JPH04329954A - 個別密封容器に収容した２種薬剤の無菌保持混合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、それぞれ個別に密封収
容された２種の薬剤を無菌状態下で混合する装置に関す
る。

【０００２】

【発明の背景】病院等の医療機関で点滴注射などにより
患者に薬剤を投与する場合、バイアルに密封収容した抗
生物質等の薬剤を生理食塩水やブドウ糖液等の薬剤で溶
解して投薬される。このとき、これらの薬剤は混合溶解
されると不安定になり易く、比較的短時間に薬剤の効力
を失うので、薬剤の混合操作は投薬直前に行われる。

【０００３】従来、この混合操作は、それぞれ別々に供
給される薬剤と注射器により、次の手順で行われる。■
　両薬剤の各包装及び注射器の包装をそれぞれ解いて準
備する。■　アンプルを破封するなど液剤容器を開封し
て、注射器で液剤容器内の溶解用薬剤を吸入する。■　
バイアルのゴム栓に注射針を突き通し、溶解用薬剤を注
入する。■　バイアルを震蕩させてバイアル内で抗生物
質を溶解させる。■　溶解した両薬剤を注射器に吸入し
て患者への投薬に準備される。

【０００４】しかし、上記の混合操作には、次の問題点
があった。 イ．包装を解いた注射器は直接外気に触れるので雑菌に
汚染され易く、しかも、この注射器の針を容器内に突入
させて薬剤を移送混合するため、混合した薬剤に雑菌が
混入する虞れがある。 ロ．別々に供給される両薬剤と注射器とを、それぞれ包
装を解いて準備しなければならず、また、注射器の針を
突き通すゴム栓表面を滅菌消毒する必要が有るうえ、液
状薬剤を一旦注射器に吸入して移すことから、混合操作
が極めて煩雑である。 ハ．別々の容器に収容されている薬剤を投与直前に混合
するので、煩雑な操作を短時間で行わなければならず、
混合薬剤の組み合わせを誤る可能性がある。 ニ．液状の薬剤はしばしばアンプル容器に封入されてお
り、この場合にはアンプルを破封する際に生じるガラス
屑が薬剤に混入し易いうえ、薬剤が直接外気に触れるの
で雑菌に汚染される虞れが多い。

【０００５】

【従来技術】そこで、上記の問題を解消し、簡単な操作
で２種の薬剤を混合できるものとして、特開昭６２−２
８１９４７号公報に示される混合装置が提案されている
。

【０００６】この混合装置は、図６に示すように、１つ
の薬剤容器に、第１薬剤を密封収容した下方の第１容器
室（１）と、第２薬剤を密封収容した上方の第２容器室
（２）とを、中央の栓箱（３）で連通連結して形成して
ある。そして、この栓箱（３）内に中仕切り栓（４）を
摺動可能に内嵌し、第１容器室（１）内と第２容器室（
２）内との連通を封止してある。第２容器室（２）の上
部には押圧機構（３１）が外気遮断状に設けてあり、図
６の右半図に示すように、この押圧機構（３１）を第２
容器室（２）内面に気密摺動させて、押圧部（３２）下
端に取付けた中仕切り栓（４）を第１容器室（１）側へ
押し込み、上記の封止を解除して２種の薬剤を混合する
ように構成してある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
混合装置では、第１容器室（１）と第２容器室（２）と
が連結部で一体となった１つの薬剤容器に形成されてお
り、両容器室（１・２）内同士を連通させるには内部に
配設した中仕切り栓（４）を容器外部から遠隔操作して
摺動させなければならず、このため第２容器室（２）の
上方に複雑な押圧機構（３１）を設ける必要がある。

【０００８】しかも、この押圧機構（３１）は、両薬剤
を無菌状態下に保持する必要から、第２容器室（２）に
対して気密摺動しなければならず、この結果、中仕切り
栓（４）が栓箱（３）内の摺動面（５）を摺動する抵抗
と合わさって摺動抵抗が大きくなり、両容器室（１・２
）を連通させるために強い操作力を必要とする問題があ
った。

【０００９】また、一般に抗生物質などの粉末薬剤は溶
解用の液状薬剤とは薬剤供給者が異なるので、この場合
には、無菌状態を維持しながら１つの薬剤容器内に２種
の薬剤を中仕切り栓で仕切ってそれぞれ密封し、さらに
押圧機構の組付けることは極めて困難である。

【００１０】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、容器連結部に設けた中仕切り栓を簡単な操作で
摺動させることができ、両容器内同士を容易に連通でき
るうえ、装置全体をコンパクトで簡単な構造にした、個
別密封容器に収容した２種薬剤の無菌保持混合装置を提
供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記の目的
を達成するために、上記栓箱（３）内の中仕切り栓（４
）を回転摺動可能に配設して、閉栓位置（Ａ）と開栓位
置（Ｂ）とに切換回転可能に構成し、この中仕切り栓（
４）から栓回動レバー（６）を栓箱（３）外部へ突設し
て切換操作可能に構成するとともに、この中仕切り栓（
４）に連通路（７）を設け、この中仕切り栓（４）を栓
回動レバー（６）により上記閉栓位置（Ａ）に切換え操
作した状態では、上記連通路（７）の路端開口部（８）
を栓箱との摺動面（５）に臨ませて前記第１容器（１）
と第２容器（２）との連通を遮断し、この中仕切り栓（
３）を栓回動レバー（６）により上記開栓位置（Ｂ）に
切換え操作した状態では、上記連通路（７）の摺動面（
５）による遮断を解除して、前記第１容器（１）と第２
容器（２）とがこの連通路（７）を介して連通するよう
に構成したことを特徴とする。

