JPH0431874Y2

JPH0431874Y2 -

Info

Publication number: JPH0431874Y2
Application number: JP1986009358U
Authority: JP
Priority date: 1986-01-24
Filing date: 1986-01-24
Publication date: 1992-07-30
Also published as: JPS62121150U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は、安全ベルト用パツドに関するもの
で、特に、安全ベルトに対して後で取付けられる
パツドに関するものである。

［従来の技術］自動車、飛行機などの各種乗物には、それらの
座席に関連して、安全ベルトが備え付けられてい
る。また、このような安全ベルトが設けられる他
の態様として、たとえば自動車の座席上に置か
れ、幼児や子供を座らせるための自動車用子供安
全シートに備え付けの安全ベルトがある。このよ
うな自動車用子供安全シートは、通常、前述した
ような自動車に備え付けの安全ベルトを利用して
自動車本来の座席上にしつかりと固定される。

安全ベルトは、これを着席者の胴の部分に適当
に掛けることにより、着席者を座席または子供用
安全シートにしつかりと保持させるためのもので
あり、たとえば急ブレーキをかけたときや急カー
ブを走行するときでも、あるいは、衝突事故を起
こしたときでも、着席者は一定の位置に留まるこ
とになり、安全上好ましい。

［考案が解決しようとする問題点］安全ベルトは、その機能から、高い引張り強度
をもたないと意味がない。そのため、安全ベルト
は、しばしば、腰のある固い材質で構成されるこ
とがある。このようなことから、安全ベルトが常
に接触する着席者の衣服やネクタイの一部が擦り
切れたり、あるいは、活動的な子供にとつては、
安全ベルトとの接触が軽い擦過傷を引き起こすこ
ともあり、改善が望まれるところである。特に、
自動車用子供安全シートに備えられる安全ベルト
であつて、子供の肩に掛けられるものは、衣服に
よつて保護されない首筋に安全ベルトが直接接触
し、子供にとつては痛々しい事態を招くことがあ
る。

そこで、この考案は、上述のような安全ベルト
が与える好ましくない感触を容易に解消しようと
するものである。

［問題点を解決するための手段］この考案では、座席の背もたれ部の同じ高さ位
置から出てくる２本の安全ベルトにそれぞれ取付
けられ、着席者の両肩に当たるように位置され
る、安全ベルト用パツドが提供され、上述した技
術的課題を解決するため、前記２本の安全ベルト
にそれぞれ取付けられる２つのパツドが、背もた
れ部の表面上に位置して着席者の後頭部に当たる
枕状マツトによつて互いに連結され、この枕状マ
ツトには動物の正面形状を表す形態が付され、当
該動物の２本の前肢を模した前肢部分が背もたれ
部から突出可能であるとともに安全ベルトを貫通
させ得る筒状に形成され、前記２つのパツドが前
記前肢部分によつて実現されている。

［考案の作用効果］この考案による安全ベルト用パツドは、安全ベ
ルトを貫通させ得る筒状を有しているので、安全
ベルトに後で容易に取付けることができる。

また、この考案による安全ベルト用パツドにお
いては、座席の背もたれ部の同じ高さ位置から出
てくる２本の安全ベルトにそれぞれ取付けられ、
２つのパツドが、動物の正面形状を表わす形態が
付された枕状マツトによつて互いに連結され、当
該動物の２本の前肢を模した前肢部分によつて前
記２つのパツドが実現されるので、この安全ベル
ト用パツドを意匠的に興味ある態様とすることが
できる。したがつて、この安全ベルト用パツド
は、自動車用子供安全シートに対して、あるいは
子供が座る座席に対して有利に適用されることが
できる。また、枕状マツトは、適当なクツシヨン
性を与えることもできる。また、２つのパツド
は、着席者の後頭部に当たる枕状マツトによつて
互いに連結されるので、これらパツトに対する特
別な固定手段は必要としない。

このようにパツドが安全ブルトに取付けられる
と、着席者に与ええる安全ベルトの感触が軟らか
いものとなり、衣服等の擦り切れや擦過傷の発生
を有利に防止することができる。

また、この考案によるパツドは、既に自動車や
自動車用子供安全シート等に備え付けられた状態
にある安全ベルトに対して、前述したように容易
に後で取付けることができる。このことは、安全
ベルトの製造上の問題あるいは使用上の問題と関
連する。すなわち、安全ベルトの製造段階におい
て、仮に、このようなパツドを所定の位置に取付
けようとすると、そのような安全ベルトを自動車
等の座席や子供安全シートに組に込もうとすると
き、常にパツドの位置を配慮しながら作業を行な
わなければならないという繁雑さがある。また、
安全ベルトの一方端がリトラクタに巻取られてい
る場合、パツドの存在が、安全ベルトのリトラク
タへの巻取りを阻害することがさる。また、パツ
ドに相当する軟らかくクツシヨン性のある構造を
安全ベルトの前長にわたつて適用することも考え
られるが、このような場合、安全ベルトのリトラ
クタへの円滑な巻取りが阻害されることがあり、
また、リトラクタ内のリール部分が大型化され、
好ましくない。これに対して、この考案によれ
ば、リトラクタへの安全ベルトの巻取り阻害する
ことなく、かつリトラクタが大型化されることな
く、パツドの存在による効果を期待することがで
きる。

