JP2001502909A - 一本鎖dnaアレイの調製方法 - Google Patents

一本鎖dnaアレイの調製方法

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Abstract

(57)【要約】 固体支持体上に固定化された一本鎖DNAアレイの調製方法であって、(i)固体支持体に取り付けるためのセンス又はアンチセンス鎖上で化学的に修飾された二本鎖DNAのサンプルを用意する工程と;(ii)固体支持体にDNAを結合させる工程とを含み、工程(ii)の前若しくは後に、非修飾鎖を除去して、固体支持体上に一本鎖DNAアレイが形成されるようにする上記方法。

Description

【発明の詳細な説明】 一本鎖DNAアレイの調製方法 本発明は、遺伝子研究における用途及び診断用途を有する、例えばハイブリダ イゼーションアッセイのような、生物学的スクリーニング方法に用いるための核 酸アレイの調製方法に関する。 固定化核酸のアレイ、特にDNAアレイは、遺伝子研究及び診断目的のために 、ますます増大して用いられている。これらのアレイは適当な固体支持体上に固 定された二次元マトリックスとして組織化された、複数個のDNAから成る。マ トリックス中の各点はDNA要素を含む。各DNA要素は、核酸の複雑な混合物 中の相補的配列を検出するためのプローブとして用いることができる。このこと は1つの実験において多くのDNA種の同定と数度(量:abundance)との同時測 定を可能にする。 このようなアレイは、多様な方法を用いて、例えばニトロセルロースのような 多孔質膜上に形成することができる。ドット−ブロット又はスロット−ブロット 方法では、複数種類のDNAサンプルを膜の頂部に施用された、予め形成したウ エルのアレイから成るマニホルド中に入れて、真空を用いて膜に通してDNAを 吸引することによって膜に移される。この方法の他の態様では、ピンのアレイを 用いて、例えばマイクロタイター・プレートのウエルに含有されるDNAサンプ ルからDNAを膜表面上に移すことによって、DNAが直接膜に施用される[L ehrach,H.等,“ゲノム・マッピングと配列決定におけるハイブリダイ ゼーション・フィンガープリンティング”,“Genome Analysis ”,1巻,Davies,K.E.とTilghman S.M.(編集),C old Spring Harbor Laboratoty Press,ニ ューヨーク,1990,38〜82頁;Nizetic,D.等,Procee dings of the National Academy of Sci ences(USA),1991,88,3233〜3237]。 或いは、in situ合成又は直接施用のいずれかによって、DNAアレイを例え ば ガラスのような非多孔質表面上に形成することができる。例えば、マスクによっ て保護された、化学的に感作されたガラス表面から出発して、選択された暴露表 面を適当に修飾されたヌクレオチドと反応させることによって、オリゴデオキシ ヌクレオチドのアレイをアセンブルすることができる。マスクとヌクレオチド試 薬との適当な選択によって、明確に定められた(defined)配列の合成オリゴデオ キシヌクレオチドのアレイをガラス表面上に作製することができる[例えば、J acobs,J.W.とFodor,S.P.A.,Trends in Bi otechnology ,1994,12,19〜26;Fodor,S.P. A.等,国際特許出願第WO92/10588号,1992年6月25日発行; Chee,M.等,国際特許出願第WO95/11995号,1995年5月4 日発行を参照のこと]。他のアプローチはSouthernによって述べられて いる[Southern,E.,ヨーロッパ特許第0373203B1号,19 94年8月31日発行]。これらのアレイにアセンブルされたオリゴヌクレオチ ドの最大長さは、実際には通常20〜25ヌクレオチド以下の長さであるオリゴ ヌクレオチドをアセンブルするために用いられる化学によって制限される。 他のアプローチでは、例えばガラス顕微鏡スライドのような非多孔質表面上の 規則的な所定の位置に、自動装置のマイクロピペッティング(robotic micropipe tting)によって、例えば96ウエルプレートのような容器から少量の、典型的に はナノリットル以下の少量のDNAを移すことによって、さらに長いDNA種の アレイを構成することができる。各DNAサンプルを顕微鏡スライド上の既知位 置に結合させて、アレイの1つのDNA要素を構成する。このような装置を用い て、数千の個々のDNA要素のアレイを支持する、多数のレプリカ・スライドを 構成することができる[Schena,M.等,Science,1995,2 70,467〜470;Shalon,T.D.とBrown,P.O.,国際 特許出願第WO95/35505号,1995年12月28日発行]。 この後者のアプローチでは、固体支持体に移されるDNAサンプルは典型的に 、50bpより長い長さの二本鎖ポリヌクレオチドDNAフラグメントである。 これらのDNAは例えばcDNA又はゲノムDNAライブラリーのような、多く のソース(source)から得ることができ、既知又は未知のいずれの配列組成である こ ともできる。 DNAは多くの方法によって固体支持体にカップリングさせることができる。 