JPH0433259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、指で押圧することによつて、包装
体を破断させ、内容物例えば錠剤を取り出すよう
にした個包装形態、所謂プレススルーパツクに関
する。

〔従来の技術及びその問題点〕

プレススルーパツクは、多数の成形凹所を設け
た収納本体に、薬品や食品等の固形物を収納し、
その上からシート状の蓋体で封緘したものであ
る。

前記収納本体は、一般に、塩化ビニルやポリプ
ロピレンなどの合成樹脂を成形したものであり、
蓋体は、押圧によつて容易に破断する材料、例え
ばアルミニウム箔が用いられる。このようなプレ
ススルーパツクの場合、収納本体は、透明性を有
するため、例えば医師が、内容物である薬品を確
認することは比較的容易である。

しかしながら、塩化ビニル、ポリプロピレンな
どは、ガスや光に対するバリヤ性が劣り、これら
によつて変質するものの長期保存には適していな
い。

そこで、バリヤ性の優れたアルミニウム箔単体
又は他の合成樹脂との積層体を成形して、収納本
体としたものが用いられている。

しかしながら、このようなものは、内容物を目
視することができない問題がある。

この考案の目的は、上記の問題を解決し、簡単
な操作で内容物を確認することができ、かつバリ
ヤ性の優れたプレススルーパツクを提供すること
である。

〔目的達成の手段〕

上記の問題点を達成するため、この考案におい
ては、アルミニウム箔を含む外層と、透明な内層
を、剥離層を介して積層した積層体で蓋体を形成
し、前記内層の、収納本体の凹所に対応する個所
の中央部に、前記内層の押し破り用切り目を設
け、さらに内層を収納本体と熱封緘可能としたの
である。

〔作用〕

前記蓋体の外層と内層は、剥離層を介して積層
されているので、アルミニウム箔を含む不透明な
外層は容易に剥離することができ、従つて内容物
を確認することができる。また、内層には押し破
り用切り目が設けられているので、内容物を容易
に押し出すことができる。

〔実施例〕

第１図に示すように、プレススルーパツク１
は、錠剤などの内容物Ａを収納する多数の凹所１
１を設けた収納本体１０に、シート状の蓋体２０
を熱封緘したものであつて、この蓋体２０は、バ
リヤ性を有する外層２１と透明な内層２２を、剥
離層２３を介して積層したものである。

前記収納本体１０は、第２図に示すように、ア
ルミニウム箔１２の内面にヒートシール層１３、
外面に樹脂保護層１４を設けたものである。ま
た、第３図に示すように、印刷層１５を設けても
よい。勿論、ヒートシール層１３、保護層１４
は、アルミニウム箔１２に対して、接着剤を介し
て積層することもできる。なお、ヒートシール層
１３は、蓋体２０と熱封緘可能な樹脂を選択す
る。

次に、前記蓋体２０の外面層２１は、第４図に
示すように、アルミニウム箔２４の外面に印刷層
２５を設け、さらに表面保護層２６を設けたもの
や、第５図に示すように、表面保護層２７として
のフイルムに印刷層２５′を設け、アルミニウム
箔２４と接着剤２８を介して貼り合せたものでも
よく、さらに、他の樹脂フイルム層２９を接着剤
３０を介して積層してもよく、要はアルミニウム
箔を含む積層体であれば、どのようなものでもよ
い。

前記剥離層２３は、離型性の良い樹脂、例えば
シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フツ素樹脂など
が好適である。

さらに、前記内層２２は、収納本体１０と熱封
緘可能なフイルム単体でもよいが、第６図に示す
ように、フイルム層３１の外面にヒートシール層
３２を設けたもでもよい。或は、第７図のよう
に、フイルム層３１の内面に（剥離層２３と接す
る面に）、樹脂層３３を設けてもよい。

このような、内層２２には、切り目３４が設け
られている。この切り目３４は、破断し難いフイ
ルム層を容易に押し破れるようにするためであつ
て、内層２２を貫通するように設けてもよく、或
は第６図及び第７図のように、部分的に設けても
よい。この場合、切り目３４が設けられていない
層は、押圧によつて容易に破断するものでなけれ
ばならない。なお、内層２２の構成は、上記に限
らない。例えば、フイルム層３１を二層積層した
ものであつてもよい。

前記切り目３４は、第８図に示すように、凹所
１１に対応する個所の中央部に設けられており、
その形状は、直線状、２重線状、十字状など、
種々選択可能である。

以上のようなプレススルーパツク１を、例えば
薬品の個包装に用い、投薬する場合、まず、蓋体
２０の外層２１を剥離すると、透明な内層２２が
現れ、収納された薬剤を確認することができる。
そして、薬剤を取り出す場合には、凹所１１の外
部から指で押圧すれば、内層２２は、切り目３４
から破断して、薬剤が外部に押し出される。

なお、内層２２の切り目３４が、内層を貫通し
ている場合には、通気性があるため、外層剥離後
の保存に支障が生じるならば、第６図や第７図の
ように、切り目３４を設けた層に、さらに破断し
易い層を設けて、切り目３４をふさげばよい。

〔効果〕

この考案によれば、以上のように、プレススル
ーパツクの蓋体及び収納本体共にアルミニウム箔
を使用したので、バリヤ性が完全となり、内容物
の長期保存が可能となり、使用時には、蓋体のア
ルミニウム箔を含む外層を剥離できるので、内容
物を確認することができ、また外層を剥離した後
の内層には、押し破り用切り目が設けられている
ので、内容物を簡単に押し出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のプレススルーパツクの実施
例を示す縦断面図、第２図及び第３図は同上の収
納本体の積層構造を示す一部拡大断面図、第４図
及び第５図は蓋体の外層の積層構造を示す一部拡
大断面図、第６図及び第７図は蓋体の内層の積層
構造を示す断面図、第８図は内層に設けた切り目
の形状を示す平面図である。 １……プレススルーパツク、１０……収納本
体、１１……凹所、１２……アルミニウム箔、１
３……ヒートシール層、１４……保護層、２０…
…蓋体、２１……外層、２２……内層、２３……
剥離層、２４……アルミニウム箔、３４……切り
目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミニウム箔を含む積層体から成り、多数の
   物品収納凹所を有する収納本体と、この収納本体
   に熱封緘されて収納凹所を閉じる蓋体より成るプ
   レススルーパツクにおいて、前記蓋体は、アルミ
   ニウム箔を含む外層と、透明な内層を、剥離層を
   介して積層したものより成り、この内層の、前記
   凹所に対応する個所の中央部に、前記内層の押し
   破り用切り目が設けられていることを特徴とする
   プレススルーパツク。