また、この考案による安全ベルト用パツドは、
既設の安全ベルトに対して、前述したように後で
容易に取付けられるので、そのようなパツドのみ
を用意すればその機能を営ませることができ、安
価に問題点の解決を図ることができる。

［実施例］第１図は、この考案の適用対象の一例としての
自動車用子供安全シートを示す斜視図である。こ
こに示した自動車用子供安全シートは、背もたれ
部１を備え、この背もたれ部１の同じ高さ位置か
ら２本の安全ベルト２及び３が出てきている。各
安全ベルト２，３の端部は、リトラクタ（図示せ
ず）から引出されたベルトに連結される。したが
つて、定常時においては、各安全ベルト２，３
は、リトラクタに巻取られる方向に引張られなが
ら、比較的軽く引出されるが、緊急時、すなわち
安全ベルト２，３が所定以上の加速度をもつて引
出されたときには、リトラクタの作用でそれ以上
の引出しに対してロツクがかかるように構成され
ている。

各安全ベルト２，３の背もたれ部１からの導出
部分は隠れて図示されないが、そのような導出部
分に設けられるベルトガイド４および５が、わず
かに図示されている。この考案に係るパツド６お
よび７は、２本の安全ベルト２，３にそれぞれ取
付けられ、着席物の両肩に当たるように位置され
る。

この実施例では、２つのパツド６，７は、意匠
的に興味ある態様で実現される。すなわち、２つ
のパツド６、７は、背もたれ部１の表面上に位置
して着席物の後頭部に当たる枕状マツト８によつ
て互いに連結される。そして、この枕状マツト８
には動物たとえば「ネコ」の正面形状を表す形態
が付される。このような動物において、その２本
の前肢を模した前肢部分が、背もたれ部１から突
出可能であるとともに安全ベルト２，３をそれぞ
れ貫通させ得る筒状に形成される。このような構
成により、筒状の前肢部分が、それぞれパツド
６，７を構成する。

前述した枕状マツト８およびパツド６，７は、
比較的平坦な縫いぐみ状構造をもつて構成され、
適当なクツシヨン性が与えられる。なお、パツド
６，７および枕状マツト８を備える動物形態の縫
いぐるみは、背もたれ部１や安全ベルト２，３に
対して、特に固定はされない。この実施例では、
それ自身が筒状をなすパツド６，７が、安全ベル
ト２，３を取り囲むループ状部分を構成してお
り、このようなループ状部分に安全ベルト２，３
を受入れることによつて、パツド６，７ならびに
枕状マツト８が安全ベルト２，３に取付けられる
ことになる。

第２図には、この考案の他の実施例が示されて
いる。第２図は、第１図と同じ自動車用子供安全
シートを示しているが、その安全ベルト２，３に
関連して取付けられるパツド６ａ，７ａならびに
枕状マツト８ａの形態が異なつている。この実施
例では、パツド６ａ，７ａならびに枕状マツト８
ａによつて、たとえば「クマ」の正面形態を表わ
そうとしている。この実施例においても、「クマ」
の前肢が筒状とされ、ここに安全ベルト２，３を
貫通させ、パツド６ａ，７ａが構成される。

第２図の枕状マツト８ａは、「クマ」の顔を表
す部分がなく、その代わりに、帽子９が形成され
る。この帽子９は、着席する子供の頭に被せられ
るものである。

以上、この考案を図示されたいくつかの実施例
に関連して説明したが、この考案に係るパツド
は、自動車用子供安全シートに備え付けの安全ベ
ルトに限らず、自動車または飛行機などの乗物に
本来備えている安全ベルトに対しても、後で取付
けることによつて、その機能を発揮させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の適用対象の一例としての
自動車用子供安全シートを示す斜視図であり、そ
こには、この考案の一実施例としてのパツド６，
７が安全ベルト２，３に関連して取付けられてい
る。第２図は、第１図と同じ自動車用子供安全シ
ートを示す斜視図であり、そこには、この考案の
他の実施例としてのパツド６ａ，７ａが安全ベル
ト２，３に関連して取付けられている。図において、１は背もたれ部、２，３は安全ベ
ルト、６，６ａ，７，７ａはパツド、８，８ａは
枕状マツトである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】座席の背もたれ部の同じ高さ位置から出てくる
２本の安全ベルトにそれぞれ取付けられ、着席者
の両肩に当たるように位置される、安全ベルト用
パツドであつて、前記２本の安全ベルトにそれぞれ取付けられる
２つのパツドが、背もたれ部の表面上に位置して
着席者の後頭部に当たる枕状マツトによつて互い
に連結され、前記枕状マツトには動物の正面形状を表わす形
態が付され、当該動物の２本の前肢を模した前肢
部分が背もたれ部から突出可能であるとともに安
全ベルトを貫通させ得る筒状に形成され、前記２
つのパツドが前記前肢部分によつて実現される、
安全ベルト用パツド。