JPH043343B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、走行経路中の任意箇所で停止発進制
御し得る自走搬送台車を利用した搬送装置、特に
工場内の製品加工組立ラインとして活用し得る搬
送装置に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 工場内の製品加工組立ラインに使用することの
出来る搬送装置は、手作業ラインの場合、安全
性、作業性の関係から一定ピツチで載置したワー
クを一定経路上で低速搬送し得るものでなければ
ならない。従来のこの種の搬送装置は、一定ピツ
チ置きにワーク支持部を備えたスラツトコンベヤ
のように無端経路を循環移動するものであつて、
一般には搬送経路として使用することの出来ない
戻り経路を有するので、経路の利用効率が低い。
又、水平のＵターン経路を取り入れることの出来
るものであれば、往復両経路を搬送経路として活
用し得るが、加工組立作業経路として利用しない
経路部分を含めて全経路にわたつてワーク支持部
を一定ピツチ置きに設定しなければならないの
で、装置全体が高価になる。又、加工組立ライン
の中に自動加工組立ステーシヨンがあり、この部
分でワークを停止状態にする必要がある場合、こ
こでの作業時間を確保するためには、この部分で
は高速間欠運転を行う必要がある。従来の方法で
は連続運転と高速間欠運転とを行うことが不可能
であつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決する
ために成されたものであつて、その特徴は、走行
経路中の任意箇所で停止発進制御し得る自走搬送
台車の前後両端に、他の同様の自走搬送台車と連
絡離脱自在の連結具を設け、この連結具により連
結一体化された複数台の自走搬送台車が走行する
作業経路を設け、この作業経路の終端に、当該作
業経路終端を通過する自走搬送台車と後続の自走
搬送台車との前記連結具による連結を解除する連
結解除手段を配設し、前記作業経路終端から自走
搬送台車を１台づつ分離して走行させるように構
成した点にある。

即ち本発明の搬送装置は、従来、１台づつ各別
に自走させるか又は等間隔おきに同期走行させて
いた自走搬送台車を連結具で数珠繋ぎに連結一体
化して走行させることにより、等間隔おきにワー
ク支持部を備えたスラツトコンベヤと同様な搬送
手段として、作業経路でのワークの等間隔低速連
続搬送を行わせ、当該作業経路での作業が完了し
たワークの搬出時には、当該ワークを各別に搭載
している各自走搬送台車を互いに分離して任意の
速度で走行させ得るように構成したものである。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に於いて、１は自走搬送台
車、２ａ，２ｂは左右一対のガイドレール、３は
両ガイドレール２ａ，２ｂ間に架設されたラツク
ギヤ、４は給電及び制御信号授受用レールユニツ
トである。５は縦断面アーチ形のガイドレール部
カバーであつて、前記左右一対のガイドレール２
ａ，２ｂ、ラツクギヤ３、及び給電及び制御信号
授受用レールユニツト４を覆うように、前記両ガ
イドレール２ａ，２ｂを支持する支持フレーム６
に支持部材７を介して架設されている。尚、前記
支持部材７は前記ラツクギヤ３及び給電及び制御
信号授受用レールユニツト４をも支持している。

前記自走搬送台車１は、前記ガイドレール部カ
バー５の下端とガイドレール２ａ，２ｂとの間か
ら前記カバー５内の空気に入り込むブラケツト８
が四隅に取り付けられ、この各ブラケツト８に、
前記ガイドレール２ａ，２ｂを上下から挟む支持
用水平軸ホイール９と浮き上がり防止用水平軸ホ
イール１０とが軸支されている。又、片側前後の
ブラケツト８には、片側のガイドレール２ａを左
右両側から挟む振れ止め用垂直軸ホイール１１が
設けられている。１２は前記ブラケツト８と同様
の駆動手段支持用ブラケツトであつて、自走搬送
台車１の片側中間位置に取り付けられており、モ
ーター１３、減速機１４、及び集電器１５を支持
しており、前記減速機１４の垂直出力軸には前記
ラツクギヤ３に咬合するピニオンギヤ１６が取り
付けられている。前記モーター１３は、給電及び
制御信号授受用レールユニツト４から前記集電器
１５を介して供給される電力と制御信号とにより
駆動される。

