JPH04333597A - プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板 - Google Patents

プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板

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JPH04333597A
JPH04333597A JP10612791A JP10612791A JPH04333597A JP H04333597 A JPH04333597 A JP H04333597A JP 10612791 A JP10612791 A JP 10612791A JP 10612791 A JP10612791 A JP 10612791A JP H04333597 A JPH04333597 A JP H04333597A
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Japan
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film
metal
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weldability
plate
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JP10612791A
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Tatsuya Kanamaru
金丸 辰也
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス成形性、化成処理
性、溶接性に優れたアルミニウム板に関するものである
【0002】
【従来の技術】最近自動車用外板等においては、自動車
の軽量化等の点からアルミニウム板(以下Al板という
)を用いることが試みられている。かかるAl板は、鋼
板に比べプレス成形性、化成処理性、溶接性に劣り、ま
た処理ラインにおいてめっき鋼板と兼用するとAl板(
Al)の1部がライン内処理液内へ溶出混入し、めっき
鋼板の処理に悪影響を及ぼす等の欠点を伴うものである
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れたア
ルミニウム板を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)  表面粗度Wca:0.6μm以下、Ra:0
.3〜1.5μmのアルミニウム板表面に、プレス成形
時に板表面に密着し、その変形に追随して被覆を維持す
る凝着防止機能と、金型と板間のコロガリ潤滑機能とを
併せもつ無機系被覆層2〜1000mg/m2(金属と
して)を形成せしめたことを特徴とするプレス成形性、
化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板。
【0005】(2)  表面粗度Wca:0.6μm以
下、Ra:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面に
ZnO 量で30〜3000mg/m2の酸化膜を生成
し、該酸化膜上層にプレス成形時に表面に密着し、その
変形に追随して被覆を維持する凝着防止機能と、金型と
板間のコロガリ潤滑機能とを併せもつ無機系被覆層2〜
1000mg/m2(金属として)を形成せしめたこと
を特徴とするプレス成形性、化成処理性、溶接性に優れ
たアルミニウム板。
【0006】(3)  表面粗度Wca:0.6μm以
下、Ra:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面に
Zn系めっき皮膜を生成せしめ、該皮膜上層にプレス成
形時にめっき層表面に密着し、その変形に追随して被覆
を維持する凝着防止機能と、金型とめっき層間のコロガ
リ潤滑機能とを併せもつ無機系被覆層2〜1000mg
/m2(金属として)を形成せしめたことを特徴とする
プレス成形性、化成処理性、溶接性に優れたアルミニウ
ム板。
【0007】(4)  表面粗度Wca:0.6μm以
