JPH0432496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、工作機械のテーブル、位置きめテ
ーブル等の直線運動部分の案内に用いられる直線
運動用ベアリングに関する。

出願人は、従来の直線運動用ベアリングにみら
れるような、ボールを軸方向に循環させるために
ベアリング本体に軸方向にボール戻り穴（溝の場
合もある。）を加工すると共に、その戻り穴の端
部及び負荷ボール溝の端部にはボールの方向変換
を行わせるために曲面加工を施し、各両端部には
ボールを180度方向変換させるための方向変換用
溝を設けたリターンキヤツプをかぶせる構成にな
つているものと全く異なり、ベアリング本体の負
荷ボール溝から出たボールが再びベアリング本体
の他端の負荷ボール溝に循環する部分にチユーブ
体を用いるようにしたチユーブ式直線運動用ベア
リングについて特許出願した（特願昭59−85171，
特願昭59−138958）。

更に、出願人は、前記特許出願に係るチユーブ
式直線運動用ベアリングの、ベアリング本体に対
するチユーブの取付けに関し、内面にチユーブに
嵌合する溝を設けたカバーをベアリング本体の両
端面及び必要な場合には側面にもかぶせることに
よつて、ベアリング本体にチユーブを取付けるよ
うにした取付けカバーについて実用新案登録出願
をした（実願昭59−157123）。

実願昭59−157123号（実公昭63−24259号公報）
記載のチユーブの取付カバーは、第１２図に示さ
れるように、ベアリング本体６０に装着されたチ
ユーブ６２，６２を端面カバー６４，６４で固定
するとともに、第１３図及び第１４図に示される
側面カバー６６によつてベアリング本体６０から
露出する部分を覆うためのものである。側面カバ
ー６６は、内面にチユーブ６２，６２を所定の位
置に保持するための夫々上下一対の溝６８，６８
を有し、貫通孔７０，７０を通じるボルト等でベ
アリング本体６０に固定される。

この考案は、前記実用新案登録出願に係る考案
の更に改良に関するものである。

以下本考案の実施例を添付図面に基づいて説明
する。

チユーブ式直線運動用ベアリングの基本的構成
そのものは、前記特許出願の主題であつて、本考
案の主題ではないが、本考案を説明するため必要
な限度において説明を加えることとする。

第２図はチユーブ式直線運動用ベアリングのベ
アリング本体１０の正面図であつて、一対の脚部
１１，１１′の内側に断面がほぼ半円状の負荷ボ
ール溝１２，１２′が対称に形成されている。こ
のように、このベアリング本体１０には前記負荷
ボール溝を加工するほか、ボールの戻り穴或いは
負荷ボール溝とボールの戻り穴との各端部を連結
するための曲面加工等を一切施す必要がなくなる
ことがこのチユーブ式直線運動用ベアリングの一
つの基本的特徴である。

第３図乃至第５図は組合せチユーブ体２０を示
し、対向Ｊ字状の半割チユーブ２１と対向Ｕ字状
の半割チユーブ２２とを組合せてなるものであつ
て、ベアリング本体１０に対して負荷ボール溝１
２，１２′の端面と接合させることにより、ボー
ルの無限循環路を形成するものである。半割チユ
ーブ２２は、ベアリング本体の負荷ボール溝との
間でボールを保持する役割を果たす帯状連結部２
３を有している。

なお、符号２４は、ボールの掬い出し爪であ
る。

前記チユーブ体の組合せは二つ割りにすること
により、プレス成形を容易にすると共に、ボール
の組み込みも容易になつている。なお、これらの
チユーブ形状は一例を示すもので、これに限定す
る趣旨ではない。

第６図は軌道台３０の断面を示したものであつ
て、この軌道台３０の負荷ボール溝３１，３１′
とベアリング本体１０の負荷ボール溝１２，１
２′の間にボール（図示せず）が挟まれて転がり
接触することにより、直線方向の低摩擦の案内が
行われるものである。

第１図は、前記チユーブ体２０をベアリング本
体に取付けるための本考案によるカバー４０を示
すものである。

チユーブ体２０のボールの方向変換部と直線部
分に嵌合する２列の溝４１，４１′が分離帯４２
を間において設けてある。符号４３，４３′は環
状の突起であつて、ベアリング本体１０の端面に
設けられた穴１３に嵌め込むことによつて、カバ
ー４０の位置決めを容易にするようにしたもので
ある。

このカバー４０は、上方から見た形状がコの字
型をしていて、側面カバー４４と端面カバー４５
を一体的に形成したものであり、同一の形状をし
た一対のカバー４０を両端から、突起４６，４
６′と穴４７，４７′が夫々相手の穴と突起に嵌合
するように組み合わせて用いるものである。