【００１２】

【作用】栓箱内に設けた中仕切り栓は、簡単な構造の栓
回動レバーにより直接回転摺動され、この回転摺動だけ
で閉栓位置と開栓位置とに切換え操作される。このとき
、栓回動レバーは中仕切り栓から栓箱外部に突設してあ
るので、梃子の倍力作用により、長い栓回動レバーの先
端に加える操作力で中仕切り栓に強い回動力が生ずる。 そして、栓回動レバーの操作により、閉栓位置から気密
摺動して開栓位置に切換わることにより、この中仕切り
栓内に設けた連通路を介して第１容器内と第２容器内と
が連通する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１から図５は本発明の実施例を示し、図１は混合
装置の縦断面図、図２は中仕切り栓の斜視図、図３は図
１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、図４は中仕切り栓を開栓
位置に切換えた状態の縦断面図、図５は点滴セット取付
け状態の正面図である。

【００１４】この無菌保持混合装置は、図１に示すよう
に、第１容器（１）内に生理食塩水などの溶解液が密封
収容してあり、この第１容器（１）の上部に設けた容器
口部（１１）に栓箱（３）の下部が気密固定してある。 この栓箱（３）は抗生物質などの第２薬剤を収容した第
２容器（２）の下部から下方に一体状に延設してあり、
従って、第１容器（１）内と第２容器（２）内とは栓箱
（３）を介して連通連結されている。

【００１５】なお、本実施例では栓箱（３）を第２容器
（２）に延設したが、これを別体に形成して栓箱（３）
を第２容器（２）の下部に気密固定してもよい。また、
第１容器（１）の下部には点滴セットの容器側注射針を
突き通すためのゴム栓（２８）が付設してあり、第２容
器（２）の上部は密封蓋（１０）で封止してある。

【００１６】上記栓箱（３）内には中仕切り栓（４）が
回転摺動可能に内嵌されており、この栓箱（３）の一側
部には上記中仕切り栓（４）との摺動面（５）に上下に
長い溝部（１２）が形成され、また、他側部の周壁には
開口部（１３）が形成されている。

【００１７】上記中仕切り栓（４）は、第１容器（１）
を密封する第１容器側部（４ａ）と、第２容器（２）を
封止する第２容器側部（４ｂ）とからなり、連結ピン（
１６）で一体にされている。このように構成することに
より、第２薬剤を収容した第２容器（２）を第２容器側
部（４ｂ）で第２容器（２）を単独で密封することがで
きる。この結果、無菌状態を維持したまま、第２容器（
２）を第１容器（１）に連結ピン（１６）で簡単に組付
けることができる。

【００１８】また、この中仕切り栓（４）は、図２に示
すように、下端（１４）と上端（１５）のそれぞれ中央
から周側の一側部に向かって連通路（７・７）が透設し
てあり、周側の他側部には栓回動レバー（６）が付設し
てある。

【００１９】この栓回動レバー（６）は、上記開口部（
１３）を通って栓箱（３）外部に突出させてある。そし
て、この開口部（１３）は、図３に示すように、周方向
に長く開口してあり、上記栓回動レバー（６）を平面視
で反時計方向に回動して中仕切り栓（４）を閉栓位置（
Ａ）に操作した閉栓状態では、上記連通路（７・７）の
周側路端（８・８）が前記溝部（１２）から外れた位置
で摺動面（５）に臨むように開口してある。従って、こ
の閉栓状態では上記連通路（７・７）の周側路端（８・
８）が栓箱（３）との摺動面（５）で閉塞されており、
第１容器（１）内と第２容器（２）内とは連通が遮断さ
れている。

【００２０】次に、混合操作の手順について説明する。 第１容器（１）内と第２容器（２）内との連通操作は、
栓回動レバー（６）を平面視で時計方向に回動して上記
中仕切り栓（４）を開栓位置（Ｂ）に移動することによ
り行う。

【００２１】この操作により、中仕切り栓（４）が栓箱
（３）内の摺動面を回転摺動して、第４図に示すように
、上記連通路（７・７）の周側路端（８・８）が前記溝
部（１２）に臨む位置に移動し、第１容器（１）内と第
２容器（２）内とが連通路（７・７）を介して連通する
。なお、本実施例では、栓箱（３）の摺動面（５）に上
下に長い溝部（１２）を形成したが、この溝部（１２）
は上記連通路（７・７）が連通すればよく、凹部にする
など適当な形状にすることができる。

