JPH0431889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はフオークリフト等に使用されている駐
車用ブレーキとしてのトグル式ハンドブレーキに
関するものである。

従来の技術 従来のトグル式ハンドブレーキとしては、スラ
イダ・クランク機構を応用したものがあり、その
代表的なものは第３図に示す通りである。

トグル式ハンドブレーキは、図示のように、車
体の前部フレーム１に固定されている支持ブラケ
ツト２に形成された真直な案内溝３に沿つて摺動
すると共にブレーキワイヤ４の端部のワイヤヘツ
ド５が掛けられているフツク６と、前記支持ブラ
ケツト２における案内溝３の延長線上の一点にピ
ン７を介して揺動可能に取付けられたハンドル８
と、このハンドル８の中間部と前記フツク６とを
連結する連接棒９とから、その主体部が構成され
ており、死点から大きく離れたブレーキ解除位置
（二点鎖線で示す前傾位置）から、その反対側に
ある死点を僅かに越えたブレーキ作動位置（実線
で示す起立位置）へ傾動操作することにより、フ
ツク６がハンドル８の方へ引き寄せられてブレー
キワイヤ４が引張られ、パーキングブレーキが掛
かるようになついてる。

ハンドル８は中空の筒形に形成され、その筒孔
内に摺動可能に嵌入したスライダー１０に前記連
接棒９をピン１１を介して連結する一方、ハンド
ル８上端のハンドルボス１２を通してノブ１３付
きの調整ロツド１４を挿通し、該調整ロツド１４
の下端に形成したネジ部を前記スライダー１０に
形成したねじ孔に螺合させることによつて、ブレ
ーキ操作力の調整手段を構成し、そしてノブ１３
を掴んで調整ロツド１４を回し、スライダー１０
をハンドル８の側面に形成したガイド溝１５に沿
つて摺動させることにより、該スライダー１０の
位置を調整し、前記ブレーキ操作系に発生した遊
びを吸収するようになつている。

考案が解決しようとする問題点 上記従来のハンドブレーキではブレーキの操作
力を調整するためにノブを回してスライダの位置
をハンドルの先端側へ移動させるとそれとともに
連接棒の位置も移動するため、該連接棒のブレー
キワイヤ側の端部がストツパと当接しハンドルの
回動量が大きくなりすぎ運転者の他の操作の妨げ
になるという不具合があつた。

問題点を解決するための手段 支持ブラケツトに回動可能に装着された中空状
のハンドル内に摺動可能に嵌入され、連接棒を介
してブレーキワイヤと連結されたスライダにハン
ドルボスを通してハンドル内に挿通されたノブ付
調整ロツドの下端を螺合し、該調整ロツドによつ
て前記ブレーキワイヤの張力を調整でき、かつ前
記ハンドルに当接することによつてその回動を停
止させるストツパを有する車両用トグル式ハンド
ブレーキにおいて前記連接棒の前記ストツパとの
当接面がブレーキワイヤ側に向けて拡大する形状
のテーパ状に形成されている車両用トグル式ハン
ドブレーキを問題点を解決するための手段とす
る。

作 用 ブレーキの効きを調整するために操作力調整の
ノブを回すことによつてスライダ及び連接棒の位
置を上下に動かす。これによつてハンドルの回動
量を規制するストツパと連接棒との当接位置が変
化するが、ストツパは連接棒が上方へ移動したと
きに連接棒の幅の広い部分に当接し、下方へ移動
した場合には連接棒の幅の狭い部分に当接するた
めハンドルの回動量に大きな変化を生じさせずに
ブレーキ動作を行う。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図のように車体のフレーム２１に固定され
ている支持ブラケツト２２に案内溝２３が形成さ
れ、該案内溝２３の延長線上の一点に設けられた
ピン２７を中心に回動可能な筒形のハンドル２８
が取付けられている。さらに支持ブラケツト２２
内にはワイヤフツク２６が前記案内溝２３に沿つ
て摺動自在に取付けられ、該ワイヤフツク２６に
はブレーキワイヤ２４のワイヤヘツド２５が係止
されている。該ブレーキワイヤ２４は図中下方に
向かつて常に引張りの力を受けている。

