JP4731081B2 - 核酸を選択的に単離するための方法 - Google Patents

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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、核酸の集団中の核酸を同定するための組成物および方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
現在の臨床研究の1つの主要な分野は、疾患に対する感受性および/または薬物治療に対する応答に対する、個体の遺伝子プロフィールの相関付けである。この分野の研究(薬理ゲノム学(pharmacogenomicis)と呼ばれている)は、個体に対して薬物を標的化するためならびに遺伝的素因および危険性を解明するためのストラテジーを提供する。さらに、薬理ゲノム学は、複合疾患の分子的基礎のより良好な理解に基づく、改善された薬物発見プロセスについての可能性を提供する。
【0003】
個体の遺伝子プロフィールの同定は、個体ゲノム中の特定の核酸配列の同定を必要とし得る。これらの特定の核酸配列には、同じ種の個体間で1個または数個のヌクレオチドが異なる配列が含まれ得る。例えば、単一ヌクレオチド多型(SNP)は、遺伝された遺伝子パターンを追跡するために使用される、個体のDNAにおける一般的変化である[1]。
【0004】
核酸多型を同定するための現在の方法は、労働集約的かつ高費用であり得る。
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、目的の特定の核酸配列を含む核酸配列を迅速かつ経済的に単離するための方法の発見に一部基づく。本発明は、核酸の潜在的に複雑な混合物からのポリヌクレオチド配列の配列特異的抽出のための組成物および方法を提供する。本発明の1つの方法(「対立遺伝子特異的抽出」(ASE)と呼ばれる)は、ヘテロ接合性部位の正体に基づく物理的分離によって、2つのほぼ同一の配列(例えば、母系および父系起源の遺伝子)の識別を可能にする。この能力は、遺伝子型決定に一般に使用される標準的方法と組み合わせた場合に、迅速な大スケールかつ費用効果的な、個体のハプロタイプ決定(haplotyping)を可能にし、これが、稀少な事象(例えば、治療非応答者または悪く罹患している個体)の分析に焦点を当てることによる遺伝子プロファイリング研究の規模を有意に縮小しかつ時間を有意に減少し得る[2]。
【0006】
1つの局面において、本発明は、核酸分子の集団から目的の核酸を分離するための方法を提供する。この方法は、核酸分子の集団を提供する工程、該核酸分子の集団に第1の標的化エレメントを接触させる工程であって、該第1の標的化エレメントは、該核酸分子の集団中の目的の少なくとも1つの核酸配列に特異的に結合する、工程、および該標的化エレメントに対して分離基を付着(または、除去)する工程を包含する。次いで、この付着された分離基を、基板上に固定し、それによって、固定された標的化エレメント−分離基−核酸複合体を形成する。次いで、この固定された標的化エレメント−分離基複合体を、該核酸分子の集団から取り出し、それによって、該核酸分子の集団から該目的の核酸配列を分離する。
【0007】
一般に、核酸分子の任意の集団が、この方法に使用され得る。例えば、ポリヌクレオチド配列は、例えば、DNAまたはRNAであり得、そしてゲノムDNA、プラスミドDNA、増幅されたDNA、cDNA、総細胞RNA、hnRNA、ポリA+含有RNAを含み得る。核酸は、単一の単細胞生物または真核生物に由来し得る。例えば、核酸は、哺乳動物生物(例えば、ヒト)から得られ得る。
【0008】
所望ならば、利用可能な開始核酸分子の量が、直接分離およびその後の分析に不十分である場合に、核酸の集団は、PCRまたは別の増幅技術を使用して目的のフラグメントについて増幅され得、その後、対立遺伝子特異的抽出を行う。
【0009】
