JPH0432066B2 - - Google Patents

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JPH0432066B2
JPH0432066B2 JP8322986A JP8322986A JPH0432066B2 JP H0432066 B2 JPH0432066 B2 JP H0432066B2 JP 8322986 A JP8322986 A JP 8322986A JP 8322986 A JP8322986 A JP 8322986A JP H0432066 B2 JPH0432066 B2 JP H0432066B2
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【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、モノイソシアナート−モノカルバミ
ン酸エステルを環化3量化することにより、イソ
シアヌレート骨格を有するポリカルバミン酸エス
テルを製造する方法に関するものである。 [従来の技術とその問題点] イソシアヌレート骨格ぽ有するポリカルバミン
酸エステルは、一液性イソシアヌレートとして広
く、塗料、接着剤、レザー、エラストマー、フオ
ーム等の用途に利用されることが多く、耐熱性、
耐候性の点でもこれらの用途に適している。[例
えば、ジヤーナル・オブ・モダーンペイントコー
テイング第75巻、第78〜80頁(1985年)(J.Mod.
Paint Coat.75、78〜80、1985)および、岩田敬
治編、プラスチツク材料講座2、ポリウレタン樹
脂(日刊工業新聞社発行)] 従来、イソシアヌレート骨格を有するポリカル
バミン酸エステルを製造する方法としては、ジイ
ソシアナートを原料とする方法が知られている
[例えばクンストストツフ・ハンドブーフ、第
巻、ポリウレタン、1966年(Kunstostoff−
Handbuch、Band、Polyurenthan、1966およ
び特開昭57−168957号に記載されている。]すな
わち、はじめにジジイソシアナートを触媒の存在
下に環化3量化することにより、イソシアヌレー
ト骨格を有するポリイソシアナートを製造する。
(例えば特開昭57−47319号および特開昭60−
181078号)次にこれら重合物と各種の有機ヒドロ
キシル化合物と反応させて目的とするイソシアヌ
レート骨格を有するポリカルバミン酸エステルを
得る製造方法である。 しかしながら、これらの方法は下記のようない
くつかの欠点を持つており、工業的製造法として
或は目的とする製造を製造する点から決して満足
すべきものではない。すなわちジイソシアナート
の環化3量化反応は、強い発熱反応であるため、
制御不可能な温度の上昇が起りやすい。このとき
副反応として、カルボジイミド及びウレトミニン
形成のような逐次反応を誘発することになり、目
的とする製品を得ることができなくなる。 そのため温和な条件で反応をコントロールしな
ければならず、ジイソシアナートの反応速度を低
く抑えて長時間反応させる必要がある。また、こ
の反応は高発熱反応である上に、生成したイソシ
アヌレート骨格の末端が反応活性の高いイソシア
ナート基であるため、いわゆる多核化反応が進行
し高重合物となりやすい。(下式) 式 高重合物化が進むと、高粘度の生成物が生成した
り、反応中にゲル化を起すなど好ましくない。更
に高粘度生成物は、有機ヒドロキシル化合物との
相溶性が著しく低く、有機ヒドロキシル化合物と
の反応性が悪いので、目的とするイソシアヌレー
ト骨格を有するポリカルバミン酸エステルを収率
よく得ることは困難である。この様な理由のた
め、ジイソシアナートの環化3量化反応を行う際
には、ジイソシアナートの転化率を低く抑えるこ
とで、高重合物の比率を下げる方法が一般に広く
行なわれているが、この場合には未反応のジイソ
シアナートを蒸留により分離しなければならない
という問題点が有る。更に、蒸留時の多核化反応
の進行を抑制するため、蒸留に先だち停止剤を添
加しなければならないという問題点がある。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等は、これらの欠点を克服すべく鋭意
研究を重ねた結果、モノイソイアナート−モノカ
ルバミン酸エステルを出発原料として、イソシア
ヌレート骨格を有するポリカルバミン酸エステル
を製造する新規な方法を見出し本発明を完成する
に至つた。 すなわち、本発明は、イソシアヌレート骨格を
有するポリカルバミン酸エステルを製造するに当
り、原料としてモノイソシアナート−モノカルバ
ミン酸エステルを用いこれを3量化させることを
