JPH0316531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はパイルを有するマツト、殊に水廻りマ
ツトに関するものである。

〈従来の技術〉 従来の浴室用足ふきマツトやキツチンマツトと
しては、吸水性のあるパイルが基布に対して植え
込まれたものが知られている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 前述のようなマツトはパイルにおいて水を吸収
させんとするものであるが、その吸水量には限界
があり、パイルの吸水量を超えるとべとつき、ま
たマツトから水が流れ出すという欠点がある。

本考案はこのような欠点を除き、マツトの吸水
性が高く、吸水時にも表面のべとつきのないマツ
トを提供せんとするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、基布にパイルがタフトまたはミシン
により植えつけられているマツトにおいて、該基
布は、織物の上面に親水性合成繊維からなる絡合
繊維層が積層一体化された構造を有しており、か
つパイルが疎水性合成繊維で構成されていること
を特徴とする吸水性マツトである。

まず、本考案のマツトにおいて、パイルを植え
つける基布は、織物の上面に親水性合成繊維から
なる絡合繊維層を積層一体化した構造を有するも
のであり、該織物としては、通常知られているポ
リオレフイン系のテープヤーン、スプリツトヤー
ンまたは合成繊維紡績糸から織成された織物を使
用することができ、絡合繊維層としては親水性合
成繊維からなるウエツブに対してニードルパンチ
や流体噴射手段により絡合処理を行つた不織状の
層を使用できる。この絡合繊維層は織物の上面に
積層して接着、融着あるいはニードルパンチ等に
て繊維の一部を絡合して一体化され、本考案の基
布とされる。該基布として、特に織物に対して繊
維ウエツブを積層しニードルパンチ等にて一体化
するとき、ウエツブ層は絡合繊維層となり同時に
織物に対して一体化される。該絡合繊維層は50〜
300ｇ／m²の目付を有しているものが好ましく、
50ｇ／m²以下では吸水性に乏しいマツトとなり、
また、300ｇ／m²以上になると該繊維層が厚くな
りすぎ、表面のドライタツチ感が減殺される場合
がある。

本考案では、前記基布の絡合繊維層がマツトの
表側（パイル側）に向くようにして、パイルをタ
フトやミシンにより植えつける必要がある。

本考案で絡合繊維層に用いられる繊維は、例え
ば、表面親水加工された親水性合成繊維であり、
このような繊維を用いることによつてマツトとし
ての吸水性が良好でかつ乾燥性の良いマツトが得
られる。

他方、パイルとしては、疎水性合成繊維が用い
られるが、これによつてマツト表面のドライタツ
チ感が与えられる。

第１図は、本考案のマツトの断面構造を示すも
ので、１は織物、２は絡合繊維層、３は基布、４
はパイルを示す。なお、５は必要に応じて設けら
れるバツキング層である。

〈作用〉 本考案の構造によれば、パイル４が織物１と繊
維層２からなる基布３に対して植えつけられるた
め、パイル間でパイルの下方に絡合繊維層が存在
する構造となり、マツト表面に水が付着したと
き、水は絡合繊維層に吸収されここで保持され
る。またパイルは各下部で絡合繊維層によりある
長さにわたつて支持された形態となる。

〈効果〉 以上の構造、作用を有する本考案のマツトは、
付着する水がパイル下部の絡合繊維層に大部分吸
収、保持されるため、パイル表面側は比較的ドラ
イの状態に保たれ、マツト表面のべとつきがきわ
めて少なくなる。特に疎水性繊維のパイルを有す
るマツトはこの効果が顕著である。さらに、本考
案マツトにおいては、前述のようにパイルの根本
部が絡合繊維層によつて支持されているため常に
パイルが好ましい状態で立つており、しかもへた
りが少ない利点を有し、前述のマツト表面のドラ
イタツチ感を高める。

本考案のマツトは浴室足ふきマツトやキツチン
マツトの他各種水廻りマツトとして有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のマツトの断面例図であり、１
は織物、２は絡合繊維層、３は基布、４はパイル
を、５はバツキング層を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基布にパイルがタフトまたはミシンにより植え
   つけられているマツトにおいて、該基布は、織物
   の上面に親水性合成繊維からなる絡合繊維層が積
   層一体化された構造を有しており、かつパイルが
   疎水性合成繊維で構成されていることを特徴とす
   る吸水性マツト。