JPH04317809A - 車両用リヤサスペンション - Google Patents

車両用リヤサスペンション

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JPH04317809A
JPH04317809A JP10953291A JP10953291A JPH04317809A JP H04317809 A JPH04317809 A JP H04317809A JP 10953291 A JP10953291 A JP 10953291A JP 10953291 A JP10953291 A JP 10953291A JP H04317809 A JPH04317809 A JP H04317809A
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JP
Japan
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vehicle body
trailing arm
rubber
rubber bush
inner cylinder
Prior art date
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Application number
JP10953291A
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English (en)
Inventor
Keiichi Sunami
角南 圭一
Toshihiro Watanabe
敏弘 渡辺
Kazuki Suzuki
和貴 鈴木
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に用い
られる独立懸架式リヤサスペンションに関するもので、
特に、車体前後方向に配置されるトレーリングアームと
車体左右方向に配置される複数本のラテラルリンクとを
備えた車両用リヤサスペンションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車に用いられる独立懸架式リヤサス
ペンションについては種々のものが開発されているが、
その中に、バンプリバウンド時における車輪の姿勢を1
本のトレーリングアームと3本のラテラルリンクとによ
って制御するようにしたものがある。そのリヤサスペン
ションにおいては、車体前後方向に配置されて前端側が
車体に上下揺動可能に連結されるトレーリングアームの
後端側に車輪支持部が設けられ、その車輪支持部によっ
て車輪が回転自在に支持される。そして、車体左右方向
に配置される3本のラテラルリンクの両端が、そのトレ
ーリングアームと車体とにそれぞれ回動可能に連結され
る。また、そのトレーリングアームの後端側と車体との
間には、車輪の上下動を吸収するサスペンションスプリ
ングが設けられる。このようなリヤサスペンションによ
れば、トレーリングアームによって車輪の前後方向の位
置が規制されるとともに、バンプリバウンド時には、そ
のトレーリングアームが前端側の車体側連結部を中心と
して上下方向に揺動することによって車輪の上下動が許
容される。そして、そのときの車輪のキャンバ及びトー
角は、3本のラテラルリンクによって決定される。した
がって、バンプリバウンド時における車輪の姿勢設定が
容易となり、自動車の乗り心地及び操縦性をより高める
ことができる。
【0003】また、そのように3本のラテラルリンクを
用いるサスペンションの場合には、そのラテラルリンク
を前後に離して配置するようにすれば、トー剛性を高め
ることができ、サイドフォースによる車輪の姿勢変化を
防止することができる。更に、前側のラテラルリンクを
トレーリングアームの車体側連結部の近傍に配置するよ
うにすれば、そのラテラルリンクを短くすることができ
、サスペンション全体を軽量コンパクト化することがで
きる。このような観点から、本出願人は、先に、トレー
リングアームの前端側を車体側連結部よりも前方に延出
させ、その延長部に、3本のラテラルリンクのうちの1
本を連結するようにしたリヤサスペンションを提案した
(特開昭62−6806号公報参照)。
【0004】ところで、そのようにトレーリングアーム
を用いるサスペンションにおいては、車輪に加わる前後
方向の力はそのトレーリングアームを介して車体に伝え
