JPH04316487A - 核酸サブトラクション法 - Google Patents

核酸サブトラクション法

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JPH04316487A
JPH04316487A JP10818791A JP10818791A JPH04316487A JP H04316487 A JPH04316487 A JP H04316487A JP 10818791 A JP10818791 A JP 10818791A JP 10818791 A JP10818791 A JP 10818791A JP H04316487 A JPH04316487 A JP H04316487A
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JP
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nucleic acid
dna
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immobilized
solution
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JP10818791A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Kishimoto
利彦 岸本
Shinichiro Niwa
真一郎 丹羽
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸サブトラクション
法に関し、さらに詳しくは、各種の核酸を含む溶液から
特定の核酸のみを取り去る核酸サブトラクション法に関
する。本発明の核酸サブトラクション法は、遺伝子操作
、特に、遺伝子クローニング等に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、核酸を含む溶液から特定の核酸の
みを取り去るというサブトラクション技術は知られてい
ない。これまでに試みられていた方法としては、メンブ
ラン上にcDNA(complementary  D
NA)を非特異的吸着により固定し、このcDNAと核
酸溶液中のmRNA(mesenger  RNA)を
ハイブリダイゼーションさせ、溶液中に残存する核酸を
回収する方法がある。しかしながら、この方法は、cD
NAをcDNAライブラリーから回収する手間が非常に
大きいこと、cDNAの固定化が非特異的な吸着による
ためmRNAとのハイブリダイゼーションが完全でない
こと、さらに、cDNAの固定化密度が非常に低いため
、操作に手間がかかり、かつ、完全にmRNAを除くこ
とが困難であること、等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、核酸
溶液から特定の核酸のみを効率よく抽出できる核酸サブ
トラクション法を提供することにある。
【0004】本発明者らは、鋭意研究した結果、一本鎖
DNAをその分子末端で支持体に固定したもの(以下、
固定化DNAと略記)を用いると、非常に精度の高いハ
イブリッド形成(DNA−DNAハイブリッド、DNA
−RNAハイブリッド)が可能となるため、この固定化
DNAを用いて、核酸溶液を処理し、該一本鎖DNAと
相補的な塩基配列を有する核酸とハイブリダイゼーショ
ンさせることにより、特定の核酸のみを効率よく、かつ
、完全に抽出できることを見出した。
【0005】この方法により、例えば、正常な細胞の核
酸を支持体上に固定化したものを用い、癌などの病気の
細胞から得られた核酸溶液を処理して、相補的な塩基配
列を有する核酸を取り去ると、病気に特異的な核酸(遺
伝子)を回収することができる。また、内容不明の2つ
の核酸溶液の間で相互に存在しない特異的核酸を回収す
ることが可能となる。本発明は、これらの知見に基づい
て完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、一本鎖核酸をその末端で不溶性の支持体上に固定化
したものを用いて核酸溶液を処理し、該一本鎖核酸とそ
れに相補的な塩基配列を有する核酸とをハイブリダイゼ
ーションさせ、次いで、核酸溶液中に残存する核酸を回
収することを特徴とする核酸サブトラクション法が提供
される。以下、本発明について詳述する。
【0007】(不溶性の支持体)本発明で用いる不溶性
の支持体としては、例えば、ナイロンメンブラン、ニト
ロセルロースメンブラン、ポリテトラフルオロエチレン