【００２２】上記の操作により、第１容器（１）内と第
２容器（２）内とが連通すると、第１容器（１）内の溶
解液を一部分第２容器（２）内へ移動させて容器内の第
２薬剤を溶解させ、この溶液を再び連通路（７）を通し
て第１容器（１）内へ移動させ、両薬剤の無菌状態下で
の混合を完了する。

【００２３】混合された薬剤は全て第１容器（１）内に
移され、図５に示すように、第１容器（１）の下部に設
けたゴム栓（２８）に点滴セット（２６）の容器側針（
２７）を突き刺して、点滴注射に用いる。この点滴用の
ゴム栓は、第１容器（１）の下部に設ける代わりに、第
２容器（２）上端の密封蓋（１０）を使用してもよく、
この場合には、混合装置全体を上下反転させ、混合され
た薬剤を第１容器（１）から連通路（７）及び第２容器
（２）を通して点滴セット（２６）に送る。

【００２４】なお、混合した薬剤を注射器に吸入して患
者に投薬する場合には、連通路（７）を介して両容器（
１・２）内が連通した後に第２容器（２）内へ溶解液を
移動させ、第２薬剤を溶解させたものをそのまま注射器
に吸入して用いることができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明では、上記のように構成され作用
することから次の効果を奏する。栓箱内の中仕切り栓は
、極めて簡単な構造の栓回動レバーにより直接回動され
るので、中仕切り栓を移動させるための複雑な押圧機構
等を必要とせず、混合装置全体をコンパクトで簡単な構
造にすることができ、安価に実施することができる。

【００２６】しかも、中仕切り栓の切換え操作により気
密摺動する部分が１つであり、摺動抵抗が少ないうえ、
栓回動レバーの先端に加える操作力は、梃子の倍力作用
で中仕切り栓に強い回動力を生じることから、中仕切り
栓を軽く回動させることができ、極めて容易に開栓して
両容器内同士を連通することができる。

【００２７】また、第１容器内と第２容器内との連通操
作は、栓回動レバーを回動させるだけの簡単な操作で済
むうえ、この操作により中仕切り栓が閉栓位置から開栓
位置へ気密摺動することから、無菌状態を保持したまま
２種の薬剤を混合することができる。

【００２８】さらに、第１容器と第２容器とが別体に形
成されているので、２種の収容薬剤のそれぞれの性質に
適合した薬剤容器を用いることができる。従って、例え
ば一方の薬剤が吸湿により変質しやすい場合には、この
薬剤を収容する容器のみを防湿性容器に形成すればよく
、他方の薬剤容器は一般のプラスチックボトル等を用い
ることができ、製造コストを低減することができる。 さらに、薬剤供給者が異なる場合も、各薬剤が個別の容
器に収容されるので、組付時に無菌状態を容易に維持す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す、混合装置の縦断面図で
ある。

【図２】実施例の中仕切り栓の斜視図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【図４】実施例の中仕切り栓を開栓位置に切換えた状態
の縦断面図である。

【図５】実施例の混合装置に、点滴セットを取付けた状
態の正面図である。

【図６】従来例を示す、混合装置の縦断面図であり、左
半図は混合操作前の状態を示し、右半図は混合操作後の
状態を示す。

【符号の説明】

１…第１容器、　　２…第２容器、　　３…栓箱、　　
４…中仕切り栓、　　５…摺動面、　　６…栓回動レバ
ー、　　７…連通路、　　８…路端、　　Ａ…閉栓位置
、　　Ｂ…開栓位置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　第１薬剤を密封収容した第１容器（１
   ）と第２薬剤を密封収容した第２容器（２）とを栓箱（
   ３）を介して外気遮断状に連通連結し、この栓箱（３）
   内に中仕切り栓（４）を気密摺動可能に配設して、上記
   第１容器（１）と第２容器（２）との連通を遮断するよ
   うに構成した、個別密封容器に収容した２種薬剤の無菌
   保持混合装置において、上記栓箱（３）内の中仕切栓（
   ４）を回転摺動可能に配設して、閉栓位置（Ａ）と開栓
   位置（Ｂ）とに切換回転可能に構成し、この中仕切り栓
   （４）から栓回動レバー（６）を栓箱（３）外部へ突設
   して切換操作可能に構成するとともに、この中仕切栓（
   ４）に連通路（７）を設け、この中仕切り栓（４）を栓
   回動レバー（６）により上記閉栓位置（Ａ）に切換え操
   作した状態では、上記連通路（７）の路端開口部（８）
   を栓箱との摺動面（５）に臨ませて前記第１容器（１）
   と第２容器（２）との連通を遮断し、この中仕切り栓（
   ３）を栓回動レバー（６）により上記開栓位置（Ｂ）に
   切換え操作した状態では、上記連通路（７）の摺動面（
   ５）による遮断を解除して、前記第１容器（１）と第２
   容器（２）とがこの連通路（７）を介して連通するよう
   に構成したことを特徴とする、個別密封容器に収容した
   ２種薬剤の無菌保持混合装置。