JP4235274B2 - (シクロ)脂肪族1,4−ジイソシアネートからの多環式イミノオキサジアジンジオン - Google Patents

(シクロ)脂肪族1,4−ジイソシアネートからの多環式イミノオキサジアジンジオン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,4−ジイソシアネートから作成される多環式イミノオキサジアジンジオン、その製造方法、およびポリイソシアネート付加生成物を製造するためのその使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子量ポリマーを合成するためのイソシアネートと極めて多量のH−酸化合物との反応[O.バイエル等の研究に基づく]は公知であり(たとえばDE−A728,981号)、相当な工業用途が存在する。これはイソシアネート基と共反応体との高い反応性を利用する。
低分子イソシアネート(特にジイソシアネート)の不快な生理学的性質はしばしば、たとえばコーチング部門におけるその直接的使用を妨げる。したがって、得られる生成物の蒸気圧を顕著に増大させると共に生理学上安全な化合物を得る目的でこれらモノマーを改変すべく各種の方法が用いられる。この例は過剰量のジイソシアネートと二価および多価アルコールとの反応であってプレポリマーを生成させ、或いはウレトジオン基(「ダイマー」)、イソシアヌレート基(「トライマー」)およびビウレット基を有するポリイソシアネートの製造を含む。
さらに、減少した反応性を有するNCO基をたとえばできるだけ長い可使時間を有する1−成分用途、ポリウレタン粉末被覆系および水性系に使用することがしばしば必要である。これら用途に用いうる生成物を得るには、ポリマー合成材料もしくは被覆フィルムを形成させる架橋反応に際し、必要に応じ改変型にて分解する化合物を用いて熱可逆性もしくは化学可逆性の封鎖反応を行う必要がある[たとえばプログレス・オーガニック・コーチングス、第3巻(1975)、第73頁および第9巻(1981)、第3頁]。この目的で多くの化合物、たとえばε−カプロラクタム、マロン酸ジアルキルエステルおよびブタノンオキシムが実用的に成功すると証明されている。
【0003】
これら全てのシステムの欠点は、硬化反応に際し分解しない封鎖剤を処分せねばならない点である。これらが生成物に残存すれば、「滲出」または生成物の物理的および/または化学的安定性の劣化に基づき、その性質範囲に悪影響を及ぼしうる。
或る面において、この欠点の例外はウレトジオン基を有する上記被覆用ポリイソシアネート(「ダイマー」)であって、多くの他のイソシアネート誘導体とは異なり、最初のイソシアネートまで熱分解することができる。したがって、分解生成物は硬化過程に際し放出されない。
しかしながら、ウレトジオン構造の熱不安定性から幾つかの欠点が生ずる。高められた温度における長期貯蔵はウレトジオン環の緩徐な分解をもたらして、残留モノマーの含有量を増大させ、その結果としてもはや生理学上許容しえない生成物をもたらす。さらに、組成物の急速硬化を必要とするウレトジオン環の熱誘発解離は比較的高温度でのみ生じて、変色および他の望ましくない分解現象をもたらしうる。
さらにEP−A 14,365号に記載されてウレトジオンと同様である、いわゆるα−ナイロン型の「自己封鎖性」化合物の使用も知られている。しかしながら、架橋を必要とするこれらポリマーの分解は、ウレトジオンにつき必要とされる温度よりも少なくとも僅か高い温度においてのみ成功する。この理由から、これらは特にコーチング部門では従来使用されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、封鎖剤を含有する従来公知のシステムと比較してイソシアネート基の全部または少なくとも明確に減少した量を封鎖剤の添加により失活させねばならないが、高められた温度でさえモノマージイソシアネートまで分解しないようなシステムを開発することにある。
この課題は、本発明による二環式および多環式のイミノオキサジアジンジオン(以下、多環式イミノオキサジアジンジオンと称する)により解決することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(I)A
【化4】
Figure 0004235274
[式中、
1 〜R8 は同一もしくは異なるものであって水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびアリール基(これらの基はイソシアナト(シクロ)アルキル基によりまたはイソシアネート基に対し反応しない基により置換することができる)を示し、又はR1 および/またはR2 は互いにまたはR 3 〜R8 からの1個もしくはそれ以上の置換基およびAにおける7員環セグメントの対応炭素原子と共に1個もしくはそれ以上の必要に応じ部分不飽和の環を形成することができ、またはR3 もしくはR4 はR5 もしくはR6 と共におよび窒素に結合しないAにおける7員環セグメントの2個の炭素原子と共に芳香族環を形成することができ、
9 は水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリールもしくは複素環式基(これはイソシアナト(シクロ)アルキル基によりまたはイソシアネート基に対し反応性でない基により置換することができる)を示す]
に対応する多環式イミノオキサジアジンジオンAに関するものである。
【0006】
さらに本発明は、これら多環式イミノオキサジアジンジオンとイソシアヌレート基、ウレトジオン基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基および/またはウレタン基を有すると共に必要に応じイソシアネート基をも含有する他のイソシアネート誘導体との混合物にも関するものであり、ここでイソシアネート基は必要に応じ封鎖型で存在しうる。
【0007】