メンブラン、ポリエチレンメンブラン等、天然または合
成有機高分子メンブラン(膜状体)を挙げることができ
る。ニトロセルロースのように有機高分子(例;セルロ
ース)を化学的に処理し、改質して得たメンブランも含
む。
【0008】また、支持体としては、グラファイト、多
孔質ガラス、シリカ等の無機高分子メンブラン;アルミ
ニウム、アパタイト等の金属メンブラン;アルミナ、窒
化珪素等のセラミックスメンブラン;食塩等の結晶を挙
げることが出来る。さらに、これらの表面を化学的、物
理的に表面処理することで改質されれたものも使用でき
る。
【0009】さらに、支持体としては、ナイロン、ニト
ロセルロース、セルロース、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレン等の有機高分子粒子;グラファイト、
多孔質ガラス、シリカ等の無機高分子粒子;アルミニウ
ム、アパタイト等の金属粒子;アルミナ等のセラミック
粒子;等を挙げることができ、また、これら有機高分子
は、例えば酸化、還元、加水分解などの化学的処理、例
えばプラズマ照射などの物理的処理で改質したもの、無
機高分子粒子、金属粒子、セラミック粒子は、例えばイ
オンプレーティングなどの物理的、化学的に表面処理を
行なうことで改質されたものも使用できる。
【0010】(支持体上への核酸の固定化法)本発明に
おいては、不溶性の支持体上に一本鎖核酸(以下、一本
鎖DNAと略記)を末端で固定化したものを使用する。 一本鎖DNAとしては、その末端に1若しくはそれ以上
の余分のヌクレチオド分子を含んでいるか、あるいは一
本鎖DNAの末端にあるヌクレオチド分子が化学的修飾
を受けているもの、または官能基を有する化学物質(A
BI社アミノリンク2等)を末端に導入したものを用い
れば、該余分のヌクレオチドまたは化学的修飾を受けた
ヌクレオチド、または官能基を有する化学物質を介して
支持体上への結合を行なうことができる。以下、支持体
上への核酸の固定化法の具体例について、順を追って詳
細に説明する。
【0011】一本鎖DNAの末端を化学的に修飾する場
合 1)まず、末端に固定化に適した官能基(例えば−NH
2  、−COOH)を導入した一本鎖DNAを調製す
る。DNAを合成する場合、その合成自体は、市販のD
NA合成装置〔例えばApplied  Biosys
tems  Inc.(以下、ABI社と略記)製39
1型PCR−MATEなど〕を使用し、常法によって行
なうことができる。官能基の導入は、例えば次のような
方法で行うことができる。
【0012】■  アミノリンク2(ABI社製)の導
入以下の反応式にしたがい、DNA合成装置を使って、
ヘキシルアミノ基をDNA末端に導入することができる
(ABI社のUser  Bulletin,No.4
9,August  1988、参照)。
【0013】
【化1】
【0014】■  化2
【0015】
【化2】 で示されるリンカーを、DNA合成装置(ABI社製、
A−391EP  PCR−MATEなど)を用いてD
NA末端に導入し、これを処理することにより、このリ
ンカー末端を反応性のあるアルデヒド基またはカルボキ
シ基に導き、さらにアルデヒド基の場合は、ビオチンの
ヒドラシド化合物と反応させることにより、アビジンと
特異的に結合して複合体を形成し得るビオチンを導入す
ることができる(Jonathan  N.Krems
ky  et  al.,  NucleicAcid
  Research  1987,Vol.15,p
.2891〜参照)。
【0016】■  DNA合成装置を用い、アミノ基を
もつ塩基のヌクレオチド1〜数10個を相補部分のDN
A末端に付加する。
【0017】■  ターミナルトランスフェラーゼによ
り、支持体との結合に適した塩基、またはその反応性誘
導体をDNA末端に導入する(Deug  G.and
  WuR.,  Methods  in  Enz
ymology,  Vol.100,p.96−11
6,1983、参照)。
【0018】2)次に、1)で得た一本鎖DNAの相補
鎖を1)と同様の合成装置を用いて調製し、両者をアニ
ーリングさせて、二本鎖DNAとする。
【0019】3)上で得た二本鎖DNAを含む溶液、ま
たは一本鎖DNAの末端に固定化に適した官能基を有す
るDNA溶液に固定化用支持体を加え、両者を結合させ
る。DNAと支持体との結合法は、DNAおよび支持体
の両者の化学的修飾の種類によって異なり、例えば、次
のような各種の方法を用いることができる。
【0020】■  DNAまたは支持体上の水酸基(主
としてジオール基)をトリフロオロエタンスルフォニル
クロライド(以下、トレシルクロライドと略記)(K.
