2
95%エタノール9000gに臭化水素酸デキストロメトルファン500gとエチルセルロース(25℃で重量比8:2のトルエン−エタノール混合液に5重量%溶解したときの粘度:45cps、エトキシル基含有率48.0〜49.5%(置換度2.41〜2.51))(以下「エチルセルロース−45cps」という。)500gを溶解させた。ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いてこの調製液を核粒子(セルフィアCP−305) 1000gに積層させ、マトリックス顆粒(エチルセルロース:臭化水素酸デキストロメトルファン=1:1(重量比))とした。このマトリックス顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0030】
実施例3
76%エタノール7185gにエチルセルロース−20cps300gとクエン酸トリエチル15gを溶解させたコーティング調製液を、ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いて、実施例2で調製したマトリックス顆粒に被覆し、被覆顆粒とした。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した.
実施例4
76%エタノール8800gに塩酸フェニルプロパノールアミン600gとエチルセルロース−20cps600gを溶解させてマトリクス調製液とした。ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いてこのマトリックス調製液を核粒子(セルフィアCP−305)1000gに積層させ、マトリックス顆粒(エチルセルロース:塩酸フェニルプロパノールアミン=1:1(重量比))とした。
【0031】
76%エタノール10537gにエチルセルロース−20cps440gとクエン酸トリエチル22gを溶解させてコーティング調製液とした。ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いてこのコーティング調製液をマトリックス顆粒に被覆し、被覆顆粒とした。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0032】
実施例5
実施例4と同様にして、表1に示した組成にて被覆顆粒を調製した。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0033】
比較例1
実施例1と同様にして、表2に示した組成にてマトリックス顆粒を調製した。このマトリックス顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0034】
比較例2
実施例2と同様にして、表2に示した組成にてマトリックス顆粒を調製した。
【0035】
このマトリックス顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0036】
比較例3
精製水2188gに塩酸フェニルプロパノールアミン1129gとヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシプロポキシル基含有率53.4〜77.5%) 71gを溶解させた液を、ボトムスプレー型流動層コーティング機(パウレック社製、GPCG−1)を用いて核粒子(セルフィアCP−305)1000gに積層させ、素顆粒とした。次いでエチルセルロース−20cps440gとクエン酸トリエチル22gを76%エタノール10531gに溶解させ、素顆粒に被覆し、被覆顆粒とした。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0037】
比較例4
実施例3と同様にして、表2に示した組成にて被覆顆粒を調製した。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0038】
比較例5
実施例3と同様にして、表2に示した組成にて被覆顆粒を調製した。この被覆顆粒1部に、実施例1と同様にして造粒した成型用顆粒1部を混合し、ステアリン酸マグネシウムを混合物に対して0.2%加えてロータリー打錠機にて打錠(打錠圧1.5t及び2.5t)を行い、1錠290mgの錠剤を製造した。
【0039】
実施例及び比較例の処方を表1及び表2にまとめた。
【0040】
【表1】
Figure 0004367722
【0041】
【表2】
Figure 0004367722
【0042】
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた顆粒及び錠剤の溶出試験を行った。溶出試験は、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法に準じて行った。
【0043】
溶出試験結果を図1〜10に示した。
【0044】
試験例2
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたマトリックス顆粒(被覆前顆粒)の顆粒強度試験を行った。顆粒強度試験は、グラノ顆粒強度試験器(岡田精工株式会社)を用いて、ロードセル2kg、圧縮スピード0.10μm/secで行った。顆粒が壊れた荷重量をp(ピーク値)として、以下の式により顆粒強度を計算した。
【0045】
(顆粒強度)=2.8p/(顆粒断面積)
結果を表3及び4に示した
【0046】
【表3】
Figure 0004367722
【0047】
【表4】
Figure 0004367722
【0048】
以上の結果から、次のことが判明した。
【0049】
