JPH04320840A - 複合フィルム - Google Patents

複合フィルム

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JPH04320840A
JPH04320840A JP9040791A JP9040791A JPH04320840A JP H04320840 A JPH04320840 A JP H04320840A JP 9040791 A JP9040791 A JP 9040791A JP 9040791 A JP9040791 A JP 9040791A JP H04320840 A JPH04320840 A JP H04320840A
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JP
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ethylene
layer
vinyl chloride
film
copolymer
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JP9040791A
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Toshiharu Matsumiya
松宮 俊治
Kazuo Sakamoto
和夫 坂本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、可塑剤の移行もなく
、柔軟性及び透明性に優れている上に、熱あるいはγ線
照射による滅菌処理等に対して安定な複合フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】可塑剤等の軟化剤を添加した軟質塩化ビ
ニル系樹脂は、柔軟性に富み、透明性が良く、容器、袋
体等に成形され、各種用途に用いられる。
【0003】ところで、可塑剤の移行がない、柔軟性に
富み、透明性の良い軟質塩化ビニル系樹脂としては、塩
化ビニル系樹脂にエチレン・一酸化炭素共重合体・酢酸
ビニル共重合体等を軟質剤として添加することが知られ
ている。この無可塑剤軟質塩化ビニル樹脂は、透明性及
び柔軟性に優れ、可塑剤の移行がなく、かつ日本薬局方
輸液用プラスチック容器試験法の溶出試験に適合してお
り、安全性が高く、医療品容器、医療用具等の用途に適
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この無可塑剤
軟質塩化ビニル樹脂による成形品は、熱収縮が大きい。 従って、オートクレーブ滅菌工程等の熱(例えば、12
1℃×20分処理)による滅菌処理によって、成形品が
変形、破袋、ブロッキングし易いという問題があった。 そのため、成形後アニール処理をする必要があった。
【0005】また、加熱滅菌に代わる方法として、γ線
照射滅菌法が採用されてきているが、γ線照射に対して
は塩化ビニル系樹脂は黄変化し易いという問題があった
。塩化ビニル樹脂系材料のγ線照射による変色を防ぐ方
法として、例えば、各種安定剤を添加する方法(特公昭
57−3653号公報等)、塩化ビニル樹脂とジチオカ
ルバミン酸塩の高分子反応生成物を用いる方法(特開昭
50−63092号公報)、塩化ビニルとビニルエーテ
ルとを共重合した塩化ビニル共重合体を用いる方法(特
開平2−24342号公報)等が知られている。
【0006】しかし、安定剤を添加する方法や塩化ビニ
ルとビニルエーテルとの塩化ビニル共重合体を用いる方
法では耐γ線性の改質は十分でなく、上記高分子反応生
成物は工業的生産が難しい。
【0007】この発明は、このような点に鑑み、熱やγ
線照射によって、熱収縮や黄変化がなく、柔軟性及び透
明性に優れた複合フィルムを提供することを目的とする
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の複合フィルム
は、塩化ビニル系樹脂とエチレン・一酸化炭素・酢酸ビ
ニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭素・(メタ)
アクリル酸アルキルエステル共重合体を主成分とする無
可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)と、シクロヘキシ
ル基を主成分とするポリエステル樹脂層(B)とが積層
されていることを特徴としている(発明1)。
【0009】また、この発明の複合フィルムは、塩化ビ
ニル系樹脂とエチレン・一酸化炭素・酢酸ビニル共重合
体もしくはエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸
アルキルエステル共重合体を主成分とする無可塑剤軟質
塩化ビニル系樹脂層(A)と、オレフィン・スチレン共
重合体とオレフィン・(メタ)アクリル酸エステル樹脂
を主成分とするオレフィン系エラストマー層(C)とが
エチレン・酢酸ビニル共重合体層(D)を介して積層さ
れていることを特徴としている(発明2)。
【0010】上記発明1の複合フィルムにおいては、無
可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)とポリエステル樹
脂層(B)との二層構造のフィルムに限らない。例えば
、ポリエステル樹脂層(B)の両面に無可塑剤軟質塩化
ビニル系樹脂層(A)を積層した三層構造のフィルム等
、三層以上の多層構造のフィルムも発明1の複合フィル
ムに包含される。
【0011】また、上記発明2の複合フィルムにおいて
も、無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)、エチレン
・酢酸ビニル共重合体層(D)、オレフィン系エラスト
マー層(C)をこの順に積層した三層構造のフィルムに
限らない。例えば、オレフィン系エラストマー層(C)
の両面に無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)をそれ
ぞれエチレン・酢酸ビニル共重合体層(D)を介して積
層した五層構造のフィルム等、三層構造以上の多層構造
のフィルムも発明2の複合フィルムに包含される。
【0012】なお、オレフィン系エラストマー層(C)
は融着性に劣るので、発明2の複合フィルムにおいては
、少なくとも一外面層が無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂
層(A)であることが好ましい。
【0013】発明1及び2において、無可塑剤軟質塩化
ビニル系樹脂層(A)は、塩化ビニル系樹脂とエチレン
・一酸化炭素・酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン・
一酸化炭素・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
合体を主成分として含有する樹脂組成物から製せられた
樹脂層である。
【0014】上記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単
独重合体だけでなく、塩化ビニルとこれと共重合可能な
単量体、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸エチレン等との共重合体を使用する
ことができ、平均重合度800〜1900の範囲のもの
が好適に使用される。
【0015】また、上記エチレン・一酸化炭素・酢酸ビ
ニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭素・(メタ)
アクリル酸アルキルエステル共重合体は、エチレン量が
40〜80重量%、好ましくは60〜70重量%、一酸
化炭素量が5〜30重量%、好ましくは5〜15重量%
含まれ、また、酢酸ビニルもしくは(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの量が15〜60重量%、好ましくは
20〜35重量%含まれていることが望ましい。必要に
応じてさらに他の単量体を共重合させることも可能であ
る。
【0016】このようなエチレン・一酸化炭素・酢酸ビ
ニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭素・(メタ)
アクリル酸アルキルエステル共重合体を製造するには、
単量体であるエチレン、一酸化炭素、酢酸ビニルもしく
は(メタ)アクリル酸アルキルエステルのそれぞれを、
触媒としてのt−ブチルパーオキシドイソブチレートま
たはアゾブチルニトリルなどと共に所定の割合で高速攪
拌反応器中に供給して混合し、高温(160〜230℃
)、高圧(24000〜27000psi)下に高速で
攪拌することによってこれらの単量体を共重合すればよ
い。
【0017】また、このエチレン・一酸化炭素・酢酸ビ
ニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭素・アクリル
酸アルキルエステル共重合体のメルトフローレイト(M
FR)は1〜500g/10分、好ましくは5〜100
g/10分であることが望ましい。
【0018】このエチレン・一酸化炭素・酢酸ビニル共
重合体もしくはエチレン・一酸化炭素・アクリル酸アル
キルエステル共重合体は、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対し、30〜200重量部の範囲で配合されること