Nillson  and  K.Mosbach, 
 Biochem.Biophys.Res.Comm
un.,102,449,1981)、CNBr(R.
Axen  et  al.,  Nature,21
4,1302,1967)、トリクロロトリアジン(T
.H.Finlay  et  al.,  Anal
.Biochem.,87,77,1978)、エピク
ロロヒドリン(I.Matsumoto  et  a
l.,  J.Biochem.,85,1091,1
979)、ビスオキシラン(L.Sundberg  
and  J.Porath,J.Chromatog
r.,90,87,1974)、ジビニルスルホン酸(
J.Porath,  Meth.Enzymol.,
34,27,1974)、ベンゾキノン(J.Bran
dt  et  al.,  Biochem.Bio
phys.Acta.,386,196,1975)、
カルボニルジイミダゾール(G.S.Bethell 
 et  al.,  J.Biol.Chem.,2
54,2572,1979)などで活性化し、支持体上
、またはDNAの主としてアミノ基と結合させる。
【0021】■  DNAまたは支持体上の主としてカ
ルボキシル基(−COOH基)を水溶性カルボジイミド
等のカルボジイミド(A.Tengblad,  Bi
ohem.J.,199,297,1981;M.Fu
nabashi  etal.,Anal.  Bio
chem.,126,414,1982)または2−エ
トキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキ
ノリン(EEDQ)(G.Saccomani  et
  al.,  J.Biochem.,256,12
405,1981;B.Belleuau  and 
 G.  Malek,  J.Am.Chem.So
c.,90,1651,1968)で活性化し、支持上
またはDNAの主としてアミノ基(−NH2  )と縮
合結合させる。
【0022】■  従来の非特異的または末端とは限ら
ない状態で支持体に結合したDNAに、所望のDNAを
DNAリガーゼ(連結酵素)を用いて結合させる。
【0023】■  支持上およびDNAのヒドラジド基
とアルデヒド基、またはヒドラジド基とカルボキシル基
を用いて結合させる。ヒドラジド基とアルデヒド基の場
合は、混合するとヒドラゾン結合を形成する。これを還
元操作を行うと共有結合化する(Jonathan  
N.Kremsky  et  al.,上掲文献参照
)。ヒドラジドとカルボキシル基の場合は、■のように
カルボジイミド等を用いる。
【0024】■  DNAおよび支持体上に互いに親和
力のある物質を導入し(例えば、ビオチンとアビジン)
、その親和力に基づいて固定化を行う(Jonatha
n  N.Kremsky  et  al.,上掲文
献参照)。
【0025】■  DNAと支持体上のチオール基どう
しを活性化、固定化する(K.Brocklehurs
t  et  al.,  Biochm.J.,13
3,573,1973)。
【0026】■  DNAと支持体上のアミノ基どうし
をブリモアセタミド法にて結合させる(P.Cuatr
ecasas,  J.Biol.Chem.,245
,3059,1970) 4)上で得た固定化二本鎖DNAの場合、蒸留水や2.
