JPH0431790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば圧力ガスの封入されたガス
入りケーブルの接続部に用いられるケーブル接続
部用端面板に関する。

〔従来技術とその問題点〕

ガス保守を行なうケーブルにおいてはケーブル
内に１Kg／cm²以下の空気または窒素ガスが封入さ
れるため、その接続部からガス洩れが発生しない
ようにすることが必要である。このため従来上記
ケーブルの接続部を構成するには、熱を使用する
補助鉛管工法，GSケーブル工法，電熱線融着工
法，透視融着工法等の気密工法，あるいは純機械
的にはシーリングテープによる気密工法などが用
いられている。

しかしながらこれら従来の気密工法によるケー
ブル接続部にあつては、熱を使用する煩雑なもの
であつたり、粘着性の強いシーリングテープを多
層に亘つて巻回するものであつたりなどのため作
業性が悪く、しかも再接続に伴うシール部分の解
体が不可能かあるいは極めて困難なものであつた
りする等の欠点があつた。さらに従来のこれら欠
点を補うものとして非粘着性のゴムパツキングを
使用する工法によるものなどもあるが、逆にケー
ブル外被への充分な密着性を得ることができず、
よつて長期間を経ると接続部の気密性が劣化して
ガス洩れが生じるなど信頼性に欠ける不具合があ
つた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
構造が簡便で施工及び解体が容易であり、しかも
気密性に優れて信頼性の高いケーブル接続部用端
面板を提供することを目的とするものである。

〔考案の構成〕

この考案のケーブル接続部用端面板は、ケーブ
ルの接続個所を覆う筒状の接続部本体の両端部に
設けられて前記接続部本体内部を恒久的に気密さ
せて封じるケーブル接続部用端面板において、中
心に前記ケーブルが挿通可能な一つの貫通孔を有
しかつ前記接続部本体の内周面と密着する外周面
が形成されてなり、前記ケーブルの挿入方向へ厚
みを有した厚肉円板状に形成されてなる環状部の
側部に、前記貫通孔を取り囲み前記貫通孔へ挿通
される前記ケーブルに沿つて中空パイプが一体成
形されてなり、該中空パイプは基端から先端へ向
かつて次第に小径に形成され、かつ前記接続部本
体の内部方向へ向かつて延材されて前記接続部本
体の内部圧力により前記ケーブルの外周へ密着さ
れてなることを特徴としている。

〔実施例〕

第１図および第２図はこの考案のケーブル接続
部の一例を示すものである。

第１図および第２図において、接続されるケー
ブル１の導体２は図示されない相手方のケーブル
の導体とそれぞれ導体接続個所３において接続さ
れている。そして上記導体接続個所３を間に挟む
ケーブル１の外被４上に、一対の端面板５（相手
方のケーブル外被上のものは図示せず。）が対向
配置されている。

上記端面板５は硬質ゴムや合成樹脂等の所定の
弾力性と機械的強度を有する材料からなるもの
で、この端面板５を構成する厚肉円板状の環状部
の中心部には貫通孔６が形成されている。この貫
通孔６は上記端面板５の中心部が軸線方向に向け
てケーブル１の外径より一回り大きい内径で穿設
されてなるもので、この貫通孔６の上記導体接続
個所３側に位置する端部内周面には内方へ向けて
突出する環状の突部７が形成されている。また上
記端面板５の上記導体接続個所３側に向けた端面
８の上記貫通孔６周縁部にはテーパコーン（中空
パイプ）９が設けられている。