下、Ra:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面に
Zn系めっき皮膜を生成せしめ、該皮膜上層にZnO 
量で30〜3000mg/m2の酸化膜を生成し、該酸
化膜上層にプレス成形時にめっき層表面に密着し、その
変形に追随して被覆を維持する凝着防止機能と、金型と
めっき層間のコロガリ潤滑機能とを併せもつ無機系被覆
層2〜1000mg/m2(金属として)を形成せしめ
たことを特徴とするプレス成形性、化成処理性、溶接性
に優れたアルミニウム板。
【0008】(5)  凝着防止機能を有する皮膜がM
n,Mo,Co,Ni,Ca,Cr,V,W,Ti,A
l,Znの1種または2種以上の金属酸化物および/ま
たは水酸化物を主体とし、皮膜量が1〜500mg/m
2(金属として)であり、コロガリ潤滑機能を有する皮
膜がP,Bの1種または2種の酸素酸および/またはS
i,Al,Tiの1種または2種以上の酸化物コロイド
を主体とし、皮膜量が1〜500mg/m2(金属とし
て)である前項1,2,3,4に記載のプレス成形性、
化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板。
【0009】プレス成形時に発生する材料の破断は、材
料の破断耐力が材料の流入抵抗力を上回る状態になった
時発生する。材料の流入抵抗力は、材料の持つ変形抵抗
の他、金型のダイスとしわ押さえ板間に発生する摺動抵
抗力から構成される。従って、材料の流入抵抗力を低減
するためには、摺動抵抗力を低減させることが効果的で
ある。この摺動抵抗力は、金型と材料が接触する部位に
おいて相対的滑りを伴う時に発生する。摺動抵抗力は材
料表面の凸部(表面うねりの山:Wca)が潰される時
の抵抗力と金型と材料が接触する部位の摩擦力によって
構成される。
【0010】摺動抵抗力の一つの要素である、表面うね
りの山を潰す力(表面変形抵抗力)は、山の変形量の大
小と対応し、表面うねりを小さくすることや、表面硬さ
を高くすることにより、変形量を下げ、摺動抵抗力を低
下させることから、表面の平滑化および硬質化により摺
動抵抗力を小さくすることが有効な手段であることを見
出した。
【0011】上記のごとき、うねりの山の低い(低Wc
a)表面を得るためには、Al板あるいはめっき原板と
なるAl板の圧延ロールまたはめっき後に行う圧延ロー
ルの表面の低Wca化が当然必要となる。そのための圧
延ロールの加工法としては、放電ダル加工法、レーザー
ダル加工法あるいは特別に製造したグリッドを使用した
ショットブラスト法などが適する。
【0012】このような方法で得られる表面うねりの山
の高さが、摺動抵抗力に与える影響は、山の高さが低い
程有効である。摺動抵抗力が高い場合、表面破壊(型か
じり)を起こし、成形品の外観品質が大きく阻害される
ことは避けなければならない。このような観点から、一
般的なプレス成形条件(潤滑油:低粘度の防錆油)で型
かじりを起こさないためには、表面うねりの山の高さと
して、Wcaで0.6μm以下が必要となる。また、A
l板は軟質なため、プレス成形工程の搬送過程で、しば
しば表面疵が発生する。これを避けるためには、表面の
粗度(Ra)を大きくすることが有効であり、その大き
さとしてRaで0.3μm以上が必要となる。Ra値の
上限はプレス成形品の塗装鮮映性を確保するために必要
なものであり、1.5μmでよい。
【0013】加えて、金型と材料が接触する部位の摩擦
力を低減させるために表面皮膜を形成させる。Al板(
0.6〜5.0mm)表面に1〜500mg/m2(金
属として)の金属酸化物および/または水酸化物から主
として構成される凝着防止機能を有する皮膜と、1〜5
00mg/m2(金属として)の酸素酸および/または
金属酸化物コロイドから主として構成されるコロガリ潤
滑機能を有する皮膜を形成させるものである。この皮膜
は金属−酸素結合を主体として構成される非晶質構造で
あって、凝着防止機能を有する皮膜構造とコロガリ潤滑
機能を有する皮膜構造は酸素結合を介して互いに混在し
ているものであって、層構造として分離できるものでは
なく、プレス成形に際して機能として識別できるもので
ある。
【0014】プレス加工時に非晶質金属酸素結合構造は
変形するAlの新生表面に追随して酸素結合を介してA
lと密着し、金型へのAl凝着を防止する。一方、皮膜