4Mテトラエチルアンモニウムクロライド水溶液、適宜
希釈した10×SSC(1.5M  NaClおよび0
.15Mクエン酸ナトリウム;pH7.0)、0.1〜
2M  NACl水溶液等の塩溶液中、熱(約40℃以
上)またはアルカリを加えることにより変性させ、遠心
して固相と液相を分離することにより、固定化一本鎖D
NAを得る。
【0027】二本鎖DNAをそのまま、あるいは末端を
化学的に修飾して用いる場合 二本鎖DNAの一方の鎖に1若しくはそれ以上のヌクレ
チオド分子が付加した形の二本鎖DNAは、そのままあ
るいは化学的な修飾を施した後支持体に末端で結合させ
ることができるので、上記の工程3)以降の操作を施せ
ば、上と同様の目的を達成することができる。このよう
な二本鎖DNAは、次のようにして調製することができ
る。
【0028】■  ターミナルトランスフェラーゼを使
用して、片方のDNA鎖の末端にのみ支持体との結合に
適した塩基またはその反応性誘導体を導入する。
【0029】■  末端に一本鎖部分ができるように制
限酵素で切断する。
【0030】■  官能基を持つDNA分子と、二本鎖
DNAをDNAリガーゼにより結合させる。例えば、二
本鎖DNAの両端の切断端が異なる配列を持つように2
種の制限酵素で処理する。そこで、一方の切断端に特異
的に結合できる配列を有する官能基を有するDNAを加
え、そこにDNAリガーゼを作用させることにより目的
DNA断片の末端に官能基を導入できる。この場合、除
去したい方の鎖の5′末端を脱リン酸化しておいてもよ
い。即ち、目的とする二本鎖DNAの一端だけが出た長
い二本鎖DNAを調製し、この状態で脱リン酸化酵素に
より5′末端を脱リン酸化し、その後二本鎖DNAを切
断して目的断片をつくると一方の5′末端は脱リン酸化
されたものができる。
【0031】■  二本鎖DNAの3′末端−OH基に
トリクロロトリアジン基を導入することでOH基を活性
化する。5′末端−OH基には、■で述べた脱リン酸化
を行い−OH基を露出させトリクロロトリアジンを反応
させて活性化する。3′末端の−OH基と5′末端の−
OH基では、反応性が5′末端の方が良いため、5′末
端−OH基を特異的に活性化できる。
【0032】mRNAから固定化cDNAを合成する方
法 先ず支持体上にオリゴマー(1〜1000塩基)のデオ
キシチミン〔以下、オリゴ(dT)と略記〕を固定する
。この固定化法としては、前記一本鎖DNAの末端を化
学的に修飾してから支持体上に固定化する方法が採用で
きる。次いで、このオリゴ(dT)にmRNAをハイブ
リダイゼーションさせ、次いで逆転写酵素を用いて、m
RNAを鋳型とし、かつ、オリゴ(dT)をプライマー
としてcDNAを合成し、しかる後mRNAを除去する
ことにより、末端がオリゴ(dT)を介して支持体上に
固定化されたcDNAを得る。
【0033】(核酸溶液)核酸溶液は、次のような核酸
を含有する溶液である。■  細胞から抽出された(天
然の)2本鎖DNA、およびこのDNAを制限酵素や物
理的剪断力等で切断したもの、■  天然の1本鎖DN
A(上記■のDNAを熱またはアルカリ等で変性させた
ものも含む)、■  ポリメラーゼチェーンリアクショ
ン(PCR法)等でin  vitroで増幅された1
本鎖または2本鎖DNA、および該2本鎖DNAを熱ま
たはアルカリ等で変性させたもの、■  合成DNA、
■  天然のRNA、■  合成RNA、■  ■〜■
の任意のDNA,RNAの混合物。
【0034】(サブトラクション法)本発明のサブトラ
クション法においては、一本鎖核酸をその末端で不溶性
の支持体上に固定化したものを用いて核酸溶液を処理し
、該一本鎖核酸とそれに相補的な塩基配列を有する核酸
とをハイブリダイゼーションさせ、次いで、核酸溶液中
に残存する核酸を回収する。
【0035】ハイブリダイゼーションは、公知の各種の
方法を用いることができる。本発明で用いる固定化DN
Aは、その末端で支持体上に固定化されているため、固
定化によるDNA塩基の破壊がなく、液相中でのDNA
とほぼ同じ挙動が期待され、相補的な塩基配列を有する
核酸(DNA、RNA)と効率よく、かつ、完全にハイ
ブリダイゼーションさせることが可能である。したがっ
て、核酸溶液から相補性のある塩基性配列を有する特定