られる。そこで、コンプライアンスを吸収して乗り心地
をよくするために、一般に、トレーリングアームの車体
側連結部にはゴムブッシュを用いるようにしている。そ
のゴムブッシュは、間隔を置いて同心状に配置される内
筒と外筒との間にゴム状弾性体を圧入あるいは加硫接着
することによって固着したもので、その軸線が車体左右
方向となるように設置される。
【0005】そのようなゴムブッシュを用いる場合、従
来は、その内筒あるいは外筒の一方を車体に固着すると
ともに、その他方をトレーリングアームに固着するよう
にしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにトレーリングアームの前端側を前方に延出させて
その延長部に3本のラテラルリンクのうちの1本を連結
するリヤサスペンションの場合には、平面図で見たトレ
ーリングアームの姿勢は前後に離れて配置される2本の
ラテラルリンクによって強い影響を受けるので、トレー
リングアームの上下揺動時、そのトレーリングアームの
車体側連結部に車体左右方向の変位が生ずることがある
。そのために、その車体側連結部に従来のように内筒及
び外筒が車体及びトレーリングアームにそれぞれ固着さ
れるゴムブッシュを用いると、その内外筒間のゴム状弾
性体に軸線方向の大きな荷重が加わることになり、その
ゴム状弾性体が劣化しやすくなるという問題が生ずる。 しかも、そのゴム状弾性体の弾性がトレーリングアーム
の変位に対する抵抗となるので、ラテラルリンクによる
車輪の姿勢制御がスムーズに行われなくなり、バンプリ
バウンドに対する乗り心地が低下してしまう。
【0007】また、トレーリングアームの車体側連結部
にそのようなゴムブッシュを用いたサスペンションの場
合には、車輪に上下方向の力が作用してトレーリングア
ームが上下方向に揺動するとき、ゴムブッシュの内外筒
が相対的に回転するので、その内外筒間のゴム状弾性体
が回転方向に弾性変形することになる。しかしながら、
車輪に加わる上下方向の力はサスペンションスプリング
によって弾力的に支持されるので、ゴムブッシュにトレ
ーリングアームの上下揺動に対する緩衝性を持たせる必
要はない。そのようにトレーリングアームが上下揺動す
るときにもゴム状弾性体が弾性変形するものでは、その
ゴム状弾性体に常に剪断力が加わることになり、それだ
けゴム状弾性体が劣化しやすくなる。そのために、ゴム
ブッシュの耐久性が低下してしまう。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、コンパクトでありながら
トー剛性が高く、しかも車輪の姿勢制御をスムーズに行
わせることのできる、耐久性の高い車両用リヤサスペン
ションを得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明による車両用リヤサスペンションは、車体前
後方向に配置されるトレーリングアームの前端側を、そ
のトレーリングアームを車体に上下揺動可能に連結する
車体側連結部よりも前方に延出させて、その延長部に、
車体左右方向に配置される複数本のラテラルリンクのう
ちの1本を連結するとともに、そのトレーリングアーム
の車体側連結部に用いられるゴムブッシュを、車体ある
いはトレーリングアームの一方に固定される車体左右方
向の支持軸に対して軸線方向及び回転方向に摺動可能と
するようにしたことを特徴としている。そのゴムブッシ
ュは、支持軸に取り付けられる内筒と、その内筒の外周
側に間隔を置いて同心状に配置され車体あるいはトレー
リングアームの他方に固定される外筒と、それら内外筒
間に装着されるゴム状弾性体とによって構成され、その
ゴムブッシュの内筒が、支持軸の外周に、回転可能でか
つ軸線方向に摺動可能に嵌合されるようになっている。
【0010】
【作用】このように構成することにより、従来のものと
同様に、ラテラルリンクがトレーリングアームの前端側
と後端側とに離れて配置されるようになるので、そのサ
スペンションのトー剛性が高くなる。また、前側のラテ
ラルリンクを短いものとすることができるので、サスペ
ンション全体をコンパクトに構成することが可能となる
。そして、車輪のバンプリバウンド時におけるトレーリ
ングアームの車体左右方向の変位は、ゴムブッシュの内
筒がその支持軸に対して軸線方向に摺動することによっ
て許容される。したがって、ラテラルリンクによるトレ
ーリングアームの姿勢制御がスムーズに行われるように
