JPH04316579A - ピリド[1,2−a]ピリミジン誘導体の新規製造法 - Google Patents

ピリド[1,2−a]ピリミジン誘導体の新規製造法

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JPH04316579A
JPH04316579A JP3166330A JP16633091A JPH04316579A JP H04316579 A JPH04316579 A JP H04316579A JP 3166330 A JP3166330 A JP 3166330A JP 16633091 A JP16633091 A JP 16633091A JP H04316579 A JPH04316579 A JP H04316579A
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淳典 佐野
Motoshige Sumino
元重 角野
Masami Ishihara
正巳 石原
Kazuo Maruhashi
和夫 丸橋
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】  本発明は抗アレルギ−剤とし
て有用なピリド[1,2−a]ピリミジン誘導体の新規
な製造法に関する。
【0002】
【発明の背景】  ピリド[1,2−a]ピリミジン誘
導体及びそれらの塩類は抗アレルギー作用を有する薬剤
として知られており、これを有効成分とする各種アレル
ギー剤が広く普及している。従来、この種の化合物の製
造法としては、例えば特開昭63−183581号公報
、特開昭63−246374号公報及び特開昭63−2
46375号公報等に記載されている方法の如くシアノ
基を有するピリミジン誘導体若しくはピリジン誘導体を
市販の化合物から合成し、しかる後にこれをアジ化水素
酸又はその塩と反応させて、テトラゾール環を形成せし
める多段階合成によって、目的の化合物を得ている方法
が一般的である。また、米国特許第4,474,953
号明細書には、2−アミノピリジン誘導体、テトラゾー
ル−5−イル酢酸エステル及びオルトギ酸エステルとを
ルイス酸の存在下に反応させ、得られた3−[N−(2
−ピリジル)アミノ]−2−(1H−テトラゾール−5
−イル)アクリル酸エステル誘導体をポリリン酸中10
0〜150℃に加熱し、閉環させて目的化合物を得る方
法が記載されている。しかしながら、この方法も又2段
階反応であり、しかも両工程共に触媒を使用し、操作が
煩雑である。
【0003】この様に、通常、ピリド[1,2−a]ピ
リミジン誘導体のような複雑な化合物は多段階合成法で
製造する以外にその複雑な構造を構築することは出来な
い。そのため製造時間、製造人員及び製造設備の増加を
招き、製造コストの高騰につながっている。
【0004】
【発明の目的】  本発明は上記した如き状況に鑑みな
されたもので、市販の原料を用い、1ポット且つ実質的
に1ステップで目的とするピリド[1,2−a]ピリミ
ジン誘導体を製造し得る、新規で且つ極めて効果的なピ
リド[1,2−a]ピリミジン誘導体の製造法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【発明の構成】  上記目的を達成するために、本発明
は下記の構成よりなる。「(1)化1
【化1】[式中、R1及びR3は夫々独立して水素原子
又は低級アルキルを表し、R2及びR4は夫々独立して
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基
又は化7
【化7】(但し、R5は水素原子又は水酸基を表し、R
6は水素原子又はアシル基を表し、R7は水素原子、低
級アルキル基又はアリル基を表す。)を表す。]で示さ
れる化合物、化2
【化2】[式中、R8は低級アルコキシカルボニル基又
はシアノ基を表す。]で示される化合物、及びオルトギ
酸アルキルとを無触媒下で反応させて、化3
【化3】[
式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]で示される
化合物とし、次いでこれを単離せずにそのまま閉環反応
させることを特徴とする、化4
【化4】[式中、R9は酸素原子又はイミノ基を表し、
R1〜R4は前記と同じ。]で示される化合物の製造法
【0006】(2)化1
【化1】[式中、R1〜R4は前記と同じ。]で示され
る化合物のアジ化水素酸塩と、化5
【化5】[式中、R10は水素原子又は低級アルキル基
を表し、R8は前記と同じ。]で示される化合物とを無
触媒下で反応させて、化3
【化3】[式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]