さらに本発明は、ジイソシアネートまたは式(III)
【化5】
Figure 0004235274
に対応するイソシアネート基含有オリゴマーCと少なくとも1種の同一もしくは異なるモノ−もしくはポリ−イソシアネートとの触媒誘発反応による前記多環式イミノオキサジアジンジオンの製造方法にも関するものである。
【0008】
最後に本発明は、中間生成物としての或いは必要に応じ発泡したポリウレタンプラスチックの製造、塗料およびコーチングの製造、並びに活性成分もしくは医薬製品の製造もしくは処方などに関する成分としての本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの使用に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
式(I)によれば、R9 は式II
【化6】
Figure 0004235274
[式中、R1 〜R8 は上記の意味を有する]
に対応する基を示すことができる。
さらに前記式によれば、イソシアネート基に対し反応しない基の例はハロゲン、オキソ(−C(=O)−)、アルコキシもしくはアリールオキシ(R−O−)、アルコキシカルボニル(ROC(=O)−)、アロイル(RC(=O)−)を包含し、置換基R1 〜R9 に存在し或いは置換基として存在することができる。
【0010】
本発明は、1,4−ジイソシアネートを必要に応じ他のモノ−および/またはポリ−イソシアネートの存在下に触媒誘発反応により本発明の多環式イミノオキサジアジンジオンまで変換させうるという驚異的観察に基づいている。この知見は、1,4−ジイソシアネートが広い温度範囲にわたり異なる触媒の存在下にオリゴマー化(イソシアヌレート基の形成を伴う三量化、たとえばEP 571,038号参照またはウレトジオン基の形成を伴う二量化)する傾向を有し或いはしばしば同時にα−ナイロン型の高分子量化合物の形成を伴う(シクロ)重合化の傾向を有することが刊行物から公知であるため極めて驚異的である。これは他の刊行物、たとえばR.J.コッターおよびM.マッツナー、「オーガニック・ケミストリー、Aシリーズ・オブ・モノブラフス」、第2部、第13B2巻、第332頁以降にも記載され、さらに実施例1でも説明する。既に上記したように、前記α−ナイロン型物質は、たとえば被覆用途におけるその使用に関し重大な欠点を有する。前記刊行物は多環式イミノオキサジアジンジオンの生成につき記載していない。
【0011】
イソシアネートの触媒誘発改変によるイミノオキサジアジンジオン化合物の形成につき記載した刊行物は極く僅かしか存在しない。スロッタおよびチェッシェは、トリブチルホスフィンの存在下でのメチルイソシアネートの変換に際し他の生成物の他に単環式トリメチル誘導体(3,5−ジメチル−2−メチルイミノ−4,6−ジケト−1,3,5−オキサジアジン)を得た[ケミッシェ・ベリヒテ、第60巻(1927)、第295頁および第1011頁]。この化合物は、反応を1,2−ジクロルエタンを溶剤として行えば一層良好な収率で得られると言われる[C.R.アカド・サイエンス・シリーズC 277(1973)、第795頁]。1当量のフェニルイソシアネートと2当量のメチルイソシアネートとから理論的に作成される3−フェニル−5−メチル−2−メチルイミノ−4,6−ジケト−1,3,5−オキサジアジンは、ジフェニルメチルイミドカーボネートとトシルイソシアネートとの反応に際し他の生成物と一緒に生成される[ケミッシェ・ベリヒテ、第120巻(1987)、第339頁]。二酸化炭素の存在下におけるヘキサメチレンジイソシアネートの三量化に際し少量のトリス(6−イソシアナトヘキシル)誘導体、すなわち3,5−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−2−(6−イソシアナトヘキシル)イミノ−4,6−ジケト−1,3,5−オキサジアジンの生成がDE−A 3,902,078号に記載されている。これら化合物は、DE−A 19,611,849号における情報から特定的に作成することができる。
【0012】
イミノオキサジアジンジオン構造を有する多環式化合物は最近まで全く未知であった。1,3−ジイソシアネートから出発して得られる代表例がDE−A 19,532,060号に記載されている。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、必要に応じ共反応体としての他のモノ−もしくはポリ−イソシアネートと組合せてポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)の触媒誘発反応により作成することができ、出発成分の少なくとも一方においてイソシアネート基の2個は互いに1,4位置に配置される。
【0013】
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの製造に使用される1,4−ジイソシアネートは140〜800、好ましくは140〜400の数平均分子量を有する化合物である。これらジイソシアネートは必要に応じ他のモノ−およびポリ−イソシアネートと混合して使用することができ、可能であれば必要に応じ立体異性体の混合物として使用することもできる。