JPH04331221A - エポキシアリル樹脂組成物およびその製法 - Google Patents

エポキシアリル樹脂組成物およびその製法

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JPH04331221A
JPH04331221A JP12843391A JP12843391A JPH04331221A JP H04331221 A JPH04331221 A JP H04331221A JP 12843391 A JP12843391 A JP 12843391A JP 12843391 A JP12843391 A JP 12843391A JP H04331221 A JPH04331221 A JP H04331221A
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JP
Japan
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allyl
epoxy
maleimide
maleic anhydride
group
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JP12843391A
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Inventor
Hiroshi Uchida
博 内田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着特性、硬化性、耐熱
性に優れた新規な熱硬化性樹脂組成物およびその製法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アリル系の熱硬化性樹脂としてはジアリ
ルオルソフタレート、ジアリルイソフタレート、及びジ
アリルテレフタレートから誘導されたプレポリマーを主
とした樹脂や、末端にアリルエステル基を有し、内部が
多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導され
た次の構造を持つアリルエステルオリゴマーも知られて
いる。
【0003】 CH2 =CHCH2O(CORCOOBO)mCOR
COOCH2CH=CH2Rは二価または三価の飽和カ
ルボン酸から誘導された有機残基、Bは二価または多価
のポリオールから誘導された有機残基、mは1〜10の
整数を表す。
【0004】これらの化合物は高温高湿時に電気的性質
の保持力に優れていることから、高信頼性を要求される
電気・電子的用途に重用され、特にダッププレポリマー
は多年の実績を積んでいる。上記アリル系樹脂はまた優
れた寸法安定性、耐熱性、耐湿耐水性、その他の特性も
有しているが、電気的物性に優れる反面、接着力が劣る
という欠点があり、エポキシ樹脂のように広く電気部品
全般に使用されるようにはなっていない。
【0005】また、特開昭63−92636号公報や特
開昭51−102099号公報にはアリルアルコールで
変性したエポキシ樹脂(以下エポキシアリル樹脂と略す
る)が記載されている。この化合物は構造からいって接
着性が強く、硬化すれば耐熱分解性にも優れた特性が出
ることが期待できる。しかし、この場合にはアリルエス
テルの代わりにアリルエーテルで重合を行うことになる
が、重合中に生長ラジカルが著しく連鎖移動を起こし易
くなり、実用上有用な硬化物を得ることが出来ないとい
う致命的な欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアリル
アルコールで変性したエポキシ樹脂の連鎖移動を抑える
硬化系を開発し、接着性に優れたアリル系熱硬化性樹脂
組成物およびその製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究を行なった結果、エポキシアリル樹脂と無水
マレイン酸及び/または分子内に少なくとも1個以上の
マレイミド基を有する化合物を組み合わせて共硬化反応
を行うことにより、従来有効な硬化反応を行うことが出
来なかったエポキシアリル樹脂の硬化が速やかに起こる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の請求項1の発明は、  (a)ア
リルアルコールで変性したエポキシ樹脂    30〜
95重量部  (b)無水マレイン酸及び/または分子
内に少なくとも1個以上のマレイミド基を有する化合物
                         
           5〜70重量部  (c)次の
構造を持つジまたはトリアリル系モノマー及び/または
トリアリル(イソ)シアヌレート          
                      0〜4
0重量部      CH2 =CHCH2 OCOR
−(COOCH2 CH=CH2 )x  (ただし、Rは二価または三価の飽和または不飽和カル
ボン酸から誘導された有機残基、xは1または2の整数
を表わす)、且つ、(a)成分と(c)成分中のアリル
基と、(b)成分中のカルボニルと共役している二重結
合が、次式の範囲であるように仕込んで(a)〜(c)
成分を反応して得られることを特徴とするエポキシアリ