で示される化合物とし、次いでこれを単離せずにそのま
ま閉環反応させる、化4
【化4】[式中、R1〜R4及びR9は前記と同じ。]
で示される化合物の製造法。
【0007】(3)化1
【化1】[式中、R1〜R4は前記と同じ。]で示され
る化合物のアジ化水素酸塩、化6
【化6】[式中、R8は前記と同じ。]で示される化合
物、及びオルトギ酸アルキルとを無触媒下で反応させて
、化3
【化3】[式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]
で示される化合物とし、次いでこれを単離せずにそのま
ま閉環反応させることを特徴とする、化4
【化4】[式中、R1〜R4及びR9は前記と同じ。]
で示される化合物の製造法。」
【0008】即ち、本発明者らは、ピリド[1,2−a
]ピリミジン誘導体のより効率の良い製造法を求めて鋭
意研究を重ねた結果、(i)化1
【化1】(式中、R1〜R4は前記と同じ。)で示され
る化合物(以下、化合物(1)と略記する。)を、化2
【化2】(式中、R8は前記と同じ。)で示される化合
物(以下、化合物(2)と略記する。)及びオルトギ酸
アルキルと無触媒下で反応させるか、(ii)化1のア
ジ化水素酸塩を化5
【化5】(式中、R8及びR10は前記と同じ。)で示
される化合物(以下、化合物(5)と略記する。)と無
触媒下で反応させるか、或は、(iii)化合物(1)
のアジ化水素酸塩を化6
【化6】(式中、R8は前記と同じ。)で示される化合
物(以下、化合物(6)と略記する。)及びオルトギ酸
アルキルと無触媒下で反応させると、化3
【化3】(式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。)
で示される化合物(以下、化合物(3)と略記する。)
が好収率で得られ、次いで、これを単離せずにそのまま
開環反応に付せば、1ポット且つ実質的に1ステップで
化4
【化4】(式中、R1〜R4及びR9は前記と同じ
。)で示される化合物(以下、化合物(4)と略記する
。)が容易に得られることを見出し、本発明を完成させ
るに到った。
【0009】本発明に於て、化合物(1),化合物(3
)及び化合物(4)のR1及びR3は、夫々独立して、
水素原子、又は例えばメチル基,エチル基,プロピル基
,ブチル基,アミル基等の低級アルキル基(直鎖状、分
枝状何れにても可。)を表し、R2及びR4は夫々独立
して水素原子、例えば塩素,臭素,フッ素,ヨウ素等の
ハロゲン原子、例えばメチル基,エチル基,プロピル基
,ブチル基,アミル基等の低級アルキル基(直鎖状、分
枝状何れにても可。)、例えばメトキシ基,エトキシ基
,プロポキシ基,ブトキシ基,アミロキシ基等の低級ア
ルコキシ基(直鎖状、分枝状何れにても可。)、フェニ
ル基又は化7
【化7】を表す[但し、R5は水素原子又は水酸基を表
し、R6は水素原子、又は例えばアセチル基,プロピオ
ニル基,ブチリル基,ベンゾイル基等のアシル基を表し
、R7は水素原子、又は例えばメチル基,エチル基,プ
ロピル基,ブチル基,アミル基等の低級アルキル基(直
鎖状、分枝状何れにても可。)を表す。]。
【0010】また、本発明に於ける、化合物(2),化
合物(3),化合物(5)及び化合物(6)のR8は、
例えばメトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,
プロポキシカルボニル基,ブトキシカルボニル基,アミ
ロキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基(
直鎖状、分枝状何れにても可。)、又はシアノ基を表し
、化合物(4)のR9は酸素原子又はイミノ基を表し、
化合物(5)のR10は水素原子、又は例えばメチル基
,エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基等の低級
アルキル基(直鎖状、分枝状何れにても可。)を表す。
【0011】本発明に於て用いられるオルトギ酸アルキ
ルのアルキル基としては、例えばメチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,アミル基等の低級アルキル基(
直鎖状、分枝状何れにても可。)が挙げられる。
【0012】本発明の製造法としては次の三通りの方法
が挙げられる。 (A)化合物(1)、化合物(2)及びオルトギ酸アル
キルとを無触媒下反応させ、生成した化合物(3)を単
離する事なく閉環反応を行う方法。 (B)化合物(1)のアジ化水素酸塩と化合物(5)と
を無触媒下反応させ、生成した化合物(3)を単離する
事なく閉環反応を行う方法。 (C)化合物(1)のアジ化水素酸塩、化合物(6)及