1,4−ジイソシアネートの例は1,4−ジイソシアナトブタン(ブタンジイソシアネートもしくはBDI)、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジイソシアネート、2−クロル−1,4−ジイソシアナトブタン、2,3−ジブロモ−1,4−ジイソシアナトブタン、2,3−ビス(ジフルオロアミノ)−1,4−ジイソシアナトブタン、1,4−ジイソシアナト−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−1−プロポキシブタン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,4−ジイソシアナト−4−メチルペンタン、2,5−ジイソシアナトヘキサン、3,6−ジイソシアナトオクタン、1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)ペンタン、2,5−ジイソシアナト−2,5−ジメチルヘキサン、1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,8−トリイソシアナトオクタン、1,4−ジイソシアナト−1−ブテン、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、2−ブタンジオイルジイソシアネート、2−ブテンジオイルジイソシアネート、4,7−ジイソシアナト−2,6,6−トリメチル−2−ヘプテン、1−メチレン−1,4−ブタンジイソシアネート、2,5−ジイソシアナトペンタン酸のエチル、プロピル、ベンジル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルおよびオクタデシルエステル、2,5−ジイソシアナトヘキサン酸メチル、2,5−ジイソシアナトヘプタン酸メチル、2,5−ジイソシアナト−ジヘキサン酸のジメチル、ジエチルおよびジブチルエステル、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロブタン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナト−2−メチルシクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、5,6−ビス−(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,4−ジイソシアナト−ビシクロ[2.2.2]−オクタン、2−イソシアナト−6−イソシアナトメチルピラン、1,1−ジメチル−3−イソシアナト−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン、2−イソシアナト−4−イソシアナトメチル−1,1,4−トリメチルシクロヘキサン、2−イソシアナト−4−イソシアナトメチル−1,1−ジメチルシクロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3,5,6−テラメチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキサン(必要に応じ1−イソシアナト−4−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキサン、IMCIの2つの異性体との混合物)、2−イソシアナト−4−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,5−ジイソシアナト−1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−3−イソシアナト−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−3−(1−イソシアナトエチル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−3−(1−イソシアナトプロピル)シクロヘキサン、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボニルジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,2−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはTMXDI)、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン、2−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、2−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−1,3−ジオキソラン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,3−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、1,2,3,4−テトラメトキシ−1,4−ブタンジイソシアネートおよび1,4−ジイソシアナト−1,2,3,4−ブタンテトロールテトラ酢酸を包含する。
【0014】
これら1,4−ジイソシアネートは公知であり、たとえばホスゲンを使用して或いは使用せずに対応のジアミンから従来技術の確立された方法により或いは他のルート(カーチウス分解、ウレタン分解など)により作成することができる。脂環式1,4−ジイソシアネートを使用する場合、特に高比率の1,4−cis異性体または高比率の1,3−trans異性体を有する立体異性体の混合物を使用する場合、他の改変反応が可能である。これらはイソシアヌレート構造および単環式イミノオキサジアジンジオン構造の形成を伴う三量化(DE−A 19,611,849号参照)、さらにカルボジイミド/ウレトンイミン(uretonimine) 生成を伴う三量化、並びにウレトジオン構造の形成を伴う二量化を包含する。したがって、本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは上記従来技術からのイソシアネート誘導体、たとえば尿素、ビウレット、ウレタンおよび/またはアロファネートとの混合物として生ずることもでき、或いはその後にこれらと混合することもできる。本発明により多環式イミノオキサジアジンジオンは(シクロ)重合化物(α−ナイロン化合物)と一緒に生成することもでき、それらから必要に応じたとえば抽出もしくは蒸留により分離することができる。