特徴とするイソシアヌレート骨格を有するポリカ
ルバミン酸エステルを製造する方法を提供するこ
とにある。 本発明において、原料としてモノイソシアナー
ト−モノカルバミン酸エステルを用いた環化3量
化反応は、ジイソシアナートを原料とした環化3
量化反応に対し、次のような差異がある。すなわ
ち、後者の場合は、ジイソシアナートの環化3量
化が進行した後もイソシアナート基が残存するた
め、逐次的に多核化反応或はイソシアナート基に
よる副反応が誘発するのに対し、本発明のモノイ
ソシアナート−モノカルバミン酸エステルを用い
る環化3量化反応の場合は、原料の一部から並発
的不均化によりジイソシアナートを生じるため、
これから多核体を生じることはあるが、環化3量
化が進行した後は、基本的に末端にカルバミン酸
エステル基が残存するのみであり、逐次的な反応
は起りにくい。そのため次のような利点がある。
すなわち、 (1) 反応中温度が急激に上昇することがないた
め、反応のコントロールが容易となり、目的生
成物の収率を高くすることができる。 (2) 反応中逐次的に末端イソシアナート基による
多核化反応或はカルボジイミド、ウレトミニン
形成等の副反応が起ることがない。 (3) 高い転化率が達成できるため、残存するモノ
イソシアナート−モノカルバミン酸エステルの
量が少なく、これを蒸留等によつて分離する必
要がない。さらに停止剤を加える必要がない。 本発明の実施例に際し、使用されるモノイソシ
アナート−モノカルバミン酸エステルとしては一
般式 で示されるイソシアナート基とカルバミン酸エス
テル基を1分子中に含む化合物または 一般式 で示されるイソシアナート基とイソシアナート基
にオキシム(HO−N=R″)が付加したカルバミ
ン酸エステル基(例えば、カルバミン酸のアルキ
リデンイミノエステル基)を1分子中に含む化合
物のことである。 ここでRは二価の飽和または不飽和の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基から選ば
れた有機基を表わし、R′は一価の飽和または不
飽和の脂肪族基および脂環族基、芳香族基、芳香
脂肪族基から選ばれた有機基を表わし、R″は同
一炭素原子が二価の飽和または不飽和の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基から選ば
れた有機基を表わす。また、これらの有機基なイ
ソシアナート基と反応しない他の置換基、例えば
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル
基、アルコキシ基、アシル基、アシロシ基、カル
バモイル基などを含んでいてもよい。また、イソ
シアナート基と反応しない二価の官能基、例えば
エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カ
ルボキシル基、スルホニル基等を含んでいてもよ
い。 このようなモノイソシアナート−モノカルバミ
ン酸エステル類としては、例えば、o−またはm
−またはp−フエニレンモノイソシアナート−モ
ノカルバミン酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、シクロヘキスルエステル、フエニルエステ
ル、β−フエネチルエステル、2−プロピリデン
イミノエステル、2−ブチリデンイミノエステ
ル、シクロヘキシリデンイミノエステル、1−フ
エニルエチリデンエステル等のフエニレンモノイ
ソシアナート−モノカルバミン酸エステル類;
2,4−または2,6−トリレンモノイソシアナ
ート−モノカルバミン酸のメチルエステル、エチ
ルエステル、ブチルエステル、フエニルエステ
ル、2−プロピリデンイミノエステル、2−ブチ
リデンイミノエステル等のトリレンモノイソシア
ナート−モノカルバミン酸エステル類;2,2′−
または2,4′−または4,4′−メチレンビスフエ
ニレンモノイソシアナート−モノカルバミン酸の
メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステ
ル、フエニルエステル、2−プロピリデンイミノ
エステル、2−ブチリデンイミノエステル等のエ
チレンビスフエニレンモノイソシアナート−モノ
カルバミン酸エステル類;式 または (R′およびR″は前記のとおりで、Xは単なる単
結合、または−O−、−S−、−SO2−、−CO−か
ら選ばれた二価の基を表わす)で示される芳香族
モノイソシアナート−モノカルバミン酸のエステ
ル類;1,4−または1,5−または1,6−ま
たは2,6−ナフチレンモノイソシアナート−モ
ノカルバミン酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、ブチルエステル、フエニルエステル、2−プ