びオルトギ酸アルキルとを無触媒下反応させ、生成した
化合物(3)を単離する事なく閉環反応を行う方法。
【0013】上記本発明の製造法に於て、出発原料とし
て用いられる化合物(1)は市販品があるものはそれを
そのまま或は必要に応じて適宜精製して用いれば良いし
、市販品がないものについては例えばOrg.Reac
t.,vol.1,91〜104(1942)等に記載
の方法に準じてこれを合成して使用すれば良い。また、
化合物(2),化合物(5),化合物(6)及びオルト
ギ酸アルキルについては大抵のものが市販品としてある
のでそれらを使用すれば良い。
【0014】化合物(1)のアジ化水素酸塩は、化合物
(1)の酸付加物と例えばアジ化ナトリウム等のアジ化
水素酸塩との塩交換によって容易に製造することができ
るし、また、例えば、化合物(1)とアジ化ナトリウム
等のアジ化水素酸塩との混合物に、例えば塩酸,硫酸等
の酸を加えてこれを製造しても良い。尚、これらの操作
は何れも化合物(3)を合成しようとする反応容器中で
行う事が出来る。
【0015】以下、上記三通りの本発明の製造法につい
て順に述べる。先ず、(A)の方法は、化合物(1)と
化合物(2)とをオルトギ酸アルキルの存在下に所定の
温度にて混合し、反応させて生成してくる化合物(3)
を酸又は塩基存在下閉環反応させるか、或は単に加熱閉
環反応させる事で、化合物(4)を合成する方法である
。化合物(3)の生成反応は通常、有機溶媒中で行われ
るが、オルトギ酸アルキルが液体である場合は無溶媒で
も行い得る。有機溶媒を使用する場合には、反応を阻害
せず、且つ、それ自体反応しない溶媒なら何れでもよく
、例えばメタノ−ル,エタノ−ル,イソプロピルアルコ
−ル等のアルコ−ル類、アセトン,メチルエチルケトン
等のケトン類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類
、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、
塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,ジクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル,プロピ
オニトリル等のニトリル類、ジエチルエ−テル,テトラ
ヒドロフラン(THF),ジオキサン,エチレングリコ
−ルジメチルエ−テル等のエ−テル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF),N,N−ジメチルアセトア
ミド(DMAC)等のアミド類、ジメチルスルホキシド
等のスルホキシド類等を挙げることができ、特にアルコ
−ル類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類が好ま
しく、また、これら溶媒は単独で使用しても、二種以上
を混合して用いてもよい。これら溶媒の使用量は、原料
を溶解し得る量であって、且つ、反応速度を極端に低下
させない量であれば特に制約はない。化合物(1),化
合物(2)及びオルトギ酸アルキルの使用割合は特に限
定されないが、通常は化合物(1)と化合物(2)が等
モルで、オルトギ酸アルキルが両者に対して過剰で実施
される。反応温度は通常、0℃〜反応溶媒又はオルトギ
酸アルキルの還流温度までの何れの温度でも良いが、加
熱下に行う方が反応時間を短縮できるので好ましい。
【0016】化合物(3)の生成はTLC等の方法によ
り確認することができるので化合物(3)の生成反応が
完了したことを確認したら閉環反応に移れば良い。閉環
反応は触媒を使用せずに単に加熱するだけでも進行する
が、酸又は塩基を触媒として加えて閉環反応を行う方が
収率的にも時間的にもより効率的で好ましい。また、R
8がシアノ基の場合には化合物(3)の閉環反応は酸触
媒を用いる方が収率が良く好ましいが、R8が低級アル
コキシカルボニル基の場合には、反対に塩基触媒で行う
方が酸触媒で行う場合よりも収率が遥かに良く好ましい
【0017】開環反応は、通常、上記化合物(3)の生
成反応の反応液に要すれば酸又は塩基を触媒として加え
て行われるので、反応溶媒は必然的に化合物(3)の生
成反応の反応溶媒と同じであるが、要すればこれらの溶
媒に酢酸,ギ酸等の酸性有機溶媒やヘキサメチルホスホ
ラミド(HMPA)、水等を追加しても一向に差支えな
い。
【0018】閉環反応に使用される酸触媒としては、例
えば塩酸,硫酸,硝酸,リン酸,オキシ塩化リン,ポリ
リン酸等の無機酸や酢酸,ギ酸,ベンゼンスルホン酸,
p−トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸等の有機酸