【0015】
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、1,4−ジイソシアネートから出発して特に脂環式ジイソシアネートの場合には、純粋なtrans−1,4−ジイソシアナトシクロアルカンから或いは純粋なcis−1−イソシアナト−3−(1−イソシアナトアルキル)誘導体から出発すると共に1種もしくはそれ以上の公知の従来法により生成された生成物もしくは生成物の混合物をたとえば蒸留、薄膜蒸留、分子蒸留、結晶化もしくは抽出により精製して純粋型で得ることもできる。
【0016】
イソシアネート基およびさらにイソシアヌレート基、単環式イミノオキサジアジンジオン基および/またはウレトジオン基をも有するオリゴマーの製造につき刊行物に引用された多くの化合物が、本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンAの製造に適している。特に製造を約120℃以下の温度で行う場合は、たとえばアルキルホスフィン(たとえばトリブチルホスフィンもしくはトリオクチルホスフィン)(それぞれ必要に応じ異性体の混合物として)およびジアルキルアミノピリジン、たとえば4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)のような緩和なルイス塩基を使用することが好ましい。触媒は遊離型[均質触媒、H.J.ラース等、ジャーナル・プラクチカル・ケミストリー、第336巻(1994)、第192〜198頁参照]または支持体に固定された化学改変型[不均質触媒、EP 0,447,516A1号もしくはWO 93/18014号参照]にて使用することができる。他の添加剤、たとえば得られる生成物のカラーインデックスを向上させるものの使用することができる[たとえばEP−A 735,027号参照]。
【0017】
イソシアヌレート基および/またはウレトジオン基を有するイソシアネート誘導体の製造につき、これら触媒が適することは公知である[DE−A 1,670,720号およびDE−A 3,379,549号参照]。しかしながら、本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの製造に関するその使用は記載されていない。DE−A 1,670,720号には、或る種の反応条件下(たとえば高められた温度および低濃度の触媒の条件下)でカルボジイミドおよびウレトンイミドの他に「アルキルイミノジアルキル−オキサジアジンジオン」をも生成する可能性が示されている。しかしながら、これらの主張は部分的にのみ正確であり[DE−A 19,611,849号における理由参照]、比較例がそこに示されている。刊行物にはどこにも、本発明による二環式もしくは多環式イミノオキサジアジンジオンにつき記載もなければ、1,3−ジイソシアネートの使用[DE−A 19,532,060号参照]により得られる特殊な利点およびその生成における1,4−ジイソシアネート(本発明)についても記載がない。
【0018】
DE−A 3,739,549号は6〜15個の炭素原子を有する(シクロ)脂肪族ジイソシアネートの使用を開示しており、これは4−ジアルキルアミノ−ピリジン(たとえばDMAP)の存在下で99%の選択率にて純粋ウレトジオン構造を有するポリイソシアネートまで変換することができる。本発明に記載する多環式イミノオキサジアジンジオンの最も簡単な代表例、すなわち2分子の1,4−ブダンジイソシアネート(BDI)から生成されて式IV
【化7】
Figure 0004235274
に対応する10−(4−イソシアナトブチル)−8−オキサ−1,6,10−トリアザビシクロ[5.4.01.7 ]ウンデセ−6−エン−9,11−ジオンDはDE−A 3,739,549号の記載には入らない。
したがって、刊行物における情報からは上記触媒もしくは他の触媒が本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの生成につき単独で或いは他のイソシアネート誘導体と混合して適することを予想しえないであろう。
【0019】
反応は、(a)出発物質として単味のジ−もしくはポリ−イソシアネートを用いて必要に応じイソシアネート基に対し不活性である溶剤の存在下に必要に応じ周囲圧力以外の圧力で0℃〜出発(ジ)イソシアネート分解温度の温度にて行うことができる。本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは好ましくは−30〜550℃、好ましくは0〜500℃の温度にて製造される。
出発化合物の所望の変換度にて、反応は公知方法[ジャーナル・プラクチカル・ケミストリー、第336巻(1994)、第192〜198頁]で、たとえば触媒毒の添加によりおよび/または触媒の熱失活により停止させることができる。しかしながら、反応はモノマー1,4−ジイソシアナトアルカンの実質的に完全な変換まで行うこともできる。かくして得られた生成物は、さらに下記する用途にて直接使用することができる。或いは生成物を次いで残留未反応モノマーから公知方法(たとえば蒸留、薄膜蒸留もしくは抽出)により分離することもできる。
この方法の1特定(必要に応じ連続式)具体例にて、反応はチューブ状反応器内で必要に応じ反応成分に対し不活性である希釈剤を用いて行うことができる。反応媒体の温度は好ましくは50〜550℃である。
【0020】
