JPH04328311A - オーディオ・ビデオ機器 - Google Patents

オーディオ・ビデオ機器

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Publication number
JPH04328311A
JPH04328311A JP3098908A JP9890891A JPH04328311A JP H04328311 A JPH04328311 A JP H04328311A JP 3098908 A JP3098908 A JP 3098908A JP 9890891 A JP9890891 A JP 9890891A JP H04328311 A JPH04328311 A JP H04328311A
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JP
Japan
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film
vtr
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group
audio
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Pending
Application number
JP3098908A
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English (en)
Inventor
Norihisa Mino
規央 美濃
Sanemori Soga
眞守 曽我
Kazufumi Ogawa
一文 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to CA 2061728 priority patent/CA2061728C/en
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Publication of JPH04328311A publication Critical patent/JPH04328311A/ja
Priority to US08/145,669 priority patent/US5425989A/en
Priority to US08/458,703 priority patent/US5731077A/en
Priority to US08/935,418 priority patent/US5876846A/en
Priority to US08/935,551 priority patent/US5836827A/en
Priority to US08/936,024 priority patent/US5876801A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープレコーダ、ビデ
オテープレコーダ(VTR)、デジタル・オーディオ・
テープレコーダ(DAT)などのオーディオ・ビデオ機
器の改良に関する。特に、テープの走行摩擦の低下した
潤滑膜、または自己潤滑性を有する潤滑膜を設けたオー
ディオ・ビデオ機器に関する。
【0002】
【従来の技術】テープレコーダ装置、VTR装置、DA
T装置など磁気テープを走行させて記録・再生する装置
においては、テープ走行時にテープに傷が入らないよう
に細心の注意が払われている。すなわち、記録媒体側に
傷が入ると、記録・再生に必要な機能が阻害され、また
記録媒体面と反対の面であっても傷が入るとテープを巻
いた時に転写による傷が入るという好ましくない現象が
生ずる。
【0003】また、VTR装置やDAT装置などは、多
機能、高性能化され、特に長寿命、高信頼性が要求され
ている。なかでもVTRシリンダ−ヘッドは、1,00
0〜6,000r.p.m 程度の高速回転をしている
ので、回転機構に異常が生じると、画像再生や信頼性に
大きく影響する。特にVTRシリンダ−ヘッド軸受け部
は摺動による磨耗が生じやすく、回転機構の故障により
再生不良の原因となる。
【0004】一般に、摺動部材(ベアリング、ロ−タ−
、回転軸、クランク、タ−ビン等)は、潤滑性を保つた
めに潤滑油を供給することが必要である。そして、潤滑
油がなくなったり供給不足になると、摺動部は摩擦熱が
発生したり、磨耗して破損に至る場合がある。従来は、