例えば、ポリ−L−リシンのようなポリカチオンポリマーのコーティングフィル ムとの非共有的静電相互作用によって、DNAはガラスに結合することができる [例えば、Shalon,T.D.とBrown,P.O.,国際特許出願第W O95/35505号,1995年12月28日発行を参照のこと]。或いは、 DNAは固体支持体に共有結合することもできる。DNAを固体支持体に共有結 合させるために、支持体の性質に依存して、利用可能な多くの方法が存在する。 固体支持体上に固定化されたポリヌクレオチドDNAプローブのアレイを用い て、ハイブリダイゼーション方法によるDNAの複雑な混合物の組成を調べるこ とができる。典型的な用途では、標識cDNAの複雑な混合物をDNAアレイに 、適当なストリンジェンシー(stringency)の条件下でハイブリダイズさせ、非結 合物質を洗い流す。次に、例えば走査蛍光顕微鏡のような、残留する結合した標 識cDNAを感知することができる検出方法を用いて、アレイを走査する。アレ イ中の任意の特定要素における検出シグナルの強度は、オリジナルの複雑な混合 物中の対応する相補的cDNAの濃度の尺度である[Schena,M.等, cience ,1995,270,467〜470;Shalon,T.D.と Brown,P.O.,国際特許出願第WO95/35505号,1995年1 2月28日発行;Pinkel,D.等,国際特許出願第WO96/17958 号,1996年6月13日発行]。 アレイ中の種々な位置に選択されたセンス、アンチセンス、ミスセンス又はノ ンセンス配列を含有する要素を用いる、固定化オリゴヌクレオチドのアレイは既 に述べられている。このようなアレイは多くの用途に、例えばDNA配列を知る ために用いられている[例えば、Mirzabekov,A.D.,Trend s in Biotechnology ,1994,12,27〜32と、この 中の参考文献;Fodor,S.P.A.等,国際特許出願第WO92/105 88号,1992年6月25日発行;Chee,M他、国際特許出願WO95/ 11995,1995年5月4日発行]。他の用途では、対立遺伝子特異的オリ ゴヌクレオチドのアレイが、遺伝的多型を検出し、遺伝子型を決定するために、 用いられている[例えば、Southern,E.,ヨーロッパ特許第0373 203B1号,1994年8月31日発行;Guo,Z.等,Nucleic Acids Research ,1994,22,5456〜546を参照のこ と]。しかし、任意の特定のオリゴヌクレオチドは特定のストリンジエンシーで 2つ以上のターゲットDNAの配列にハイブリダイズすることができるので、こ のようなアレイは例えばcDNAのような標識ポリヌクレオチドDNAターゲッ トの複雑な混合物をプローブするために用いる場合に限定を有する。ターゲット DNAの配列が既知である場合に、各遺伝子に対して特有のハイブリダイゼーシ ョン・シグナルを与える幾つかのセットのオリゴヌクレオチドを設計することが できる。このようなセットをアレイ中の1つ以上の要素に結合させて、任意の既 知ターゲットに特徴的なハイブリダイゼーション・シグナルを与えることができ る[Fodor,S.P.A.等,国際特許出願第WO92/10588号,1 992年6月25日発行;Chee,M.等,国際特許出願第WO95/119 95号,1995年5月4日発行]。しかし、ターゲットDNAの配列が未知又 は不完全である場合に、このようなアプローチを正確に適用することができない 。オリゴヌクレオチド・アレイをin situ合成法によって構築する場合には、追 加のターゲット遺伝子の添加は、かなりの費用をかけてアレイ全体を再合成する ことを必要とする。 対照的に、より長い非オリゴヌクレオチド・プローブDNAのアレイはターゲ ットDNAへのハイブリダイゼーションに関して非常に高度な特異性を与える。 しかし、現在までのこのようなアレイの全ては、アレイ中の各DNA要素内に特 定DNAフラグメントのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方の混合物を組み入れて いた。特定DNA要素にハイブリダイズする対応ターゲットDNAの両方の鎖を 検出することが望ましい場合には、このことは問題ではない。しかし、ターゲッ ト核酸の複雑な混合物中の任意の特定のターゲットDNAの1つの鎖のみを検出 することが有利であると考えられる用途が存在する。例えば、標識mDNAター ゲットの直接検出は、各要素におけるアンチセンス鎖DNAプローブのみを必要 とする。或いは、mDNA鋳型から逆転写酵素によって合成された第1鎖標識c DNAターゲットの直接検出はセンス鎖DNAプローブのみを必要とする。この ような場合に、各DNA要素内のプローブの好ましくないセンス又はアンチセン ス鎖の存在は、ターゲット・ハイブリダイゼーションに利用可能なプローブ部位 の数を減ずることによってシグナル感度を低下させる。これはまた、非特異的タ ーゲットDNAにハイブリダイズすることによって、バックグラウンド・シグナ ルを高める可能性もある。 本出願人等は、センス又はアンチセンス・ポリヌクレオチドDNAプローブの いずれかを含む要素を含有する一本鎖アレイの調製方法を今回提案している。こ れらは、標識RNA又は標識一本鎖cDNAのいずれかと共にハイブリダイゼー ション・アッセイにプローブとして用いられる場合のアレイの感度を高めるため に用いられる。 