が好ましい。30重量部未満であると、透明性及び樹脂
の柔軟性が乏しくなって実用に支障を生じ、一方200
重量部を超えると、例えば樹脂の強度が不足すると共に
、樹脂の粘着性が増大するので好ましくない。
【0019】通常、上記各重合体を、必要に応じて安定
剤、滑剤などを更に添加し、ロール、バンバリーミキサ
ーなどのバッチ式混練機あるいは二軸押出機などの連続
混練機を用いて、それぞれ、溶融混合(メルトブレンド
)することにより、無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(
A)を形成するための樹脂組成物を得る。
【0020】なお、以下のようにして得られた重合体も
しくは重合体の混合物も無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂
として使用できる。 (1)エチレン・一酸化炭素・酢酸ビニル共重合体もし
くはエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体の存在下に塩化ビニル単独、あるい
は塩化ビニルとこれと共重合し得る単量体をラジカル重
合させて得られる、いわゆるエチレン・一酸化炭素・(
メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の塩化ビニ
ル系グラフト重合体。
【0021】この重合体は、特公昭39−27876号
公報に記載された方法に準じて製造される。 (2)上記エチレン・一酸化炭素・酢酸ビニル共重合体
もしくはエチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体の塩化ビニル系グラフト重合体
に、軟化剤として(メタ)アクリル酸アルキルエステル
共重合体を配合したものでもよく、あるいは前記塩化ビ
ニル系グラフト重合体と塩化ビニル系重合体との混合物
であってもよい。
【0022】なお、無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂には
、医療器材用途に用いられている従来公知の無毒添加剤
、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
エポキシ化大豆油、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イトなどを必要に応じて含有することができる。
【0023】発明1におけるポリエステル樹脂層(B)
のポリエステル樹脂は、シクロヘキシル基を主成分とす
るポリエステル樹脂(以下、PCCEという)であって
、例えば、ポリシクロヘキサンジメチルシクロヘキサン
ジカルボキシレートエラストマーがあげられる。
【0024】また、発明2におけるオレフィン系エラス
トマー層(C)は、オレフィン・スチレン共重合体とオ
レフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成
分とするエラストマーにより形成されるものである。オ
レフィン・スチレン共重合体とオレフィン・(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体とは、通常、7:3〜3:7
の割合で配合される。
【0025】上記オレフィン・スチレン共重合体として
は、エチレン・スチレン共重合体、プロピレン・スチレ
ン共重合体、ブチレン・スチレン共重合体等の共重合体
があげられる。また、上記オレフィン・(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体としては、エチレン、プロピレン
、ブチレン等のオレフィンと、(メタ)アクリル酸エス
テル(エステル基の炭素数が1〜18が好ましい)との
共重合体があげられる。
【0026】さらに、エチレン・酢酸ビニル共重合体層
(D)におけるエチレン・酢酸ビニル共重合体において
は、酢酸ビニルが5〜60重量%、好ましくは10〜4
5重量%含有していることが好ましい。
【0027】上記発明1及び発明2の複合フィルムは、
任意の方法により得られるが、その方法として以下の方
法があげられる。 (1)樹脂ラテックスを他の樹脂層上に塗布乾燥して複
合フィルムを得る方法。例えば、PCCEラテックスを
、無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)上に塗布した
のち、乾燥して造膜する(発明1の複合フィルム)。
【0028】なお、このようにして得た二層フィルムを
、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体層を内