ル樹脂組成物である。 0.3<(アリル基/無水マレイン酸及びマレイミド中
の二重結合)<5
【0009】本発明の請求項2の発明は、(a)アリル
アルコールで変性したエポキシ樹脂、(b)無水マレイ
ン酸及び/または分子内に少なくとも1個以上のマレイ
ミド基を有する化合物、あるいは更に必要により(c)
次の構造を持つジまたはトリアリル系モノマー及び/ま
たはトリアリル(イソ)シアヌレートを、      
CH2 =CHCH2 OCOR−(COOCH2 C
H=CH2 )x (ただし、Rは二価または三価の飽和または不飽和カル
ボン酸から誘導された有機残基、xは1または2の整数
を表わす)(a)成分と(c)成分中のアリル基と、(
b)成分中のカルボニルと共役している二重結合が、0
.3<(アリル基/無水マレイン酸及びマレイミド中の
二重結合)<5 となるように混合し、ラジカル重合開始剤を添加して反
応させることを特徴とするエポキシアリル樹脂組成物の
製法である。
【0010】ここで用いるエポキシアリル樹脂としては
、通常知られているエポキシ樹脂とアリルアルコールと
を以下の反応式(化1)に従って合成した、エポキシ基
が開環して末端にアリルエーテル基が入った化合物のこ
とである。
【化1】
【0011】エポキシ樹脂としては、具体的には分子内
に少なくとも2個のエポキシ基を有する公知のビスフェ
ノールタイプ、ノボラックタイプ、脂肪族タイプのエポ
キシ樹脂でよく、例えば「エポキシ樹脂ハンドブック」
(日刊工業新聞社刊、新保正樹著)に記載されているよ
うな種々のエポキシ樹脂を使用することが出来る。市販
品としては、ビスフェノールタイプの「DER  33
2」(ダウケミカル社製)「エピコート  828」(
シェル化学社製)、「GY  255」(チバガイギー
社製)、ノボラックタイプの「DEN  431」(ダ
ウケミカル社製)、「エピコート  154」(シェル
化学社製)、脂肪族タイプの「CY  179」(チバ
ガイギー社製)が挙げられる。これらは単独として用い
てもよく、混合物として用いてもよい。
【0012】アリルアルコールとの反応触媒は公知のB
F3 やその錯体、KOHやSnCl4 、アルキルア
ミン、四級アンモニウム塩、ヘテロポリ酸のようなアル
コール付加反応用触媒を用いることが出来る。
【0013】また、もう一方の分子内に少なくとも1個
以上のマレイミド基を有する化合物としては、次の一般
式(化2)で表されるポリマレイミド化合物、および、
このマレイミド化合物から誘導されるプレポリマーを包
含する。
【化2】 但し、R’は脂肪族あるいは芳香族置換のアルキル基、
X1 、X2 はR’または水素、nは1〜5の整数を
表す。
【0014】上式で表されるマレイミド類は、無水マレ
イン酸とアミノ基を1〜5個有するポリアミン類とを反
応させてマレアミド酸を調整し、次いでマレアミド酸を
脱水環化させる公知の方法で製造することができる。
【0015】用いるアミン類は芳香族アミンがその耐熱
性から望ましいが、脂肪族アミンでも良い。また、その
アミン類は第一級アミンが反応性からいっても望ましい
。アミン類としては、アニリン、シクロヘキシルアミン
等のモノアミン化合物、メタまたはパラフェニレンジア
ミン、メタまたはパラキシリレンジアミン、1,4−ま
たは1,3−シクロヘキサジアミン、ヘキサヒドロキシ
リレンジアミン、4,4′−ジアミノビフェニル、ビス
(4−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェ
ニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン
、1,4−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン
、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン
、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)メタン、2
,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−アミノフェニル)
プロパン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン
等のジアミン類の他、3,4−ジアミノフェニル−4′
−アミノフェニルメタン等のトリアミン類、トリアジン
環を持ったメラミン類、アニリンとホルマリンを反応さ
せて得られるポリアミン類が挙げられ、具体的なマレイ
ミド化合物の名称としては、N−フェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド、4,4−ビスマレイミ
ドジフェニルメタン、1,3−ビスマレイミドベンゼン
、1,4−ビスマレイミドベンゼン等が挙げられる。
【0016】また、粘度調節や硬化速度を上げる目的で
、ジアリルまたはトリアリル系モノマーを積極的に添加
することも可能で、このようなジアリルまたはトリアリ
ル系モノマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、ジアリルテレフタレート、アジピン酸
ジアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルト
リメリテート、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリ
ル、エンディック酸ジアリル等がある。
【0017】これらの使用量としてはアリルエーテルま
たはアリルエステル基(以下アリル基と略す)と、無水
マレイン酸またはマレイミド基中の二重結合量を理想的
には1:1に調節したほうが、硬化速度や硬化した後の
物性が良くなるが、アリル基が過剰であっても実用上十
分な物性が得られる。ただし、過剰率があまりに大きい
と硬化速度が著しく遅くなるうえに、実用上十分な硬度
をもつ硬化物を得ることが出来なくなるという問題点が
ある。また、無水マレイン酸がアリル基に対して大過剰
に存在した場合には、硬化反応自体がうまく起こらなく
なるという問題がある。マレイミドを用いた場合にはこ
のようなことはないが、アリル基に対して大過剰用いた
場合には硬化物が脆くなりすぎてしまい好ましくない。
【0018】そこでこれらの使用量としては、エポキシ
アリル樹脂は接着性を発現させる上で最低でも30重量
部は必要であるが、95重量部以下に抑えないと硬化速
度が遅くなりすぎるので、全体の配合量の30〜95重
量部、より好ましくは40〜85重量部の範囲から選ぶ
べきである。
【0019】無水マレイン酸及び/または分子内に少な
くとも1個以上のマレイミド基を有する化合物は、全く
用いないと硬化反応が実用に耐えないほどに遅くなるし
、多く用いすぎても吸水率等が大きくなって好ましくな
い。そこで、全体の配合量の5〜70重量部、より好ま
しくは5〜40重量部の範囲から選ぶべきである。
【0020】ジまたはトリアリル系モノマーとしては、
粘度を調節する目的で用いるのであって、物性的にはむ
しろ低下するので、全体の配合量の40重量部以下、よ
り好ましくは35重量部以下の範囲から選んで配合する
ことが望ましい。
【0021】また、このような接着性、吸水率、粘度等
の物性上からくる重量比の制限以外にも、硬化のために
はエポキシアリル樹脂中のアリルエーテル基とアリル系
モノマー中のアリルエステル基の二重結合量と、無水マ
レイン酸およびマレイミド化合物中のカルボニルと共役
した二重結合量が以下の関係式で表された範囲内から選
ばないと、硬化反応をスムーズに起こすことができない
という制約がある。 0.3<(アリル基/無水マレイン酸及びマレイミド中
の二重結合)<5 より好ましくは、 0.5<(アリル基/無水マレイン酸及びマレイミド中
の二重結合)<3
【0022】ここで、アリル系モノマー中のアリルエス
テル基の二重結合量と、無水マレイミ酸およびマレイミ
ド化合物中のカルボニルと共役した二重結合量は、分子
量と一分子あたりに有している二重結合の数から計算で
きる。エポキシアリル樹脂の場合には、単一化合物でな
いことと原料のエポキシ樹脂中のエポキシ基が必ずしも
100%反応しない場合があるので、該エポキシアリル
樹脂のヨウ素価を測定し、この値から、アリル基の二重
結合量を計算することが望ましい。
【0023】また、重合後の物性、硬化性が損なわれな
い範囲で、他の重合性モノマーを添加して重合を行うこ
ともできる。このような重合性モノマーとしては、例え
ば、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸及びその
エステル、不飽和二塩基酸及びその誘導体、飽和脂肪族
または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導
体、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物、不飽和炭化水素、ハロゲン化不飽和炭化水素等が挙
げられる。
【0024】芳香族ビニル化合物としては、スチレンま
たは、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−
クロルスチレン等のα−置換スチレン、フルオロスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルス
チレン、メトキシスチレン等の核置換スチレンがある。
【0025】(メタ)アクリル酸及びそのエステルとし
てはアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メ
チル等がある。
【0026】不飽和二塩基酸及びその誘導体としては、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン
酸のジアルキルエステル類、フマル酸ジメチル、フマル
酸ジイソプロピル等のフマル酸のジアルキルエステル類
、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド等のマレイミド類、無水マレイン酸等の酸無水物類
等がある。
【0027】飽和脂肪族または芳香族カルボン酸のビニ
ルエステル及びその誘導体としては酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、安息香酸ビニル、n−酪酸ビニル等があ
る。
【0028】不飽和炭化水素としては、1−ヘキセン、
1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン等がある。
【0029】ハロゲン化不飽和炭化水素としては塩化ビ