の核酸のみを取り去ることができる。
【0036】さらに、特定のmRNAを鋳型として、支
持体上に固定化されたcDNAを合成すれば、核酸溶液
から相補性のあるmRNAのみを抽出できる。そこで、
例えば、内容未知のmRNAを含む2つの核酸溶液の一
方のmRNAを鋳型として、固定化cDNAを作成し、
これを用いて他方の核酸溶液を処理して、ハイブリダイ
ゼーションを行なえば、核酸溶液中に残存して回収され
るmRNAは、一方の核酸溶液に存在しないものである
ことが分かる。逆の操作も可能である。したがって、こ
のような方法により、内容不明の2つの核酸溶液の間で
相互に存在しない特異的核酸を回収することができる。 そして、本発明の核酸サブトラクション法は、遺伝子操
作、特に、遺伝子クローニング等に好適である。
【0037】
【実施例】
[実施例1] (1)  トレシル活性化シリカゲルの調製以下の操作
は、ドライボックスもしくは乾燥窒素を満たした無菌パ
ックなどを適宜利用し、水分の混入を防ぎながら行なっ
た。なお、シリカゲルを単にゲルと略称することがある
【0038】1)アセトン、ピリジンを予めモレキュラ
ーシーブで脱水しておく。 2)1mlの脱水アセトン、100μlのピリジン、お
よび小さなスターラーチップを10mlのメスフラスコ
に入れておく。 3)1gのゲルをガラスフィルター(#5メッシュ)上
でアスピレーターで吸収しながら、アセトン、脱水アセ
トンで素早く洗浄し、直ちに2)で用意したメスフラス
コに入れる。 4)乾燥窒素で外気が混入しないようにしながら、スタ
ーラーでゲルを激しく撹拌しつつ、100〜200μl
のトレシルクロライド(Fluka社製)を1分ほどか
けて滴下する。この際、氷を詰めたビニール袋などでメ
スフラスコを0℃付近に保っておく。 5)メスフラスコに蓋をし、ゲルを破砕させないように
スターラーの速度を落し20分間反応させる。メスフラ
スコは0℃付近に保っておく。
【0039】6)反応後、ガラスフィルター上に移し、
アセトン、アセトン+5mM  HCl(1:1)およ
び5mM  HClで洗浄する。 7)さらにアセトンで洗浄し、フィルター上で十分アセ
トンを揮散させる。 8)ナスフラスコに移し、減圧下にアセトンを揮散させ
る。トレシルは高温では不安定なので、5)で用いた氷
入りビニールなどで低温に保ちつつ乾燥させると、トレ
シル化シリカゲルが得られる。
【0040】(2)  オリゴ(dT)の合成と支持体
への固定 ABI社製DNA合成装置にて、1μMスケールで、下
記配列■の一本鎖DNAを合成した。配列■のDNAは
、精製後、1.5mgが回収された。 ■5′X  TTT  TTT  TTT  TTT 
 TTT  TTT  TTT  TTTTTT  3
′X:アミノリンク2(ABI社製) 得られたDNA(27−merのdT)を常法により高
速液体クロマトグラフィーを用いて精製した。このDN
Aを500μg分とって減圧下で乾固した。この乾固し
たDNA100μgを1M  NaCl(100μl)
に溶かし、次いで0.4M  NaHCO3  (pH
7.5)を100μl加えた。この溶液に、トレシル活
性化シリカゲルを加え、室温で24時間反応させた。反
応終了後、シリカゲルを1M  NaClで3回洗浄し
、最後に、1M  NaCl  1mlに懸濁した。こ
れを95℃で5分間加温した後、直ちに遠心し(120
00rpm)、上清を除去して、残渣としてシリカゲル
に固定化した27−merのオリゴ(dT)を得た。
【0041】(3)  mRNAの調製1)BALB/
cマウス3週齢の肝臓2gと脾臓2gをとり出し、以下
の操作によってmRNAを調製した。以下の操作は、肝
臓および脾臓について、それぞれ行なった。 2)70ml  5.5Mチオシアニン酸グアニジン溶
液(以下、5.5M  GTC液と略記)を加え、ポリ
テトラフルオロエチレン−ガラスホモジナイザーですり
潰す。 <5.5M  GTC溶液> GTC(和光純薬)                
    5.5Mクエン酸ナトリウム(和光純薬社製)
    25mMSarkosyl         
             0.5%以上の混合液をN
aOHでpH7.0に調整し、フィルターを通す。使用