の一部は破壊され、粉状となって金型との摺動面でコロ
ガリ潤滑機能を果たすことが、極めて薄い無機系皮膜で
ありながら画期的潤滑性を示す理由であると考えられる
。一例としてAl板にMn8mg/m2、P5mg/m
2からなる非晶質酸化物系皮膜を形成させた皮膜の構造
を述べる。薄い表面皮膜は全く見えないが、電子プロー
ブマイクロアナライザーで線分析すると、図1に示す如
くMn,Pの存在が確認できる。このAl板をドロービ
ード摺動試験にかけた後の電子顕微鏡での表面状態を図
2に示すが、表面は金型ビード部で擦られて元の表面プ
ロフィルは痕跡もとどめない。処理をしないAl板では
板破断を起こす条件であるが、本発明の皮膜を形成させ
ると摩擦係数は0.17であり、良好な潤滑状態を維持
している。図3にドロービード摺動試験後の電子プロー
ブマイクロアナライザー線分析チャートを示す。皮膜の
Mn,Pともに存在量は摺動試験前に比べて減少してい
るが、皮膜に切れ目がなく、ほぼ均一に残存している。 摺動により新しいAl面が出現しても皮膜が再構成され
ていると解せられる。ここで、Mn/P比に注目すると
、摺動前に比べてPが相対的に減少していることがわか
る。皮膜中のPは選択的に破壊され、粉状となってコロ
ガリ潤滑に寄与したと考えられる。
【0015】凝着防止機能を有する皮膜としては、Mn
,Mo,Co,Ni,Ca,Cr,V,W,Ti,Al
,Zn等の金属酸化物および/または水酸化物を主体と
する非晶質構造が主として機能し、コロガリ潤滑機能を
有する皮膜としては、P,B等からなる酸素酸および/
またはSi,Al,Ti等からなる酸化物コロイドが上
記非晶質構造に酸素結合を媒介して結合している構造が
主として機能すると考えられる。しかしながら、皮膜の
形成反応は水溶液中から界面のpH上昇を利用して渾然
一体として析出させるので、厳密に作用機能を選別でき
るものではなく、皮膜の一部が凝着防止機能を担い、他
の一部がコロガリ潤滑機能を担うと解するほうが妥当で
ある。
【0016】上記皮膜構成成分は全て無機物であり、プ
レス後の脱脂液には負荷をかけず、化成処理に際しては
pHの低下によって溶解するので、化成皮膜は正常に形
成できる。皮膜生成方法は凝着防止機能を有する皮膜成
分とコロガリ潤滑機能を有する皮膜成分を含有する酸性
水溶液にAl板を浸漬するか、あるいは陰極電解処理す
ることにより、確実に皮膜形成できる。浸漬処理におい
ては、Alが溶解する際に界面のpHが上昇し、その結
果皮膜成分が水酸化物あるいは酸化物となって析出する
。溶解したAlその他の合金成分も皮膜中に混入する。 酸化還元反応を利用することもでき、Alの溶解は酸化
反応であり、それに対応して酸化型の金属イオンは不溶
解性の還元型酸化物となって析出する。リン酸等の酸素
酸アニオンも酸化物コロイドも共に界面のpH上昇によ
って析出できる。陰極電解処理は界面のpH上昇を促進
する効果がある。スプレー処理、コーティング処理等の
水膜の厚さ調整で界面反応を制御する試みも本発明に適
用できる。
【0017】凝着防止機能とコロガリ潤滑機能を併せ持
つ皮膜量は金属として2〜1000mg/m2が適当で
ある。2mg/m2未満では明確な潤滑効果が認知でき
ず、1000mg/m2を越えると、皮膜が塊状で剥離
する危険があり、また化成処理皮膜形成に悪影響がでる
場合もあるので好ましくない。凝着防止機能とコロガリ
潤滑機能を併せ持つ被覆を形成する態様として、金属酸
化物および/または水酸化物を主体とする非晶質構造皮
膜と酸素酸および/または金属酸化物コロイド皮膜を形
成させる場合には、皮膜量は両者ともに金属として1〜
500mg/m2が適当である。1mg/m2未満では
明確な潤滑効果が認知できず、500mg/m2を越え
ると、皮膜が塊状で剥離する危険があり、また化成処理
皮膜形成に悪影響がでる場合もあるので好ましくない。
【0018】金属酸化物および/または水酸化物を主体
とする非晶質構造皮膜と酸素酸および/または金属酸化
物コロイド皮膜は上記浸漬法や陰極電解処理法の如く界
面の化学反応で析出させる場合には、一般には混合皮膜
として皮膜生成される。しかるに、凝着防止機能をAl
との界面により強く、コロガリ潤滑機能を皮膜の表面に
より強く、傾斜機能的に皮膜形成させることも可能であ
る。かくすることにより、摩擦係数で表示される潤滑性