走行テープの接触面の基材表面をできるだけ滑らかにす
るしか方法なく、また装置の摺動部材の潤滑性を増すた
めには、基体表面に潤滑剤を塗布する方法、もしくは基
材表面をできるだけ滑らかにするしか方法がなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記走
行テープの接触面の基材表面をできるだけ滑らかにした
ところで、テープの走行摩擦を低下するには限度があっ
た。また、装置の摺動部材に潤滑油を存在させる場合、
潤滑油が漏れ出す危険性が皆無であるとはいえない。と
くにVTRシリンダ−ヘッド軸受け部の場合、潤滑油が
漏れ出すと高速回転のため潤滑油が周囲に飛散し、VT
Rフィルムなどへの悪影響がでやすい。また、基材表面
自体を滑らかにするにも限界がある。
【0006】本発明は前記従来技術を解決するために、
走行テープの摩擦抵抗を低くでき、かつ耐久性に優れた
潤滑膜を有するオーディオ・ビデオ機器を提供すること
を第1の目的とし、装置の基材表面に基材と化学結合し
ていてかつ摩擦抵抗が低く自己潤滑性に優れた潤滑膜を
有するオーディオ・ビデオ機器を提供することを第2の
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明のオーディオ・ビデオ機器は、記録または再生
のための磁気テープが走行するオーディオ・ビデオ機器
であって、少なくとも前記走行テープが接触する面に、
表層がフッ素基を含み、基部がシロキサン結合によって
基材に化学結合されてなる化学吸着膜が形成されている
ことを特徴とする。
【0008】前記構成においては、化学吸着膜が形成さ
れている部分が、磁気ヘッド表面またはテープガイド表
面であることが好ましい。また本発明のオーディオ・ビ
デオ機器は、回転機構を有するオーディオ・ビデオのシ
リンダーヘッドの少なくとも摺動部表面に、表層がフッ
素基を含み、基部がシロキサン結合によって基材に化学
結合されてなる化学吸着膜が形成されているという構成
を備えたものである。
【0009】前記構成においては、化学吸着膜が単分子
膜であることが好ましい。
【0010】
【作用】前記本発明の構成によれば、表層がフッ素基を
含み、基部がシロキサン結合によって基材に化学結合さ
れてなる化学吸着膜が、テープ走行面の基材表面に形成
されているので、テープの走行時の摩擦抵抗が低くテー
プに擦過傷が入ることを防止できる。
【0011】また、オーディオ・ビデオ機器の装置の潤
滑部表面に前記化学吸着膜が形成されているので、摩擦
抵抗が低く自己潤滑性に優れた装置とすることができる
。すなわち、前記化学吸着膜の表層にはフッ化アルキル
基が存在するから、摩擦抵抗が低くテープ走行時の摩擦
抵抗が低くできまた装置の摺動部が自己潤滑性に優れた
ものとなる。また、前記化学吸着膜の基部は、シロキサ
ン結合を介して化学結合を形成されているので、耐久性
に優れた膜とすることができ、表面が繰り返し走行また
は摺動されても前記化学吸着膜は基材の表面から容易に
剥離しない。さらに、本発明の化学吸着膜は、ナノメ−
タ−乃至オングストロ−ム単位の極薄い膜であるので、
加工された機械の寸法精度を損ねることはない。
【0012】また、化学吸着膜は単分子膜であるという
本発明の好ましい構成によれば、均一な厚さの膜にする
ことができるので、透明性に優れ、機械的特性を損ねる
こともない。
【0013】
【実施例】以下オーディオ・ビデオ機器の一例として、
VTRシリンダーヘッドを挙げて説明する。VTRシリ
ンダーヘッドは、材質が金属であるため表面に水酸基を
含む。材質の金属表面に水酸基が多数露出していない場
合はプラズマ処理すること、または、シロキサン層を形
成することによって表面に水酸基を露出することができ
る。つぎに、一端にクロルシラン基(SiCln X3
−n 基、n=1、2、3、Xは官能基)を有する直鎖
状炭素鎖を含む分子、例えばフッ化炭素基及びクロロシ
ラン基を含むクロロシラン系界面活性剤を混ぜた非水系
溶媒に接触させて、基体表面の水酸基と界面活性剤のク
ロロシリル基を反応させて単分子膜を前記基材表面に析
出させる。あるいはクロロシリル基を複数個含む物質を
混ぜた非水系溶媒に接触させて前記基材表面の水酸基と
前記クロロシリル基を複数個含む物質のクロロシリル基
を反応させて前記物質を前記基体表面に析出させる工程
と、非水系有機溶媒を用い前記基材表面に残った余分な
クロロシリル基を複数個含む物質を洗浄除去し、前記基
材上にクロロシリル基を複数個含む物質よりなるシロキ
