JP2002172963A - 自動車用オムツ替え補助席 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造簡単で軽量で安価であり且つ着脱が容易
で自動車内で手軽に乳児の世話をする事を可能とする補
助席を提供すること。 【解決手段】 中央部に形成した折り畳み部１２で折り
畳み可能とした方形状の本体板１と、当該本体板１の上
面に載置されて使用されるカバー４とからなり、前記本
体板１の一辺１１に、自動車のフロントシート５のヘッ
ドレストに引っ掛けて本体板１の高さを調整する長さ調
節紐２が取り付けられ、この対辺１３に、フロントシー
ト５の底部のバー５１に係止して本体板１の一辺１１を
フロントシート５の背面に密着させるための先端にフッ
ク３１を具備する伸縮紐３が少なくとも１本取り付けら
れており、本体板１を、前記長さ調節紐２と該伸縮紐３
とで、フロントシート５の背面とリアシート６との間の
空間を塞ぐように略水平に配置するようにした構造とな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドライブ時に使用
する器具に関し、例えばドライブ中、自動車内の空間を
利用して幼児のオムツ替えやその他の世話を行う時に便
利に使用できる簡易な補助席に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】幼児と共に自動車で移動するときには、
移動中に時としてオムツ替えやその他の世話をすること
が必要となることがある。そのような場合に、チャイル
ドシートでは、走行中の急激な加速度や衝撃から幼児を
守るために幼児の体の形状に合わせて窪みを有する形状
となっており、幼児を横たえて必要な処置を十分に施す
ことは不便であり、通常はリアシートの上面を利用し
て、その広げた場所に小児の体を横たえて処置するのが
一般的であった。その他、同じ様に自動車による移動に
於いて、後部座席に座って長時間の乗車する場合に、限
定された空間に半ば強制的に決められた姿勢で座り続け
ることはかなりの疲労と苦痛を伴うものであり、疲労軽
減のために姿勢を変えたい欲求がしばしば生じることが
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】乗用車の内部では、フ
ロントシートとリアシートの間にはリアシートに乗車す
る人の足が収容される空間が存在するが、この空間を十
分広く取ることは車体寸法等の関係で困難であり、又、
自動車内に於ける幼児に対する臨時の介護は、介護場所
が例えばリアシートの場合はシート面が狭く、且つシー
ト面が傾斜していたり、シート表面に大きな凹凸が形成
されていたりして、十分完全に、且つ迅速に処理するの
が困難であるという欠点があった。この欠点を解消する
ために、前記フロントシートとリアシートとの間の空間
を活用する意図のもとに補助マットが考案されている
が、部品数が多く使用方法が繁雑なために手軽に且つ便
利に使用する状態には至らず、更に簡便で安価で手軽に
使用し得る補助席が要求されるという解決すべき課題を
有していた。

【０００４】そこで、本発明は、上述した従来のドライ
ブに於いて指摘された居住性の悪さと、居住性の悪さに
関連して発生する幼児介護の不便さを解消することを目
的とし、使用法が繁雑でなく簡便で、構造簡単で安価で
ある補助席を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】該目的を達成するために
講じた本発明の手段を、実施例の説明と共通した符号を
用いて説明すると、本発明の自動車用オムツ替え補助席
は、中央部に形成した折り畳み部１２で折り畳み可能と
した方形状の本体板１と、当該本体板１の上面に載置さ
れて使用されるカバー４とからなり、前記本体板１の一
辺１１に、自動車のフロントシート５のヘッドレスト５
２に引っ掛けて本体板１の高さを調整する長さ調節紐２
が取り付けられ、この対辺１３に、フロントシート５の
底部のバー５１に係止して本体板１の一辺１１をフロン
トシート５の背面に密着させるための先端にフック３１
を具備する伸縮紐３が少なくとも１本取り付けられてお
り、本体板１を、前記長さ調節紐２と該伸縮紐３とで、
フロントシート５の背面とリアシート６との間の空間を
塞ぐように略水平に配置させた構成となっている。

【０００６】

【発明の実施の形態】上記した本発明の自動車用オムツ
替え補助席を実施するには、本体板１は、フロントシー
ト５とリアシート６との間の空間に、一方の一辺１１を
長さ調節紐２で、他方の対辺１３をリアシート６の端部
６１で支持されて橋渡し状態で装着され、その上面に幼
児や大人の足先を乗せても破損する事がない程度の硬度
と剛性が必要であり、材質は限定されないが、更に軽量
で加工性が良好で、安価で入手が容易な材料であること
が望ましい。ポリエステル繊維を固めた硬質の繊維板や
硬質の発泡樹脂が適当である。形状は少なくともオムツ
交換が必要な、幼児を横たえるに十分な寸法の方形が適
当で、中央部に線状の折り畳み部１２が形成される。こ
の折り畳み部１２は、厚み方向に形成した適当な深さの
凹溝としても良いし、同じ程度の深さの単なる切り込み
であっても良い。