側にして張り合わせ、四層構造フィルムとしてもよい。 (2)フィルムを積層し加熱すると共に各フィルムをラ
ミネートする方法。例えば、無可塑剤軟質塩化ビニル系
樹脂フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム
、オレフィン系共重合体フィルムをこの順に積層すると
共に加熱して三層をラミネートして複合フィルムを得る
(発明2の複合フイルム)。 (3)押出ラミネート法。例えば、無可塑剤軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物を押出成形にてフィルム化しながら、こ
のフィルムをPCCEフィルム上にラミネートして複合
フィルムを得る(発明1の複合フィルム)。 (4)共押出成形法。例えば、無可塑剤軟質塩化ビニル
系樹脂層(A)、エチレン・酢酸ビニル共重合体層(D
)、オレフィン系エラストマー樹脂層(C)を共押出す
ることにより積層一体化する(発明2の複合フィルム)
【0029】発明1及び2における複合フィルムの厚さ
は全体として200〜400μm の範囲にあることが
好ましい。400μm を超えると、透明性が低下する
ばかりでなく、柔軟性も低下する傾向にあり、200μ
m 未満であると薄過ぎてしわがよったり、機械的強度
が低いので好ましくない。
【0030】また、発明1の複合フィルムにおいては、
PCCE層(B)の厚さは10〜80μm の範囲にあ
ることが好ましい。また、発明2の複合フィルムにおい
ては、無可塑剤軟質塩化ビニル樹脂層(A)の厚さは1
0〜200μm の範囲にあることが好ましい。この無
可塑剤軟質塩化ビニル樹脂層(A)の厚さが200μm
 を超えると、γ線照射による着色化が大きく、かつ溶
出物の品質が悪くなる。また、10μm 未満であると
ブロッキングし易く、軟質塩化ビニル樹脂特有の柔軟性
に欠けるようになる。なお、エチレン・酢酸ビニル樹脂
層(D)は接着剤層として用いられるもので、その厚さ
は通常20〜50μm 程度とするのがよい。
【0031】この発明1及び2の複合フィルムを例えば
輸液バッグとして用いるには、製袋する必要があるが、
一対の複合フィルムを重ね合わせ、接続部分を高周波あ
るいはヒートシールすることにより内層部分を融着させ
ればよい。なお、発明2の複合フィルムにおいて、例え
ば、無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)、エチレン
・酢酸ビニル共重合体層(D)、オレフィン系エラスト
マー層(C)をこの順に積層した三層構造のフィルムの
ように、一方の外面がオレフィン系エラストマー層(C
)となっているものでは、無可塑剤軟質塩化ビニル樹脂
層を内側にして高周波シール等で融着するのがよい。ま
た、発明1の複合フィルムにおいても、ポリエステル樹
脂層(B)を外側にして製袋した方が、蒸気滅菌等の処
理時にブロッキングが生じ難く好ましい。
【0032】このようにして得られた袋は、輸液バッグ
の他、採血バッグ、採尿バッグ、血小板や赤血球の保存
バッグ等の医療用具として、また、医療用の包装、食品
の包装、栄養食品の包装等の包装容器として用いること
ができる。
【0033】
【実施例】以下、この発明1及び2を実施例に基づいて
詳細に説明する。なお、重量部を単に部と略記する。 <発明1の複合フィルムに関する実施例、比較例>実施
例1 次の材料 (a)〜(e) を混練して無可塑剤軟質塩
化ビニル系樹脂組成物を得、この樹脂組成物を押出して
厚さ155μm のフィルムを作成した。 (a) 塩化ビニル・エチレン共重合体       
                         
100部  (エチレン含有量4重量%、平均重合度1
300)(b) エチレン・一酸化炭素・アクリル酸n
−ブチルエステル共重合体  100部  (エチレン
:一酸化炭素:アクリル酸n−ブチルエステル共重合体
=60重量%:10重量%:30重量%) (c) エポキシ化大豆油(アデカアーガス社製、O−
130PA)        10部(d) Ca−Z
n系安定剤(アデカアーガス社製、マーク37)   
         1部(e) 滑剤(三井石油化学工
業社製、ハイワックス4202E)         
   1部この無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
を、厚さ50μm のPCCEフィルム(イーストマン
コダック社製、商品名PCCE9966)の両側に重ね
、190℃でラミネートし、柔軟性に富んだ三層構造の
複合フィルムを得た。
【0034】この複合フィルムの加熱収縮率、透明性を
測定した。また、このフィルムを二枚重ねその周囲を高
周波シールすることにより製袋して500ml容量の輸
液バッグを作成した。