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、気相にて適する接触により作成することもできる。この方法の具体例につき最適の反応温度は出発イソシアネート(混合物)の沸点に依存し、100〜500℃の範囲である。圧力は好ましくは1ミリバール〜5バールである。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、必要に応じ他の公知のイソシアネート誘導体との混合物として、たとえば薄膜蒸留、抽出、結晶化もしくは分子蒸留のような慣用の従来法により単離することができ、無色もしくは僅かに着色した液体もしくは固体として得られる。これは、使用するイソシアネート(もしくはその混合物)に依存して約30〜190℃の融点範囲を有する。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、活性物質の作成もしくは処方、並びにプラスチックおよびコーチング部門での使用の両者につき中間生成物として適する極めて貴重な原料である。
【0021】
適宜分枝した開鎖脂肪族1,4−ジイソシアネートから得られる代表的物質(二環式イミノオキサジアジンジオン、たとえばD、実施例2〜4参照)は低粘度の液体であって、既に上記した利点の他に高固形分ポリウレタンコーチングに使用するための、いわゆる反応性希釈剤としても極めて適している。イソシアネート基の1部が自己封鎖型にてイミノオキサジアジンジオン環に存在し、したがって分子量増大に必要な共反応体との反応を適する反応条件下でのみ、たとえば温度の上昇および/または触媒の使用によってのみ行いうることも利点である(実施例6〜8参照)。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンは、それ自身で或いは他の公知のポリイソシアネート誘導体、すなわちウレトジオン基、ビウレット基、アロファネート基、イソシアヌレート基、ウレタン基もしくはカルボジイミド基を有すると共にその遊離NCO基が必要に応じ公知の封鎖剤で封鎖されているものと組合せて使用することができる。この点で本発明によるイミノオキサジアジンジオンがこれらポリイソシアネート誘導体の作成に際し生成されるかどうか或いはこれらをその後にこれらと混合するかどうかは無関係である。
【0022】
好ましくは多環式イミノオキサジアジンジオンとウレトジオン基、イソシアヌレート基および/または単環式イミノオキサジアジンジオン(非対称性トライマー)基との混合物が使用される。これらポリイソシアネート混合物は必要に応じ遊離NCO基または封鎖イソシアネート基を含有することができる。混合物における多環式イミノオキサジアジンジオンの含有量は好ましくは10モル%以上である(実施例2〜4をも参照)。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの利点は、これらが長時間の熱応力の際にも出発モノマー(ジ)イソシアネートまで分解する傾向を全く示さない点である(実施例5をも参照)。さらに、これらはイソシアネート反応性基(すなわちツェレウィチノフ活性水素)を含有する化合物に対し充分高い必要に応じ緩徐な反応性をも有する。これら観察は、異性体イソシアヌレートの研究からこの複素環システムが化学的に極めて不活性であると知られているので驚異的である。さらに、刊行物にはイミノオキサジアジンジオン環が溶剤分解反応を受けうるという唯一の示唆も存在する[ケミッシェ・ベリヒテ、第60巻(1927)、第295頁]。
【0023】
式Iの置換基R1 〜R9 の内部に他の反応性中心(たとえばイソシアネート基)が存在すれば、本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンはそれ自身で二重架橋メカニズムを持った用途に適する。たとえば、遊離反応性基(たとえばイソシアネート基)は初期反応工程にて成分Z(OH)n もしくはZ[N(R′)H]n と反応し(反応式1参照)、次いでイミノオキサジアジンジオン構造の分解を伴う架橋が必要に応じ触媒される独立の第2工程で行われる。ツェレウィチノフ活性水素を含有する2種までの共反応体がイミノオキサジアジンジオン単位の1当量当たりに結合することができる(反応式1)。
【0024】
反応式1:本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンとの連鎖延長および架橋反応(ここに最も簡単な代表例Dの反応例によって示す)
【化8】
Figure 0004235274
【0025】
上記式中、Zは水素、n−価のアルキル、シクロアルキル、アラルキルもしくはアリール基、またはn−価のポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリエーテル(1個もしくはそれ以上のアミノもしくはヒドロキシル基を有する)からOHおよび/またはN(R′)H基を除去して得られる残基を示し、
XはOもしくはNR′を示し、
R′は水素、一価のアルキル、シクロアルキル、アラルキルもしくはアリール基、または一価のポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリエーテル(1個のアミノもしくはヒドロキシル基を有する)からOH基および/またはN(R′)H基を除去して得られる残基を示し、
nは1〜6である
Zが水素を示せば、基Z(XH)n はH2 O、NH3 もしくはN24 に対応する。
【0026】
原理的に任意所要の官能価は、本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンの分子内に他の反応性中心の同時的存在により或いは一官能性より高い成分Z(XH)n (n>1)の存在下における上記「予備延長工程」にて適する改変により得ることができる。第1反応工程にて得られた生成物は、最終生成物を得るための架橋(硬化)をイミノオキサジアジンジオン構造の熱および/または触媒誘発分解により行う1−成分組成物として使用することもできる。この種の生成物は、たとえば1−成分ポリウレタン粉末被覆組成物として適している。
最終生成物を生成させる硬化は単一工程(2−成分技術)でも行いうる。1−成分もしくは2−成分のいずれのルートにより製造されたかには無関係に、得られる生成物は公知のポリウレタン系の高品質を示す。
【0027】