直前に0.2Mとなるように2−メルカプトエタノール
を加える。
【0042】3)テルモ社製10mlディスポーザブル
シリンジに#18注射針をつけ、これを使って2)のホ
モジネートを出し入れし、DNAを機械的に切断する。 4)オートクレーブ滅菌したポリアロマー社製遠心チュ
ーブに、CsTFA−0.1M  EDTA液を半分入
れ、その上へ3)のサンプルを重層し、23000rp
m、15℃で24時間遠心する。 <CsTFA−0.1M  EDTA液>CsTFA 
 (Pharmacia社製)EDTA(pH8.0)
          0.25Mこれを蒸留水でρ=1
.51とする。
【0043】5)ピペットを用いて、上からタンパク質
、DNA層を取り除き、液を除去して、残渣を回収する
。この残渣を4M  GTC溶液(5.5M  GTC
溶液を蒸留水で希釈したもの)4mlに溶かす。 6)10000rpm、10分間遠心して、不溶物を除
く。 7)上清に、1M酢酸100μlとエタノール3mlを
加え、−20℃で5時間静置する。
【0044】8)10000rpm、20分間遠心する
。 9)残渣を3mlのTEに溶かし、10000rpm、
10分間遠心した後、上清を回収する。 <TE> Tris−HCl(pH7.5)    10mMED
TA                       
     1mM10)0.3mlの2M  NaCl
と6mlのエタノール加え、−20℃で3時間静置して
沈殿させる。 11)10000rpm、10分間遠心した後、沈殿を
回収する。
【0045】12)沈殿をTris−HCl(pH7.
5)10mM、NaCl0.5M、EDTA  1mM
、SDS  0.1%からなる(緩衝液A)に溶かし、
0.5mg/mlにする。 13)1M  NaClを12)の溶液の等量加える。 14)65℃で5分間処理した後、急冷する。 15)12000rpm、5分間遠心して、不溶物を除
去する。 16)Pharmacia社製Type7オリゴ(dT
)セルロース0.5gを蒸留水で膨潤し、詰めたカラム
を0.1M  NaOH5mlで洗い、その後、緩衝液
Aで平衡化する。次いで、0.5M  NaCl  1
0mlで平衡化する。 17)16)のカラムに15)の上清を通す。 18)溶出液をもう1度同じカラムに通す。
【0046】19)緩衝液A  10mlで溶出する。 これは500μlづつ分画し、各分画のA260  を
測定し、ピークを回収する(分画4〜7)。
【0047】20)250ml  3M酢酸ナトリウム
(和光純薬社製)pH5.1、6mlエタノールを加え
、よく撹拌し、−20℃で沈殿させる。以上の操作によ
り、BALB/cマウス3週齢の肝臓および脾臓から、
それぞれmDNAを調製した。
【0048】(4)  固定化cDNAの合成とそれを
用いた核酸サブトラクション 以下の操作により、先ずBALB/cマウス3週齢の肝
臓から抽出したmRNAを鋳型として、支持体上に固定
化したcDNAを合成し、次いで、この固定化cDNA
を用いて、BALB/cマウス3週齢の脾臓から抽出し
たmRNAを含む核酸溶液を処理し、ハイブリダイゼー
ションを行なった。そして、該核酸溶液に残存する核酸
(mRNA)の分析を行なった。
【0049】1)BALB/cマウス3週齢の肝臓から
抽出したmRNA  5μgを10μlのH2Oに溶か
す。 2)1μlの100mM  CH3HgOHを加え、1
0分間放置する。 3)700mM  2−メルカプトエタノール(原液を
20倍に希釈したもの)を2μl加え、よく撹拌して、
CH3HgOHを不活性化する。 4)直ちに、RNaseインヒビター(TAKARA酒
造社製)60ユニット(6μl)を加え、撹拌後、5分
間放置する。 5)■で作製した27−merのオリゴ(dT)を固定
化したゲル10mgを加える。
【0050】6)以下の溶液で反応させる。 5)の混合物                   
     12μlの液成分 ファーストストランド合成液          10
μl80mM  Na−ピロリン酸        2
.5μldNTPs混合液             
         5μlH2O          
                14.5μl逆転写