ロピリデンイミノエステル、2−ブチリデンイミ
ノエステル等のナフチレンモノイソシアナート−
モノカルバミン酸エステル類;エチレンモノイソ
シアナート−モノカルバミン酸、トリメチレンモ
ノイソシアナート−モノカルバミン酸、テトラア
メチレンモノイソシアナート−モノカルバミン
酸、ペンタメチレンモノイソシアナート−モノカ
ルバミン酸、ヘキサメチレンモノイソシアナート
−モノカルバミン酸、2,2,4−または2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンモノイソシア
ナート−モノカルバミン酸等のメチルエステル、
エチルエステル、ブチルエステル、フエニルエス
テル、2−プロピリデンイミノエステル、2−ブ
チリデンイミトエステル等のアルキレンモノイソ
シアナート−モノカルバミン酸エステル類;メチ
ルシクロヘキサン−2,4−または2,6−モノ
イソシアナート−モノカルバミン酸、4,4′−メ
チレンモノシクロヘキシルイソシアナート−モノ
シクロヘキシルカルバミン酸等のメチルエステ
ル、エチルエステル、フエニルエステル、2−プ
ロピリデンイミノエスエル、2−ブチリデンイミ
ノエステル等の脂環族モノイソシアナート−モノ
カルバミン酸エステル類;キシリレンモノイソシ
アナート−モノカルバミン酸のメチルエステル、
エチルエステル、フエニルエステル、2−プロピ
リデンイミノエステル、2−ブチリデンイミノエ
ステル等のアラルキルモノイソシアナート−モノ
カルバミン酸エステル類;3−または4−クロロ
−1,2−フエニレンモノイソシアナート−モノ
カルバミン酸、2−クロロ−1,4−フエニレン
モノイソシアナート−モノカルバミン酸等のメチ
ルエステル、エチルエステル、フエニルエステ
ル、2−プロピリデンイミノエステル、2−ブチ
リデンイミノエステル等のハロゲン化フエニレン
モノイソシアナート−モノカルバミン酸エステル
類があげられる。これらのモノイソシアナート−
モノカルバミン酸エステル類は単一のものであつ
ても良いし、2種類上の混合物であつても良い。
更にイソシアナート基およびカルバミン酸エステ
ル基は、有機基Rのどちらの置換位置を占めても
良い。 本発明の実施に際して、高純度のモノイソシア
ナート−モノカルバミン酸エステルを用いるのが
好ましいが一般式 R―(NCO)2 (Rは前述のもの) で示されるジイソシアナートまたは/および一般
【式】または
【式】 (R′、R″は前述のもの) で示されるジカルバミン酸エステルが共存しても
本発明の目的は十分に達成される。 この際、ジイソシアナートの混在量は、多過ぎ
ると、カルボジイミド変性の様な副反応、または
多核化反応の様な好ましくない反応が起りやすく
なるのでモノイソシアナート−モノカルバミン酸
エステルに対して当量以下、好ましくは1/2当量
以下が良い。またジカルバミン酸エステルは反応
不活性であるので、原料に混在しても反応に支し
障りはないが、あまり多量に混合すると、空時収
率(S・T・Y)が低下し、工業的実施を不利に
する。それゆえその混在量はモノイソシアナート
−モノカルバミン酸エステルに対して10倍量以
下、好ましくは当量以下が良い。 本発明の実施に際し環化3量化反応を促進する
触媒は用いても用いなくとも良いが、触媒を利用
することで反応条件が温和となる、或いは工業的
実施が有利になる、等の効果があり、こうした環
化3量化触媒を用いる方が好ましい。 環化3量化触媒としては、金属アルコキシド、
有機酸の金属塩、アセチルアセトンの金属塩、第
三級アミンおよびホスフイン、第四アンモニウム
塩等、ホウ素等の水素化物、金属等の酸化物、
酸、有機金属化合物、およびこれらの組合せから
なる化合物を用いることができる。 (1) 金属アルコキシドとしては、例えばカリウム
−t−ブトキシド、チタンテトラ−n−ブトキ
シド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド等
の第一、第二、第三アルコール等の−A族、
−A族、−B族、−B族をはじめとする
単一または複合金属の塩が用いられる。 (2) 有機酸の金属塩としては、例えばブロピオン
酸ナトリウム、酢酸カリウム、シユウ酸カリウ
ムナトリウム、安息香酸ナトリウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ナフテン酸ジルコニウム等の
有機酸の単一または複合金属塩が用いられる。 (3) アセチルアセトンの金属塩としては、例えば
銅アセチルアセトン、ジルコニウムアセチルア
セトンなどが用いられる。 (4) 第三級アミンおよびホスフインとしては、例
えばトリ−n−プロピレン、トリエチレンジア