ニル、臭化ビニル等がある。
【0030】また、架橋性多官能モノマーも使用でき、
このようなものとして、例えば、ジアリルカーボナート
、ジエチレングリコールジアリルカーボナート、ジビニ
ルベンゼン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、アジピン酸ジビニル等の二官能性の架橋性モノ
マー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
、ジアリルマレート、ジアリルフマレート等の三官能以
上の架橋性モノマーが挙げられる。
【0031】また、不飽和ポリエステルのような二重結
合を持つポリマーも、反応性モノマーと同等に使用でき
る。
【0032】ここでこれらの組成物を硬化させるのに用
いる開始剤としては、熱、マイクロ波、赤外線、または
紫外線によってラジカルを生成し得るものであればいず
れのラジカル重合開始剤の使用も可能であり、硬化性組
成物の用途、目的、成分の配合比および硬化方法等によ
って適宜選択することができる。
【0033】熱、マイクロ波、赤外線による重合に際し
て使用できるラジカル重合開始剤としては、例えば2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビ
スイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、メチルエ
チルケトンパーオキシド、シクロヘキサノパーオキシド
等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキサイド
、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類
、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド
等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t
−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキ
シド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等の
ジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエ
ステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボナート、
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボナート、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボナート等のパーカー
ボナート類が挙げられる。
【0034】紫外線による重合に際して使用できるラジ
カル重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2
−ジエトキシアセトフェノン、4′−イソプロピル−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノ等の
カルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアン
トラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアント
ラキノンまたはチオキサントン誘導体、ジフェニルジス
ルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げら
れる。
【0035】重合温度については、用いる開始剤により
異なるが一般的には用いた開始剤の10時間半減期以上
の温度で樹脂の熱分解を考慮すると、250℃までの温
度範囲の間から選択される。開始剤の使用量についても
多めに用いすぎると硬化物の物性値が低下する傾向にあ
るので、必要十分以上には用いないほうがよい。
【0036】本発明のエポキシアリル樹脂組成物は、従
来のジアリルフタレート系樹脂組成物や不飽和ポリエス
テルおよびエポキシ樹脂の場合と同様に所望に応じて、
例えば充填剤、重合促進剤、重合禁止剤、内部離型剤、
カップリング剤、顔料、難燃剤、その他の添加剤を該組
成物の特性を損なわない範囲で配合して用いて、成形加
工性あるいは成形品の物性を改善することができる。本
発明のエポキシアリル樹脂組成物は、熱、マイクロ波、
赤外線、または紫外線などにより重合が開始するので不
安定であり、定性分析や定量分析のためにその構造、分
子量、分子量分布、粘度などの測定を行うことが難しい
。従って、貯蔵、輸送などの取り扱いには充分な注意が
必要である。
【0037】本発明のエポキシアリル樹脂組成物の成形
方法としては、従来の熱硬化性樹脂と同様な公知の成形
方法及び成形条件がそのまま適用できる。即ち、本発明
組成物を金型に注入して硬化させる注型法、該組成物を
加熱して流動状態とし、これを金型に入れて加熱硬化さ
せる射出成形法または移送成形法、該組成物を金型中で
加熱加圧して硬化させる圧縮成形法、該組成物を適当な
有機溶剤に溶解し、繊維状シートに含浸させ、乾燥機、
必要ならば加圧条件下に、繊維状シート中で樹脂を硬化