本発明の第1態様では、固体支持体上に固定化した一本鎖DNAのアレイの調 製方法であって、(i)固体支持体に取り付けるためのセンス又はアンチセンス 鎖上で化学的に修飾された二本鎖DNAサンプルを用意する工程と、(ii)DN Aを固体支持体に結合させる工程とを含み,工程(ii)の前又は後に、非修飾鎖 を除去して、一本鎖DNAのアレイを固体支持体上に形成するようにする方法を 提供する。 本発明の他の態様では、固体支持体に結合されない鎖に第2の化学的修飾を施 す。この第2の化学的修飾の目的は、2つの鎖の分離又は好ましくない鎖の選択 的分解を容易にすることである。 一本鎖DNAは好ましくは75ヌクレオチドより多く、例えば100ヌクレオ チドより多く、又は200ヌクレオチドより多くを含有するDNA分子を含む。 ヌクレオチドの好ましい範囲は100〜10,000、200〜10,000及 び300〜10,000を包含する。 センス及び/又はアンチセンス鎖上で化学的に修飾された二本鎖DNAのサン プルは、化学的に修飾されたプライマー(単数又は複数)の伸長によって便利に 形成される。このようなプライマー(単数又は複数)は、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)プライマーとして好ましく用いられ、それによって所望の化学的修飾 (単数又は複数)が二本鎖DNAのセンス及び/又はアンチセンス鎖中に選択的 に組み込まれる。 プライマー(単数又は複数)は任意の都合の良い位置(単数又は複数)におい て修飾することができる。修飾(単数又は複数)はプライマーの5’ヌクレオチ ドに、5’ホスフェート、5’デオキシリボース基又は5’塩基(アデニン、グ アニン、チミジン又はシトシン)のいずれかにおいて加えることが好ましい。一 般に、修飾は固体表面に結合するための化学的官能性(chemical functionality) を、ターゲット核酸へのプローブDNAの接近可能性を改良するための適当な長 さの任意のスペーサー基と共に添加することを含む。共有結合と非共有結合の両 方を用いることができる。1つの実施態様では、化学的官能性は、例えば固体表 面のストレプトアビジン・コーティングと相互作用するビオチン部分のように、 固体表面へ非共有結合を導くことができる。他の実施態様では、化学的官能性は 選択されたDNA鎖を固体表面に共有的に結合させることができる。 DNAの化学的修飾は1つ以上の工程で行うことができる。 固体支持体上へのアレイ形成の前又は後に、各DNAプローブのセンスとアン チセンス鎖とを分離することができることは理解されるであろう。分離は例えば 熱若しくはアルカリを用いるプローブの物理的変性、又は例えば適当なエキソヌ クレアーゼを用いる、好ましくない鎖の酵素分解、又は両方の方法の組合せを含 むことができる。 本発明のさらなる態様では、各プローブが少なくとも75ヌクレオチドを含み 、固体支持体上に固定化されている一本鎖プローブDNAのアレイを提供する。 より好都合には、各プローブは少なくとも100若しくは200ヌクレオチド、 例えば少なくとも500又は1,000ヌクレオチドを含む。特定の範囲は30 0〜10,000ヌクレオチドである。このようなアレイの特別の利点は、プロ ーブDNAの配列が未知であってもよいことである。各プローブDNAはある一 定の遺伝子配列のセンス又はアンチセンス鎖でありうる。本発明の他の特定の態 様では、アレイ中の全てのプローブDNAはアンチセンス鎖DNAであるか、又 はアレイ中の全てのプローブDNAはセンス鎖DNAである。 アレイは好都合には少なくとも10個のDNA要素、例えば少なくとも100 個の要素を含む。他の好都合なアレイは少なくとも1,000、10,000又 は100,000個のDNA要素を含む。 本発明はまた、このような選択された一本鎖アレイを単一細胞種類又は細胞種 類の混合集団を含む生物学的サンプルに由来するような、複雑な混合物内の個々 のmDNA又はそれらの対応第1鎖cDNAの数度の定量的推定値を得るために 用いることができる方法をも提供する。数度は、アレイ中の各要素の一本鎖プロ ーブDNAと、mDNA又はcDNAの複雑な混合物内の相補的鎖との間のハイ ブリダイゼーションの程度を測定することによって決定される。このようなハイ ブリダイゼーションを検出するために、複雑な混合物中のmRNA又はcDNA 分子中に例えば蛍光ヌクレオチドのようなラベルを組み入れる。本発明のこの態 様の実施では、mRNAを細胞から単離し、in vitroで直接標識するか 、又は好ましい実施態様では、第1鎖cDNAに転化させ、この場合にはラベル を修飾ヌクレオチドに導入し、この修飾ヌクレオチドを逆転写酵素によって一本 鎖cDNA中に組み入れる。この態様では、逆転写酵素によって生成された一本 鎖DNAの集団内の任意の特定のcDNA種の数度を用いて、生物学的サンプル 内の対応mDNAの数度を表す。 各ポリヌクレオチドプローブのセンス又はアンチセンス鎖のいずれかが各要素 に固定化されている要素対を含有する特定の一本鎖アレイに、標識cDNAをハ イブリダイズさせる。アレイ中の各要素に存在する固定化DNAの量は、アレイ に適用されるサンプル内の対応ターゲットmRNA又はcDNAの量よりもかな り大きいように制御される。このような条件下で、用いるハイブリダイゼーショ ン条件下で各要素に結合した状態で留まる標識ターゲット核酸(mRNA又はc DNA)の量はオリジナルサンプル中の各mRNA又はcDNAの濃度を表す。 