【0035】実施例2 実施例1で得られた無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂組成
物を押出して厚さ310μm のフィルムを作成した。
【0036】このフィルム上に、実施例1で用いたPC
CEフィルムを190℃でラミネートし、柔軟性に富ん
だ二層構造の複合フィルムを得た。実施例1と同様に、
この複合フィルムの加熱収縮率、透明性を測定し、また
、製袋して500ml容量の輸液バッグを作成した。
【0037】比較例1 実施例1で得られた無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂組成
物を押出して厚さ360μm のフィルムを作成した。
【0038】実施例1と同様に、このフィルムの加熱収
縮率、透明性を測定した。また、このフィルムを二枚重
ねその周囲を高周波シールすることにより、500ml
容量の輸液バッグを作成した。
【0039】比較例2 平均重合度1300のポリ塩化ビニル100部と可塑剤
DOP50部とを主体とする軟質塩化ビニル樹脂フィル
ム(厚さ400μm)の加熱収縮性、透明性を測定する
と共に、このフィルムを二枚重ねその周囲を高周波シー
ルすることにより、500ml容量の輸液バッグを作成
した。
【0040】比較例3 実施例1で用いたPCCEフィルムをポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム(東レ社製、PETルミ
ラー)とした以外は実施例1と同様にして複合フィルム
を得た。
【0041】実施例1と同様に、このフィルムの加熱収
縮率、透明性を測定した。また、このフィルムを二枚重
ねその周囲を高周波シールすることにより、500ml
容量の輸液バッグを作成した。
【0042】これらの加熱収縮率、透明性については、
表1に示したとおりであった。また、それぞれの輸液バ
ッグに、生理的食塩水約400mlを封入し、これを1
21℃、20分間蒸気滅菌した。この蒸気滅菌の際の、
輸液バッグの破袋率やフィルム間の剥離性を測定した。 その結果は表1に示したとおりであった。
【0043】
【表1】
【0044】これらの測定法は次のとおりとした。 (1)加熱収縮率の測定。 A;蒸気滅菌前の寸法(軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
の押出方向の長さ) B;蒸気滅菌(121℃、20分間)後の寸法(Aと同
じ) 加熱収縮率=(B−A)/A×100(%)(2)微粒
子(ケ/ml);日本薬局方輸液用プラスチック容器試
験法 (3)透明性;JIS7105に準拠 (4)破袋率;それぞれ輸液バッグ20袋を使用し、次
のとおり測定した。
【0045】C;蒸気滅菌前の輸液バッグ数D;蒸気滅
菌(121℃、20分間)後の破袋バッグ数輸液バッグ
破袋率=D/C×100(%)前記実施例1及び2で得
られた輸液パッグは、いずれも柔軟性に富みクローズド
システムにより充填物の流出が可能であった。
【0046】また、表1の結果から、明らかなとおり、
実施例1及び2で得られた発明1の複合フィルムは、加
熱収縮性及び透明性が良好であった。また、輸液バッグ
の破袋やフィルム間の剥離もなかった。一方、比較例1
の輸液バッグは加熱収縮が著しく、また、蒸気滅菌中に
破袋するものが見られ、比較例2の輸液バッグは加熱収
縮が大きく、また、微粒子も多く存在していた。 <発明2に関する実施例、比較例> 実施例3 実施例1において用いたのと同じ無可塑剤軟質塩化ビニ
ル系樹脂組成物を押出して厚さ100μm のフィルム
を得た。
【0047】次に、オレフィン系エラストマーとして大
日本プラスチック社製、MK−1Sを用い、これをを押
出して厚さ150μm のオレフィン系エラストマー樹
脂フィルムを得た。また、エチレン・酢酸ビニル共重合
体( 東ソー社製、ウルトラセン633)を押出して厚
さ150μm のフィルムを得た。
【0048】これらのフィルムを、オレフィン系エラス
トマー樹脂フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フ
ィルム、オレフィン系エラストマーフィルムの順に重ね
、180℃でラミネートして三層構造の柔軟性に富み透
明性の良い複合フィルムを得た。
【0049】この複合フィルムのγ線照射による黄変℃
、溶出物試験評価、常温でのフィルム同士のブロッキン
グ強度及びフィルム層間の剥離強度試験を行った。 実施例4 オレフィン系エラストマー樹脂として大日本プラスチッ
ク社製、MK−0Sを用い、これを押出して厚さ250
μm のオレフィン系エラストマー樹脂フィルムを得た
他は、実施例3と同様にして三層構造の柔軟性に富み透
明性の良い複合フィルムを得、実施例3と同様な試験評