させる積層板成形法、該組成物の微粉末もしくは溶液を
基材に塗布し、基材上で硬化させる塗装法、該組成物溶
液を印刷紙などに含浸させ、乾燥後、基板上で加熱加圧
して硬化させる化粧板成形法などの成形方法を例示でき
る。成形に際して硬化のための加熱温度としては約60
〜約220℃の如き温度を例示できる。又、加圧条件を
採用する場合の圧力としては、約5〜1000kg/c
m2 の如き圧力を例示することができる。
【0038】また、本発明組成物の中には、常温で液状
のものがあり、これは液状不飽和ポリエステル、エポキ
シ樹脂と同様の成形法を行なうことができ、利用範囲を
非常に広いものとすることが可能となった。
【0039】本発明組成物は、接着性や硬化性、耐熱性
の良さを生かして、以下に示す広い分野に於て成形材料
として使用できる。例えば、コネクター、モーターのコ
ンミテーター、ガバナー、コイルボビン、リレー、スィ
ッチ、端子板、イグニッション、ブレーカー、ソケット
、摺動抵抗体のバインダー、プリント配線基板、電子部
品および素子の封止材、コイル封入その他の弱電乃至重
電分野における絶縁材料等の如き電気及び電子分野;ま
た例えば、プラスチックブレーキのピストンその他の機
械分野;例えば食器類その他の日用品分野;例えば薬品
もしくはスチーム消毒を要するトレイ、容器類の如き医
用材料分野に於ける成形材料として有用である。
【0040】更に該組成物を、紙、不織布、ガラスクロ
ス等の如き繊維状シートに、溶剤の存在下または不在下
に含浸または塗布し、木、紙、金属その他無機質基材に
圧着硬化させるか、予め硬化させたものを、上記基材に
貼着して化粧板の形で各種建材類、家具、インテリア類
、キャビネット類、厨房設備類、車軸、船舶内装材その
他の分野に有用である。
【0041】また、該樹脂をそのまま、もしくは溶剤で
希釈して木材に含浸・硬化させれば、木材プラスチック
複合体(いわゆるWPC)となり、床板、甲板、のき天
、建築構造材、スポーツ用品等の分野に利用でき、さら
に又、ガラスクロスその他の繊維状シート構造に含浸、
積層した積層板として、高温高湿時の諸特性を必要とす
る分野、たとえば、ターミナルプレート、モーターなど
のウエッジ、絶縁カラー、スロットアーマー、コイルセ
パレーターなどの如き回転機関係分野、ダクトピース、
バリヤー、ターミナルプレート、操作棒、配電盤などの
パネル類、プリント配線基板、パソコン絶縁支持体など
の如き静止機関係分野に有用であり、更に温度湿度変化
が激しい場合でも寸法安定性に優れ、良好な機械強度を
必要とする分野、たとえば、レーザードーム、ミサイル
の羽根、ロケットノズル、ジェット機のエアダクトなど
、又、各種化学装置の部品の如き耐薬品性を必要とする
分野、アンテナ、スキー、スキーストック、釣竿等の如
き耐候性、耐薬品性、機械強度を必要とする分野、その
他塗料、他の樹脂類の成形用鋳型の材料、ホットスタン
ピング用樹脂、UV硬化インキ、レンズその他光学的用
途の材料、ガラス繊維、炭素線維のバインダー、光、電
子線あるいはX線を用いたリソグラフィーにおけるレジ
スト膜用樹脂など、広範囲の用途に供することができる
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではない
。 (エポキシアリル樹脂の合成)
【0043】参考例−1 ガラスオートクレーブに“エピコート828”(油化シ
ェルエポキシ(株)製のビスフェノールA系エポキシ化
合物、エポキシ等量186)372g、アリルアルコー
ル150g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド3.0gを仕込み、十分に窒素置換を行った後に13
0℃で5時間反応を行った後に、減圧下に未反応アリル
アルコールを留去し、エポキシアリル樹脂476gを得
た。この樹脂はヨウ素価(Wijs法)が104.4で
あり、30℃での粘度は12万cPであった。
【0044】参考例−2 ガラスオートクレーブに“エピコート152”(油化シ
ェルエポキシ(株)製のノボラック系エポキシ化合物、
エポキシ等量173)346g、アリルアルコール15
0g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド3.
0gを仕込み、十分に窒素置換を行った後に130℃で
5時間反応を行った後に、減圧下に未反応アリルアルコ
ールを留去し、エポキシアリル樹脂449gを得た。こ
の樹脂はヨウ素価(Wijs法)が112.7であり、
30℃での粘度は63万cPであった。
【0045】参考例−3 ガラスオートクレーブに“エピコート1004”(油化
シェルエポキシ(株)製のビスフェノールA系固形エポ
キシ化合物エポキシ等量915)230g、アリルアル
コール500g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロ
ライド2.0gを仕込み、十分に窒素置換を行った後に
130℃で5時間反応を行った後に、減圧下に大過剰に
用いた未反応アリルアルコールを留去し、エポキシアリ
ル樹脂247gを得た。この樹脂はヨウ素価(Wijs
法)が15.6であり、30℃では固体であった。
【0046】参考例−4 ガラスオートクレーブに“エピコート807”(油化シ
ェルエポキシ(株)製のビスフェノールF系エポキシ化