結合ターゲット核酸はターゲット核酸に運ばれるラベルを測定することができる 適当な検出系、例えば走査蛍光顕微鏡を用いて測定することができる[例えば、 Schena M.等,Science,1995,270,467〜470参 照]。特定のcDNA(そして従って、その親mRNA)の数度は、特定のセン ス要素における、例えば蛍光強度のような、特異的ハイブリダイゼーション・シ グナルの強度を、その対応アンチセンス要素において得られるシグナルによって 測定される非特異的ハイブリダイゼーションに比較することによって定量するこ とができる。この方法では、多重cDNAの絶対数度の正確な定量を単回実験で 得ることができる。 このような一本鎖アレイは、多様な細胞種類又は集団中の例えばmRNA又は それらの対応第1鎖cDNAのような、一本鎖核酸種の数度の定量に容易に用い ることができる。このようにして得られた数度情報を用いて、特定の細胞の種類 又は細胞集団内の多数の遺伝子の発現を表す定量的転写体プロフィルを描くこと ができる。この情報を用いて、例えば罹患組織対正常組織、又は治療された組織 対治療されない組織においてどの遺伝子が示差的に発現されるかを調べ、診断及 び疾患過程のモニターに、並びに健康な状態を回復するための新しい治療法を同 定するための研究に貴重な情報を与えることができる。 本発明を次に、以下の詳細な説明と実施例を参照して説明するが、これらによ って限定されない。 i)定義 本明細書で用いる限り、“動物”なる用語はその最も広い意味で用いられ、動 物界のあらゆるメンバーを包含する。 本明細書で用いる限り、“生物学的サンプル”なる用語は、ターゲット核酸の 供給源を提供するように選択されうる任意の生物からの如何なる状態の如何なる 細胞又は組織をも包括する。 本明細書で用いる限り、“疾患”又は“疾患状態”なる用語は、同じ種の生物 において生物の遺伝子の示差的発現(differential expression)に関して正常又 は標準的な健康状態から逸脱する如何なる状態をも意味する。疾患状態とは、( i)健康な生物において正常ではサイレントであるが罹患状態では疾患の原因と して若しくは疾患に対する反応として活性化される、又は(ii)健康な生物にお いて正常では幾らかの標準的範囲内で発現されるが罹患状態では疾患の原因とし て若しくは疾患に対する反応として過度若しくは過少に発現される遺伝子の発現 を特徴とするか又はこのような発現によって表されうる、遺伝的起源又は環境的 起源の如何なる疾患又は障害をも意味する。 本明細書で用いる限り、“要素”又は“DNA要素”なる用語は、一本鎖又は 二本鎖のいずれかでありうる、多くの固定化DNA分子を意味し、これらは複数 個のこのような要素から構成される二次元マトリックス内の1点を定義する特定 の物理的位置において固体支持体に結合されている。 本明細書で用いる限り、“EST”又は“発現された配列タグ”なる用語は、 選択された細胞、細胞種類、組織若しくは組織種類、器官又は生物から調製され るゲノム又はcDNAライブラリーから得られる、典型的に50〜500連続ヌ クレオチドから成る部分的DNA又はcDNA配列を意味し、このより長い配列 はこのライブラリー中に存在する遺伝子のmRNAに相当する[Adams,M .D.等,Science,1991,252,1651〜1656と、国際出 願第PCT/US92/05222号,1993年1月7日発行とを参照のこと ]。ESTは一般にDNAである。 本明細書で用いる限り、“遺伝子”なる用語は、cDNA配列が由来するゲノ ムヌクレオチド配列を意味する。 本明細書で用いる限り、“固定化”なる用語は、プローブDNAの固体支持体 への取り付けを意味する。この取り付けは共有結合又は非共有結合のいずれの性 質であることもでき、用いられる固体支持体の性質に依存する。 本明細書で用いる限り、“インサート”なる用語は、当業者に利用可能な分子 生物学の方法を用いてベクター内に組み入れられる任意のDNA配列を意味する 。 本明細書で用いる限り、“オリゴヌクレオチド”なる用語は、50ヌクレオチ ドまで、より典型的には20ヌクレオチドのDNA又はRNAを含有する分子を 意味する。 本明細書で用いる限り、“生物”なる用語は、非限定的に、微生物、植物及び 動物を包含する。 本明細書で用いる限り、“プローブ”なる用語は、固体支持体に固定化された DNA要素内のDNA種を意味する。 本明細書で用いる限り、“固体支持体”なる用語は、固定化オリゴヌクレオチ ド又はポリヌクレオチドDNA配列の、サンプル中の他のポリヌクレオチド配列 への検出可能なハイブリダイゼーションを可能にするために利用可能な方法によ って、プローブDNAを固定化するために有用である、任意の既知基体を意味す る。このような有用な固体支持体は、非限定的に、紙、ニトロセルロース、ミエ リン、ガラス、シリカ、ナイロン、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリ プロピレン若しくはポリスチレン)、又は他の固体物質を包含する。さらに、“ 固体支持体”なる用語は、アガロース、ポリアクリルアミド、多糖又はタンパク 質のような物質から構成されるゲルを意味することもでき、これらのゲルはそれ ら自体で例えばガラス又は金属のような他の固体表面を覆って、機械的強度、導 電性又は他の望ましい物理的性質を得ることができる。固体支持体が多孔質であ る場合には、“固体支持体”なる用語は、孔度の範囲に関係なく、系の性質に依 存して呼ばれる。 