【０００７】この本体板１の一方の一辺１１に自動車の
フロントシート５のヘッドレスト５２に引っ掛けて本体
板１を自動車のリアシート６の上に載置する高さに保持
する長さ調節紐２が取り付けられる。長さ調節紐２は両
端部を一辺１１の２か所に夫々取り付けてリングを形成
し、ヘッドレスト５２に引っ掛けるようにし、途中にバ
ンドの止め金具やショルダーバッグのバンドの長さ調節
機構と類似した長さ調節機構２１を具備している。又、
前記一辺１１に対向する対辺１３に、先端にフック３１
を具備する伸縮紐３が少なくとも１本（実施例では２本
で、長さ調節紐２の取り付け箇所に対応する対辺１３上
の２点に）取り付けられており、フロントシート５の底
部のバー５１にフック３１を係止させて本体１の一辺１
１をフロントシート５の背面に密着させる様にする。本
体板１の対辺１３はリアシート６の端部６１に載置し、
リアシート６と長さ調節紐２とで本体板１を水平に保持
する。この場合フロントシート５を前後に調節して、本
体板１の端が少なくとも６ｃｍ以上リアシート６と重な
っているようにすることが望ましい。

【０００８】本体板１に重ねて使用するカバー４は、柔
軟性と、フェルトの様な肌触り及び圧縮性を有し、且つ
洗濯等の手入れが容易であるように、各種の合成樹脂繊
維を組み合わせて加工したものが適当で、実施例では柔
軟で保形性の良いポリエステル繊維を中芯層４１とし、
表面層４２として、同じく柔軟性と肌触りを良好とする
ためアクリル繊維とレーヨンとポリエステル繊維との混
合物を圧縮して使用し、裏面層４３として、柔軟なアク
リル繊維と滑り止め作用を有するＭＢＲ（変性メリルメ
タアクリレート・ブタジエン共重合体）を用いている。
これらの素材はいずれも合成繊維であるから、安価で前
記柔軟性、肌触りの良さ、耐久性、洗濯等の手入が容易
である等の性質を満たしている。材質としては実施例材
料に限定されないが、類似の性質や機能を有する繊維で
あることが望ましい。その他、繊維にキトサン等の抗菌
剤、防臭剤を配合して抗菌、防臭効果を付与することも
有用である。又、このカバー４に於いても、凹溝や切り
込みによる折り畳み部４４を形成しても良い。

【０００９】上記した本発明の自動車用オムツ替え補助
席は、本体板１の長さ調節紐２をフロントシート５のヘ
ッドレスト５１に引っ掛け、対辺１３をリアシート６の
端部６１に載置して、フロントシート５の背面とリアシ
ート６との間の空間に保持する。次に伸縮紐３を本体板
１の裏面側に引き出して、先端のフック３１をフロント
シート５の底部のバー５１に引っ掛けて本体板１をフロ
ントシート５の背面に引き寄せて、水平装着状態を安定
させる。次いでカバー４を本体板１の表面に被せる。こ
の時カバー４の裏面層４３を本体板１の表面と接するよ
うに載置する事で、カバー４の滑落を防ぐことができ
る。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図面中、図１は第１実施例の構造及び使用状態を説
明する斜視図、図２は第１実施例の平面図、図３は同、
正面図、図４は右側面図、図５〜図７はカバーの平面
図、正面図及び右側面図である。

【００１１】図１乃至図４に第１実施例の構造と使用方
法を示す。本体板１はポリエステル繊維を固めた硬質の
繊維板で、形状は幼児を横たえるに十分な寸法を有する
長方形で、中央部に板の厚さの約６０％程度の深さの線
状の切り込みを施して折り畳み部１２が形成されてい
る。本体板１の一辺１１には、バッグの肩紐と類似した
構造の長さ調節機構２１を具備する長さ調節紐２が２か
所で取り付けられ、対辺１３には伸縮紐３が前記長さ調
節紐２の２か所の取り付け部に対応する位置に夫々１本
づつ、合計２本取り付けられている。図３，図４には装
着時の長さ調節紐２及び伸縮紐３の状態が仮想線で示さ
れている。本体板１は、図８に装着時の側面を示すよう
に、対辺１３はリアシート６の端部６１に載置し、一辺
１１側を調節紐２をフロントシート５に引っ掛けて長さ
調節機構２１を調節して本体板１が水平となるように保
持する。対辺１３に取り付けられている伸縮紐３は、本
体板１の裏面側に引き出され、引き伸ばされて先端のフ
ック３１をフロントシート５の底部のバー５１に引っ掛
け、本体板１をフロントシート５の背面に引き寄せて、
自動車の動揺や使用者の動きに対して装着状態を安定さ
せている。