ミン、トリフエニルホスフインなど安定な第三
級アミンおよびホスフインが用いられる。 (5) 第四級アンモニウム塩等としては、例えばコ
リン誘導体、四級ホスフイン、アルシン、アン
チモン化合物などが用いられる。 (6) ホウ素等の水素化物としては、水素化ホウ素
ナトリウム、などが用いられる。 (7) 金属等の酸化物としては、トリ−n−ブチル
スズオキサイド、トリフエニルホスフインオキ
サイドなどが用いられる。 (8) 酸としては、塩酸などの無機酸、酢酸などの
カルボン酸、トリクロルアルミニウムなどのル
イス酸等が用いられる。 (9) 有機金属化合物としては、ジラウリン酸ジブ
チルスズなど、スズ、ケイ素、亜鉛、鉛、アン
チモンのアルキル、アルコキシ、チオアルコキ
シ化合物などが用いられる。 使用する触媒量は、触媒の活性度、原料の反応
性によつて異なるが、一般に原料であるモノイソ
シアナート−モノカルバメートに対して5重量%
から0.001重量%の範囲で用いられるが、1重量
%から0.01重量%の範囲が工業的に実施する上で
好ましい。 触媒の添加方式は、反応前に一度に仕込んでも
良いし、反応経時的に添加しても良い。このと
き、触媒は添加しやすいよう適当な溶媒に溶解さ
せることもできる。こうした触媒溶媒としてはイ
ソシアナートに不活性であれば何でもかまわない
し、少量であればアルコールまたはフエノール類
であつてもかまわない。 本発明の実施に際し、反応温度は、0℃以上
300℃以下の範囲で行なわれる。20℃未満では反
応速度が小さくて実用的でないし、220℃を越え
る高温で反応させると副反応や極度の着色が起る
ので好ましくない。したがつて反応温度は20℃以
上220℃以下が好ましい。また反応圧は1mmHgの
減圧条件下から50Kg/cm2G加圧条件下までの範囲
で行なわれるが操作の容易さ、反応液の蒸気圧の
制限などから、10mmHgの減圧下から10Kg/cm2
の加圧下の範囲が好ましい。 本発明の実施に際し、溶剤の不存在下でも存在
下でも行うことができるが、反応コントロールの
容易さ、操作の容易さ、に加えて生成物であるイ
ソシアヌレート骨格を有するポリカルバミン酸エ
ステルは粘度が高いという点からも溶媒の存在下
で実施することが好ましい。 本反応に用いられる溶媒としては、反応条件下
において実質的に不活性であればどのようなもの
を用いてもよいが、蒸留可能な沸点にあるものを
選ぶのが好ましい。このような溶媒としては、脂
肪族、脂肪族または芳香族の置換または非置換の
炭化水素類またはその混合物類があり、またエー
テル、ケトンおよびエステルのようなある種の酸
素化合物あるいはチオエーテル、スルホキシド、
スルホンなどのある種の硫黄化合物あるいは、リ
ン酸エステル、亜リン酸エステルなどのある種の
リン化合物も含まれている。 好ましい溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、デカン、n−ヘキサデカン、
n−オカタデカン、エイコサン、スクアラン等の
アルカン類およびこれらに相当するアルケン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、ジブチル
ベンゼン、ナフタリン、低級アルキル置換ナフタ
リン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素およ
びアルキル置換芳香族炭化水素類;クロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、ジブロ
ムベンゼン、クロルナフタリン、ブロムナフタリ
ン、ニトロベンゼン、ニトロナフタリン等のニト
ロ基およびハロゲンによつて置換された芳香族化
合物類;ジフエニル、置換ジフエニル、ジフエニ
ルメタン、ターフエニル、アンスラセン、フエナ
ンスレン、ジベンジルトルエン各種異性体、トリ
フエニルメタン等の多環炭化水素化合物類;シク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭
化水素類;メチルエチルケトン、アセトフエノ
ン、ベンゾフエノンのようなケトン類;ジブチル
フタレート、ジヘキシルフタレート、ジベンジル
フタレート、ジブチルベンジルフタレート等のエ
ステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
フエニルエーテル、ジフエニルサルフアイド等の
エーテルおよびチオエーテル類;ジメチルスルホ
キシド、ジフエニルスルホキシド等のスルホキシ
ド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジ
フエニルスルホン、スルホランなどのスルホン
