JPH0515802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は主に自動車等の車両用シートに利用さ
れる座席用補助クツシヨンに関する。

（従来の技術） 一般に、第５図に示す如き自動車等の車両用シ
ートは、その座席本体１の座２や背凭れ３自体
が、それぞれフレームに張設したジグザグばねや
パツドなどにより適度のクツシヨン性を有して、
着座者にとつて非常に座り心地の良いものとされ
ている。しかしながら使用している間に次第にば
ねやパツドのへたりが生じてクツシヨン性が衰え
て座り心地が悪くなる。特に着座者に尻部が当た
る座２の部分や、腰椎部が当たる背凭れ３の部分
がへたり易い。そこでそのクツシヨン性を補うべ
く図示の如き座席用補助クツシヨン４を設けてい
る人が多い。

この座席用補助クツシヨン４は座席本体１の座
２上に載せ置かれる座クツシヨン部５と、背凭れ
３前面に沿つて重ねられる背クツシヨン部６とか
らなり、それぞれ内部にクツシヨン材を入れて表
皮材により包み込んだ座布団のようなもので、そ
の両者の表皮材が連結されて互いに一体化されて
いる。そしてこの補助クツシヨン５は座クツシヨ
ン部５の左右に取付けたＳカン７ａ付きゴム紐７
を座２の左右部下側に引掛けたり、背クツシヨン
部６に取付けたゴム輪８を背凭れ３に掛けたりし
て、座席本体１にズレ落ちないように止め付けら
れている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、前述した従来の座席用補助クツシヨ
ン４では、座席本体１に対してＳカン７ａ付きゴ
ム紐７やゴム輪８でもつて止め付けるために、そ
れらが表出して見えるので、外観上体裁が悪い。
またゴム紐７やゴム輪８が伸び切つたり外れたり
して、座クツシヨン部５が前方にズレ動いて背ク
ツシヨン部６がズレ下がつたり、該背クツシヨン
がめくれたり、大きなシワができたりして、非常
に見映えが悪く意匠性を損う問題があつたと共
に、着座者にとつて不快感を招き座り心地が悪く
なつてしまう問題があつた。

本考案は上記事情に鑑みなされ、座席本体への
止め付けが簡単且つ確実で、しかも止め付け手段
が表から見えず外観上非常に体裁が良いと共に、
座クツシヨン部と背クツシヨン部とが両者ともズ
レ動いたり・めくれたり・大きなシワができたり
することなく、座席本体の座及び背凭れに対して
体裁良く添接した状態を維持できて、非常に見映
えが良く意匠性に優れ且つ座り心地も良い実用性
大なる座席用補助クツシヨンを提供することを目
的とする。

〔考案の構成〕

（問題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成すべく、座席本体の座
上に載せ置かれる座クツシヨン部と、座席本体の
背凭れ前面に添つて重ねられる背クツシヨン部と
を相互の折曲可能に連設すると共に、その座クツ
シヨン部と背クツシヨン部との境界部付近に軸を
設け、この軸に一端を連結して前記座と背凭れと
の相互間から後方に引き通して裏面側に掛止され
る引き部材を設け、且つ前記軸に取付けて座クツ
シヨン部内と背クツシヨン部内とに長く挿入され
て該座クツシヨン部を下方に背クツシヨン部を後
方にそれぞれ押付ける左右一対の押えばねを設け
て構成したことを特徴とする。

（作用） 上記構成により、引き部材を座席本体の座と背
凭れとの相互間から後方に引き通して裏面側に掛
止するだけで、該座席本体に対する止め付けが簡
単にできる。そしてその止め手段としての引き部
材が座席本体の表側に見えないので外観上非常に
体裁が良い。またその引き部材で座クツシヨン部
と背クツシヨン部との境界部に配する軸を後方に
引張ることで、座クツシヨン部の前方へのズレ動
きを防止できると共に、その軸から座クツシヨン
部内と背クツシヨン部内とに長く挿入されている
左右それぞれの押えばねが該座クツシヨン部を下
方に背クツシヨン部を後方にそれぞれ押付ける作
用をなし、これで座クツシヨン部と背クツシヨン
部とが座席本体の座及び背凭れに対して体裁良く
添接した状態を維持できて、両者ともズレ動いた
り・めくれたり・大きなシワができたりすること
がなくなる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を第１図乃至第４図によ
り説明する。なおその図中前記第５図のものと重
複する構成のものには同一符号を付して説明の簡
略化を図ることにする。

先ず、図中１４は本考案の座席用補助クツシヨ
ンを示す。第１図及び第２図はその補助クツシヨ
ン１４を座席本体１に装着した状態図、第３図は
補助クツシヨン１４の分解図、第４図は補助クツ
シヨン１４の背面側から見た図である。ここでそ
の補助クツシヨン１４は座席本体１の座２上に載
せ置かれる座クツシヨン部１５と、座席本体１の
背凭れ３前面に沿つて重ねられる背クツシヨン部
１６とを有している。その座クツシヨン部１５と
背クツシヨン部１６とはそれぞれワデング材等の
クツシヨン材１５ａ，１６ａを一連の表皮材１７
で包み込むことで相互に折曲可能に連設して構成
されている。