、或は例えば塩化アルミニウム,塩化亜鉛,四塩化錫,
三フッ化ホウ素酸,六フッ化アンチモン酸等のルイス酸
等が挙げられ、その量は反応の全過程に亘って酸性を保
てる量であればよい。尚、反応溶媒に酢酸,ギ酸等の酸
性の有機溶媒を追加使用する場合には、これら酸触媒を
加えることを要しないことはいうまでもない。
【0019】また、本閉環反応に使用される塩基触媒と
しては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の
苛性アルカリ、水酸化マグネシウム,水酸化カルシウム
,水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭
酸ナトリウム,炭酸カリウム等の炭酸アルカリ、ナトリ
ウムメトキシド,ナトリウムエトキシド等の金属アルコ
キシド、例えばピリジン,トリエチルアミン, n−プ
ロピルアミン,ベンジルアミン,エチレンジアミン,エ
タノ−ルアミン,ジエタノ−ルアミン,トリエタノ−ル
アミン,N−メチルピロリジン,水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム,1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機塩基及びアン
モニア等が挙げられ、その量も反応の全過程に亘って塩
基性を保てる量であればよい。
【0020】尚、塩基を触媒として用いる場合は上記理
由即ち、反応の全過程に亘って塩基性を保つ必要がある
ことから、通常、生成した化合物(3)と当量以上の塩
基が必要である。そのため、化合物(4)を得るために
は、その後、酸などで中和する必要がある。一方、中和
せずに単離すると化合物(4)の塩を得ることができる
ので、医薬品として化合物(4)の塩を必要とする場合
には、あらためて造塩工程を必要とせず、工程が短縮さ
れる為、より有利な方法と言える。  本閉環反応は常
温〜反応溶媒の還流温度の広範囲の反応温度で実施する
事が可能であるが、反応温度が高い方が短時間で反応を
終了させることができるので、通常は40℃〜反応溶媒
の還流温度の間で行われる。
【0021】反応終了後は、塩酸,硫酸等の強酸の水溶
液を添加して、反応液の液性を強酸性に調整すれば化合
物(4)の結晶が析出するので、これを濾取することに
より単離できる。使用した反応溶媒の溶解性により、強
酸性に調整しても結晶が析出しない場合には、化合物(
4)が溶けない溶媒、例えば水などで希釈することによ
り結晶化させるか、或は反応液を濃縮,再溶解,抽出等
して単離することができる。このようにして得られた化
合物(4)を必要に応じて更に精製する等は任意である
【0022】また、化合物(4)を生理学的に許容され
る塩として単離する場合には、閉環反応に際し塩生成に
十分な量の塩基性化合物を添加し、反応終了後は中和す
ることなく、又は化合物(4)が遊離しない程度に中和
して、常法により化合物(4)の塩を単離すれば、化合
物(4)を一旦遊離体で単離した場合に比べ、造塩工程
が省略できるので工程簡略化の観点から特に有意義であ
ることは先に述べた通りである。
【0023】次に、(B)の方法であるが、この方法は
、化合物(1)とアジ化水素酸塩との混合物に酸を作用
させるか、化合物(1)の酸付加物とアジ化水素酸塩と
を反応させて生成する、化合物(1)のアジ化水素酸塩
を化合物(5)と反応させて化合物(3)を生成し、以
後(A)の方法に準じて閉環反応を行う方法である。従
って、この方法には(A)の方法とは異なりテトラゾー
ル環化工程が含まれる。
【0024】ここで使用するアジ化水素酸塩としてはア
ジ化ナトリウムやアジ化リチウムなど市販のアジ化物が
挙げられる。酸としてはアジ化水素酸より強い酸であれ
ば何れでもよいが、例えば塩酸、硫酸などの無機酸や酢
酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸等が挙げられ
る。これらのアジ化物や酸は化合物(1)に対して等モ
ル以上使用することができるが、アジ化物と酸を大量に
使用すると、必然的に過剰のアジ化水素の発生が多くな
り、取扱いにくくなるので通常1.0〜2.0倍モル程
度が用いられる。反応温度は通常0℃〜反応溶媒の還流
温度までの何れにてもよいが、通常は室温程度で行われ
る。また、反応溶媒は(A)の方法に於て示した反応溶
媒類がそのまま利用できる。かくして生成した化合物(
1)のアジ化水素酸塩は単離することなく化合物(5)
に作用させ、化合物(3)に変換する。化合物(5)の
使用量は化合物(1)に対して等モル以上であればよい
が、通常1.0〜2.0倍モル程度が好ましく使用され
る。化合物(5)は化合物(1)のアジ化水素酸塩が生