１７は自走搬送台車１の走行方向一端に突設さ
れた固定連結具、１８は自走搬送台車１の走行方
向他端に突設された可動連結具である。固定連結
具１７は上向きに突出する鋸歯形係合爪１７ａを
備え、可動連結具１８は支軸１８ｂを中心に重力
に抗して上道可能であつて、前記鋸歯形係合爪１
７ａとは前後逆向きで且つ下向きの鋸歯形係合爪
１８ａを備えると共に、先端には横向きに突出す
るカム従動ローラー１８ｃを備えている。１９，
２０は、固定連結具１７及び可動連結具１８を左
右両側から挟むように設けられた、自走搬送台車
間の間隔保持用当接具である。

上記のように構成された自走搬送台車１は、モ
ーター１３を稼動させてピニオンギヤ１６を正転
又は逆転方向に駆動することにより、ガイドレー
ル２ａ，２ｂにそつて前進又は後進移動させるこ
とが出来、又、予め設定した位置に到達したとき
に自動停止させたり、発進指令に基づいて自動発
進させることが出来る。勿論、走行速度を予め設
定してある低速と高速とに自動切り換えすること
も可能である。

このようにして走行経路上を走行する自走搬送
台車１が、当該自走搬送台車１よりも低速で走行
しているか又は停止している他の自走搬送台車１
に対し一定距離以内に接近すると、前進走行時と
後進走行時とに拘わらず、第３図に示すように互
いに接近する間隔保持用当接具１９，２０が当接
するときに固定連結具１７に可動連結具１８が乗
り上げて、固定連結具１７の鋸歯形係合爪１７ａ
に可動連結具１８の鋸歯形係合爪１８ａが自動的
に係合する。このとき後側から連結した側の自走
搬送台車１の走行速度を連結された側の自走搬送
台車１の走行速度に合わせるように減速させるか
又は停止されることにより、前後の自走搬送台車
１を一体に低速走行させるか又は連結状態で停止
させることが出来る。この後側から連結した自走
搬送台車１の走行制御は、例えば両連結具１７，
１８の連結状態を検出する検出器を併用すること
により、当該検出器の検出信号に基づいて自動化
することが出来る。

又、上記のように連結されて一体に低速走行す
る前後の自走搬送台車１の連結を解除するために
は、第３図仮想線で示すように走行方向に適合し
たカム２１又は２２を、前後の自走搬送台車１間
で可動連結具１８に於けるカム従動ローラー１８
ｃの移動経路中に例えば自走搬送台車１の走行経
路脇から突出移動させることにより、前記カム従
動ローラー１８ａがカム２１又は２２上に乗り上
げて可動連結具１８が支軸１８ｂを中心に上動
し、固定連結具１７から離脱する。従つて、走行
方向側の自走搬送台車１を高速走行に切り換えて
単独で高速走行させることが出来る。前記カム２
１又は２２は、切り離された後側の低速走行して
いる自走搬送台車１が衝突する前に当該自走搬送
台車１の走行経路脇に後退移動させれば良い。

第４図は、上記自走搬送台車１を利用した搬送
装置のレイアウトの一例を示しており、２３は往
行経路、２４は復行経路、２５はトラバーサー、
２６〜２８は前記カム２１又は２２とこのカムを
出退移動させる駆動手段とから成る連結解除手
段、２９，３０は停止した自走搬送台車１を所定
位置にクランプする台車クランプ手段である。

上記の搬送装置によれば、連結解除手段２６〜
２８で後続の低速走行している自走搬送台車１か
ら切り離された自走搬送台車１は、高速走行に切
り換えて台車クランプ手段２９，３０のある位置
まで高速走行させて停止させるか、又は同様に高
速走行に切り換えてトラバーサー２５まで高速走
行させると共に当該トラバーサー２５により往行
経路２３から復行経路２４まで横動させ、再び高
速走行で復行経路２４に進入走行させることが出
来る。台車クランプ手段２９，３０の位置に到達
した自走搬送台車１は、自動停止させて当該クラ
ンプ手段２９，３０により所定位置に固定し、例
えば経路脇に設置した自動機により自走搬送台車
１上のワークに対する部品のセツテイング等の作
業を行わせることが出来る。

