JPH0433808Y2 - - Google Patents

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JPH0433808Y2
JPH0433808Y2 JP1986185200U JP18520086U JPH0433808Y2 JP H0433808 Y2 JPH0433808 Y2 JP H0433808Y2 JP 1986185200 U JP1986185200 U JP 1986185200U JP 18520086 U JP18520086 U JP 18520086U JP H0433808 Y2 JPH0433808 Y2 JP H0433808Y2
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slip
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は化粧水、乳液等を顔面に付与する際、
あるいはクリーム類をふきとる際に使用する化粧
用シートに関する。 更に詳しくは、使用感に優れ、使用時における
化粧用シートと指との滑りがなく、なおかつ形く
ずれのない使い易い化粧用シートに関する。 〔従来の技術及び問題点〕 従来、前述の目的にはいわゆる化粧綿が用いら
れている。このような化粧綿の要求性能として
は、化粧水等の保液性に優れ、湿潤時のボリユー
ム感が保て、表面からの脱落繊維がないことは勿
論のこと、その他、化粧水、乳液等を顔面に付与
する場合、あるいはクリーム類を拭き取る場合等
の顔面の肌に直接接触し顔面をこする等の動作を
考えると、表面の風合、肌ざわりの良さは不可欠
であり、また指の細やかな動きに対していかなる
場合も対応できる、つまり指と化粧綿との滑りが
なく(フイツト性が高い)、なおかつ形くずれし
ない使い易さが望まれる。 従来の化粧綿としては例えば脱脂綿等の繊維ウ
エブを適当な大きさに切断したものがあるが、か
かる化粧綿は風合が優れるものの繊維同士の結合
が全くないために、使用後、脱落した繊維が肌に
付着したり、使用中形くずれするので、使いづら
い等の欠点を有していた。 また、この種の化粧綿で保形性を向上させるこ
とを目的にアクリル系のバインダー(糊剤)をス
プレー等の方法で表面に塗布したものもあるが、
繊維の脱落、形くずれがなくなるまでバインダー
で表面強度を上げると化粧綿としての風合が損な
われる。 また、これらの欠点を解決するために、レーヨ
ン、脱脂綿等の親水性繊維にポリプロピレンまた
はこれとポリエチレンとの複合繊維等の熱溶融性
繊維を少量混合した繊維ウエブの表面をセルロー
ス系繊維100%からなる不織布で被覆し、端縁部
を圧着あるいは熱融着した化粧綿も実用に供され
ている。しかし、このような化粧綿は繊維の脱落
は防止できるが、乾燥時の風合がセルロース系不
織布特有のざらつき感があり、必ずしも良好なも
のといえず、また使用中の湿潤時における全体の
保形性の悪さ等の問題点を有する。 また風合い、肌ざわりを向上させる方法として
は、不織布の繊維径を細化する、あるいはポリエ
チレン、ポリプロピレン、アクリル等のセルロー
ス系繊維より摩擦抵抗の小さい合成繊維を混合す
ることも考えられ、事実これらの方法により、か
なり改善はされるが、反面これら風合、肌ざわり
(化粧綿と肌との滑り)の良好なものは、化粧綿
と指とも滑り易くなり、場合によつては化粧綿が
使用中、指からはずれてしまうといつた不都合を
生じてくる。 つまり、風合、肌ざわりの良さと、使い易さ
(指とのフイツト性)とは相反する関係にあり、
風合、肌ざわりの良い化粧綿ほど指と滑り易く、
使いづらい化粧綿となるわけである。 以上のように従来の化粧綿は使用感及び使い易
さをともに満足するものではなかつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案者らは、これら従来の化粧綿の問題点を
解決すべく鋭意研究の結果、本考案を完成するに
至つた。 本考案の目的は使用中の指の動きに対して有効
なズレ防止力を発揮するアンチスリツプ性を有
し、かつ使用中の形くずれのない使い易い化粧用
シートを提供することにある。 本考案はかかる目的を達成し、更に有益な化粧
用シートを提供すべくなされたものであり、具体
的には製造時においてあまり高度な技術が要求さ
れず、使用中の指の種々の動きに対して有効なズ
レ防止力を発揮するアンチスリツプ性を有し、か
つ使用中の形くずれのない化粧用シートに関する
ものである。 即ち、本考案は繊維集合体を形成するシート状
物の片面の一部に、ガラス転移温度が0℃以下の
ポリマーと発泡された発泡性ポリマービーズとか
らなる層が設けられていることを特徴とする化粧
用シートに係わるものである。 本考案の化粧用シートは、ガラス転移温度が0
℃以下のポリマーと熱発泡性ポリマービーズとの
混合物を繊維集合体を形成するシート状物の片面
の一部に印刷または塗布した後、加熱発泡させる
ことにより得られる。 本考案においてガラス転移温度が0℃以下のポ
リマーとしては種々のものが使用可能であるが、
例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
のポリマーや、複数の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分としたアクリル樹脂や、スチ