サン系単分子膜を形成する工程と、一端にクロルシラン
基を有する直鎖状炭素鎖を含むシラン系界面活性剤を前
記基材上に化学吸着し単分子吸着膜を累積する工程とに
より前記基材表面にフッ化炭素系化学吸着単分子累積膜
を形成できる。
【0014】これにより、極めて薄いナノメ−タ−レベ
ルの膜厚のフッ化炭素系単分子膜をVTRシリンダーヘ
ッドの表面に形成するため、VTRシリンダ−ヘッド本
来の機能を損なうことがない。また、この膜はフッ化炭
素系単分子膜は摺動性に優れており、表面の摺動抵抗を
少なくすることが可能となる。従って、摩擦が少なく信
頼性の高く、潤滑油を必要としないVTRシリンダーヘ
ッドを提供することができる。
【0015】前記フッ化アルキル基を有するクロロシラ
ン系界面活性剤としては、例えばCF3 (CF2 )
7 (CH2 )2 SiCl3 、CF3 CH2 
O(CH2 )15SiCl3 、CF3 (CH2 
)2 Si(CH3 )2 (CH2 )15SiCl
3 、F(CF2 )4 (CH2 )2 Si(CH
3 )2 (CH2 )9 SiCl3 、F(CF2
 )8 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH
2 )9 SiCl3、CF3 COO(CH2 )1
5SiCl3 、CF3 (CF2 )5 (CH2 
)2 SiCl3 等のようなトリクロロシラン系界面
活性剤をはじめ、例えばCF3 (CF2 )7 (C
H2 )2 SiCln (CH3 )3−n ,CF
3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCln (
C2 H5 )3−n ,CF3 CH2O(CH2 
)15SiCln (CH3 )3−n ,CF3 C
H2O(CH2 )15SiCln (C2 H5 )
3−n ,CF3 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )15SiCln (CH3 )3−n
 ,F(CF2 )4 (CH2 )2 Si(CH3
 )2 (CH2 )9 SiCln (C2 H5 
)3−n ,F(CF2 )8 (CH2 )2 Si
(CH3 )2 (CH2 )9 SiCln (CH
3 )3−n ,CF3COO(CH2 )15SiC
ln (CH3 )3−n ,CF3 (CF2 )5
 (CH2 )2 SiCln (CH3 )3−n 
(但し式中のnは何れも1又は2)等のような低級アル
キル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロシラ
ン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも特にトリ
クロロシラン系界面活性剤は、基材の親水性基と結合し
たクロロシリル結合以外のクロロシリル結合が、隣合う
クロロシラン基とシロキサン結合で分子間結合を形成す
るため、より強固な化学吸着膜となることから好ましい
【0016】また、CF3 (CF2 )n CH2 
CH2 SiCl3 (但し式中のnは整数であり、3
〜25程度が最も扱いやすい)が、自己潤滑性、及び撥
水・防汚性等の機能性との釣合が取れているため好まし
い。本発明に使用できるクロロシラン系界面活性剤は、
前記したように直鎖状だけではなく、フッ化アルキル基
又は炭化水素基が分岐した形状でも、又は末端の珪素に
フッ化アルキル基もしくは炭化水素基が置換した形状(
即ちR、R1 、R2 、R3 をフッ化アルキル基又
は炭化水素基として一般式(R)2 SiCl2 、(
R)3 SiCl、R1 R2 SiCl2 もしくは
R1 R2 R3 SiCl等)であってもよいが、吸
着密度を高めるためには一般には直鎖状が好ましい。さ
らに、例えば、SiCl4 、SiHCl3 、SiH
2 Cl2 、Cl−(SiCl2 O)n −SiC
l3 (但し式中nは自然数)、SiClm (CH3
 )4−m 、SiClm (C2 H5 )4−m 
(但し式中mは1〜3の整数)、HSiCll(CH3
 )3−l 、HSiCll (C2 H5 )3−l
 (但し式中lは1又は2)等のようなクロロシリル結
合を複数個含む物質を化学吸着させた後、水と反応する
と表面のクロロシリル結合が親水性のシラノール結合に
変わり、基体表面が親水性となる。なお、このクロロシ
リル基を複数個含む物質の中でも、テトラクロロシラン