標的化エレメントは、核酸分子の集団中の1つの核酸配列に特異的に結合する分子である。いくつかの実施形態において、標的化エレメントは、核酸の集団中の相補的標的配列にハイブリダイズする、核酸または核酸誘導体である。核酸ベースの核酸誘導体の例としては、例えば、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド核酸(PNA)、オリゴLNAまたはリボザイムが挙げられる。あるいは、標的化エレメントは、標的配列に特異的に結合する、ポリペプチドまたはポリペプチド複合体であり得る。ポリペプチドベースの標的化エレメントの例としては、例えば、制限酵素、転写因子、RecA,ヌクレアーゼ、任意の配列特異的DNA結合タンパク質が挙げられる。あるいは、またはさらに、標的化エレメントは、これらの標的化エレメントの1以上のハイブリッド、複合体または連結された(tethered)組み合わせであり得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、標的化エレメントは、識別エレメントとして既知の個々の配列の近傍において、標的核酸配列に結合する。識別エレメントは、目的の任意の配列を含み得る。例えば、識別エレメントは、例えば、多型(例えば、単一ヌクレオチド多型)、制限部位、メチル化制限部位、メチル化配列モチーフ、二次構造であり得る。
【0011】
目的の配列(例えば、識別エレメントの近傍にある配列)との標的化エレメントの会合は、個々の化学的会合または物理的会合の部分として生じ得る。例えば、会合は、例えば、酵素反応、化学反応、物理的会合;重合化、連結、制限切断、切断、ハイブリダイゼーション、組換え、架橋、pHベースの切断の一部として生じ得る。
【0012】
分離基は、それ自体が標的核酸と会合されている付着された標的化エレメントの、その後の単離および分離を容易にする任意の部分であり得る。好ましい分離基は、同族のリガンドと特異的に相互作用し得る分離基である。好ましい分離基は、固定可能なヌクレオチド(例えば、ビオチン化ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド)である。例えば、分離基は、ビオチンを含み得る。分離基の他の例としては、例えば、リガンド、レセプター、抗体、ハプテン、酵素、あるいは抗体またはアプタマーによって認識され得る化学基が挙げられる。
【0013】
分離基は、任意の所望の基板に固定され得る。所望の基板の例としては、例えば、粒子、ビーズ、磁気ビーズ、光学捕捉(optically trapped)ビーズ、マイクロタイタープレート、ガラススライド、紙、試験小片、ゲル、他のマトリクス、ニトロセルロース、ナイロンが挙げられる。基板は、この分離エレメントを介して同一のポリヌクレオチド配列を結合または架橋し得る、任意の結合パートナーを含む。例えば、分離エレメントがビオチンである場合、基板は、ストレプトアビジンを含み得る。
【0014】
標的化エレメントは、好ましくは、識別エレメントの近傍に位置する固有の領域を(全体でまたは一部分で)含む。この固有の領域は、その特定の領域に関連するポリヌクレオチド配列を、固有に同定する。
【0015】
いくつかの実施形態において、標的化エレメントは、識別エレメントに直ぐ隣接する標的核酸配列に結合する。他の実施形態において、標的化エレメントは、識別エレメントとの間または識別エレメントと部分的に重複する介在配列を有する標的核酸配列に結合する。
【0016】
種々の実施形態において、標的化エレメントは、識別エレメントから、100、50、20、15、10、8、7、6、4、3、2または1、あるいは0ヌクレオチド以内で結合する。
【0017】
好ましい実施形態において、分離エレメントの酵素による組み込みを行い、この分離エレメントは、標的化エレメント(特異的オリゴヌクレオチド)に共有結合的に付着される。標的化エレメントは、それ自体で、標的化されたポリヌクレオチドに共有結合的に付着され得るかまたは空間的に連結され得、これは、非常に高いストリンジェンシーでの洗浄工程を行うことを可能にし、これによって、バックグラウンドを減少しかつ特異性を増加する。
【0018】
例えば、好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、伸長可能な3’ヒドロキシル末端を有する。標的化エレメントが、伸長可能な3’ヒドロキシル末端を有するオリゴヌクレオチドであり、かつ分離基が、固定可能なヌクレオチド(例えば、ビオチン化ヌクレオチド)である場合、好ましくは、そのビオチン化ヌクレオチドの存在下でポリメラーゼを使用してこのオリゴヌクレオチドを伸長し、これによって、その固定可能なヌクレオチドを有する伸長されたオリゴヌクレオチドプライマーを形成することによって、この分離基は、この標的化エレメントに付着される。
【0019】
所望の場合、この方法は、2個、3個または4個あるいはさらなる標的化エレメントを用いて繰り返され得る。これは、この核酸分子の集団に、この核酸分子の集団中の目的のさらなる核酸配列(単数または複数)(これは、目的の第1の核酸と同じであっても異なってもよい)に特異的に結合するさらなる標的化エレメント(例えば、2個、3個、4個またはそれ以上の標的化エレメント)を接触させることによる。第2の(または、さらなる)分離基は、第2の標的化エレメントに付着される。この付着された第2の(または、さらなる)分離基は、基板に付着され、これによって、第2の固定された標的化エレメント−分離基複合体を形成する。次いで、この固定された標的化エレメント−分離基複合体は、核酸分子の集団から取り出され、これによって、この核酸分子の集団からその目的の核酸配列を分離する。