符号４８，４８′は潤滑剤供給用の一対の溝で
ある。

なお、溝４１，４１′の側面カバー４４と端面
カバー４５が接合する部分の形状は、必らずしも
Ｒを有することなく、第３図の想像線に示すよう
に角型としてもよい。

このベアリングの組立てに際しては、ベアリン
グ本体１０を裏返しにして組立て治具の上にお
き、対向Ｊ字状の半割チユーブ、ボール、対向Ｕ
字状の半割チユーブ、対向Ｕ字状の半割チユー
ブ、ボール、対向Ｊ字状の半割チユーブの順に積
み重ねた後、このカバー４０を両端部から上述の
ように嵌め合せ、環状突起４３，４３′を通して
ベアリング本体１０にボルト締めすることによつ
て、固定する。

なお、ベアリング本体１０とチユーブ２０の端
部の湾曲部の間には、第３図の斜線部に対応する
空間が残されることになるので、この空間部を充
填し、且つ２列のチユーブ体の間の間隔を適正に
保つために用いられるのが第７〜９図に示すスペ
ーサ５０である。端壁５１はベアリング本体１０
の端部と接する部分であり、上下対称に分離帯５
２を挟んでチユーブ体の方向変換部に適合する湾
曲壁部５３，５３′が設けられている。このよう
なスペーサ５０を用いることにより、チユーブ体
２０とベアリング本体１０との間の空間が埋めら
れ、カバー４０をボルト締めしてもチユーブ体２
０が変形することが防止できると共に、チユーブ
体２０を精度よくベアリング本体１０に取付ける
ことができる。

第１０図は、ベアリング本体１０、組合せチユ
ーブ体２０、取付けカバー４０、スペーサ５０及
び端面シール５５の分解斜視図を示し、第１１図
は、第１０図のベアリング組立体を軌道台３０に
挿通した直線運動用ベアリングの一部断面を含む
斜視図を示している。

なお、以上の説明は、チユーブ体２０が２列に
設けられる場合について説明したが、チユーブ体
は１例のみ用いられる場合もあり、本考案は１例
のチユーブ体の場合にはそれが適するように変更
して実施することが当然できるものであるし、ベ
アリングそのものも以上に説明したように左右対
称の形状のみならず、左右のいずれか片側のみ
各々ボールの循環経路を有するベアリング本体と
軌道台のユニツト式のモジユールとすることも可
能であつて、このような場合にも本件考案が適用
できることはいうまでもない。

本考案は、以上に説明したように、側面カバー
と端面カバーを一体的に形成したものであるか
ら、このカバー一対をベアリング本体の端面から
被せることにより、容易にチユーブの位置決めを
行うことができるばかりでなく、チユーブの保護
及び防音効果も兼ね具えることができる効果があ
ると共に、外観を平面の形状とし、チユーブを用
いながら、従来の直線運動用ボールベアリングと
外観上異ならないものを製作することができる効
果を有する。チユーブ体を押えるためのカバーの
スペースは、実願昭59−157123号（実公昭63−
24259号公報）記載のような端面カバーと側面カ
バーとが別体になつたものと比べて小さくするこ
とができる。

また、側面カバーの取付のためにベアリング本
体にボルト穴を加工する必要がなくなるととも
に、全体の部品点数も少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による取付けカバーの斜視図、
第２図はベアリング本体の正面図、第３図乃至第
５図はチユーブ体の上面図、側面図及び正面図、
第６図は軌道台の断面図、第７図乃至第９図はス
ペーサの各々正面図、側面図及び上面図、第１０
図は本考案の取付けカバーを具えたチユーブ式直
線運動用ベアリングの分解斜視図、第１１図は第
１０図のチユーブ式直線運動用ベアリングを組立
てたときの一部断面を含む斜視図、第１２図は側
面カバーを除いた実願昭59−157123号（実公昭63
−24259号公報）のチユーブ式直線運動用ベアリ
ングの斜視図、第１３図及び１４図は第１２図の
チユーブ式直線運動用ベアリングに取付けられる
側面カバーの正面図及び側面図である。 ４０……取付けカバー、４１，４１′……溝、
４４……側面カバー、４５……端面カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 負荷ボール溝を形成しボール戻り穴または溝を
   形成していないベアリング本体にチユーブ体を前
   記負荷ボール溝との間でボールの循環経路を形成
   するように配置したチユーブ式直線ベアリングの
   ベアリング本体から露出するチユーブ体に嵌合す
   る溝を内面に有する側面カバー及び端面カバー
   を、上方からみた形状がコの字型となるように一
   体的に形成したことを特徴とする、チユーブ式直
   線運動用ベアリングのチユーブの取付けカバー。