(SiCl4 )は反応性が高く分子量も小さいためよ
り高密度にシラノール結合を付与できるため好ましい。 このようにして親水性化すると、高分子を含む基体の基
体の酸化処理よりも親水性をより高くすることができる
。この上に例えばフッ化アルキル基を含むクロロシラン
系界面活性剤を化学吸着でき、このようにして得た化学
吸着膜はより高密度化されるためより好ましい。
【0017】本発明に用いる非水系溶媒は、クロロシラ
ン系界面活性剤と反応する活性水素を持たない有機溶媒
であればよい。その例としては1,1−ジクロロ,1−
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2、2、2−トリ
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ,1,
1,2,2,3−ヘプタフルオロプロパン等のフッ素系
溶媒、例えばヘキサン、オクタン、ヘキサデカン、シク
ロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジブチルエーテ
ル、ジベンジルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル
等エステル系溶媒の何れかが好ましい。
【0018】以下に本発明の代表例を説明する。 実施例1 加工の終了したVTRシリンダーヘッドを構成する軸1
、回転シリンダー2およびベアリング3(図1)をそれ
ぞれ有機溶媒で洗浄した。次に、フッ化炭素基及びクロ
ロシラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えば、
CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3
 を用い、非水系混合溶媒の一例である80重量%n−
ヘキサデカン(トルエン、キシレン、ジシクロヘキシル
でもよい)、12重量%四塩化炭素、8重量%クロロホ
ルム混合溶液に2%程度の濃度で溶かして調整し、前記
軸1および回転シリンダー2およびベアリング3を2時
間程度浸漬すると、軸1および回転シリンダー2および
ベアリング3の表面は自然酸化膜4が形成されており(
図2(図では軸を例にして示す))、その酸化膜表面に
は水酸基5が多数含まれているので、フッ化炭素基及び
クロロシラン基を含む物質のSiCl基と前記水酸基が
反応し脱塩酸反応が生じ、軸1および回転シリンダー2
およびベアリング3表面全面に亘り、下記に示すような
(化1)の結合が生成され、フッ素を含む単分子膜6が
軸1および回転シリンダー2およびベアリング3の表面
と化学結合した状態でおよそ15オングストロ−ムの膜
厚で形成できた(図3)。
【0019】
【化1】
【0020】また、この膜の臨界表面エネルギーを測定
すると、15ダイン/cmであった(測定装置:協和界
面科学株式会社製造、自動接触角計、CA−Z型)。さ
らに動摩擦係数は0.15であった(測定装置:協和界
面科学株式会社製造、全自動動摩擦係数計、DFPM−
SS型)。なお、この単分子膜は、軸、回転シリンダ−
及びベアリングの寸法に比べ充分薄く、フッ化炭素基を
含んでいるため潤滑性が高く、きわめて強固に化学結合
しているので、高速の回転にも耐え全く剥離することが
なかった。さらに、軸1および回転シリンダー2および
ベアリング3を組立てVTRシリンダーヘッドとし、2
500rpmで回転させて試験してみたが、処理しない
ものに比べ約2倍の使用時間に耐えた。
【0021】実施例2 親水性ではあるが水酸基を含む割合が少ない材料による
VTRシリンダーヘッドの場合を示す。実施例1と同様
にVTRシリンダーヘッドは、軸11回転シリンダー1
2、ベアリング13から構成されている(図4)。これ
ら軸11、回転シリンダー12、ベアリング13をクロ
ロシリル基を複数個含む物質(例えば、SiCl4 、
またはSiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(
SiCl2 O)n −SiCl3 (nは整数)。特
に、SiCl4 を用いれば、分子が小さく水酸基に対
する活性も大きいので、VTRシリンダー軸11、回転
シリンダー12、およびベアリング13の表面を均一に
親水化する効果が大きい)を混ぜた非水系溶媒、例えば
クロロホルム溶媒に1重量パーセント溶解した溶液に3
0分間程度浸漬すると、VTRシリンダー軸部、回転シ
リンダー、およびベアリング表面(図では軸部を例にし