能には顕著な効果は見られないが、難成形部品をプレス
加工する場合のように、Al板の局部に高面圧がかかる
とき、カジリが発生する限界面圧が向上する効果がある
。 所謂プレス成形荷重範囲が広く採れるので、実用上は金
型設計が容易になり、プレス作業も安定するので大きな
利益を享受できる。
【0019】傾斜機能型皮膜の生成方法は金属酸化物等
の溶解度積の相違を利用して、各成分のイオン濃度、流
速、溶液温度、電解処理の場合には電流密度等を調整す
ることにより、界面のイオン濃度を制御することからな
る。例としてMn,P系皮膜の場合には、処理溶液に過
マンガン酸カリウム、リン酸、硫酸を配合し、Al板と
反応を起こさせると、先ずAlの溶解に伴い溶解度積の
最も小さいMn酸化物が析出する。このときの界面pH
は硫酸の存在のため急上昇せず、次いでリン酸Mnない
しはAlが遅れて析出してくる。かくして形成された皮
膜の厚さ方向のグロー放電分光分析を図4に示すが、P
が表層に富み、Mnが下層に富んだ傾斜機能型皮膜にな
っていることがわかる。この図はAl板上に総計Mn8
mg/m2、P5mg/m2の非晶質酸化物系皮膜を傾
斜機能型に形成させた皮膜の厚さ方向の分光分析図で、
皮膜厚7nm、スパッタリング時間約0.4秒以上はA
lを示す。
【0020】次に上記の如き酸化物系皮膜の生成方法と
しては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ニッケル、硝酸
コバルト、モリブデン酸アンモニウムそれぞれ50〜8
00g/lにリン酸: 5〜60g/lを加え、エッチ
ング補助剤(硫酸等)からなる水溶液に前記Al板を浸
漬するか、水溶液を散布するか、または水溶液中でAl
板を陰極として電解処理することにより所望の酸化物系
皮膜を生成することができる。
【0021】このようにプレス成形性と化成処理性を向
上させる他、溶接性を良好にするためには、上記の如き
無機系被覆層を生成せしめるに先立ち、例えば硝酸亜鉛
200〜800g/lの水溶液に0.1〜10秒間浸漬
または吹付け等の接触あるいは電気量5〜80C/dm
2、0.1〜10秒の陰極電解処理により、ZnO 主
体の酸化物を20〜3000mg/m2(ZnO 量で
)生成することにより、確実にスポット溶接性も向上さ
せることができる。
【0022】即ち、電極チップとAl板との間にZnO
 主体の酸化物が存在すると、この酸化物層は、銅(電
極)とAl板の選択的合金化を防止する作用があり、電
極チップの損耗を遅延させることができる。つまり、該
酸化物層により、電極チップとAl板との接触が断たれ
、合金層の生成によるチップの溶損を防止するとともに
、ZnO 主体の酸化物がチップ先端部に付着し、堆積
して保護膜となり、溶接を継続しても保護膜の厚み、形
状に大きな変化がなく、常時良好な溶接ができ、チップ
の損傷も防止できるものである。
【0023】しかして、このような酸化物を生成せしめ
た場合は、その上層に生成する前記の如き無機系被覆層
は強固に付着(生成)することができる。このようにA
l表面に酸化物を生成することにより、上記のごとき利
点の他、例えば自動車製造ラインでめっき鋼板とAl板
を兼用処理してもAlの一部が処理液中に溶出すること
がなく、悪影響も全くなく、この点大きな利点である。
【0024】Al板は塗装すると、糸状腐食を受けやす
いことが知られており、糸状腐食を防止するにはAlの
表面にZnまたはZn合金めっきを施すことが有効であ
る。また化成処理中にAlが溶解して処理液を汚染する
と、同時処理される鋼板面上に健全なリン酸塩皮膜が形
成されないこともあり、Al板表面をZnめっきで被覆
するのが有効である。しかるに、ZnまたはZn合金め
っき面もAl面と同様に、プレス成形性、溶接性が劣る
表面である。
【0025】かかる場合には、Al板表面にZn系めっ
き層を生成せしめ、該皮膜上層に凝着防止機能とコロガ
リ潤滑機能を併せもつ無機系被覆層2〜1000mg/
m2(金属として)を形成させて、プレス成形性と化成
処理性を向上させることができる。更に、Al板表面に
Zn系めっき層を生成せしめ、該皮膜上層にZnO 量
で30〜3000mg/m2の酸化膜を生成し、該酸化
膜上層に上記無機系被覆層2〜1000mg/m2(金
属として)を形成させて、プレス成形性、溶接性および
化成処理性を向上させることができる。