【0020】
さらなる局面において、本発明は、核酸分子の集団から目的の核酸を分離するための方法を提供する。この方法は、核酸分子の集団を提供する工程および分離基に付着された標的化エレメントをこの核酸分子の集団に接触させる工程による。付着された分離基を有する標的化エレメントは、この核酸分子の集団中の目的の少なくとも1つの核酸配列に特異的に結合する。次いで、この分離基を、結合された標的化エレメントから取り出す。次いで、この分離基を基板に固定し、これによって、少なくとも1つの核酸配列についての、固定された標的化エレメント−分離基複合体を形成する。この標的化エレメント−分離基複合体を介して固定された核酸分子の集団は、この付着された分離基を含まない核酸配列から分離される。
【0021】
本発明の利点は、とりわけ、本発明が、標準的な遺伝子型決定方法と直接的に適合可能であり、そして多重化(multiplexing)に容易に適応され得ることである。さらに、この方法は、バルク材料で行われ得、そして対立遺伝子特異的分離を達成するために単一分子の希釈を必要としない。この方法は、単一分子技術として行われ得、そしてこの方法の全体のスピードは、現在利用可能なプロセスよりも数段速いことが予測される。さらに、この方法は、生きた生物(例えば、げっ歯類または酵母)を含まず、従って、これらの使用に関連する誤差のいかなる考慮および供給源も排除する。さらに、この方法は、DNAの抽出および精製のための市販の既存の装置を使用する、機械的自動化に適合する。さらに、この方法は、DNAの非常に長いフラグメントの対立遺伝子特異的分析を可能にする。
【0022】
この方法は、単一ヌクレオチド多型(SNP)を含む核酸の同定および単離に非常に適する。しかし、この方法は、SNPの使用に限定されず、後成的パターン(例えば、メチル化)を潜在的に含む、他の遺伝マーカー(例えば、制限部位、単一タンデムリピート、マイクロサテライト)にも使用される。この方法は、ハプロタイプを構成する無数の部位の相関付けを可能にする(すなわち、2つの選択された部位の対比較に限定されない)。この方法は、さらに、再利用可能なゲノムDNAライブラリーの作製を可能にする。このライブラリーを使用して、繰り返しの対立遺伝子特異的抽出を伴わずに、通常の遺伝子型分析によって以前に標的化されていないゲノム領域のハプロタイプを獲得し得る。
【0023】
種々の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、キット形式の手動操作用に、自動化高スループット操作用に、および/または、小型かつ内蔵型形式で提供される。これらの方法は、例えば、ヒト疾患、またはヒト疾患に対する素因(代謝疾患、癌の分類、診断および予後)、オルガネラDNA(ミトコンドリア性および葉緑体性)の分析、植物の形質、薬物発見、および進化研究(疾患の進化の追跡を含む)に使用され得る。
【0024】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載の方法および材料に類似または等価的な方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書中に言及する全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、それらの全体が参考として援用される。矛盾する場合は、本発明の明細書(定義を含む)を基準とする。さらに、材料、方法および実施例は、例示に過ぎず、限定するものと意図されない。
【0025】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0026】
(発明の詳細な説明)
本方法は、核酸の集団中の特定のヌクレオチド配列の同定および単離を提供する。この方法は、特定の染色体フラグメントの捕捉を介する、ハプロタイプ決定を可能にする。
【0027】
1つの実施形態において、この方法は、以下の3工程に分けられる。
【0028】
1)「標的化」
第1工程において、特定のポリヌクレオチド配列を固有に識別する標的化エレメントを、標的化する。図2は、多型部位へのオリゴヌクレオチドのアニーリングを示す模式図である。
【0029】
2)「識別」