本発明による生成物および適宜の共反応体の他に、組成物は溶剤または溶剤の混合物、たとえばトルエン、キシレン、シクロヘキサン、クロルゼンベン、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチレングリコールアセテート、酢酸メトキシプロピル、アセトン、石油スピリット、高置換芳香族物質(たとえば溶剤ナフサ、ソルベッソ、シェルソール、イソパール、ナッパールおよびジアソール溶剤)をも含有することができる。さらに、たとえば湿潤剤、流れ調節剤、革張り防止剤、消泡剤、平滑剤、粘度調整用物質、NCO−OH/NH反応および/またはイミノオキサジアジンジオン環の開環のための触媒、顔料、染料、UV吸収剤、並びに熱および酸化安定剤のような添加剤も適している。
本発明による多環式イミノオキサジアジンジオンを含有する被覆組成物はたとえは木材、プラスチック、皮革、金属、紙、コンクリート、石材、セラミックおよび繊維のような各種の支持体の被覆につき使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明し、ここで部数および%は特記しない限り全て重量による。
【0029】
例1:比較例(EP−A 571,038号、例1〜3およびEP−A 57,653号または米国特許第4,412,073号をも参照)
それぞれの場合、200g(1.43モル)の1,4−ジイソシアナトブタン(BDI)を60℃(a〜c)および120℃(d)にて撹拌しながら機械撹拌機と内部温度計と還流凝縮器と触媒の計量装置とが装着された250mLの4つ首フラスコに入れた。次いで下記する総量にて次の成分を外部加熱もしくは冷却しながら2〜3時間かけて増量添加し、60〜70℃(a〜c)および120℃(d)の反応温度を維持した:
(a)2−エチル−1,3−ヘキサンジオールに溶解された25mgの水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(トリトンB、アルドリット社)、
(b)n−ヘキサンに溶解された55mgのN,N′,N″−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン(ポリカット41、エア・プロダクツ社)、
(c)ブタノールに溶解された8gの1,4−ジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン(DABCO、エア・プロダクツ社)、
(d)未希釈の3gのビス(トリメチルシリル)アミン(HMDS、アルドリッチ社)。
反応溶液が約53%の滴定(DIN 53 185)測定されたNCO含有量に達した後、反応をそれぞれの場合に化学量論量(使用触媒の量に対応)の(a)〜(c)ではジ−n−ブチルホスフェートおよび(d)においてはH2 Oの添加により停止させた。次いで反応混合物をゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により分析した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004235274
1) ポリマー比率の分子量分布は各実験にて僅かに変化し、大抵の場合は平均値が10,000g/モルより大であった。これらポリマーの構造に対する検討は行わなかった[Y.イワクラ、K.ウエノおよびK.イチカワ、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、第A部、第2巻(1964)、第3387〜3404頁をも参照]。イソシアヌレートポリイソシアネートの他に、主としてウレトジオン基を有する化合物および触媒もしくは触媒溶液(「その他」として要約)の反応生成物も存在した。
2) 面積%=モノマーなしのGPCによる面積%(基準化せず);Dを除き、全ての物質は多かれ少かれ互いに部分的に重なる明瞭なオリゴマーのシリーズとして得られたので、一層正確なデータは可能でなかった。
n.d. 検出せず
【0031】
薄膜蒸留による過剰モノマーの分離は(d)の場合にのみ可能であった(a)〜(c)の場合には多量のポリマー、表1参照)ので、最初に挙げた3種の実験における実質的にポリマーフリーの樹脂をEP−A 0,571,038号に記載した手順を用いて抽出により得、抽出剤および同時抽出モノマーを薄膜蒸留により分離した後に再分析した。NCO含有量は、23℃で測定して(a)〜(c)の場合には約5,000mPa.sおよび(d)の場合には約15,000mPa.sの動粘度にて27.3%および29.2%であった。イソシアヌレート構造が優勢であることは、IRスペクトロスコピーおよびNMRスペクトロスコピーにより明かに証明させた。いずれの場合も、Dが約5モル%のモル比率で見られた。
【0032】
例2(本発明による)
例1の手順を反復したが、ただし500gのBDIを1.0〜1.2gのトリブチルホスフィン(ヘキスト社)の増量添加でオリゴマー化させた:
(a)90℃
(b)60℃
(c)60℃
(d)30℃
混合物が次の滴定されたNCO含有量に達した際に停止させた:
(a)47.9%
(b)47.9%
(c)21.0%、および
(d)43.5%。
停止は次の成分の添加によって行った:
(a)0.75gのp−トルエンスルホン酸メチル(TSE)および/次いで80℃にて1時間にわたる加熱、
(b)〜(d)それぞれの場合、0.06gの元素硫黄。
【0033】
最初の2種のバッチを100℃/0.2ミリバールにて薄膜蒸留した後、それぞれの場合173gの実質的に無色の樹脂が得られ、これは(a):21.6%および(b):18.9%のNCO含有量と(a):600mPa.sおよび(b):1960mPa.s(23℃)の粘度とを有した。(a)および(b)におけるモノマーBDIの含有量は0.2%(GPC分析)であり、(c)では約10%(GPC分析)であり、さらに(d)では約42%(GPC分析)であった。オリゴマー生成物(すなわち(c)および(d)における比率で存在するモノマーを除く)における二環式イミノオキサジアジンジオンの含有量(GPCにより測定)は次の通りである:
(a)約36面積%、
(b)約49面積%、
(c)約39面積%、
(d)約48面積%。
【0034】
Dの本体は元素分析(物質の特性化、例4をも参照)のデータとGPC、GC−MS、 1Hスペクトロスコピー、13C−NMRスペクトロスコピーおよびIRスペクトロスコピーから確認した。樹脂のNCO誘導体に対するイミノオキサジアジンジオン基のモル比率(NMR−スペクトロスコピーにより測定)は次の通りである:
(a)約43モル%、
(b)約59モル%、
(c)約69モル%、および
(d)約75モル%。
【0035】
例3:(本発明による)
173gの例(2a)からの樹脂を180℃の温度および0.2ミリバールの圧力にて加熱用媒体により薄膜蒸留にかけた。134gの無色液体を留去し、これを再び120℃/0.2ミリバールでの薄膜蒸留にかけて、ウレトジオン基の熱分解から高蒸留温度で生成されたモノマーBDIを分離除去した。22.3%のNCO含有量と640mPa.s(23℃)の動粘度とを有する69gのモノマーフリーの生成物が得られた。この生成物は、約60%の式(V)
【化9】
Figure 0004235274
に対応するウレトジオンEの他に、式(IV)に対応する実質的に純粋なDをも含有した。
【0036】
例4:(本発明による)
例1の手順を反復したが、ただし900gのトルエンに溶解された100gのBDIを反応フラスコに入れると共に6gのトリブチルホスフィンをこの混合物に増量添加した。反応を、滴定して混合物のNCO含有量が4.21%になるまで60℃にて行った。反応を1gの元素硫黄の添加により停止させ、次いで大部分のトルエンを回転蒸発器で50℃/5ミリバールにて抜き取った。33.8%のNCO含有量を有する114.8gの液体が得られた。生成物のNMRスペクトロスコピー分析は、NCO誘導体の約85モル%が本発明による二環式イミノオキサジアジンジオン構造を有することを証明した。未反応モノマーを蒸留により除去した後、滴定NCO当量に対応する化学量論量におけるトルエン中のメチルアミン溶液を室温にて滴下した。IRにより測定してNCO基が完全に反応した後、混合物を徐々に小容量まで濃縮した。結晶化の開始に際し濃縮過程を中断し、結晶を冷蔵庫内で1晩貯蔵し、次いで沈降した沈殿物を吸引濾過し、低温エーテルで数回洗浄し、次いで乾燥させた。Dからのモノメチル尿素の元素分析は次の結果を与えた:実測値(C132154 に対する計算値):C:50.21%(50.15%)、H:6.92%(6.80%)、N:22.48%(22.49%)。
【0037】
例5:(本発明による、多環式イミノオキサジアジンジオンの熱安定性を示す)例3に記載した手順により得られた10gのポリイソシアネートの混合物(イミノオキサジアジンジオンとウレトジオンとのモル比=0.7)をゆっくり2ミリバールから0.1ミリバールまで低下させた圧力にて150℃から180℃まで50分間かけて標準蒸留装置内で微細過ぎない横毛細管により通過させた微細真珠状の窒素流の下で加熱した。通過した蒸留液の95%以上(5.0g)がガスクロマトグラフ分析からBDIであると判明した(nD 20=1.4518)。次いで蒸留残渣を200℃〜250℃/0.5ミリバールにてクーゲルロール蒸留にかけた。3.33gの無色液体が得られた。NMRスペクトロスコピー分析は、イミノオキサジアジンジオンとウレトジオンとのモル比が2.6まで上昇したことを示した。
この実験は、異性体ウレトジオンダイマーEとは異なり二環式イミノオキサジアジンジオン構造を有するBDIダイマーDが初期イソシアネート(BDI)まで熱分解する検出可能な傾向を示さなかったことを証明する。したがって、本発明によるイミノオキサジアジンジオンは熱分解に対し極めて耐性である。
【0038】
例6:(本発明による、反応式1にしたがうモデル架橋反応)
それぞれの場合、15gの例(2b)からのポリイソシアネートの混合物に次の成分を撹拌しながら添加した:
(a)5gのn−ブタノール、
(b)5gのn−ブタノールおよび50mgのジラウリン酸ジブチル錫、
(c)10gのn−ブタノール、および
(d)10gのn−ブタノールおよび50mgのジラウリン酸ジブチル錫。
熱発生が停止した後、(a)および(b)を2時間にわたり50℃に維持すると共に、(c)および(d)を緩和な還流条件下で130℃の浴温に維持した。次いで、これら混合物を分析した。(a)にて未反応NCOおよび遊離ブタノールの両者が検出された。(b)のIRスペクトルにおいては、NCOバンドが全く存在しなかった。アルコールはウレタンとして完全に反応した。(a)および(b)の両者にて、イミノオキサジアジンジオン基とウレトジオン基とのモル比は初期値から実質的に変化しなかった。
(c)および(d)においてNCOバンドはIRスペクトルに出現しなかった。イミノオキサジアジンジオン環は(c)の場合にのみNMRスペクトロスコピーにより検出された。(c)および(d)にてウレトジオン基が明かに検出された。さらに、反応式1にしたがう開環反応から生成された化合物も検出された。
【0039】
例7:(本発明による、2−成分処理方の例)
例(2a)に記載した手順により得られた10gのポリイソシアネートの混合物を、無水フタル酸とトリメチロールプロパンとから作成されて260のOH価を有する11.1gのOH官能性ポリエステル(当量=215)と15gの酢酸n−ブチル中で混合した(NCO:OH当量比=1.1)。この被覆組成物を厚さ180μmの層にてガラス板に施し、次いで80℃にて30分間にわたり強制乾燥にかけた。100回のMEK二重摩擦の後、コーチングは支持体から剥離した。