なる。また、トレーリングアームが上下方向に揺動する
ときには、ゴムブッシュの内筒が支持軸に対して相対的
に回転する。その結果、ゴムブッシュのゴム状弾性体に
不要な荷重が加わることがなくなるので、その耐久性が
高められる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図は本発明による車両用リヤサスペンションの一実
施例を示すもので、図1はその一部切り欠き平面図であ
り、図2はその側面図、図3はその背面図である。また
、図4はそのサスペンションに用いられているゴムブッ
シュの縦断面図である。
【0012】図1,2から明らかなように、このリヤサ
スペンション1は、車体前後方向(図で左側が車体前方
)に配置されるトレーリングアーム2を備えている。 そのトレーリングアーム2の後端部にはリヤアクスル3
が取り付けられ、そのアクスル3によって後車輪4が回
転自在に支持されるようになっている。すなわち、その
トレーリングアーム2の後端部が車輪支持部となってい
る。トレーリングアーム2の前端側にはゴムブッシュ5
が取り付けられている。そのゴムブッシュ5は軸線が車
体左右方向となるように配置されており、車体フレーム
6に固定された左右方向の支持軸7に装着されている。 こうして、トレーリングアーム2は、その前端側がゴム
ブッシュ5を介して車体に連結され、上下方向に揺動可
能に支持されるようになっている。そして、その上下揺
動によって、車輪4が上下動するようにされている。
【0013】トレーリングアーム2の前端側は、そのゴ
ムブッシュ5の取り付け部、すなわち車体側連結部8よ
りも前方に延出するようにされている。そして、その延
長部9の前端に、ほぼ車体左右方向に配置される第1ラ
テラルリンク10の一端が、ゴムブッシュ11を介して
回動可能に連結されている。その第1ラテラルリンク1
0の他端は、ゴムブッシュ12を介して前側の車体クロ
スメンバ13に回動可能に連結されている。図1,3に
示されているように、その第1ラテラルリンク10は、
車輪4に上下方向の力が作用していない中立状態にある
ときには、車体外方に向かってやや上方かつ後方に傾斜
するようにされている。
【0014】また、トレーリングアーム2の後端部には
、上方やや斜め前方に延出するアーム部14と、下方に
わずかに突出する突出部15とが設けられている。そし
て、そのアーム部14の上端に、車体左右方向に配置さ
れる比較的短い第2ラテラルリンク16の一端が、ゴム
ブッシュ17を介して回動可能に連結されている。その
第2ラテラルリンク16の他端は、ゴムブッシュ18を
介して車体フレーム6に回動可能に連結されている。 同様に、トレーリングアーム2の後端の下方突出部15
には、車体左右方向に配置される第3ラテラルリンク1
9の一端が、ゴムブッシュ20を介して回動可能に連結
されている。その第3ラテラルリンク19は比較的長く
、その他端は、ゴムブッシュ21を介して後側の車体ク
ロスメンバ22に回動可能に連結されている。第2ラテ
ラルリンク16は、中立状態にあるときほぼ水平となる
ようにされている。一方、第3ラテラルリンク19は、
中立状態において、車体外方に向かってわずかに下方か
つ前方に傾斜するようにされている。
【0015】このようにして、トレーリングアーム2は
、車体左右方向に配置される3本のラテラルリンク10
,16,19を介して車体側に連結され、それらによっ
てそのトレーリングアーム2の左右方向の姿勢、したが
って車輪4のキャンバ及びトー角が制御されるようにな
っている。第3ラテラルリンク19のトレーリングアー
ム2寄りの部位には、ダンパ23の下端が軸24を介し
て回動可能に連結されている。そのダンパ23の上端は
、車体のホイールハウス25に回動可能に連結されてい
る。そして、そのダンパ23の下部とホイールハウス2
5との間にサスペンションスプリング26が設けられ、
車輪4が上下方向に弾力的に支持されるようになってい
る。
【0016】図4に示されているように、トレーリング
アーム2の車体側連結部8に設けられるゴムブッシュ5
は、内筒27と、その内筒27の外周側に間隔を置いて
同心状に配置される外筒28と、それら内筒27及び外
筒28間に配置されるゴム状弾性体29とによって構成
されている。そのゴム状弾性体29は直径方向両側部に
空隙30を設けたリング状のもので、その内周面及び外
周面が内筒27及び外筒28にそれぞれ加硫接着され、
それによってそれら内外筒27,28が結合されている