第2工程において、その材料に存在するその標的化されたポリヌクレオチド配列と任意の他の配列を、識別エレメントの性質に基づいて、識別するプロセスを行う。これは、その標的化されたポリヌクレオチド配列の物理的操作のための分離エレメントとして作用し得る官能基を、条件的に付着または除去することによる(図3)。
【0030】
3)「分離」
第3工程において、その標的化されたポリヌクレオチド配列を、その付着された分離エレメントを介する固体支持体への選択的固定後の洗浄工程において、残りの配列から物理的に分離する。
【0031】
例示的な実施形態において、この方法は、母系および父系起源のDNAフラグメントの分離を可能にし、それによって、これらのフラグメント間の差異を、ハプロタイプの決定のために評価し得る。この方法は、以下に記載の手動操作ならびに標準的な分子生物学装置および材料によって行われ得る。
【0032】
サンプルが、ヘテロ接合性の個体由来の対立遺伝子の組み合わせである場合、当然、この2つの異なる対立遺伝子を含むフラグメントを識別する位置が存在する。図1は、いくつかの多型(ヘテロ接合性多型を含む)を含む母系および父系の染色体フラグメントの模式図である。
【0033】
これらの工程を、以下に詳細に説明する。
【0034】
1)標的化
この工程は、あるポリヌクレオチド配列内の領域の認識を生じ、この領域は、混合集団における特定のポリヌクレオチドフラグメントの識別を可能にする部位に近位する。これは、多型部位に隣接する配列(識別エレメント)に対してハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(標的化エレメント)の使用によって達成され得る。
【0035】
2)識別
一旦、そのオリゴヌクレオチドが配置されると、そのオリゴヌクレオチドを、5’−3’方向に酵素的に伸長する。伸長は、個々のヌクレオチドの組み込みによって生じ、これによって、そのオリゴヌクレオチドの3’末端に直ぐ隣接する塩基(多型部位)の正体が、その伸長された配列における差異を確立する。この差異は、例えば、共有結合連結された分離エレメント(例えば、ビオチン)を含む固有の改変オリゴヌクレオチドを提供して、生じ得る。図3は、固定可能なヌクレオチドの組み込みを示す。
【0036】
例えば、「A」を、それに付着したビオチン部分と共に提供する場合、多型部位で「T」を有するフラグメントのみが、そのハイブリダイズされたオリゴヌクレオチド上に分離エレメントを得る。他のフラグメント上のオリゴヌクレオチドもまた伸長されるが、これは、ビオチン部分を含まないヌクレオチドで伸長される。
【0037】
標的化されないフラグメントは、分離エレメントを得ないことが好ましい。このような組み込みは、例えば、さらなる下流(すなわち、酵素的伸長の方向)の標的化されないフラグメントが、「T」を有する場合に生じる。この場合、ビオチン化された「A」は、その「間違った」対立遺伝子についての多型部位の後に組み込まれ得る。この問題は、終結ヌクレオチドの使用によって排除され、その結果、そのオリゴヌクレオチドの伸長は、第1番目に組み込まれたヌクレオチドの後で終了し、そしてそのオリゴヌクレオチドの3’末端に直ぐ隣接する塩基がその組み込みを行わない限り、分離エレメントは付着され得ない。
【0038】
この方法の改変は、非終結ヌクレオチドの使用を可能にする。このアプローチは、ポリメラーゼが(ミスマッチの個々のヌクレオチドよりもむしろ)ミスマッチオリゴヌクレオチドを認識する能力を使用し、標的化されたフラグメントと標的化されないフラグメントとの間の識別を達成する。この場合、オリゴヌクレオチドは、そのミスマッチをそのオリゴヌクレオチドの3’末端(これは、伸長中の酵素活性の位置である)でかまたはその3’末端近辺に優先的に配置して、そのオリゴヌクレオチドがそのフラグメントへのハイブリダイゼーションの間に多型部位を部分的に重複するように、選択される。相補体標的配列およびミスマッチ標的配列に対するオリゴヌクレオチドのアニーリングを、図4に示す。
【0039】
従って、このオリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチド全体がそのフラグメントにハイブリダイズする場合にのみ、伸長される(図5)。完全にマッチするオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが、ミスマッチを含む任意の部位への同じオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションよりも高く優先されるような条件[3]、およびそのオリゴヌクレオチド−フラグメント複合体が、酵素が結合してそして重合化を開始するのを妨げる塩基ミスマッチを含まないような条件[4]が、選択され得る。ビオチン化ヌクレオチドが溶液中に存在する場合、標的化されたフラグメントに結合された伸長オリゴヌクレオチドのみが、複数のビオチンが組み込まれた形態での分離エレメントを得る。