その座クツシヨン部１５と背クツシヨン部１６
との境界部付近に一本の軸１８が表皮材１７内に
て左右方向に長く亙り設けれている。この軸１８
には第３図に示す如く左右一対の引き部材１９が
設けられている。この各引き部材１９は一端を軸
１８に巻き付けるようにして連結したバンド１９
ａと、このバンド１９の他端に対して起倒可能に
取付けられたバツクルのような掛止具１９ｂとか
らなる。なおそのバンド１９ａは伸縮性を有する
ものか、長さ調整可能なものが良い。そしてこの
左右両引き部材１９がそれぞれ第４図に示す如く
表皮材１７裏面の穴１７ａから後方に延出されて
いる。また前記軸１８の左右端部寄りに第３図に
示す如く左右一対の押えばね２０が設けられてい
る。この左右の押えばね２０は線ばねよりなる一
種のネジリコイルバネで、それぞれ中間部を前記
軸１８にコイル状に巻き付けることにより上下に
延出する線状部２０ａ，２０ｂが前記座クツシヨ
ン部１５内と背クツシヨン部１６内とにそれぞれ
の左右縁部に添つて長く挿入された状態に設けら
れている。この左右の押えばね２０は座席本体１
の背凭れ３をリクライニング装置により後方に完
全に倒した状態の座席面形状に添うように加工さ
れて、その上下の線状部２０ａ，２０ｂが互いの
なす角度θを拡開する方向に附勢力を持ち、常時
座クツシヨン部１５を下方に、背クツシヨン部１
６を後方にそれぞれ押付ける作用をなす構成であ
る。

而して、上述した構成の座席用補助クツシヨン
１４であれば、第１図及び第２図に示す如く座席
本体１上に置いて、それぞれ裏面側に突出してい
る左右の引き部材１９を座２と背凭れ３との相互
間から後方に引き通す。この際該引き部材１９の
掛止具１９ｂはバンド１９ａと平行となるように
寝かせ、そのまま座２と背凭れ３との相互間から
後方に引き通し、そこで該掛止具１９ｂをバンド
１９ａと直交するように立ち起こして座２と背凭
れ３の裏面側に第１図に示した状態に掛止する。
これで簡単に補助クツシヨン１４の座席本体１に
対する止め付け操作が終了し、その止め手段とし
ての引き部材１９が従来のゴム紐の様に座席本体
１の表側に見えないので外観上非常に体裁が良
い。

こうして止め付けられた補助クツシヨン１４は
引き部材１９により座クツシヨン部１５と背クツ
シヨン部１６との境界部に配する軸１８が後方に
引張られることで、座クツシヨン部１５の前方へ
のズレ動きが防止されるようになると共に、その
軸１８の両端に設けたネジリコイルバネである左
右の押えばね２０の上下線状部２０ａ，２０ｂが
互いに反発し合つて、第１図矢印で示す如く座ク
ツシヨン部１５を下方に、背クツシヨン部１６を
後方にそれぞれ押付ける作用をなす。これで該座
クツシヨン部１５と背クツシヨン部１６とが座席
本体１の座２及び背凭れ３に対して両者ともズレ
動いたり・めくれたり・大きなシワができたりせ
ずに体裁良く添接した状態に保持されるようにな
る。

〔考案の効果〕

本考案は上述した如くなしたから、座席本体へ
の止め付けが簡単且つ確実で、しかも止め付け手
段が表から見えず外観上非常に体裁が良いと共
に、座クツシヨン部と背クツシヨン部とが両者と
もズレ動いたり・めくれたり・大きなシワができ
たりすることなく、常に座席本体の座及び背凭れ
に対して体裁良く添接した状態を維持できて、非
常に見映えが良く意匠性に優れ且つ座り心地も良
い実用性大なる座席用補助クツシヨンとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は本考案の補助クツシヨンを座席本
体に装着した使用状態の断面図、第２図は同斜視
図、第３図は補助クツシヨンの分解斜視図、第４
図は補助クツシヨンの裏面側から見た斜視図、第
５図は従来例を示す斜視図である。 １……座席本体、２……座、３……背凭れ、１
４……補助クツシヨン、１５……座クツシヨン
部、１６……背クツシヨン部、１８……軸、１９
……引き部材、２０……押えばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席本体の座上に載せ置かれる座クツシヨン部
   と、座席本体の背凭れ前面に添つて重ねられる背
   クツシヨン部とを相互に折曲可能に連設すると共
   に、その座クツシヨン部と背クツシヨン部との境
   界部付近に軸を設け、この軸に一端を連結して前
   記座と背凭れとの相互間から後方に引き通して掛
   止される引き部材を設け、且つ前記軸に取付けて
   座クツシヨン部内と背クツシヨン部内とに長く挿
   入されて該座クツシヨン部を下方に背クツシヨン
   部を後方にそれぞれ押付ける左右一対の押えばね
   を設けて構成したことを特徴とする座席用補助ク
   ツシヨン。