【００１２】使用状態では上記説明に従って車内に取り
付けられた本体板１の上面にカバー４が載置される。本
実施例のカバー４は、図５乃至図７に形状を示すよう
に、本体板１と略同寸法の長方形であって、表面層４
２、中芯層４１及び裏面層４３からなる３層構造とし、
中芯層４１は柔軟で保形性の良いポリエステル繊維を使
用し、表面層４２は柔軟性と肌触りを良好とするためア
クリル繊維とレーヨンとポリエステル繊維との混合物を
圧縮して使用し、裏面層４３は柔軟なアクリル繊維と滑
り止め作用を有するＭＢＲ（変性メリルメタアクリレー
ト・ブタジエン共重合体）を用いている。表面には縦横
に折り畳み部４４を形成して収納時にコンパクトとなる
ように配慮されている。上記各素材はいずれも合成繊維
であるから、所望される柔軟性、肌触りの良さ、耐久
性、洗濯等の手入が容易である等の性質を満たしてい
る。その他、繊維にキトサンを配合して抗菌、防臭効果
を付与している。図９に本体板１、並びにカバー４の折
り畳まれた状態を、仮想線も混えて示した。尚、カバー
４については中央部の折り畳み部４４の存在が示すよう
に、更に小さく折り畳むことが可能である。

【００１３】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構
成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下
にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施す
ることができるものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明にいう自動車用オムツ替え補助席
は、本体板をフロントシートのヘッドレストに引っ掛け
た長さ調節紐とリアシート端部とで、フロントシートと
リアシートとの間の空間に水平に保持した構造であるか
ら装着が簡単で、特に本体板の部分は車種に応じて高さ
調節ができるので、どのような自動車にも適用可能であ
る。その上、リアシートを延長した形態として前後座席
間の空間を有効に使用することができる。従って、リア
シートでの幼児のオムツ替えやその他の介護、世話等に
手軽にゆったりと使用できる。本体板に載置して使用さ
れるカバーは幼児の汗を吸収する作用があり、且つ抗
菌、防臭加工を施すことにより衛生的である。又、カバ
ー部のみを外して家庭で洗濯することができるので尚一
層、清潔な状態を維持できる。この補助席は、伸縮紐に
よりフロントシートにしっかりと引き寄せられているの
で、自動車の動揺や使用者の動きに対して簡単に動き回
ることなく安定しており、安心して使用可能であるとい
う効果を有する。更に上記用途以外にも、リアシートに
乗車する人が長時間の旅行で疲れた足を置いて伸ばし、
疲れを休めることができるという副次的な効果をも有す
るに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の構造及び装着状態を説明する斜視
図。

【図２】同、平面図。

【図３】同、正面図。

【図４】同、側面図。

【図５】カバーの平面図。

【図６】同、正面図。

【図７】同、側面図。

【図８】同、装着状態を説明する側面図。

【図９】同、折り畳まれた状態の正面図。

【符号の説明】

１ 本体板 １１ 一辺 １２ 折り畳み部 １３ 対辺 ２ 長さ調節紐 ２１ 長さ調節機構 ３ 伸縮紐 ３１ フック ４ カバー ４１ 中芯層 ４２ 表面層 ４３ 裏面層 ４４ 折り畳み部 ５ フロントシート ５１ バー ５２ ヘッドレスト ６ リアシート ６１ リアシートの端部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部に形成した折り畳み部(12)で折り
   畳み可能とした方形状の本体板(1)と、当該本体板(1)の
   上面に載置されて使用されるカバー(4)とからなり、前
   記本体板(1)の一辺(11)に、自動車のフロントシート(5)
   のヘッドレスト(52)に引っ掛けて本体板(1)の高さを調
   整する長さ調節紐(2)が取り付けられ、、この対辺(13)
   に、フロントシート(5)の底部のバー(51)に係止して本
   体(1)の一辺(11)をフロントシート(5)の背面に密着させ
   るための先端にフック(31)を具備する伸縮紐(3)が少な
   くとも１本取り付けられており、本体板(1)を、前記長
   さ調節紐(2)と該伸縮紐(3)とで、フロントシート(5)の
   背面とリアシート(6)との間の空間を塞ぐように略水平
   に配置するようにした自動車用オムツ替え補助席。
2. 【請求項２】 前記カバー(4)が、ポリエステル繊維か
   らなる中芯層(41)と、アクリル繊維とレーヨンとポリエ
   ステル繊維とからなる表面層(4242)と、アクリル繊維と
   合成ゴム繊維とからなる裏面層(43)とからなる層状構造
   体である請求項１記載の自動車用オムツ替え補助席。