一方、前記ハンドル２８には案内溝３５が設け
られ、該案内溝３５に沿つて摺動する連接棒２９
が取付けられている。該連接棒２９の一端は前記
ワイヤフツク２６にピン３８で回動可能に連結さ
れており、この回動は支持ブラケツト２２に取付
けられている円筒状のストツパ３２によつて停止
させられる。さらに前記連接棒２９は回動端で該
ストツパ３２と当接する面をワイヤフツク２６側
に近づくにしたがつて該連接棒２９の回動方向面
の幅Ａが広くなるテーパ状に形成されている。ハ
ンドル２８先端側に位置する連接棒２９の端部は
案内溝３５を摺動するピン３１によつてスライダ
３０の一端に回動可能に連結されている。該スラ
イダ３０の他端部にはねじ孔３６が形成されてい
る。該ねじ孔３６には一端にねじ部３７を有する
調整ロツド３４が螺合されており、該ロツド３４
の先端にはハンドルボス３９に当接したノブ３３
がハンドル２８の先端部に係留されており、ロツ
ド３４の軸方向でピン２７方向の動きが拘束され
るように設けられている。

本実施例は以上のように構成され、以下その作
用について詳述する。

ブレーキ解除時には第１図中、二点鎖線に示さ
れるようにハンドル２８はピン２７を中心に前方
へ傾動させられている。このときピン３１とピン
３８との間隔が短かくなろうとするため前期ワイ
ヤフツク２６はワイヤ２４とともに図中下方へ押
しやられブレーキが解除される。一方、ブレーキ
作動時には図中実線に示されるようにハンドル２
８は回動させられ、前記スライダ３０が前記連接
棒２９とともにワイヤフツク２６を引き上げ、ピ
ン３１とピン３８との間隔が長くなろうとするた
め前記ワイヤフツク２６とともにブレーキワイヤ
２４がハンドル２８側へ引張られることにより車
両のブレーキが作動させられる。

一方、前記ブレーキワイヤ２４が伸びたり構成
要素同士の連結部が摩耗することによつて、ブレ
ーキ操作系に不必要な遊びが生じ、ハンドル２８
をブレーキ解除位置からブレーキ作動位置へ引い
てもブレーキワイヤ２４が十分に引張られずブレ
ーキ操作力が不足する場合やブレーキの効きを調
整したい場合には前記ノブ３３を回転させること
により調整ロツド３４と前記スライダ３０のねじ
孔３６との螺合度合を変化させ、連接棒２９及び
ワイヤフツク２６がそれぞれ案内溝２３に沿つて
位置を変えることによつて所望の操作を行う。こ
のとき第２図のように連接棒２９が上方へ位置し
た場合には前記ストツパ３２と連接棒２９の幅Ａ
の広い部分とが当接し、逆に連接棒２９が下方へ
位置した場合には前記ストツパ３２と連接棒２９
の幅の狭い部分とが当接する。

効 果 本考案はスライダ・クランク式のトグルブレー
キにおいてハンドルの回動を規制するためのスト
ツパと当接する連接棒をテーパ状に形成している
ためブレーキの遊び等を調節するために連接棒の
位置を変え、それによつてストツパと当接する部
分が変わつてもハンドルの回動量はほぼ一定にで
き、従来のように連接棒を引き上げる以前と大き
く引き上げた後のハンドルの回動量が大きく変化
して、運転者の操作の妨げになることがないとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すトグル式ハンド
ブレーキの側面図、第２図はその作用を示す側面
図、第３図は従来のトグル式ハンドブレーキの側
面図である。 ２２……支持ブラケツト、２４……ブレーキワ
イヤ、２８……ハンドル、２９……連接棒、３０
……スライダ、３２……ストツパ、３３……ノ
ブ、３４……調整ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持ブラケツトに回動可能に装着された中空状
   のハンドル内に摺動可能に嵌入され、連接棒を介
   してブレーキワイヤと連結されたスライダにハン
   ドルボスを通してハンドル内に挿通されたノブ付
   調整ロツドの下端を螺合し、該調整ロツドによつ
   て前記ブレーキワイヤの張力を調整でき、また前
   記ハンドルに当接することによつてその回動を停
   止させるストツパを有するハンドブレーキにおい
   て前記連接棒の前記ストツパとの当接面がブレー
   キワイヤ側に向けて拡大するテーパ状に形成され
   ている車両用トグル式ハンドブレーキ。