上記テーパコーン９は、上記端面８の貫通孔６
周縁部から上記端面板５と軸線を一致させて上記
導体接続個所３側へ延びるとともにその外径が上
記端面８から外方へ向けて漸次縮径されてなる切
頭円錐筒状のもので、上記端面板５と一体に成形
されている。ここで、上記テーパコーン９の小径
の先端部１０はその内径が当初第１図中２点鎖線
で示すように、一般に使用されるケーブルの最小
径よりさらに幾分小径となるように形成されてお
り、挿通されるケーブルに応じてそのケーブル外
径よりやや小径となる位置で切断させるようにな
つている。そして上記テーパコーン９内に上記ケ
ーブル１が、このケーブル１の外径よりやや小さ
い内径となる位置で切断された上記先端部１０を
押し広げるようにして挿通されている。これによ
り上記テーパコーン９の先端部１０は所定長さそ
の収縮力により上記ケーブル１の外被４上に強く
密着して固定されている。

そして上記テーパコーン９の先端部１０外周と
ケーブル１の外被４上とに、シーリングテープ１
１が連続して巻回されている。そしてさらに上記
シーリングテープ１１の外周にはゴムテープ１２
が上記シーリングテープ１１と層状をなすように
巻回されている。これにより上記テーパコーン９
の先端部１０とケーブル１の外被４との間は、上
記シーリングテープ１１とゴムテープ１２とから
なる封止部材１３により気密に保持されている。
他方上記ケーブル１と上記端面板５との間の間隙
には係止部材１４が設けられている。

上記係止部材１４は、内径がケーブル１の外径
と等しくかつ外径が端面板５の内径と等しい円筒
状の係止部１５と、この係止部の一端面に形成さ
れたフランジ部１６とが合成樹脂等で一体に成形
されてなるものである。そして上記係止部材１４
は係止部１５の内外周面及びフランジ部１６の背
面に接着剤が塗布されて上記ケーブル１と端面板
５との間隙に挿入され、係止部１５の先端部を端
面板５の突部７に当てた位置でフランジ部１６の
背面を上記端面板５の端面に密着させて上記端面
板５とケーブル１の外被４との双方に固定されて
いる。

また上記端面板５の外周面の長手方向中央部に
は全周に亘つて所定幅の環状凹部１７が形成され
ている。そして上記端面板５の外周に環状のカラ
ー１８がその内周面に形成された環状の突部と上
記環状凹部１７とを係合させて嵌装されている。
そしてさらに上記カラー１８の外周に接続部本体
１９が設けられている。この接続部本体１９はプ
ラスチツクあるいは金属からなる外観略円筒状の
もので、軸線方向に沿つて等分された半割体２
０，２０がボルト２１…およびナツト２２…によ
り一体的に結合されてなるものである。上記接続
部本体１９の端部と、この端部から軸線方向に沿
つて上記からー１８の幅寸法と等しい間隙を隔て
た位置には、それぞれ半径方向を内方に向けて突
出する環状の係止突部２３，２３が形成されてい
る。そして上記接続部本体１９は上記係止突部２
３，２３間に上記カラー１８を収納するようにし
て上記端面板５の外周部に取り付けられている。
また上記接続部本体１９の図示されない他端部も
同様に相手方のケーブル外被上に設けられた端面
板の外周部にカラーを介して取り付けられてい
る。ここで図中符号２４，２５，２５はそれぞれ
上記カラー１８を端面板５およびカラー１８と接
続部本体１９との間に介装されてこれらの間を気
密に封じるＯ−リングを示すものである。

このようにして構成されたケーブル接続部にお
いては、ケーブル１が挿通されたテーパコーン９
の先端部１０がその収縮力により上記ケーブル１
の外被４に強く密着するため、気密性に優れる。
しかも上記テーパコーン９とケーブル１との間は
さらにシーリングテープ１１とゴムテープ１２と
からなる封止部材１３により互いに強固に接合さ
れている為、確実にその気密性を保持することが
できる。また上記テーパコーン９の先端部１０は
予め小径に形成されており、挿通されるケーブル
１の外径に応じて適宜切断するようになつている
ので、各種の外径のケーブルに対して共通に使用
することができる。しかも上記テーパコーン９と
端面板５とは一体に成形されている為、結局係止
部材１４の係止部１５の肉厚を変更するのみで各
種の外径のケーブルに適用することができ、よつ
て構成部品点数の大巾な削減を図ることができ
る。またその解体も上記封止部材１３を除去する
とともに係止部材１４を抜くことにより容易に行
なうことができるうえ、上記テーパコーン９及び
これと一体の端面板５を再使用することもでき
る。