。ゴムブッシュ5は、その外筒28をトレーリングアー
ム2の車体側連結部8に設けられた開口に圧入すること
によってトレーリングアーム2に固定されるようになっ
ている。その場合、図2に示されているようにそのゴム
状弾性体29の空隙30が車体前後側に位置するように
してトレーリングアーム2に取り付けられ、それによっ
て、ゴムブッシュ5が車体前後方向には変形しやすくさ
れる。
【0017】ゴムブッシュ5の内筒27の内周面には、
摩擦係数の小さい材料からなるカラー31が装着されて
いる。そして、そのカラー31が、車体側に固定される
支持軸7の外周に嵌合されるようになっている。こうし
て、ゴムブッシュ5は、支持軸7に対して軸線方向及び
回転方向に摺動可能とされている。ゴムブッシュ5の両
側には、支持軸7との間の摺動部を気密に覆う柔軟なブ
ーツ32,32が設けられている。
【0018】図1に示されているように、このサスペン
ション1が中立状態にあるときには、ゴムブッシュ5が
支持軸7の車体外方寄り部分上に位置するようにされて
いる。したがって、トレーリングアーム2の車体中心側
へ向かう比較的大きな変位が許容されるようになってい
る。
【0019】次に、このように構成された車両用リヤサ
スペンション1の作用について説明する。車輪4に上下
方向の力が作用して車輪4が上下動するときには、その
車輪4を後端部で支持しているトレーリングアーム2が
、その前端側の車体側連結部8を中心として上下方向に
揺動する。このとき、その車体側連結部8に設けられて
いるゴムブッシュ5は、外筒28がトレーリングアーム
2に固着されており、その外筒28にゴム状弾性体29
を介して結合されている内筒27が車体側の支持軸7に
対して回転可能とされているので、全体がトレーリング
アーム2の揺動に伴って支持軸7のまわりに回転する。 したがって、ゴム状弾性体29には何らの荷重も作用し
ない。そして、車輪4の上下動は、ダンパ23及びサス
ペンションスプリング26によって緩衝される。
【0020】また、そのように車輪4が上下動するとき
、その車輪4のキャンバ及びトー角が3本のラテラルリ
ンク10,16,19によって制御される。すなわち、
車輪4が上下動すると、上述のようにトレーリングアー
ム2が上下方向に揺動するので、そのトレーリングアー
ム2と車体との間を左右方向に結ぶ3本のラテラルリン
ク10,16,19が、車体側の連結部であるゴムブッ
シュ12,18,21を中心として上下方向に回動する
。そして、その回動によって、トレーリングアーム2が
車体左右方向に移動される。その場合、それらのラテラ
ルリンク10,16,19の長さ、傾き等がそれぞれ異
なるので、トレーリングアーム2の車体左右方向の変位
量はそれらのラテラルリンク10,16,19が連結さ
れている部位によってそれぞれ異なることになる。 例えば、車輪4が上昇するとき、すなわちバンプ時には
、トレーリングアーム2の前端に連結されている第1ラ
テラルリンク10は下方に回動するが、その第1ラテラ
ルリンク10は中立状態で車体外方に向かって上方に傾
斜するようにされているので、その下方に向けての回動
によってトレーリングアーム2の前端が車体外方に押し
出される。一方、トレーリングアーム2の最も後端側に
連結されている第3ラテラルリンク19は上方に回動す
るが、その第3ラテラルリンク19は長く、しかも中立
状態で車体外方に向かってわずかに下方に傾斜するよう
にされているので、その上方への回動によってもトレー
リングアーム2側の連結部の車体左右方向の位置はほと
んど変化しない。その結果、トレーリングアーム2は平
面図で見て車体左右方向に傾くことになる。また、車輪
4のバンプ時には、トレーリングアーム2の揺動に伴っ
て、そのトレーリングアーム2の上端に連結されている
短い第2ラテラルリンク16が上方に回動し、トレーリ
ングアーム2の上端部が車体中心側に向けて引き込まれ
る。一方、第3ラテラルリンク19が連結されているト
レーリングアーム2の下端部は、上述のように車体左右
方向にはほとんど変位しない。その結果、トレーリング
アーム2は背面図で見て車体左右方向に傾くことになる
。車輪4が下方に変位するとき、すなわちリバウンド時
にも、ラテラルリンク10,16,19がそれぞれ上下
方向に回動することにより、トレーリングアーム2の姿
勢が決定される。このようにして、3本のラテラルリン
ク10,16,19によって、バンプリバウンド時にお