本明細書で用いる限り、“表面”なる用語は、所望のプローブDNAが取り付 けられる又は固定化される固体支持体上の任意の一般に二次元の構造を意味する 。 本明細書で用いる限り、“ターゲット”なる用語は、例えば当業者によるその 検出を可能にするように標識されることができる核酸又はその任意の個々の成分 の任意の複雑な混合物を意味する。 本明細書で用いる限り、“ベクター”なる用語は、宿主生物内で維持及び複製 されることができるDNA配列を意味する。“ベクター”なる用語は、非限定的 に、例えばpBluescript(Stratagene Inc.,LaJ olla,CA)のようなプラスミド、又は例えばLambda UniZAP (Stratagene)のようなバクテリオファージを包含する。 (ii)プローブ調製 次のアレイ化のためのプローブ生成に用いられるDNAは、非常に多くの供給 源から得ることができる。例えば、DNAフラグメントは問題の生物から調製さ れたDNAライブラリーからのクローンの無作為選択から得ることができる。例 えばヒト又は齧歯類のような動物の場合には、これらのクローンを1種類以上の cDNAライブラリーから得ることが好ましい。また、例えばインサートDNA の部分的配列分析によって、又は特定の染色体遺伝子座にインサートDNAをマ ッピングすることによって、ある程度特徴付けられたクローンのコレクションか らフラグメントを選択することもできる。このようなクローンは、非限定的に、 ヒト又は齧歯類のcDNAライブラリーから単離され、各クローンに対する1つ 以上のESTの形成によって特徴付けられたクローンのI.M.A.G.E C onsortiumコレクションを包含することができる[Lennon,G. 等,Genomics,1996,33,151〜152]。細菌遺伝子に由来 するプローブの場合には、ゲノムDNAライブラリーを用いることもできる。各 クローンは、適当なベクター内の既知部位に挿入されたポリヌクレオチドDNA フラグメントから成る。ベクターは例えばpBluescript(Strat agene)のようなプラスミド・ベクター、又は例えばLambda Uni ZAP(Stratagene)のようなバクテリオファージ・ベクターである ことができる。 選択されたDNAライブラリーからの個々の細菌クローンを標準方法を用いて 適当な液体培地中で培養する。各培養物の小サンプルを鋳型DNAの供給源とし て用いて,次にインサートDNA配列に直接隣接するベクター配列に相補的なオ リゴヌクレオチド・プライマーを用いて、PCRによって増幅させる。この方法 では、本発明を実施するために、インサートを含むポリヌクレオチドDNAフラ グメントの配列を知る必要はない。 選択された一本鎖プローブを製造するために、選択された鎖のDNAポリメラ ーゼ依存性合成を導くために用いられるプライマーは、この鎖を固体支持体にカ ップリングさせる(couple)ために用いられる第1の化学的修飾を含有する。核酸 を多様な固体表面に固定化することができる多くの方法が、当該技術分野で知ら れている。その好ましい実施態様において、化学的修飾は、オリゴヌクレオチド の合成中に、プライマーの5’ヌクレオチドに、5’ホスフェート、5’デオキ シリボース基又は5’塩基(アデニン、グアニン、チミジン又はシトシン)のい ずれかにおいて組み入れられる。しかし、5’プライマー配列内の他の位置にお いても修飾を行うことができる。修飾は固体表面に結合するための化学的官能性 を、ターゲット核酸へのプローブの接近可能性を改良するための適当な長さの任 意のスペーサー基と共に含む[リンカー設計に影響するファクターの考察に関し て、例えば、Maskos,U.とSouthern,E.M.,Nuclei c Acids Research ,1992,20,1679〜1684を参 照のこと]。1実施態様では、化学的官能性は例えば固体表面のストレプトアビ ジン・コーティングと相互作用するビオチン部分のように、固体表面への非共有 結合を導くことができる。他の実施態様では、化学的官能性は選択されたDNA 鎖を固体表面に共有的にカップリングさせることができる。種々な化学的官能基 の導入によってDNAを固体表面に共有的に取り付けるためには多くの方法があ る[例えば、Ghosh,S.S.とMusso,G.F.,Nucleic Acids Research ,1987,15,5353〜5372;Bis choff,R.等,Analytical Biochemistry,19 87,164,336〜344;Guo,Z.等,Nucleic Acids Research ,1994,22,5456〜5465を参照のこと]。用 いるべき化学的官能性の適切な選択は、DNAが固定化されることになる固体表 面の性質に依存する。スペーサー基は例えば一般式−(CX2)n−(式中、X はH又はFであることができ、nは一般に6〜20である)で表される長鎖炭化 水素であることができる。 センス鎖プローブの場合には、センス鎖のDNAポリメラーゼ依存性合成を導 くために用いられるプライマーは、この鎖を固体支持体にカップリングさせるた めに用いられる第1の化学的修飾を含有する。この場合には、対応するアンチセ ンス鎖プライマーは非修飾形であるか又は、センスプライマーに用いられた化学 的修飾とは異なる、第2の化学的修飾を含有する。この実施態様では、アンチセ ンス鎖に行われる修飾は、以下で述べるような、その後の鎖分離を容易にするよ うに設計される。