酵素(生化学工業製)      1000ユニット4
2℃で2時間反応させる。 <ファーストストランド合成液> Tris−HCl(pH8.3)    250mMM
gCl2                     
       50mMKCl           
                 250mM
【00
51】7)6)の反応液に、RNaseH(ベーリンガ
ーマンハイム山之内社製)を2ユニット加え、12℃で
60分間、22℃で60分間反応させる。 8)70℃、10分間で酵素を失活させる。 9)12000rpm、1分間遠心し、上清を除去する
。 10)500μlのTEで洗浄した後、12000rp
m、1分間遠心し、上清を除去する。 11)500μl  TEに懸濁する。 12)2mg/mlの(dA)30(アデニンの30−
mer)を100μl加える。 13)5M  NaCl  100μlを加え、撹拌後
、そのまま37℃で15分間放置する。 14)12000rpm、1分間遠心した後、上清を除
去する。
【0052】15)沈殿に、脾臓のmRNA  5μg
を緩衝液A100μlに溶かし、70℃に加熱した後、
冷却したものを加える。 16)10μl  5M  NaCl加える。 17)H2Oを加え500μlにする。 18)55℃で10分間撹拌し反応させる。 19)12000rpmで10分間遠心する。 20)上清を回収する。 21)エタノール1.5mlを加え、−20℃で5時間
保持する。 22)12000rpmで10分間遠心し、4℃に冷却
した後、上清を除去する。
【0053】23)5μl  TEに溶かす。 24)1μlを取り、1μg/mlエチジウムブロマイ
ド20μlと混合し、紫外線を照射すると、オレンジ色
に発色した。 このことは、RNAがこの溶液中に存在することを示し
ており、肝臓にはないmRNAが脾臓にあることが示さ
れた。以上により、サブトラクションが行なわれたこと
が分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明のサブトラクション法によれば、
前記実施例で示したように、内容不明の2つの核酸混合
物の間で相互に存在しない特異的核酸が回収できる。そ
こで、例えば、正常の細胞の核酸を固定化し、病気の細
胞(例えば、癌など)の核酸との間で、本発明の方法を
実施すれば、回収される核酸は、病気に特異的な遺伝子
であることが分かる。
【0055】このように、本発明のサブトラクション法
は、病気の遺伝子の解明の有用な方法ともなり、また、
2種の核酸混合物をいろいろ組み合わせることにより、
老化の遺伝子、臓器特異的遺伝子等が効率的に回収でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一本鎖核酸をその末端で不溶性の支持
    体上に固定化したものを用いて核酸溶液を処理し、該一
    本鎖核酸とそれに相補的な塩基配列を有する核酸とをハ
    イブリダイゼーションさせ、次いで、核酸溶液中に残存
    する核酸を回収することを特徴とする核酸サブトラクシ
    ョン法。
  2. 【請求項2】  支持体上に固定化した一本鎖核酸が、
    合成DNAである請求項1記載の核酸サブトラクション
    法。
  3. 【請求項3】  支持体上に固定化した一本鎖核酸が、
    先ず支持体上にオリゴマーのデオキシチミンを固定し、
    これにmRNAをハイブリダイゼーションさせ、次いで
    逆転写酵素を用いて、mRNAを鋳型とし、かつ、オリ
    ゴマーのデオキシチミンをプライマーとしてcDNAを
    合成し、しかる後mRNAを除去して形成された末端が
    オリゴマーデオキシチミンを介して支持体上に固定化さ
    れたcDNAである請求項1記載の核酸サブトラクショ
    ン法。
  4. 【請求項4】  核酸溶液が、mRNAおよびcDNA
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の核酸を含有す
    る溶液である請求項1記載の核酸サブトラクション法。
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