価を行った。
【0050】比較例4 実施例1で得られた無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂組成
物を押出して厚さ250μm のフィルムを得、この単
層フィルムについて実施例3と同様の試験評価を行った
【0051】比較例5 実施例4と同じオレフィン系エラストマー樹脂を押出し
て厚さ300μm のフィルムを得、この単層フィルム
について実施例4と同様の試験評価を行った。
【0052】比較例6 実施例3において、エチレン・酢酸ビニル共重合体層(
D)がない三層構造のフィルムを用いた以外は、実施例
3と同様の試験評価を行った。
【0053】比較例7 市販の医療用軟質塩化ビニル樹脂コンパウンド(理研ビ
ニル社製、TN−9490M)を用い、厚さ350μm
 の軟質塩化ビニルフィルムを得た。このフィルムにつ
いて、実施例3と同様の試験評価を行った。
【0054】以上の実施例3及び4、比較例4〜7の結
果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】これらの測定法は次のとおりとした。 (1)黄変度;照射量2.5Mradのγ線照射を行っ
た各種フィルムについて、カラーコンピュータ−SM−
5(スガ試験機社製)による黄変度ΔYIを測定。 (2)溶出物試験;日本薬局方輸液用プラスチック容器
試験法に準拠。 (3)常温ブロッキング性;JISK6854接着剤の
剥離接着強さ試験法に準拠。 (4)剥離試験;JISK6854接着剤の剥離接着強
さ試験法に準拠。
【0057】発明2の複合フィルムは、透明性及び柔軟
性に優れ、表2の結果から明らかなとおり、γ線照射に
よる黄変度も小さく、溶出物試験にも適合しており、か
つフィルム同士のブロッキング性もなく、各フィルム層
間の一体性も優れていた。
【0058】
【発明の効果】以上のとおり、発明1の複合フィルムは
、透明で、柔軟であり、軟質塩化ビニル樹脂層における
可塑剤の移行がないことは勿論のこと、ヒートシールや
高周波シールが可能であり、さらに熱収縮が極めて小さ
い。従って、このフィルムを袋体等の成形体にした場合
でも、蒸気滅菌時の成形体の変形、破袋がない。
【0059】また、発明2の複合フィルムは、発明1の
複合フィルムと同様、透明で、柔軟であり、軟質塩化ビ
ニル樹脂層における可塑剤の移行がないことは勿論のこ
と、ヒートシールや高周波シールが可能であり、樹脂層
間のブロッキングや層間剥離がなく、また、γ線照射に
よる黄変度も小さく、溶出物試験にも適合する。
【0060】よって、発明1及び2の複合フィルムは、
輸液バッグ、医療用の包装、食品の包装、栄養食品の包
装、血小板や赤血球の保存バッグ、採血バッグ、採尿バ
ッグ、培養バッグ等の用途の他、種々の医療器材の用途
に好適に提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  塩化ビニル系樹脂とエチレン・一酸化
    炭素・酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭
    素・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を主
    成分とする無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)と、
    シクロヘキシル基を主成分とするポリエステル樹脂層(
    B)とが積層されている複合フィルム。
  2. 【請求項2】  塩化ビニル系樹脂とエチレン・一酸化
    炭素・酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン・一酸化炭
    素・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を主
    成分とする無可塑剤軟質塩化ビニル系樹脂層(A)と、
    オレフィン・スチレン共重合体とオレフィン・(メタ)
    アクリル酸エステル樹脂を主成分とするオレフィン系エ
    ラストマー層(C)とがエチレン・酢酸ビニル共重合体
    層(D)を介して積層されている複合フィルム。
JP9040791A 1991-04-22 1991-04-22 複合フィルム Pending JPH04320840A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022139374A1 (ko) * 2020-12-21 2022-06-30 (주)엘엑스하우시스 데코시트 및 그 제조 방법

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