例えば、センス鎖プライマーが5’6−アミノヘキシルーホス ホジエステル基を含有する場合には、アンチセンス鎖プライマーは5’ホスフェ ート又は5’ビオチニル化ヌクレオチド誘導体を含有することができる。 アンチセンス鎖プローブの場合には、アンチセンス鎖のDNAポリメラーゼ依 存性合成を導くために用いられるプライマーは、この鎖を固体支持体にカップリ ングさせるために用いられる第1の化学的修飾を含有する。この場合には、対応 するセンス鎖プライマーは非修飾形であるか又は、アンチセンスプライマーに用 いられた化学的修飾とは異なる、第2の化学的修飾を含有する。この実施態様で は、センス鎖に行われる修飾は、以下で述べるような、その後の鎖分離を容易に するように設計される。例えば、アンチセンス鎖プライマーが5’6−アミノヘ キシル−ホスホジエステル基を含有する場合には、センス鎖プライマーは5’ホ スフェート又は5’ビオチニル化ヌクレオチド誘導体を含有することができる。 個々のクローンから得られたDNAにPCR反応を実施して、選択された鎖ア レイにプローブとして用いられることになる所望の数の5’修飾ポリヌクレオチ ドDNAフラグメントを得る。これらの反応は96ウエル又は384ウエルプレ ート中のサンプルと、このようなプレートを扱うように特に設計されたサーモサ イクラーとを用いて、多数回、効率的に実施することができる。各鋳型に必要な PCR条件は適切な適用に依存し、当業者によって容易に最適化されることがで きる。例えば、PCRミックスから低分子量成分を除去するSephacryl S−200のような、適当な精製媒体を用いて、生成物を部分的に精製して、 塩、過剰なプライマー及び過剰なヌクレオチドを除去することができる。 (iii) 一本鎖アレイの調製 修飾されたセンス又はアンチセンスプライマーを用いて調製されるPCR生成 物は2つの方法でセンス鎖とアンチセンス鎖とに分離することができる。第1実 施態様では、固体支持体上にアレイ化する前に2つの鎖を分離する。これを行う ために望ましい1方法は、好ましくない鎖が5’末端に1つ以上のビオチニル化 ヌクレオチドを含有するPCR生成物を生成することである[Guo,Z.等,Nucleic Acids Research ,1994,22,5456〜 5465]。このPCR生成物を、洗浄して例えば塩、プライマー及び遊離ヌク レオチドのような他の試薬を除去することができるストレプトアビジン被覆アガ ロース・ビーズに結合させ、次に、0.1N NaOHによる10分間の処理に よって2つの鎖を分離する。結合した好ましくない鎖を含むビーズを遠心分離に よって除去して、所望の非ビオチニル化鎖を含有する上澄み液をデカントして、 HClによってpH7.0に中和する。次に、この鎖をアレイ化して、それがそ の5’末端に含有する官能性(例えば、1,4−フェニレンジーイソチオシアネ ート(DITC)によって活性化されたガラスにカップリングする5’アミノヘ キシル−ホスホジエステル基)によって固体支持体に結合させる。 第2実施態様では、二本鎖PCR生成物を最初にアレイ化して、選択された鎖 を固体支持体に、適当なPCRプライマーに組み入れた所望の化学を用いてカッ プリングさせる。例えば、5’アミノヘキシル−ホスホジエステル基を含有する 鎖をDITC活性化ガラスにカップリングさせることができる。この実施態様で は、好ましくない鎖は5’アミノ基を有さないPCRプライマーを用いて生成さ れているので、この好ましくない鎖は固体支持体にカップリングすることができ ない。次に、アレイ化二本鎖プローブを例えば0.1N NaOH含有浴を用い て変性させて、好ましくない鎖を洗い流す。次に、固体支持体をpH7.0の中 和浴に入れて、選択された鎖アレイを生成する。 他の実施態様では、二本鎖PCR生成物を最初にアレイ化して、選択された鎖 を固体支持体に、この鎖のための適当なPCRプライマーに組み入れた所望の化 学を用いて結合させる。この実施態様では、この好ましくない鎖は非修飾5’ホ スフェート基を有するPCRプライマーを用いて合成される。次に、この鎖を5 ’−3’エキソヌクレアーゼ(例えば、5’末端が5’末端ホスフェート基を含 有しないかぎり5’末端に作用することができないλエキソヌクレアーゼ)を用 いて酵素分解する[“Current Protocol in Molecu lar Biology”),Ausubel.F.M.等(編集),Gree n/Wiley,New York,1995,15.2.5頁]。 本発明の他の実施態様では、酵素分解と、その後のアルカリ変性、洗浄及び中 和との組合せによって、好ましくない鎖を除去することができる。この組合せは 、10kbに近い長さのポリヌクレオチドDNAフラグメントに由来するプロー ブに特に有効である。 プローブDNAを各要素位置で固体支持体に5’化学リンカーによって共有カ ップリングすることは幾つかの利点を有する。これは、必然的にシグナル損失を 伴う、貯蔵とその後の処理中の化学的分解に耐性である、固体表面へのDNAの 強固な結合を保証する。重要なことは、これはまたターゲットDNA配列に自由 にハイブリダイズする一本鎖プローブDNAの最大量をも提供する。このことは 、非特異的な静電相互作用、例えばポリ−L−リシン被覆スライドへのプローブ DNAの結合(この場合には、DNAプローブの一部がポリ−L−リシンと錯体 形成するため、ターゲットDNAへのハイブリダイゼーションのために有効では ない)に基づく方法を凌駕する重要な利点である。