類;リン酸トリフエニル、リン酸トリクレジル、
亜リン酸トリフエニル等のリン化合物類などがあ
げられる。 この反応溶媒と原料のモノイソシアナート−モ
ノカルバミン酸エステルとの組成比は、重量%で
原料が10%以上となるよう調製されるのが好まし
い。原料が10重量%より少ないと空時収率(S・
T・Y)が低く、工業的に実施するには不利であ
る。 本発明の実施に際し、反応は回分式でも実施で
きるし、連続的に反応成分を供給しながら連続的
に反応液に抜き出す連続方式でも実施できる。 [実施例] 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。 原料のモノイソシアナート−モノカルバミン酸
エステルは種々の方法で合成されるが、例えば、
ジカルバミン酸エステル、モノイソシアナート−
モノカルバミン酸エステル、ジイソシアナートの
混合物より蒸留分離して得ることができる。 実施例 1 温度計、撹拌機、窒素シール管を備えた500ml
容ガラス四つ口フラスコに、ヘキサメチレンモノ
イソシアナート−モノカルバミン酸エチル100g、
溶剤としてトルエン40gを入れ、フラスコ内の空
気を窒素で置換し、撹拌しながら220℃の反応温
度に加温した。5時間後トルエンを蒸留しGPC
で分子量を測定したところ、原料のピークは見ら
れず、分子量430、640、860、1070等のピークが
出現した。平均分子量は650であつた。IRから
2350cm-1のイソシアナート基は消失し、1690cm-1
にイソシアナート基、1740cm-1にアロフアネート
基がウレタン基に重なつて出現した。プロトン核
磁気共鳴装置(NMR)より3.9ppmにイソシアナ
ート基に隣接するメチレンに相当するピーク及び
8.3ppmにアロフアネートの第二アミドのプロト
ン特有のピークが現われた。これらの結果から、
アロフアネート結合を含むイソシアヌレート骨格
を有するポリカルバミン酸エステルが生成したこ
とが確認された。 実施例 2 実施例1と同様の窒素置換した反応装置に、原
料としてヘキサメチレンモノイソシアナート−モ
ノカルバミン酸エステルを100g、溶媒のトルエ
ン40gを仕込み撹拌しながら80℃まで昇温した。
触媒としてカリウムt−ブトキシド0.2gを、ジ
メチルスルホキシド0.2gに溶解させ、四つ口フ
ラスコに投入した。1時間反応後トルエンを蒸留
し、反応生成物が100g得られた。GPCで測定し
たところ原料のピークは完全に消失し、分子量
640、1070、1500のところに新しいピークが出現
しており、平均分子量は760と見積られた。IRか
らはイソシアナート基が消失しイソシアヌレート
基のみが出現した。NMRからは、アロフアネー
ト結合は見られずイソシアヌレート結合のみが観
測された。 これらの結果から、原料が反応するイソシアヌ
レート骨格を有するポリカルバミン酸エステルに
ほぼ100%転換したことが確認された。 実施例 3 実施例2と同様の反応を触媒のみを変えて行な
つた。触媒としてプロピオン酸カリウム0.2gを
ジエチレングリコールモノエチルエーテル0.2g
に溶解させて用いた。 1時間反応後GPCより原料は完全に転換し平
均分子量が740であることが確認された。NMR
より少量のアロフアネートが認められたので、こ
のピークの積分量よりイソシアヌレート収率は91
%であることがわかつた。 比較例 1 実施例1と同様の窒素置換した反応装置に、原
料としてヘキサメチレンジイソシアナート100g、
溶媒としてトルエン40gを仕込み、80℃に昇温し
た後、触媒としてジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド0.6g加えた。5時間後、停止剤としてリ
ン酸を0.2g加えさらに1時間撹拌した。 薄膜蒸留装置で、原料のジイソシアナートを除
去したところ、ボトムに45g反応生成物が得られ
た(転換率は45%)。末端のイソシアナート基を
ウレタン化するため、窒素置換された300ml容の
もう一つの四つ口フラスコに、このボトム生成物
とトルエン20gを仕込み、撹拌しながらエチルア
ルコール20gを滴下した。徐々に昇温し80℃で1
時間撹拌した。 過剰のエチルアルコールと溶媒のトルエンを蒸
留し、生成物51gが得られた。IR、NMRからイ
ソシアナート基、アロフアネート結合は見られな
かつた。GPCより分子量640,1070、1500、1900
付近にピークが見られ、平均分子量は1100であつ
た。 実施例 4 実施例1と同様の窒素置換された反応装置に、
原料として2,4−トリレンモノイソシアナート
−モノカルバミン酸n−プロピル100g(不純物
として2,4−トリレンジカルバミン酸ジ−n−
プロピル38gを含む)、溶媒としてo−ジクロル