て示す。軸部表面14)には親水性のOH基15が多少
とも存在するので(図5)、表面で脱塩酸反応が生じク
ロロシリル基を複数個含む物質のクロロシラン単分子膜
が形成される。
【0022】例えば、クロロシリル基を複数個含む物質
としてSiCl4 を用いれば、VTRシリンダー軸部
表面14には少量の親水性のOH基15が露出されてい
るので、表面で脱塩酸反応が生じ、下記に示す(化2)
、(化3)のように分子が−SiO−結合を介して表面
に固定される。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】その後、非水系の溶媒例えばクロロホルム
で洗浄して、さらに水で洗浄すると、下記に示す(化4
)、(化5)のように部品表面に等のシロキサン単分子
膜16が得られる(図6)。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】なお、このときできた単分子膜16はVT
Rシリンダー軸部とは−SiO−の化学結合を介して完
全に結合されているので剥がれることが無い。また、得
られた単分子膜は表面にSiOH結合を数多く持つ。当
初の水酸基のおよそ3倍程度の数が生成される。そこで
さらに、フッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質を
混ぜた非水系の溶媒、例えば、CF3 (CF2 )7
 (CH2 )2 SiCl3 を用い、2重量%程度
の濃度で溶かした80重量%n−ヘキサデカン、12重
量%四塩化炭素、8重量%クロロホルム溶液を調整し、
表面にSiOH結合を数多く持つ単分子膜の形成された
VTRシリンダー軸部を1時間程度浸漬すると、VTR
シリンダー軸部表面に、下記に示すような(化1)の結
合が生成され、フッ素を含む単分子膜17が下層のシロ
キサン単分子膜16と化学結合した状態でVTRシリン
ダー軸部表面全面に亘りおよそ15オングストロームの
膜厚で形成できた(図7)。なお、単分子膜は剥離試験
を行なっても全く剥離することがなかった。
【0029】また、摺動抵抗は、フッ素を含む単分子膜
をそのまま部品表面に形成した場合に比べおよそ半分で
あった。以上説明した通り本発明の実施例によれば、フ
ッ化炭素基及びクロロシラン基を含むクロロシラン系界
面活性剤混ぜた非水系溶媒に接触させて、VTRヘッド
シリンダ−(軸)表面の水酸基とクロロシリル基を反応
させて単分子膜を基材表面に析出させる。この極めて薄
いナノメ−タ−レベルの膜厚のフッ化炭素系単分子膜は
VTRシリンダーヘッドの表面に化学結合しており、V
TRシリンダ−ヘッド本来の機能を損なうことがなく、
摺動性に優れ、摩擦抵抗が低く、自己潤滑性、耐久性に
優れたVTRシリンダ−ヘッドとすることができた。
【0030】実施例3 図1に示す回転シリーダー2の外周面、およびテープガ
イド(図示せず)に実施例1と図3に示すような単分子
吸着膜を形成した。単分子吸着膜はテープ走行時の摩擦
抵抗が極めて低く、しかも耐久性に優れたものであった
。またテープには擦過傷が付きにくく、極めて優れた自
己潤滑膜であった。
【0031】以上の実施例で説明した通り、本発明の自
己潤滑膜は、テープレコーダの磁気ヘッドの表面(消磁
ヘッドを含む)、VTRの回転シリンダの表面(ヘッド
も含む)、DATの回転シリンダ表面と軸受部、VTR
やDATなどの固定ヘッドの表面、テープガイドなど広
くオーディオ・ビデオ機器に応用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、表層
がフッ素基を含み、基部がシロキサン結合によって基材
に化学結合されてなる化学吸着膜が、テープ走行面の基
材表面に形成されているので、テープの走行時の摩擦抵
抗を低くすることができる。したがってテープに擦過傷
が入ることを防止できる。
【0033】また、オーディオ・ビデオ機器の装置の潤
滑部表面に前記化学吸着膜が形成されているので、摩擦
抵抗が低く自己潤滑性に優れた装置とすることができる
。すなわち、前記化学吸着膜の表層にはフッ化アルキル
基が存在するから、摩擦抵抗が低くテープ走行時の摩擦
抵抗が低くできまた装置の摺動部が自己潤滑性に優れた
ものとなる。また、前記化学吸着膜の基部は、シロキサ
ン結合を介して化学結合を形成されているので、耐久性
に優れた膜とすることができ、表面が繰り返し走行また
は摺動されても前記化学吸着膜は基材の表面から容易に