台車クランプ手段２９，３０から発進した高速
走行の自走搬送台車１やトラバーサー２５により
復行経路２４に高速走行で進入した自走搬送台車
１は、連結解除手段２６〜２８の上手側で連結具
１７，１８により数珠繋ぎに連なつた状態で低速
走行している自走搬送台車１の列１Ａ〜１Ｃの最
後尾に位置する自走搬送台車１に対して先に説明
した通り連結具１７，１８により自動的に連結さ
れると同時に、低速走行に切り換えられて自走搬
送台車列１Ａ〜１Ｃに組み込まれる。この低速走
行する自走搬送台車列１Ａ〜１Ｃの各自走搬送台
車１上では、支持されているワークに対する各種
の組立作業が行われる。即ち、連結解除手段２６
〜２８を備えた各連結解除地点の上手側は、前記
連結具１７，１８で連結された複数の自走搬送台
車１が低速連続移動する低速連続移動作業経路と
して活用されている。そして各連結解除地点の下
手側は、連結解除された各自走搬送台車１が高速
間欠移動する高速間欠移動経路として活用されて
いる。

尚、上記実施例では、連結作用が台車どうしの
接近により自動的に行われる形式の連結具を使用
したが、走行経路中の台車連結を行わせる必要の
ある箇所に設置された連結手段によつて連結せし
められる形式の連結具であつても良い。更に連結
具を連結状態と連結解除状態とに切り換える駆動
手段を台車側に併設し、この駆動手段を作動させ
る信号を外部から台車に与えて連結具の連結作用
及び連結解除作用を遠隔自動的に行わせるように
構成することも可能である。

（発明の作用及び効果） 以上のように実施し得る本発明の搬送装置によ
れば、ワークを等間隔おきに一定速度で連続移送
させる必要のある作業経路では、各々ワークを搭
載した各自走搬送台車を前後の連結具で互いに数
珠繋ぎに連結して一体化し、恰も等間隔おきにワ
ーク支持部を備えたスラツトコンベアの如く、連
結一体化した複数台の自走搬送台車を連続走行さ
せて、ワークを等間隔おきに一定速度で連続移送
させることが出来る。そして、作業が完了した各
ワークを作業経路から搬出する時には、各作業済
みワークを搭載した自走搬送台車を１台づつ分離
して任意の速度で走行させ、次の目的場所まで効
率良く搬送することが出来る。

しかも、前記作業経路に於いて各自走搬送台車
を等間隔おきに同期走行させる場合と比較して、
高度な同期走行制御が不要であり、ワークが軽量
である場合等には、連結されている全ての自走搬
送台車を駆動しなくとも良いので、ランニングコ
ストの低減にも役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は経路中の自走搬送台車の縦断正面図、
第２図は同一部切り欠き縦断側面図、第３図は連
結具の連結状態を示す縦断側面図、第４図は搬送
装置全体のレイアウトの一例を示す平面図であ
る。 １……自走搬送台車、２ａ，２ｂ……ガイドレ
ール、３……ラツクギヤ、４……給電及び制御信
号授受用レールユニツト、５……ガイドレール部
カバー、９……支持用水平軸ホイール、１０……
浮き上がり防止用水平軸ホイール、１１……振れ
止め用垂直軸ホイール、１３……モーター、１４
……減速機、１５……集電器、１６……ピニオン
ギヤ、１７……固定連結具、１７ａ，１８ａ……
鋸歯形係合爪、１８……可動連結具、１８ｂ……
支軸、１８ｃ……カム従動ローラー、２１，２２
……カム、２５……トラバーサー、２６〜２８…
…連結解除手段、２９，３０……台車クランプ手
段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行経路中の任意箇所で停止発進制御し得る
   自走搬送台車の前後両端に、他の同様の自走搬送
   台車と連絡離脱自在の連結具を設け、この連結具
   により連結一体化された複数台の自走搬送台車が
   走行する作業経路を設け、この作業経路の終端
   に、当該作業経路終端を通過する自走搬送台車と
   後続の自走搬送台車との前記連結具による連結を
   解除する連結解除手段を配設し、前記作業経路終
   端から自走搬送台車を１台づつ分離して走行させ
   るように構成した搬送装置。