【0026】ZnまたはZn合金めっき表面への上記無
機系被覆層の形成はAl表面とほとんど同様の条件が適
用できる。またZnまたはZn合金めっき表面へのZn
O 皮膜の形成もAl表面とほぼ同様の条件が適用でき
る。次に上記の如き亜鉛系めっきとしては、例えば溶融
めっき法、電気めっき法、蒸着めっき法、無電解めっき
法等を用いることができ、めっき組成としては、Znの
他、Zn−Fe、Zn−Ni、Zn−Al、Zn−Mn
、Zn−Cr、Zn−Ti、Zn−Mg、Zn−P、Z
n−B、Zn−C等、Znを主成分としたものを用るこ
とができる。
【0027】本発明が適用するAl板はAl−Cu系、
Al−Mg系、Al−Mg−Si系などのAl合金板を
含むもので、この他Fe、Mn、Cr、Zn、Ti等の
成分が含まれても適用可能である。本発明の処理を行う
前にはアルカリ洗浄あるいは/および酸洗浄を施すこと
が好ましい。
【0028】
【実施例】本発明の実施例および比較例を表1、表2、
表3、表4に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】注1)Al板は板厚0.8mmを使用。 注2)表面粗度Wcaは、JIS  B0616、Ra
は、JIS  B0601で定義したもの。 注3)亜鉛めっきは、Zn合金のものについては、Zn
85%残り表示の合金からなる合金めっきで、電気めっ
きにより付着。
【0034】注4)ZnO 主体酸化物はZnO 量で
表示。この測定は、5%沃素メタノール溶液により、め
っき層を溶解し、抽出残渣を混合融剤(硼酸1、炭酸ナ
トリウム3)で溶解した後、塩酸で溶液化して亜鉛の量
をICP(赤外分光法)で測定した。さらに、GDS(
グロー放電分光分析)により測定した。
【0035】注5)ZnO 主体酸化物の生成は、硝酸
亜鉛(Zn(NO3)・6H2O)を主成分とし、微量
のHNO3とFe+++ を添加して350g/lの水
溶液とし、Al板を陰極として電解により生成した。 注6)プレス成形性 (摩擦係数)サンプルサイズ: 17mm×300mm
、引張り速度: 500mm/min、角ビート肩R:
 1.0/3.0mm、摺動長: 200mm、塗油:
 ノックスラスト530F−40(パーカー興産株式会
社)塗油量1g/m2の条件で、面圧を100〜600
kgfの間で数点試験を行い、引き抜き加重を測定し、
面圧と引き抜き加重の傾きから摩擦係数を求めた。 (破断限界荷重比)上記ドロービード試験において、引
き抜き荷重が急上昇する面圧(押え荷重)値を破断面圧
とし、下記式 破断限界荷重比=破断面圧/引張強さ×板幅×板厚から
求めた。
【0036】注7)凝着防止機能皮膜とコロガリ潤滑機
能皮膜量は金属量として表示。なお、素地から溶出して
析出した金属量については測定できないので表示してい
ない。 注8)化成処理性は化成処理液(亜鉛−リン酸−弗素系
処理浴)にはSD5000(日本ペイント社製)を用い
、処方どおり脱脂、表面調整を行った後化成処理を行っ
た。化成処理皮膜の判定は、SEM(2次電子線像)に
より、均一に皮膜が形成されているものは○、部分的に
皮膜が形成されているものは△、皮膜が形成されていな
いものは×と判定した。
【0037】注9)溶接条件は下記による。 1)電極加圧力: 250kgf 2)初期加圧力: 40サイクル 3)通電時間:   8サイクル 4)保持時間:   2サイクル 5)溶接電流: 15KA 6)電極チップ形状: 先端径5.0φ(CF型: 円
錐台頭型) 7)電極チップ材質: Cu−Cr(一般に用いられて
いるもの) 8)電極チップ寿命終点判定: 溶接電流でのナゲット径が4.0mmを確保できる最大
の打点数。
【0038】溶接は、アルミニウム板の片面を上、他面
を下にして2枚重ね合わせて連続打点を行った。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、プレス成形において摺
動性が向上し、しかも成形時の押疵がなくなり、かつ化
成処理皮膜も形成可能なAl板を提供し得るので、従来
より低コスト、高品質で、ユーザーの工程における負荷
を低減でき、プレス成形に際しての生産性を向上させる
ことができ、かつ溶接性も向上することができ、産業上
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al板表面に非晶質酸化物系皮膜を形成した表