アレイ中の各要素においてア レイ化して、ターゲット核酸に自由にハイブリダイズすることができる一本鎖D NA量は、固体表面の性質と、固体表面にプローブを結合させるために用いられ る 化学とに応じて変化する。しかし、これは分析すべきサンプル中のその対応標識 ターゲット核酸の濃度に比べて常に過剰であることを保証するほど充分な量で存 在する。この方法では、得られるハイブリダイゼーション・シグナルの強度は生 物学的サンプル中に存在するターゲット核酸の量に比例する。 本発明の他の態様では、単一固体表面に固定化されたセンス鎖を含む複数個の DNA要素を含み、各要素中の鎖が異なるポリヌクレオチドDNAフラグメント に由来し、上記方法によって調製されるものであるセンス鎖アレイを提供する。 同じ方法で、単一固体表面に固定化されたアンチセンス鎖を含む複数個のDNA 要素を含み、各要素中の鎖が異なるポリヌクレオチドDNAフラグメントに由来 し、上記方法によって調製されるものであるアンチセンス鎖アレイを提供する。 本発明の好ましい実施態様では、特定DNAのセンス鎖又はアンチセンス鎖の いずれかを含む要素対を含有する混合アレイを構築することができる。要素対は アレイ内で必ずしも並列にアレイ化される必要はない。2種類の要素を同じアレ イ又は異なるアレイのいずれに適切に配置するかは、これらが予定される適切な 用途に依存する。 (iv)ハイブリダイゼーション 上述したように生成された、選択された一本鎖アレイは、複数個の一本鎖ター ゲット核酸、選択された生物学的サンプルから単離され、例えば放射性標識、蛍 光標識又は化学発光標識のような、当業者に公知の方法によって標識されている mRNA又は、好ましくは、第1鎖cDNAを含むサンプルにハイブリダイズす ることができる[例えば、Schena M.等、Science,1995, 270,467〜470を参照のこと]。標識mRNAの場合には、特異的ハイ ブリダイゼーションはアンチセンス一本鎖プローブを含む要素のアレイを用いて 測定され、非特異的ハイブリダイゼーションは対応するセンス一本鎖プローブの アレイを用いて測定される。これらの2種類のプローブセットは、上述したよう に、同じ又は別々の固体表面に固定されることができる。標識cDNAの場合に は、特異的ハイブリダイゼーションがセンス一本鎖プローブを含む要素のアレイ を用いて測定され、非特異的ハイブリダイゼーションは対応するアンチセンス一 本鎖プローブのアレイを用いて測定される。これらの2種類のプローブ・セット は、上述したように、同じ表面に固定化されることも、別々の固体表面に固定化 されることもできる。 固体支持体におけるハイブリダイゼーション条件は支持体とアレイ化DNAの 性質に依存するが、当業者に利用可能な多くの方法を用いて定義され、最適化さ れることができる[例えば、Sambrook,J.等,“Molecular Cloning.A Laboratoty Manual”,Cold S pring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989を参照のこと]。好ましくは、ハイ ブリダイゼーションはストリンジェント条件下で、即ち、95%を越える核酸同 一性を明らかにするような条件下で行われる。しかし、必要な場合には、他の比 較的ストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件を選択することもでき る。特定の核酸種のハイブリダイゼーションは、用途のために選択された特定の ストリンジェンシーでアレイを洗浄した後にアレイ中にそのコグネイト要素を結 合して留める標識ターゲット核酸からのシグナルの強度を測定することによって 検出される。 複数の核酸中の特定の一本鎖核酸種(mRNA又は第1鎖cDNA)の絶対数 度は、その特定核酸種に対する特異的ハイブリダイゼーション・シグナルを与え るアレイ中の要素におけるシグナルから、非特異的ハイブリダイゼーションに相 当するアレイ中の要素におけるシグナルを控除することによって算出することが できる。特定のmDNAの発現が何らかの状態で、例えば罹患状態では正常状態 に比べて変化するかどうかを知るために、罹患生物学的サンプルと正常生物学的 サンプルとから単離したターゲット核酸の標識サンプルに同じアレイをハイブリ ダイズさせる。測定された数度の差を用いて、いずれの遺伝子が選択された疾患 状態の原因、維持又は進行に関与しうるのかを示すことができる。同じアプロー チを薬物治療の効果、又は生物学的サンプル内の遺伝子の発現レベルに関する細 胞セット若しくは生物の他の研究又は操作をフォローするために用いることがで きる。実施例1 pBluescriptベクター(Stratagene)中のEcoRI部 位とXhoI部位との間に、ポリAテールを包含する、インサートDNAの3’ 末端がXhoI部位に直接隣接して配置されるように、一方向にクローン化され たcDNAインサートを含有するヒト肝臓cDNAライブラリーから単離された クローンセットから、アレイ要素を選択した。このライブラリーをE.coli 菌株SOLRTM(Stratagene)中に維持した。平均インサートサイズ は1.5kbであった。無作為に選択したクローンを96深ウエルマイクロタイ タープレートに移し、100μg/mlのアンピシリンを補充したL−ブロス中 で増殖させた。 