けるトレーリングアーム2の傾きが制御される。そして
、それに伴って車輪4も同様に傾く。すなわち車輪4の
キャンバ及びトー角が制御される。したがって、それら
3本のラテラルリンク10,16,19の長さや傾き、
あるいはその連結部の位置などを適切に選定することに
より、バンプリバウンド時における車輪4の姿勢を最適
に設定することができ、乗り心地及び操縦性を向上させ
ることができる。
【0021】そして、前側に配置される第1ラテラルリ
ンク10がトレーリングアーム2の前方延長部9の前端
に連結され、最も後側に配置される第3ラテラルリンク
19がトレーリングアーム2の後端に連結されることに
より、それらの連結部の間の間隔が十分に大きくなるの
で、そのサスペンション1のトー剛性が高められる。し
たがって、コーナリング時などに車輪4に加わるサイド
フォースによって車輪4の姿勢が変化することが防止さ
れるようになり、操縦安定性をより高めることができる
。また、第1ラテラルリンク10はトレーリングアーム
2の車体側連結部8の近傍に連結されるので、そのラテ
ラルリンク10を短いものとすることができる。したが
って、サスペンション1全体を軽量コンパクト化するこ
とができる。
【0022】ところで、3本のラテラルリンク10,1
6,19が上述のように配置されているリヤサスペンシ
ョン1の場合、車輪4が下降するとき、すなわちリバウ
ンド時には、上方に傾斜している第1ラテラルリンク1
0がトレーリングアーム2の揺動に伴って更に上方に回
動するので、その第1ラテラルリンク10が連結されて
いるトレーリングアーム2の前端が車体中心側に引き込
まれる。また、下方に傾斜している第3ラテラルリンク
19が更に下方に回動するので、その第3ラテラルリン
ク19が連結されているトレーリングアーム2の後端も
車体中心側に引き込まれる。したがって、トレーリング
アーム2全体が車体中心側に引き込まれることになり、
そのトレーリングアーム2の車体側連結部8が車体中心
側に向けて変位しようとする。その場合、このサスペン
ション1においては、その車体側連結部8に設けられて
いるゴムブッシュ5が、車体に固定されている支持軸7
に対して軸線方向、すなわち車体左右方向に摺動可能と
されているので、その摺動によってそのときの変位が許
容される。したがって、ゴムブッシュ5のゴム状弾性体
29を弾性変形させることなくトレーリングアーム2が
変位することになり、車輪4の姿勢制御がスムーズに行
われ、常に良好な乗り心地及び操縦性が確保される。
【0023】また、このサスペンション1の場合には、
バンプリバウンド時におけるトレーリングアーム2の車
体側連結部8の変位量が、車体外方に向けてよりも車体
中心側に向けての方が大きいので、その車体連結部8に
設けられるゴムブッシュ5は、前述したように、中立状
態において車体外方側にオフセットするように配置され
る。その場合、従来のようにゴムブッシュ5の内筒27
及び外筒28が車体及びトレーリングアーム2にそれぞ
れ固定されていると、中立状態においてもそのゴム状弾
性体29に軸線方向の負荷がかかることになるが、この
サスペンション1の場合には、ゴムブッシュ5の内筒2
7が車体側の支持軸7に対して摺動可能とされているの
で、そのようなことがない。
【0024】このように、このサスペンション1によれ
ば、ゴムブッシュ5のゴム状弾性体29に不要な荷重が
加わることが防止されるので、その耐久性が向上する。 また、そのゴムブッシュ5は、主としてコンプライアン
スが吸収されるように設計すればよいので、その設計が
容易となる。
【0025】なお、上記実施例においては、ゴムブッシ
ュ5の内筒27が嵌合支持される支持軸7が車体に固定
され、外筒28がトレーリングアーム2に固定されるも
のとしているが、逆に支持軸7がトレーリングアーム2
に固定され、外筒28が車体側に固定される場合にも、
同様にその支持軸7が内筒27に回転可能でかつ軸線方
向に摺動可能に嵌合されるようにすることにより、同様
の作用効果を得ることができる。また、本発明は、上記
実施例のように3本のラテラルリンクを用いるサスペン
ション1に限られるものではなく、例えば第2ラテラル
リンク16に代えてストラットを用いるストラット式の
サスペンション等にも適用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、トレーリングアームの前端側を前方に延出さ