レン・ブタジエンゴム(S.B.R)、カルボキシ変
性S.B.R、ニトリル・ブタジエンゴム(N.B.R)、
ブタジエンゴム(B.R)等の合成ゴムの他、ポリ
ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、
単独でも複数の樹脂を混合したものでも使用する
ことができる。これらの樹脂は使用に際し、水に
分散したエマルシヨンの形態及び有機溶剤に溶か
した溶液の形態のいずれでもよく、これらの形態
を得るために用いられる乳化剤、有機溶剤は一般
的に知られたもので良く、又、方法も公知の方法
を用い作成される。又、これらの樹脂は必要に応
じ架橋剤を含有する事も可能である。 本考案においては、ポリマーのガラス転移温度
を0℃以下にする目的で上記ポリマーに必要に応
じ可塑剤等を添加配合することができる。 本考案の化粧用シートを得る際に使用される熱
発泡性ポリマービーズとしては、熱可塑性樹脂を
共重合させて殻壁を構成し、その内部にブタンガ
ス等を包み込んだ熱発泡性ポリマービーズ(例え
ば、商品名マツモトマイクロスフエアー、松本油
脂製薬(株)製)が用いられる。 本考案の化粧用シートを得る際に使用されるガ
ラス転移温度0℃以下のポリマーと熱発泡性ポリ
マービーズとの重量比(固形物換算)は95対5乃
至40対60、好ましくは90対10乃至50対50である。
ガラス転移温度0℃以下のポリマーの重量比が95
対5以上ではズレ防止力が不十分であり、又40対
60以下では発泡後、熱発泡性ポリマービーズの脱
落が見られ好ましくない。 ガラス転移温度0℃以下のポリマーと熱発泡性
ポリマービーズの混合物は、公知の方法により混
合する事ができ、混合物の安定性、印刷適性、塗
工適性を向上させるために増粘剤の添加も可能で
ある。また、外観の向上等、必要に応じ着色剤の
添加も制限されるものではない。 本考案において繊維集合体を形成するシート状
物に印刷または塗布されるガラス転移温度0℃以
下のポリマーと熱発泡性ポリマービーズとの混合
物の重量は発泡後の固型分重量として0.1g/m2
30g/m2、好ましくは0.5g/m2〜20g/m2である。 混合物の印刷あるいは塗布方法としてはスクリ
ーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の公知
の印刷や、スプレー塗工、ロール塗工等の公知の
塗工法が利用される。 本考案において繊維集合体を形成するシート状
物としては、レーヨンとポリエステルを混合した
繊維集合体を高圧流体により絡合させたもの、あ
るいは熱溶融性の疏水性と親水性繊維を混合した
繊維集合体を熱風処理等の方法により一体化した
もの等が用いられるが、本考案がこれらの素材あ
るいは形体について制限されるものではないこと
は言うまでもない。 本考案におけるガラス転移温度が0℃以下のポ
リマーと発泡された発泡性ポリマービーズとから
なる槽(以下ズレ止め層と略記する)1は、第1
図に示す如く、表面に突出し複雑な凸凹形状を形
成する発泡された発泡性ポリマービーズ(マイク
ロカプセル部)2と、これらと基台(繊維集合
体)4をつなぐガラス転移温度0℃以下のポリマ
ー(ゴム弾性樹脂部)3からなり、これらズレ止
め層1が接する基台4、マイクロカプセル部2、
ゴム弾性樹脂部3の3者の剛さ柔らかさのバラン
スにより高いズレ防止力を生み出すのである。即
ち、凸凹部を形成発泡したマイクロカプセル部は
通常これらと接する皮膚(指)よりも柔軟である
が為、皮膚に対する食いつきがよく、尚且つマイ
クロカプセル部が柔軟なポリマーで結合されてい
るがため、マイクロカプセル部にかかるズレ応力
をゴム的な弾性により吸収緩和するので高いズレ
防止力を発揮するのである。 ズレ止め層1は基台4の片面の一部に設けら
れ、第2図a〜fに示す如き種々のパターン状に
ズレ防止層を設ける事ができるが、充分なズレ防
止効果を得る為には少なくとも皮膚(指)当接面
の10%以上にズレ止め層が設けられている事が好
ましい。 〔作用及び効果〕 本考案の化粧用シートはその最下層(指当接
面)に大きなズレ抵抗力を有するアンチスリツプ
性ズレ止め層が設けられているので、使用時にお
いて、それが接する指の皮膚に対して有効に接触
し、その大きな摩擦抵抗力がズレを有効に防止す
る。 また同時にガラス転移温度が0℃以下のポリマ
ーが繊維集合体を形成するシート状物の繊維同志
を結合させるというバインダー的役割を果たすた
め、使用時における形くずれがない。 また、低塗布量で非常に高いずれ防止力を発揮
するので基台自身が持つ風合を損なうこともな
い。 本考案の化粧用シートはガラス転移温度(Tg)
が0℃以下のポリマーと熱発泡性ポリマービーズ
の組み合わせを種々変化させることによりズレ防
止力を変化させることが可能で必要に応じてズレ
防止力を設定可能である。 〔実施例〕 以下、実施例により本考案を更に詳細に説明す
るが、本考案はこれらの実施例にのみ限定される
のもではない。 実施例 1 自己架橋性アクリルエマルジヨンAE−516(日
本合成ゴム(株)製、固型分45%、ガラス転移温度−
48℃)1780gにマツモトマイクロスフエアーF−
30を280g、増粘剤としてカルボキシメチルセル
ロース(CMC)16.5g及び水1270gをホモミキサ
ーにて1時間混合し、混合物を得た。 この混合物をグラビア印刷機(平野金属(株)製、