合物、エポキシ等量171)342g、アリルアルコー
ル150g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド3.0gを仕込み、十分に窒素置換を行った後に13
0℃で5時間反応を行った後に、減圧下に未反応アリル
アルコールを留去し、エポキシアリル樹脂461gを得
た。この樹脂はヨウ素価(Wijs法)が110.4で
あり、30℃での粘度は8900cPであった。
【0047】(実施例)表1に示す重量配合比でエポキ
シアリル樹脂、無水マレイン酸、マレイミド化合物、ア
リル系モノマーをこの順番にステンレスのビーカーに入
れ、100℃のオイルバスにつけて加熱しながら、薬さ
じで良く混合しながら溶解した。この際、無水マレイン
酸、マレイミド化合物は昇華しやすいので、ステンレス
のビーカー中の混合物の温度が高くなりすぎないように
、ときどきオイルバスからステンレスのビーカーを出し
て冷やした。これらの配合量については、粘度が高すぎ
る場合にはアリル系モノマーを使用し、またエポキシア
リル樹脂のヨウ素価から計算したアリル基と、無水マレ
イン酸、マレイミド化合物、アリル系モノマーの分子量
、官能基数から計算した二重結合の比が本発明の範囲で
ある0.3以上で且つ5以下になるように調整した。 この二重結合の比を表1中に合わせて示す。
【0048】これらの配合物がほぼ均一になったことを
確認した後に、ラジカル重合開始剤としてジクミルパー
オキサイド4phr を同様の手順で混合した。得られ
た組成物を160℃の加熱板上にのせ、糸引きしなくな
るまでの時間を調べ、ゲルタイムを測定した。
【0049】また上で得た該組成物を所定量とり、セロ
ハン張りのガラス板2枚の間にスペーサーをはさみ、シ
リコーンチューブで三方を囲って、ガラス板の間に該組
成物を注型し、ギアオーブン中で130℃/1hrで硬
化反応を行い、更に160℃/5hrアフターキュアし
た。
【0050】得られた成形品を、所定の試験片に切削し
、JIS  K−6911にしたがって物性を測定した
【0051】また、硬化前の該組成物をメチルエチルケ
トンに溶解し、ワニスとし、該ワニスを#240番紙ヤ
スリ研磨、及び脱脂(室温/一晩/トリクレン中)を施
した被着体[軟鋼板(JIS−K6850)]に塗布し
90℃/30分溶媒を除去後、接着固定して130℃/
1hrで硬化後、160℃/5hrアフターキュアして
、引張り剪断接着強さを測定した。これらの結果を表1
に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、接着性、硬化
性の優れた新規熱硬化性樹脂組成物を得ることができ、
成形材料、化粧板、電子・電気材料、塗料等として速硬
化、成形性を要求される分野に使用でき、特に封止材料
等従来アリル系熱硬化樹脂では用いることの出来なかっ
た分野へ応用出来る可能性があり、その産業上の利用価
値は甚だ大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】   (a)アリルアルコールで変性したエポキシ樹脂 
       30〜95重量部  (b)無水マレイン酸及び
    /または分子内に少なくとも1個以上のマレイミド基を
    有する化合物                   
                     5〜70重量部 
     (c)次の構造を持つジまたはトリアリル系モノマー
    及び/またはトリアリル(イソ)シアヌレート    
                             
       0〜40重量部      CH2 =CHCH
    2 OCOR−(COOCH2 CH=CH2 )x  (ただし、Rは二価または三価の飽和または不飽和カル
    ボン酸から誘導された有機残基、xは1または2の整数
    を表わす)、且つ、(a)成分と(c)成分中のアリル
    基と、(b)成分中のカルボニルと共役している二重結
    合が、次式の範囲であるように仕込んで(a)〜(c)
    成分を反応して得られることを特徴とするエポキシアリ
    ル樹脂組成物。0.3<(アリル基/無水マレイン酸及
    びマレイミド中の二重結合)<5
  2. 【請求項2】(a)アリルアルコールで変性したエポキ
    シ樹脂、(b)無水マレイン酸及び/または分子内に少
    なくとも1個以上のマレイミド基を有する化合物、ある
    いは更に必要により(c)次の構造を持つジまたはトリ
    アリル系モノマー及び/またはトリアリル(イソ)シア
    ヌレートを、       CH2 =CHCH2 OCOR−(CO
    OCH2 CH=CH2 )x (ただし、Rは二価または三価の飽和または不飽和カル
    ボン酸から誘導された有機残基、xは1または2の整数
    を表わす)(a)成分と(c)成分中のアリル基と、(
    b)成分中のカルボニルと共役している二重結合が、0
    .3<(アリル基/無水マレイン酸及びマレイミド中の
    二重結合)<5となるように混合し、ラジカル重合開始
    剤を添加して反応させることを特徴とするエポキシアリ
    ル樹脂組成物の製法。
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