成した後加えてもよいし、初めから加えておいても何れ
でもよい。化合物(1)のアジ化水素酸塩と化合物(5
)の反応は通常0℃〜反応溶媒の還流温度の間の任意の
温度で行われるが、反応温度が高い方が反応時間を短縮
できるので好ましい。化合物(3)の生成確認、並びに
化合物(3)の閉環反応、後処理方法等これ以降の操作
に関しては先に述べた(A)法のそれに準じて行うこと
で足りる。
【0025】(C)の方法は(B)の方法に於て化合物
(5)の代りに化合物(6)とオルトギ酸アルキルを用
いる方法であり、オルトギ酸アルキルとしては(A)の
方法に於て述べたオルトギ酸エチルやオルトギ酸メチル
等を用いることで足りる。化合物(6)及びオルトギ酸
アルキルの使用量は化合物(1)に対して等モル以上で
あればよいが、通常、1.0〜2.0倍モル程度使用さ
れる。その他の反応条件(反応溶媒、反応温度等)や後
処理方法等は(B)の方法に準じて行えばよい。
【0026】このように(B)、(C)の方法は(A)
の方法と異なり、その一連の反応工程にテトラゾール環
化反応が含まれている。テトラゾール環化反応では通常
アジ化ナトリウム等の反応性を高めるために塩化アンモ
ニウムや塩化アルミニウムなどを添加しアジ化アンモニ
ウムやアジ化アルミニウムとして反応に供する。
【0027】しかしながら、このように塩化アンモニウ
ムや塩化アルミニウム等を併用した場合でも、その収率
はMax 50%強と決して高くはなく、しかもこれら
の化合物を併用することにより、いくつかの弊害が生じ
る。即ち、例えば塩化アンモニウムを併用した場合、ア
ジ化ナトリウムはアジ化アンモニウムとして作用するわ
けであるが、このアジ化アンモニウムは昇華性が非常に
高く、高温下、長時間反応させると系外へ逃げてしまう
ために大過剰使用する必要があり、効率が極めて悪い。 また、塩化アルミニウム等を併用した場合には、アジ化
ナトリウムは系内に於てはアジ化アルミニウム等アジ化
水素酸の多価金属塩として働くが、アジ化アルミニウム
等のアジ化水素酸の多価金属塩は爆発性を有する極めて
危険な化合物なので、取扱いには厳重な注意と熟練を要
する。 また、これら多価金属塩を反応に用いた場合には反応後
はテトラゾール環化反応に関与しないアジド基が多量に
残存するため、大量のアジ化水素が発生することになり
、大気汚染等の問題が生じる上にアルミニウム等に起因
する金属廃棄物処理も必要となってくる。
【0028】従って、これらの方法を実用化(企業化)
しようとした場合には、収率の低いことはもとより作業
環境及び作業者の安全性確保の問題、大気汚染防止のた
めの設備の問題、産業廃棄物処理に要する時間と労力等
の問題等を考慮しなければならない。
【0029】ところが本発明では原料となる化合物(1
)がその触媒作用を兼ねているため、塩化アンモニウム
や塩化アルミニウム等が不要である。従って本発明の方
法によれば従来の塩化アンモニウムや塩化アルミニウム
を用いてテトラゾール環化反応を行った場合の上記した
如き問題点は一切解消される。しかも、反応系への添加
物が少ない(触媒を使用しない)ということはとりも直
さず生成物中への夾雑物の混入が少ないことにつながる
。 このことは本発明が医薬品の合成法としてより好ましい
形態ということができる。
【0030】尚、上述の(A)〜(C)の本発明の製造
法において、化合物(1)〜(6)に係る置換基R1か
らR10の中に、反応に際して保護を必要とする官能基
がある場合には、保護基の導入工程及び脱保護工程が適
宜組み入れられるべきである事は言うまでもない。
【0031】また、本発明に係る化合物(1)〜(6)
の中には、互変異性体が存在するものもあり、どちらの
形であっても実質的に支障はないが、便宜上一種類しか
示していない。以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何等限
定されるものではない。
【0032】
【実施例】
実施例1.2−アミノ−3−メチルピリジン 5.4g
(50mmol)、1H−テトラゾール−5−イル酢酸
エチル 7.8g(50mmol)及びオルトギ酸エチ
ル 8.2g(55mmol)をDMF20mlに溶解
し、90℃で1時間加熱攪拌した。反応後、反応液に1
N−水酸化カリウム水溶液 55mlを加え、50℃で
1時間攪拌した。冷却後、反応液を10%塩酸で酸性に
し、析出した結晶を濾取して9−メチル−3−1H−テ
トラゾール−5−イル−4H−ピリド[1,2−a]ピ
リミジン−4−オンの白色針状晶9.4gを得た。収率
82%。
【0033】実施例2.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン 5.4g(50mmol)、1H−テトラゾール−