剥離しない。さらに、本発明の化学吸着膜は、ナノメ−
タ−乃至オングストロ−ム単位の極薄い膜であるので、
加工された機械の寸法精度を損ねることはない。
【0034】また、化学吸着膜は単分子膜であるという
本発明の好ましい構成によれば、均一なナノメータレベ
ルの薄い膜とすることができるので、透明性に優れ、加
工された機械の寸法精度を損ねることもない。実用上潤
滑剤を必要とすることなく自己潤滑性を付与でき、しか
も耐久性に優れ、メンテナンスを大幅に削減できる効果
も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第1の
実施例を説明するための構成部品の図である。
【図2】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第1の
実施例を説明するためにVTRシリンダー軸部の表面を
分子レベルまで拡大した処理前の断面概念図である。
【図3】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第1の
実施例を説明するためにVTRシリンダー軸部の表面を
分子レベルまで拡大した処理後の工程断面概念図である
【図4】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第2の
実施例を説明するための構成部品の図である。
【図5】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第2の
実施例を説明するためにVTRシリンダー軸部の表面を
分子レベルまで拡大した処理前の断面概念図である。
【図6】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第1の
実施例を説明するためにVTRシリンダー軸部の表面を
分子レベルまで拡大した処理中の工程断面概念図である
【図7】  本発明のVTRシリンダーヘッドの第1の
実施例を説明するためにVTRシリンダー軸部の表面を
分子レベルまで拡大した処理後の工程断面概念図である
【符号の説明】
1,11  軸 2,12  回転シリンダー 3,13  ベアリング 4  自然酸化膜 14  軸表面 5,15  水酸基 16  シロキサン単分子膜 6,17  フッ素を含む単分子膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  記録または再生のための磁気テープが
    走行するオーディオ・ビデオ機器であって、少なくとも
    前記走行テープが接触する面に、表層がフッ素基を含み
    、基部がシロキサン結合によって基材に化学結合されて
    なる化学吸着膜が形成されていることを特徴とするオー
    ディオ・ビデオ機器。
  2. 【請求項2】  化学吸着膜が形成されている部分が、
    磁気ヘッド表面またはテープガイド表面である請求項1
    に記載のオーディオ・ビデオ機器。
  3. 【請求項3】  回転機構を有するオーディオ・ビデオ
    のシリンダーヘッドの少なくとも摺動部表面に、表層が
    フッ素基を含み、基部がシロキサン結合によって基材に
    化学結合されてなる化学吸着膜が形成されているオーデ
    ィオ・ビデオ機器。
  4. 【請求項4】  化学吸着膜が単分子膜である請求項1
    ,2,または3に記載のオーディオ・ビデオ機器。
JP3098908A 1991-02-27 1991-04-30 オーディオ・ビデオ機器 Pending JPH04328311A (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3098908A JPH04328311A (ja) 1991-04-30 1991-04-30 オーディオ・ビデオ機器
DE1992611181 DE69211181T2 (de) 1991-02-27 1992-02-19 Selbstschmierende Vorrichtung
EP19920102770 EP0501298B1 (en) 1991-02-27 1992-02-19 Self-lubricating device
CA 2061728 CA2061728C (en) 1991-02-27 1992-02-24 Self-lubricating device
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