なお上記実施例においては、端面板５が一体型
のものについて説明したがこれに限るものではな
く、例えば第３図に示すように端面板２６を半割
体２７，２７から構成し、これら半割体２７，２
７の接合面にパツキング２８を介装するとともに
テーパコーン２９の基端部同士を締付バンド３０
で締め付けて一体化するようにして構成してもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案のケーブル接続部
用端面板は、ケーブルの接続個所を覆う筒状の接
続部本体の両端部に設けられて前記接続部本体内
部を恒久的に気密させて封じるケーブル接続部用
端面板において、中心に前記ケーブルが挿通可能
な一つの貫通孔を有しかつ前記接続部本体の内周
面と密着する外周面が形成されてなり、前記ケー
ブルの挿入方向へ厚みを有した厚肉円板状に形成
されてなる環状部の側部に、前記貫通孔を取り囲
み前記貫通孔へ挿通される前記ケーブルに沿つて
中空パイプが一体成形されてなり、該中空パイプ
は基端から先端へ向かつて次第に小径に形成さ
れ、かつ前記接続部本体の内部方向へ向かつて延
材されて前記接続部本体の内部圧力により前記ケ
ーブルの外周へ密着されてなるものである。よつ
てこのケーブル接続部用端面板を用いることによ
り、ケーブル接続部にあつては、構造が簡便で取
り付けが容易であるとともに高い気密性を確実に
保持することができる。また、上記中空パイプが
多種の外径のケーブルに共通に使用することがで
きるため部品点数を減少させることができる。さ
らに解体も容易であり、ケーブルの再接続が容易
となる等の利点を得ることができる。また、極め
て強度の高い環状部の外周面を接続部本体の内周
面に密着させることにより、接続部本体内部の気
密性を恒久的に維持させることができ、また、接
続部本体内部の圧力が中空パイプをケーブルへ押
し付ける方向へ作用して、これら中空パイプとケ
ーブルとの確実な気密状態を確保することができ
る。また、例えば、接続したケーブルに振動、ひ
ねり、うねり等が発生して中空パイプに力が加わ
つても、中空パイプが環状部に一体に成形されて
いるものであるので、良好な気密状態を維持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案のケーブル接続
部用端面板を用いたケーブル接続部の一実施例を
示すもので第１図は要部の側断面図図、第２図は
第１図の−線視断面図、第３図はこの考案の
他の実施例を示す要部の側断面図である。 １……ケーブル、３……導体接続個所、４……
外被、５……端面板、９……テーパコーン（中空
パイプ）、１０……先端部、１１……シーリング
テープ、１２……ゴムテープ、１３……封止部
材、１８……カラー、１９……接続部本体、２
４，２５……Ｏ−リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブルの接続個所を覆う筒状の接続部本体の
   両端部に設けられて前記接続部本体内部を恒久的
   に気密させて封じるケーブル接続部用端面板にお
   いて、中心に前記ケーブルが挿通可能な一つの貫
   通孔を有しかつ前記接続部本体の内周面と密着す
   る外周面が形成されてなり、前記ケーブルの挿入
   方向へ厚みを有した厚肉円板状に形成されてなる
   環状部の側部に、前記貫通孔を取り囲み前記貫通
   孔へ挿通される前記ケーブルに沿つて中空パイプ
   が一体成形されてなり、該中空パイプは基端から
   先端へ向かつて次第に小径に形成され、かつ前記
   接続部本体の内部方向へ延材されて前記接続部本
   体の内部圧力により前記ケーブルの外周へ密着さ
   れてなることを特徴とするケーブル接続部用端面
   板。