JPH0432718B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生物材、特に排水の浄化に用いて
生物膜を付着させるための生物材に関するもの
である。

従来の技術 都市あるいは農村集落から排出されるし尿や生
活排水を含む一般排水の浄化方法として、その排
水中に生物材を浸漬、浮遊させ、この生物材
の表面に生物膜を付着させて排出中の汚濁物を浄
化する所謂生物膜が従来の浮遊方式である活性汚
泥法に代り普及し始めている。

この生物膜法に使用する生物材に適用可能な
公知の充填物としては特公昭47−41225号、実公
昭44−14682号の各明細書に示されたものがある。

発明が解決しようとする問題点 上記従来公知例のうち、前者の特公昭47−
41225号明細書に示された充填物は面構造をもつ
ているが、曲面や孔等の構造が極めて複雑であ
り、製造コストが高いという問題があつた。

一方後者の実公昭44−14682号明細書に示され
た充填物は商品名テラレツトとして市販されてい
るが、この従来例の充填物は線構造となつてい
て、撹拌、吸収用としては効果があるが、生物膜
を付着させるための効果はあまり期待できない。
そのうえ、構造が複雑で製作コストが高いという
問題があつた。

問題点を解決するための手段及び作用 本発明は上記のことにかんがみなされたもの
で、同心状に配置される内環と外環の間の環状部
に、薄い板状の環状の偶数個の素子環を、内外環
の軸心に対して放射状に、かつ円周方向に交互に
反対方向に傾斜させ、内、外環の軸方向両側に縮
小部と拡開部とを円周方向に交互に構成させて配
設し、各隣接する相互の素子環のうち、縮小側の
頂部を板状の連結部材にて連結し、また拡開側の
外周部を外環と一体にした板状の連結部材にて連
結し、さらに各素子環の円周方向の側面に、各素
子環の拡開側の側面に突出するリブを軸方向に設
けた構成となつており、このように構成された各
生物材を排水中に多数個浸漬、浮遊させて用い
る。

実施例 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

図中１は内環、２は外環で、これらは同心状に
配置され、この両環１，２の間の環状の空間に薄
い環状に形成された偶数個の素子環３ａ，３ｂ，
３ｃ，………が内・外環１，２の軸心に対して放
射状に配置されている。各素子環３ａ，３ｂ，３
ｃ，………は上記軸方向の中間部の内、外面が内
環１、外環２に一体に、かつ内、外環１，２の円
周方向に対して交互に反対方向に傾斜させて連結
されており、外側から見た状態で、隣接する各素
子環３ａ，３ｂ，３ｃ，………により交互にＶ字
形、逆Ｖ字形を示すように傾斜して配置されてい
る。そして各隣接する相互の素子環において、逆
Ｖ字形部、すなわち縮小側のそれぞれの頂面部と
側面部が板状の連結部材４ａ，４ｂにて連結され
ており、またＶ字形部、すなわち拡開側の外周部
が外環２と一体にした板状の連結部材５にて連結
されている。これにより各素子環３ａ，３ｂ，３
ｃ，………の相互は内、外環１，２の軸方向両側
で交互に連結部材４ａ，４ｂ及び５にて連結され
る。

上記各素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，………の側面
にはリブ６が、各素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，……
…の拡開側の側面に突出させて、かつ軸方向両頂
部間に軸方向へ直線状に設けてある。そして拡開
部において対向するリブ６，６の相互の間隔はＶ
字形頂部におけるリブ６，６を含めた両素子環の
間隔より狭くなつていて拡開側の素子環の間に、
他の生物材のＶ字形の頂部側の両素子環がはま
り込まないようになつている。上記リブ６にはフ
イン７が設けてあり、このフイン７にて強度を保
つと共に、表面積の増大を図つている。

上記内環１は所定の長さを有した短管状になつ
ており、また外環２は軸直角方向に所定の幅を有
する円板状になつている。また各素子環３ａ，３
ｂ，３ｃ，………は軸方向に長い長円板状になつ
ている。

上記構成の生物材は通常の合成樹脂から射出
成形等の通常のプラスチツク製作手段にて成形さ
れる。このとき金型の分割面（パーテイングライ
ン）は軸方向の中間である内、外環１，２の位置
にとり、分割金型を軸方向に分離するように型を
つくる。このとき各素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，…
……は傾斜しているので、この各素子環３ａ，３
ｂ，３ｃ，………は第４図に示すようにパーテイ
ングラインの位置で段状にすることにより金型の
製作が容易になる。なお各図面においては表わし
てないが、各構成部材には金型の抜き方向に抜き
勾配をつける。

また本発明に係る生物材は水に浸漬、浮遊さ
せて使用する目的から比重が0.92〜0.95のポリプ
ロピレンを用いる。なお水中に沈めて使用する場
合にはポリプロピレンに炭酸カルシウムの粉末を
混入してその比重を１〜1.1にする。

さらに上記生物材を構成する各部材の厚みは
１〜３mm程度が適当である。

そしてさらに素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，………
の逆Ｖ字形部の頂部を連結する連結部材４ａ，４
ｂはそれぞれ１個づつ、あるいは３個でもよい。

この生物材を水中に多数個浸漬したときにお
いて、各素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，………の拡開
部に縮小部が入り込もうとするが、拡開部にはリ
ブ６が突出していること、及び外環２と一体とな
つた連結部材５があることにより素子環相互の入
り込みが生じることがない。

発明の効果 本発明によれば、表面積が大きな面構造である
にもかかわらず、内、外環１，２や各素子環３
ａ，３ｂ，３ｃ，………等の構成部材の構成が簡
単となり、従つて生物膜生成が良いと共に、生成
した生物膜の分離性を良くすることができる。ま
た構成部材の構成が簡単となるため、成形金型の
形状が簡単となり、製造コストを低減することが
できる。

さらに本発明に係る生物材を多数個水中に入
れた場合においても、この生物材相互が入り組
むことがなく、効率よく用いることができる。

そしてさらに薄い板状部材が多いわりには強度
を充分とることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
全体斜視図、第２図は平面図、第３図は第２図の
−線断面図、第４図は第２図の−線に沿
う断面図である。 １は内環、２は外環、３ａ，３ｂ，３ｃ，……
は素子環、４ａ，４ｂ，５は連結部材、６はリ
ブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同心円状に配置される内環１と外環２の間の
   環状部に、薄い板状の環状の偶数個の素子環３
   ａ，３ｂ，３ｃ，………を内・外環１，２の軸心
   に対して放射状に、かつ円周方向に交互に反対方
   向に傾斜させ、内・外環１，２の軸方向両側に縮
   小部と拡開部とを円周方向交互に構成させて配設
   し、各隣接する相互の素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，
   ………のうち、縮小側の頂部を板状の連結部材４
   ａ，４ｂにて連結し、また拡開側の外周部を外環
   ２と一体にした板状の連結部材５にて連結し、さ
   らに各素子環３ａ，３ｂ，３ｃ，………の円周方
   向側面に、それぞれの拡開側の側面に突出するリ
   ブ６を軸方向に設けてなることを特徴とする生物
   材。