ベンゼン200gを仕込み80℃まで昇温した。触媒
としてプロピオン酸カリウム0.2gをエチレング
リコールモノエチルエーテル0.2gに溶解させて
添加した。 30分反応後GPCで測定すると、原料のモノイ
ソシアナート−モノカルバミン酸エステルは完全
に消失し、不純物のジカルバミン酸エステルは残
存していた。この不純物をのぞく平均分子量は
940であつた。IR、NMRより、イソシアナート
基とアロフアネート結合は見られなかつたので、
目的のイソシアヌレートはモノイソシアナート−
モノカルバミン酸エステルあたりほぼ100%の収
率であることが確認できた。 実施例 5 実施例4と同様の反応を原料のみ変えて行なつ
た。原料としては4,4′−ジフエニルメタンモノ
イソシアナート−モノカルバミン酸エステル
(MMI)100g(不純物として4,4′−ジフエニ
ルメタンジカルバミン酸エチル(MDU)29g、
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアナート
(MDI)21gを含む)を用いた。 30分反応後GPCで測定したところ、MMIと
MDIのピークは完全に消失しMDUのピークのみ
が残つた。MDUのぞく平均分子量は1800であつ
た。IR、NMRより、イソシアナート基、アロフ
アネート結合は見られなかつた。 このことより原料のMMIだけでなく、不純物
のMDIも完全に転換したため多核化が進んだイ
ソシアヌレートが生成したことが確認された。 実施例 6 実施例2と同様の反応を温度1200℃、原料を次
のものに変えて行なつた。 原料としてヘキサメチレンモノイソシアナート
−モノカルバミン酸フエニル100g(不純物とし
てヘキサメチレンジカルバミン酸フエニル40gを
含む)を用いた。 3時間反応後、ジカルバミン酸エステルを除
き、平均分子量は1100であつた。IR、NMRか
ら、イソシアナート基、アロフアネート結合なほ
とんど見られなかつた。 実施例 7 実施例2と同様の反応を原料と触媒添加法を次
のように変えて行なつた。 原料としてヘキサメチレンモノイソシアナート
−モノカルバミン酸2−ブチリデンイミノ100g
(不純物としてヘキサメチレンジカルバミン酸2
−ブチリデンイミノ40gを含む)を用いた。 触媒の添加は実施例2の触媒液0.4gを2時間
かけて四つ口フラスコに滴下した。 2時間後、GPCで測定したところジカルバミ
ン酸エステルをのぞき、平均分子量は1030であつ
た。IR、NMRからはイソシアナート基、アロフ
アネート結合は見られなかつた。 実施例 8〜13 表1に示す反応条件および触媒を用い、実施例
1と同様の窒素置換された反応装置に、原料とし
て2,4−トリレンモノイソシアナート−モノカ
ルバミン酸エチル100g(不純物として2,4−
トリレンジカルバミン酸エチル40gを含む)と溶
媒としてo−ジクロルベンゼン200gを仕込んだ。
触媒は昇温添加した。結果を表−1に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イソシアヌレート骨格を有するポリカルバミ
    ン酸エステルを製造するに当り、原料としてモノ
    イソシアナート−モノカルバミン酸エステルを用
    いこれを環化3量化させることを特徴とするイソ
    シアヌレート骨格を有するポリカルバミン酸エス
    テルの製造方法。 2 原料のモノイソシアナート−モノカルバミン
    酸エステル化合物が一般式 または で示されるイソシアナート基(−NCO)とカル
    バミン酸エステル基(【式】または 【式】)を1分子中に含む化合 物であり、 () Rが二価の飽和または不飽和の脂肪族基、
    脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基から選ばれ
    た有機基を表わし () R′が一価の飽和または不飽和の脂肪族基、
    脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基から選ばれ
    た有機基を表わし、R″が同一炭素原子が二価
    の飽和または不飽和の脂肪族基、脂環族基、芳
    香族基、芳香脂肪族基から選ばれた有機基を表
    わす、特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
JP8322986A 1986-04-12 1986-04-12 イソシアヌレ−ト骨格を有するポリカルバミン酸エステルの製造方法 Granted JPS62240671A (ja)

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