ジプロフィリンをモデル薬物として、エチルセルロース−20cpsと1:1で調製したマトリックス顆粒では、有効成分の50%溶出時間を100分とすることができ、打錠による溶出速度の変化は少なかった(実施例1)。一方、エチルセルロース−7cpsと1:1で調製したマトリックス顆粒では、有効成分の50%溶出時間は30分となり、打錠により溶出速度は速くなった(比較例1)。実施例1に比べて比較例1のマトリックス顆粒で、50%溶出時間が速くなったのは、エチルセルロースの粘度のグレードを20cpsから7cpsに落としたためであると考えられた。また、打錠により溶出速度が速くなった理由としては、実施例1のマトリックス顆粒の強度が3,500g/mm2であるのに対し、比較例1の顆粒強度は2,700g/mm2と弱かったためと考えられた。
【0050】
臭化水素酸デキストロメトルファンをモデル薬物として、エチルセルロース−45cpsと1:1で調製したマトリックス顆粒では、有効成分の50%溶出時間を60分とすることができ、打錠による溶出速度の変化は少なかった(実施例2)。また、このマトリックス顆粒に対して15%のエチルセルロース−20cpsを被覆した被覆顆粒では、有効成分の50%溶出時間を180分とすることができ、打錠による溶出速度の変化も少なかった(実施例3)。
【0051】
塩酸フェニルプロパノールアミンをモデル薬物として、エチルセルロース−45cpsと薬物との配合比を3:1で調製したマトリックス顆粒では、有効成分の50%溶出時間は20分であり、充分な徐放化を得ることは難しかった(比較例2)。エチルセルロース−45cpsと薬物の配合比を1:1で調製したマトリックス顆粒に対して、20%のエチルセルロース−20cpsを被覆した被覆顆粒では、有効成分の50%溶出時間を100分とすることができ、打錠による溶出速度の変化もほとんど受けなかった(実施例4)。
【0052】
エチルセルロースを用いずに通常の結合剤(HPC−L)を用いて被覆前顆粒を形成させた後、エチルセルロース−20cpsを被覆した被覆顆粒では、50%溶出時間は100分であったが、打錠による溶出速度の変化は大きかった(比較例3)。実施例3と実施例4の被覆顆粒では打錠による溶出速度の変化は少なかったが、比較例3の顆粒で変化が大きかったのは、前者の被覆前顆粒(マトリックス顆粒)の顆粒強度が3,800g/mm2、3,650g/mm2であるのに対し、後者の被覆前顆粒の顆粒強度は1,600g/mm2と弱かったためと考えられた。
【0053】
被覆前顆粒(マトリックス顆粒)のエチルセルロースを7cpsに変えた以外は、実施例4と同様にして調製した被覆顆粒では(比較例4)、被覆顆粒の50%溶出時間は実施例4とほとんど変わらなかったが、打錠による溶出速度の変化は実施例4に比べて大きくなった。この理由として、比較例4の徐放性顆粒の顆粒強度が2,600g/mm2と弱かったためと考えられた。
【0054】
被覆前顆粒(マトリックス顆粒)のエチルセルロース−45cpsと薬物の配合比を0.75:1とした以外は、実施例3と同様にして調製した被覆顆粒では、打錠による溶出速度の変化は少なかったが(実施例5)、エチルセルロース−45cpsと薬物の配合比を0.5:1とした以外は、実施例3と同様にして調製した被覆顆粒では、打錠による溶出速度の変化はやや大きくなった(比較例5)。
【0055】
この理由として、実施例5の被覆前顆粒の顆粒強度は3,300g/mm2と比較的高かったのに対し、比較例5の被覆前顆粒の顆粒強度は2,800g/mm2と低かったためであると考えられた。
【図面の簡単な説明】
図1:実施例1で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図2:実施例2で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図3:実施例3で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図4:実施例4で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図5:実施例5で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図6:比較例1で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図7:比較例2で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図8:比較例3で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図9:比較例4で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。
図10:比較例5で得られた徐放性顆粒及び錠剤の溶出試験結果を示す。

Claims (3)

  1. 顆粒部及び粉末部からなり、顆粒が核粒子並びに該核粒子を被覆するエチルセルロース(但し、25℃で重量比8:2のトルエンーエタノール混合液に5重量%溶解したときの粘度が20cps以上のものに限る。)及び有効成分を含むマトリックス層からなり、該エチルセルロースと該有効成分の重量比が0.75:1〜3:1であり、該顆粒が放出制御膜で被覆されている、マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
  2. 放出制御膜が、水不溶性高分子である請求項に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
  3. 水不溶性高分子が、エチルセルロースである請求項に記載のマルチプルユニットタイプ徐放性錠剤。
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