せ、その延長部に複数本のラテラルリンクのうちの1本
を連結するようにしているので、そのラテラルリンクが
短くても、トレーリングアームの姿勢、すなわち車輪の
姿勢を確実に制御することができる。したがって、サス
ペンション全体を軽量でコンパクトなものとすることが
できる。また、前後に配置されるラテラルリンクの間隔
が大きくなるので、サスペンションのトー剛性を高める
ことができる。そして、トレーリングアームの前端側を
車体に上下揺動可能に連結する車体側連結部に設けられ
るゴムブッシュを、車体左右方向に配置される支持軸に
対して軸線方向に摺動可能となるようにしているので、
トレーリングアームが車体左右方向に抵抗なく変位する
ようになり、ラテラルリンクによるトレーリングアーム
の姿勢制御をスムーズに行わせることができる。したが
って、バンプリバウンド時において車輪の姿勢を常に適
切に保持させることが可能となり、乗り心地及び操縦性
を高めることができる。しかも、そのようにトレーリン
グアームが車体左右方向に変位するとき、ゴムブッシュ
のゴム状弾性体には荷重はかからない。また、ゴムブッ
シュが支持軸に対して回転方向にも摺動可能とされてい
るので、トレーリングアームが上下方向に揺動するとき
にもゴム状弾性体に荷重がかかることがない。したがっ
て、そのゴム状弾性体の早期の劣化が防止され、ゴムブ
ッシュの耐久性が高められる。その結果、サスペンショ
ンの耐久性が向上する。更に、そのゴム状弾性体の軸線
方向及び回転方向の弾性を考慮する必要がなくなるので
、ゴムブッシュの設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用リヤサスペンションの一実
施例を示す一部切り欠き平面図である。
【図2】そのリヤサスペンションの側面図である。
【図3】そのリヤサスペンションの一部切り欠き背面図
である。
【図4】そのリヤサスペンションに用いられているゴム
ブッシュを示すもので、図2のIV−IV線に沿う縦断
面図である。
【符号の説明】
1  リヤサスペンション 2  トレーリングアーム 3  リヤアクスル(車輪支持部) 4  後車輪 5  ゴムブッシュ 6  車体フレーム 7  支持軸 8  車体側連結部 9  トレーリングアームの延長部 10  第1ラテラルリンク 16  第2ラテラルリンク 19  第3ラテラルリンク 27  内筒 28  外筒 29  ゴム状弾性体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  車体前後方向に配置され、前端側がゴ
    ムブッシュを介して車体に上下揺動可能に連結されると
    ともに、後端側に車輪を回転自在に支持する車輪支持部
    が設けられているトレーリングアームと、車体左右方向
    に配置され、一端が車体に、他端が前記トレーリングア
    ームに、それぞれ回動可能に連結される複数本のラテラ
    ルリンクと、を備え、前記トレーリングアームの前端側
    に、その車体側連結部よりも前方に延出する延長部が設
    けられていて、その延長部に前記ラテラルリンクのうち
    の1本が連結されている車両用リヤサスペンションにお
    いて;前記トレーリングアームの車体側連結部に設けら
    れるゴムブッシュが、前記車体あるいはトレーリングア
    ームの一方に固定される車体左右方向の支持軸に取り付
    けられる内筒と、その内筒の外周側に間隔を置いて同心
    状に配置され前記車体あるいはトレーリングアームの他
    方に固定される外筒と、それら内筒と外筒との間に装着
    されるゴム状弾性体と、によって構成されており、その
    ゴムブッシュの内筒が、前記支持軸の外周に、回転可能
    でかつ軸線方向に摺動可能に嵌合されていることを特徴
    とする、車両用リヤサスペンション。
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Cited By (2)

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FR2750364A1 (fr) * 1996-06-28 1998-01-02 Renault Train arriere pour vehicule automobile
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