5−イル酢酸エチル 7.8g(50mmol)及びオ
ルトギ酸エチル 8.2g(55mmol)をTHF 
20mlに溶解し、6時間攪拌還流した。冷却後、反応
液に無水塩化アルミニウム 13.3g(100mmo
l)を加え、6時間攪拌還流した。冷却後、反応液に水
を注ぎ、析出した結晶を濾取して9−メチル−3−1H
−テトラゾール−5−イル−4H−ピリド[1,2−a
]ピリミジン−4−オンの白色針状晶3.7gを得た。 収率32%。
【0034】実施例3.実施例1.における2−アミノ
−3−メチルピリジン 5.4g(50mmol)を2
−アミノ−3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−
n−プロピルフェノキシメチル)ピリジン 15.0g
(50mmol)に代えて実施例1.と同様に処理し、
9−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−n−プロピ
ルフェノキシメチル)−3−1H−テトラゾール−5−
イル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オ
ンの白色結晶19.7gを得た。収率94%。
【0035】実施例4.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン塩酸塩 7.3g(50mmol)とアジ化ナトリウ
ム 3.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸
濁させ、室温下1時間攪拌した後、エトキシメチレンシ
アノ酢酸エチル 8.5g(50mmol)を加え、9
0℃で6時間加熱攪拌した。反応後、反応液に1N−水
酸化カリウム水溶液55mlを加え、50℃で1時間攪
拌した。冷却後、反応液を10%塩酸で酸性にし、析出
した結晶を濾取して9−メチル−3−1H−テトラゾー
ル−5−イル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン
−4−オンの白色針状晶7.0gを得た。収率62%。
【0036】実施例5.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン塩酸塩 7.3g(50mmol)とアジ化ナトリウ
ム 3.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸
濁させ、室温下1時間攪拌した後、エトキシメチレンシ
アノ酢酸エチル 8.5g(50mmol)を加え、9
0℃で6時間加熱攪拌した。冷却後、反応液にオキシ塩
化リン 10mlを加え、90℃で5時間攪拌した。冷
却後、反応液に水を注ぎ、析出した結晶を濾取して9−
メチル−3−1H−テトラゾール−5−イル−4H−ピ
リド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの白色針状晶
2.9gを得た。収率26%。
【0037】実施例6.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン塩酸塩 7.3g(50mmol)とアジ化ナトリウ
ム 3.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸
濁させ、室温下1時間攪拌した後、シアノ酢酸エチル6
.1g(50mmol)とオルトギ酸エチル 11.2
g(75mmol)を加え、90℃で12時間加熱攪拌
した。反応後、反応液に1N−水酸化カリウム水溶液 
55mlを加え、50℃で1時間攪拌した。冷却後、反
応液を10%塩酸で酸性にし、析出した結晶を濾取して
、9−メチル−3−1H−テトラゾール−5−イル−4
H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの白色
針状晶6.5gを得た。収率57%。
【0038】実施例7.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン 5.4g(50mmol)とアジ化ナトリウム 3
.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸濁させ
、硫酸 4.9g(50mmol)を加えて、室温下1
時間攪拌した。これに、エトキシメチレンシアノ酢酸エ
チル 8.5g(50mmol)を加え、90℃で6時
間加熱攪拌した後、1N−水酸化カリウム水溶液 55
mlを加えて、50℃で1時間攪拌した。冷却後、反応
液を10%塩酸で酸性にし、析出した結晶を濾取して9
−メチル−3−1H−テトラゾール−5−イル−4H−
ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの白色針状
晶6.0gを得た。収率53%。
【0039】実施例8.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン塩酸塩 7.3g(50mmol)とアジ化ナトリウ
ム 3.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸
濁させ、室温下1時間攪拌した後、エトキシメチレンマ
ロンニトリル 6.1g(50mmol)を加え、90
℃で6時間加熱攪拌した。反応後、反応液に濃塩酸 1
50mlを加え、110℃で4時間加熱した。冷却後、
析出した結晶を濾取し、9−メチル−3−1H−テトラ
ゾール−5−イル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミ
ジン−4−オンの白色針状晶6.7gを得た。収率59
%。
【0040】実施例9.2−アミノ−3−メチルピリジ
ン塩酸塩 7.3g(50mmol)とアジ化ナトリウ
ム 3.8g(50mmol)をDMF 20mlに懸
濁させ、室温下1時間攪拌した後、マロンニトリル 3
.3g(50mmol)とオルトギ酸エチル 11.2
g(75mmol)を加え、90℃で12時間加熱攪拌
した。反応後、反応液に濃塩酸 150mlを加え、1
10℃で4時間加熱した。冷却後、析出した結晶を濾取
し、9−メチル−3−1H−テトラゾール−5−イル−
4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの白
色針状晶5.8gを得た。収率51%。
【0041】
【発明の効果】本発明は市販の簡単な化合物から複雑な
構造を有するピリド[1,2−a]ピリミジン誘導体を
1ポットで収率良く合成する方法を提供するものであり
、これにより、抗アレルギー剤として有用な種々のピリ
ド[1,2−a]ピリミジン誘導体を従来法に比べ極め
て低コストで、しかも短時間で製造する事が可能となっ
た点でその効果は顕著であり、本発明の有用性は大きい

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  化1 【化1】 [式中、R1及びR3は夫々独立して水素原子又は低級
    アルキルを表し、R2及びR4は夫々独立して水素原子
    、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基又は化7
    【化7】 (但し、R5は水素原子又は水酸基を表し、R6は水素
    原子又はアシル基を表し、R7は水素原子、低級アルキ
    ル基又はアリル基を表す。)を表す。]で示される化合
    物、化2 【化2】 [式中、R8は低級アルコキシカルボニル基又はシアノ
    基を表す。]で示される化合物、及びオルトギ酸アルキ
    ルとを無触媒下で反応させて、化3 【化3】 [式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]で示され
    る化合物とし、次いでこれを単離せずにそのまま閉環反
    応させることを特徴とする、化4 【化4】 [式中、R9は酸素原子又はイミノ基を表し、R1〜R
    4は前記と同じ。]で示される化合物の製造法。
  2. 【請求項2】  化1 【化1】[式中、R1〜R4は前記と同じ。]で示され
    る化合物のアジ化水素酸塩と、化5 【化5】 [式中、R10は水素原子又は低級アルキル基を表し、
    R8は前記と同じ。]で示される化合物とを無触媒下で
    反応させて、化3 【化3】[式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]
    で示される化合物とし、次いでこれを単離せずにそのま
    ま閉環反応させることを特徴とする、化4 【化4】[式中、R1〜R4及びR9は前記と同じ。]
    で示される化合物の製造法。
  3. 【請求項3】  化1 【化1】[式中、R1〜R4は前記と同じ。]で示され
    る化合物のアジ化水素酸塩、化6 【化6】 [式中、R8は前記と同じ。]で示される化合物、及び
    オルトギ酸アルキルとを無触媒下で反応させて、化3【
    化3】[式中、R1〜R4及びR8は前記と同じ。]で
    示される化合物とし、次いでこれを単離せずにそのまま
    閉環反応させることを特徴とする、化4 【化4】[式中、R1〜R4及びR9は前記と同じ。]
    で示される化合物の製造法。
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