センスプローブを作製するために、DNAインサートを2つの制限部位に直接 隣接するベクター配列に相当する24ntプライマー対を用いて増幅させた。E coRI部位に対して5’側のpBluescript配列に相補的なセンスプ ライマーをその5’末端に6−アミノヘキシルーホスホジエステルを有するよう に合成した。XhoI部位に対して3’側のpBluescript配列に相補 的なアンチセンスプライマーをその5’末端において標準方法によってビオチニ ル化した[Agrawal,S.等,Nucleic Acid Resear ch ,1986,14,6227〜6245]。修飾プライマーによるPCR反 応を、最終反応量70μlで、96穴サーモサイクラーにおける細菌培養物の少 量(典型的には<1μlの一晩培養物)上で直接行った。各PCR生成物をQI AquickTMPCR精製キット(Qiagen Inc.,Chatswor th,CA)を用いて精製した。 鎖分離と、アンチセンス鎖の除去とは既述したように行った[Guo,Z.等 ,Nucleic Acid Research,1994,22,5456〜 5465]。残留するセンス鎖5’アミノ修飾プローブを真空中で乾燥させ、2 0μlの100mM 炭酸塩/炭酸水素塩緩衝剤(pH9.0)中に再溶解した 。 アンチセンス鎖プローブを作製するために、5’6−アミノヘキシル−ホスホ ジエステル基を有するアンチセンスプライマーと、ビオチニル化センスプライマ ーとを用いて、PCR反応を上述したように実施した。得られた生成物を上述し たように精製し、鎖分離した。 予め清浄したガラス顕微鏡スライドを1%3−アミノトリメトキシシラン溶液 (Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)によって処 理し、洗浄し、乾燥させ、Guo等が述べているように、1,4−フェニレンジ −イソチオシアネートによって活性化する[Guo,Z.等,Nucleic Acid Research ,1994,22,5456〜5465]。センス 鎖DNA又はアンチセンス鎖DNAのいずれかの2μlサンプル(典型的に、0 .25〜0.5μgのDNA)を手動で顕微鏡スライド上にスポットする。この スライドを含湿雰囲気(humdified atmosphere)中で37℃において2時間インキ ュベートし、1%NH4OHと水とによって洗浄し、室温において風乾させる。 センス及びアンチセンスプローブを含む要素対(paired elements)のアレイを 含有するガラススライドを、HepG2細胞から単離され、本質的にSchen a等が述べているように[Science,1995,270,467〜470 ]、蛍光ヌクレオチド類似体dCTP−Cy5(Amersham Inter national,Chalfont,UK)によって標識されたポリA mR NAの逆転写によって調製された第1鎖cDNAにハイブリダイズさせる。標識 cDNA(7.5μl中5μg)は95℃において変性する。2.5μlの濃縮 ハイブリダイゼーション溶液(5xSSC,0.1%SDS)を加え、混合物を ガラス顕微鏡スライドの、カバースリップ下のアレイ上に移す。ハイブリダイゼ ーションを含湿雰囲気中で65℃において12時間行い、スライドを60℃の0 .1xSSCによって2回洗浄する。Guo等が述べているように[Guo,Z .等,Nucleic Acid Research,1994,22,545 6〜5465]、蛍光検出と画像再構成とを行う。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.固体支持体上に固定化された一本鎖DNAアレイの調製方法であって、 (i)固体支持体に取り付けるためのセンス又はアンチセンス鎖上で化学的に修 飾された二本鎖DNAのサンプルを用意する工程と;(ii)固体支持体にDNA を結合させる工程とを含み、工程(ii)の前又は後に、非修飾鎖を除去して、固 体支持体上に一本鎖DNAのアレイを形成するようにする上記方法。 2.一本鎖DNAが75ヌクレオチドより多くを含有するDNA分子を含む 、請求項1記載の方法。 3.固体支持体に結合されない鎖を化学的に修飾して、鎖分離又はその選択 的分解を容易にする、請求項1又は請求項2に記載の方法。 4.二本鎖DNAが化学的に修飾されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プ ライマーの増幅生成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 5.各プローブが少なくとも75ヌクレオチドを含み、固体支持体上に化学 的に固定化される、一本鎖プローブDNAのアレイ。 6.各プローブが少なくとも200ヌクレオチドを含む、請求項5記載のア レイ。 7.プローブDNAが未知配列である、請求項5又は請求項6に記載のアレ イ。 8.プローブDNAがアンチセンス鎖DNAである、請求項5〜7のいずれ か1項に記載のアレイ。 9.プローブDNAがセンス鎖DNAである、請求項5〜7のいずれかに記 載のアレイ。 10.単一細胞種類又は細胞種類の混合集団を含む生物学的サンプルに由来 するような複雑な混合物内の個々のmRNA又はそれらの対応第1鎖cDNAの 数度の定量的推定値を得るための、請求項5〜9のいずれか1項に記載のアレイ の使用。
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