50%過剰のOH−官能性ポリエステル成分を使用した場合(これは従来のイソシアネート硬化剤を使用した場合に得られるコーチングの被覆特性における明確な劣化をもたらす)および架橋反応を130℃にて60分間にわたり行った場合、透明なコーチングが得られ、これは150回のMEK二重摩擦の後にさえ支持体からの剥離の徴候を示さなかった。向上した溶剤耐性は、イミノオキサジアジンジオン環の開環(反応式1参照)に基づき一層高温度にて開始する追加架橋の結果である。
【0040】
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、この詳細は単に例示の目的に過ぎず、本発明の思想および範囲を逸脱することなく各種の改変をなしうることが当業者には了解されよう。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕 式(I)A
【化1】
Figure 0004235274
[式中、
1 〜R 8 は同一もしくは異なるものであって水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびアリール基(これらの基はイソシアナト(シクロ)アルキル基により、またはイソシアネート基に対し反応しない基により置換することができる)を示し、またはR 1 および/またはR 2 は互いにまたはR 3 〜R 8 からの1個もしくはそれ以上の置換基およびAにおける7員環セグメントの対応炭素原子と共に1個もしくはそれ以上の必要に応じ部分不飽和の環を形成することができ、またはR 3 もしくはR 4 はR 5 もしくはR 6 と共におよび窒素に結合しないAにおける7員環セグメントの2個の炭素原子と共に芳香族環を形成することができ、
9 は水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリールもしくは複素環式基(これはイソシアナト(シクロ)アルキル基によりまたはイソシアネート基に対し反応性でない基により置換することができる)を示す]に対応する多環式イミノオキサジアジンジオン。
〔2〕 R 9 が式II
【化2】
Figure 0004235274
[式中、R 1 〜R 8 は上記の意味を有する]
に対応する基を示す〔1〕に記載の多環式イミノオキサジアジンジオン。
〔3〕 2個のイソシアネート基が互いに1,4位置に配置された必要に応じ分枝した開鎖脂肪族ジイソシアネートから作成された〔1〕に記載の多環式イミノオキサジアジンジオン。
〔4〕 式
【化3】
Figure 0004235274
に対応する10−(4−イソシアナトブチル)−8−オキサ−1,6,10−トリアザビ シクロ−[5.4.0 1.7 ]ウンデセ−6−エン−9,11−ジオンD。
〔5〕 少なくとも10モル%の〔1〕に記載の多環式イミノオキサジアジンジオンを含有し、残部がイソシアヌレート基、ウレトジオン基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基および/またはウレタン基を有すると共に必要に応じイソシアネート基NCOを有するイソシアネート誘導体からなり、イソシアネート基が必要に応じ封鎖型にて存在しうることを特徴とする組成物。
〔6〕 〔1〕に記載の多環式イミノオキサジアジンジオンを含有する必要に応じ発泡したポリウレタンプラスチックを製造するための、またはコーチングを製造するための組成物。

Claims (6)

  1. 式(I)A
    Figure 0004235274
    [式中、
    1 〜R8 は同一もしくは異なるものであって水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびアリール基(これらの基はイソシアナト(シクロ)アルキル基により、またはイソシアネート基に対し反応しない基により置換することができる)を示し、またはR1 および/またはR2 は互いにまたはR3 〜R8 からの1個もしくはそれ以上の置換基およびAにおける7員環セグメントの対応炭素原子と共に1個もしくはそれ以上の部分不飽和であってよい環を形成することができ、またはR3 もしくはR4 はR5 もしくはR6 と共におよび窒素に結合しないAにおける7員環セグメントの2個の炭素原子と共に芳香族環を形成することができ、
    9 は水素またはアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリールもしくは複素環式基(これはイソシアナト(シクロ)アルキル基によりまたはイソシアネート基に対し反応性でない基により置換することができる)を示す]
    で表される多環式イミノオキサジアジンジオン。
  2. 9が式II
    Figure 0004235274
    [式中、R1 〜R8 は上記の意味を有する]
    で表される基を示す請求項1に記載の多環式イミノオキサジアジンジオン。
  3. 2個のイソシアネート基が互いに1,4位置に配置された分枝していてよい開鎖脂肪族ジイソシアネートから作成された請求項1に記載の多環式イミノオキサジアジンジオン。
  4. (IV)D
    Figure 0004235274
    で表される10−(4−イソシアナトブチル)−8−オキサ−1,6,10−トリアザビシクロ−[5.4.01.7 ]ウンデセ−6−エン−9,11−ジオン。
  5. 少なくとも10モル%の請求項1に記載の多環式イミノオキサジアジンジオンを含有し、残部がイソシアヌレート基、ウレトジオン基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基および/またはウレタン基を有するイソシアネート誘導体からなる組成物。
  6. 請求項1に記載の多環式イミノオキサジアジンジオンを含有する発泡していてよいポリウレタンプラスチックを製造するための、またはコーチングを製造するための組成物。
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