グラビアロール、ベタ板格子40メツシユ)を用
い、固型分2g/m2となる様に、レーヨン1.5デニ
ール51mm及びポリエステル2デニール51mmからな
る坪量25g/m2のウオータージエツト不織布上の
30%の面積にパターン印刷した。 又、同様にして、上記混合物をポリエチレン−
ポリプロピレンの複合繊維1.5デニール51mm及び
ポリプロピレン2デニール51mmからなる坪量
20g/m2のヒートボンド不織布上の30%の面積に
パターン印刷した。 印刷後、60℃の熱風循環式乾燥炉にて予備乾燥
の後、110℃の熱風循環式乾燥炉にて加熱発泡処
理を行い、不織布上にズレ止め層を設けた。この
様にしてズレ止め層1が設けられた2種類の不織
布4を、それぞれ第3図に示す如く、レーヨン3
デニール51mmにポリプロピレン2デニール51mmを
少量混合した坪量100g/m2の繊維ウエブ5の片
面に、またズレ止め層を設けていない未処理の不
織布6をもう一方の面に重ね、両端部7をヒート
シールし、本考案の化粧用シートを得た。 得られた化粧用シートは、共に風合に優れ使用
時における指との滑りがなく、また形くずれもな
い極めて使い易い化粧用シートであつた。 実施例 2 熱発泡性ポリマービーズとしてマツモトマイク
ロスフエアーF−30を用い、基台、ガラス転移温
度0℃以下のポリマー種類、塗布量、塗布パター
ンを表1に示す如く種々変化させ、実施例1と同
様に本考案品を得た。 尚、本考案品の構成方法は実施例1とは異な
り、第4図に示す如く、厚手の不織布8(液体を
吸収保持するための繊維ウエブを兼ねた不織布)
上に直接ガラス転移温度0℃以下のポリマーと熱
発泡性ポリマービーズを塗工、予備乾燥、加熱発
泡させ、適当な大きさに切断し化粧用シートとし
たものである。 得られた化粧用シートは、実施例1と同様、風
合に優れ、使用時における指との滑り、また形く
ずれもない、極めて使い易い化粧用シートであつ
た。 【表】
*2:チツソ(株)製、ポリエチレン−ポリプロ
ピレン複合繊維
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の化粧用シートの一例を示す拡
大断面図、第2図は本考案の化粧用シートのズレ
止め層の各種パターンを示す平面図、第3図及び
第4図はそれぞれ本考案の化粧用シートの実施例
を示す斜視図である。 1……ズレ止め層、2……発泡された発泡性ポ
リマービーズ、3……ガラス転移温度が0℃以下
のポリマー、4……基台(繊維集合体)、5……
繊維ウエツブ(中綿)、6……不織布、7……熱
圧着部、8……厚手不織布。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 繊維集合体を形成するシート状物の片面の10%
    以上の面積に、ガラス転移温度が0℃以下のポリ
    マーと発泡された発泡性ポリマービーズとの重量
    比(固形分換算)で95対5乃至40対60の混合物か
    らなり、固形分重量が0.1〜30g/m2の層がパター
    ン状に設けられていることを特徴とする化粧用シ
    ート。
JP1986185200U 1986-12-01 1986-12-01 Expired JPH0433808Y2 (ja)

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JP1986185200U JPH0433808Y2 (ja) 1986-12-01 1986-12-01

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JP1986185200U JPH0433808Y2 (ja) 1986-12-01 1986-12-01

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JPS6391217U JPS6391217U (ja) 1988-06-13
JPH0433808Y2 true JPH0433808Y2 (ja) 1992-08-12

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5494957A (en) * 1978-01-11 1979-07-27 Kenji Nakamura Method of making coating implement for makeup

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56151010U (ja) * 1980-04-11 1981-11-12
JPH0118110Y2 (ja) * 1985-01-28 1989-05-26

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5494957A (en) * 1978-01-11 1979-07-27 Kenji Nakamura Method of making coating implement for makeup

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JPS6391217U (ja) 1988-06-13

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