面の電子プローブマイクロアナライザー線分析図である
【図2】図1のAl板をドロービード摺動試験にかけた
後の表面のプロフィルの金属組織を示す電子顕微鏡写真
である。
【図3】図2に示すAl板の表面の電子プローブマイク
ロアナライザー線分析図である。
【図4】Al板表面に非晶質酸化物系皮膜を傾斜機能型
に形成した皮膜の厚さ方向のグロー放電分光分析説明図
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  表面粗度Wca:0.6μm以下、R
    a:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面に、プレ
    ス成形時に板表面に密着し、その変形に追随して被覆を
    維持する凝着防止機能と、金型と板間のコロガリ潤滑機
    能とを併せもつ無機系被覆層2〜1000mg/m2(
    金属として)を形成せしめたことを特徴とするプレス成
    形性、化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板。
  2. 【請求項2】  表面粗度Wca:0.6μm以下、R
    a:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面にZnO
     量で30〜3000mg/m2の酸化膜を生成し、該
    酸化膜上層にプレス成形時に表面に密着し、その変形に
    追随して被覆を維持する凝着防止機能と、金型と板間の
    コロガリ潤滑機能とを併せもつ無機系被覆層2〜100
    0mg/m2(金属として)を形成せしめたことを特徴
    とするプレス成形性、化成処理性、溶接性に優れたアル
    ミニウム板。
  3. 【請求項3】  表面粗度Wca:0.6μm以下、R
    a:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面にZn系
    めっき皮膜を生成せしめ、該皮膜上層にプレス成形時に
    めっき層表面に密着し、その変形に追随して被覆を維持
    する凝着防止機能と、金型とめっき層間のコロガリ潤滑
    機能とを併せもつ無機系被覆層2〜1000mg/m2
    (金属として)を形成せしめたことを特徴とするプレス
    成形性、化成処理性、溶接性に優れたアルミニウム板。
  4. 【請求項4】  表面粗度Wca:0.6μm以下、R
    a:0.3〜1.5μmのアルミニウム板表面にZn系
    めっき皮膜を生成せしめ、該皮膜上層にZnO 量で3
    0〜3000mg/m2の酸化膜を生成し、該酸化膜上
    層にプレス成形時にめっき層表面に密着し、その変形に
    追随して被覆を維持する凝着防止機能と、金型とめっき
    層間のコロガリ潤滑機能とを併せもつ無機系被覆層2〜
    1000mg/m2(金属として)を形成せしめたこと
    を特徴とするプレス成形性、化成処理性、溶接性に優れ
    たアルミニウム板。
  5. 【請求項5】  凝着防止機能を有する皮膜がMn,M
    o,Co,Ni,Ca,Cr,V,W,Ti,Al,Z
    nの1種または2種以上の金属酸化物および/または水
    酸化物を主体とし、皮膜量が1〜500mg/m2(金
    属として)であり、コロガリ潤滑機能を有する皮膜がP
    ,Bの1種または2種の酸素酸および/またはSi,A
    l,Tiの1種または2種以上の酸化物コロイドを主体
    とし、皮膜量が1〜500mg/m2(金属として)で
    ある請求項1,2,3,4に記載のプレス成形性、化成
    処理性、溶接性に優れたアルミニウム板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008179840A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Jfe Steel Kk 表面処理金属板ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋

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