【0040】
3)分離
最終工程において、これらのフラグメントを、他の標的されないフラグメント(例えば、父系起源)に対して、その標的化されたフラグメント(例えば、母系起源の)を含む画分に分離する。これは、標的化されたフラグメントを、分離エレメントに対する親和性を有する第2のエレメントを含む固体支持体に固定することによって(例えば、ストレプトアビジンコート化磁気ビーズへこのビオチン化オリゴヌクレオチド−フラグメント複合体を固定することによって)達成され、その後、洗浄工程において、そのサンプルの結合していない画分を、その標的化された画分を含むビーズから分離し、これが、両方の画分の別々の分析を可能にする。標的のフラグメントを分離するための固体支持体の使用を、図6に示す。
【0041】
(自動化高スループット操作)
本発明は、標準的な機械的(ロボット式)液体操作およびサンプル調製システムの使用による、完全に自動化された実施形態で実施され得る。詳細には、磁気ビーズを使用して、サンプルからのDNAの抽出をこのようなプロトコルの手動操作に非常に類似した様式で行う、機械的システムが市販されている。これらのシステムへのこの方法の適応および完全な自動化プロセスラインへのそれらの内蔵は、容易であり;システムのプログラミング以外の装置の調整を必要としない。
【0042】
(小型化およびゲノムDNAフラグメントの分離)
この方法の小型化およびゲノムDNAの長いフラグメントの分離は、潜在的に小さい組織サンプルを試験するために(例えば、癌の診断、分類および予後において)、および大きい連続的な領域にわたって位置する多型についての情報を得るために所望される。1〜2Mbpほどの大きいフラグメントが、細胞から抽出され、そしてゲル電気泳動のために操作されている[5]。
【0043】
この方法は、単一分子レベルで行われ得る。例として、個々の光学的に捕捉されるストレプトアビジンコート化ビーズを使用して、例えば、微細構造において、単一または多くの標的化されたフラグメントを捕捉しそしてそれらを操作し得る[6]。標的化されたフラグメントは、さらなる処理(例えば、増幅または配列分析[7])またはその微細構造からの除去のために、別々の位置(例えば、微細構造の異なるチャンバ)に、輸送され得る。元々のサンプルは、標的化されたフラグメントを除いて保存され、異なるフラグメントのその後の抽出に再利用され得る。
【0044】
図7は、その標的化されたフラグメントへのビオチン化16マーオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを介する、1μmビーズへの50,000塩基対長DNA鎖の付着(2回)および損失(1回)の繰り返し事象を例示する。その流体に対する運動は、その光学捕捉ビーズに対する力を及ぼし、この力の変位を、時間に対して垂直軸に測定し得る。振動パターンは、変位シグナルを生成する光学トラップの前後の運動の結果である(詳細な説明については、[6]を参照のこと)。これらの有意な事象は、そのパターンの包絡線における変化であり、これは、ビーズ上の個々のDNA分子の付着または時折の損失をシグナル伝達する。
【0045】
図8は、1μlの光学捕捉ビーズに対する100,000塩基対長の単一のDNAの2つの付着事象を示す。フラグメントの損失は、その標的化されたフラグメントへビオチン化オリゴヌクレオチドを連結することによって排除され;長期間にわたって長いDNA分子を用いて作動することを容易に可能にする。直接的な蛍光観察を使用して、付着を確かめそして保存またはさらなる操作のためにある領域から別の領域へ物理的に除去される鎖を観察した。
【0046】
小型の内蔵型デバイスは、この方法が、例えば、診断目的のために行われる、好ましいプラットフォームである。この実施形態は、小型で、低費用かつ内蔵型の遺伝子型決定および配列分析のための標準的な方法およびデバイス[8]に容易に適応され得る。
【0047】
(終結および非終結ヌクレオチドの組み合わせ)
終結ヌクレオチドおよび非終結ヌクレオチドの組み合わせを使用することが可能であり、そして全ての場合において、オリゴヌクレオチドが、多型部位に直ぐ隣接して結合する必要なない。
【0048】
この例において、介在配列が、標的化エレメントの結合位置と多型部位との間に存在し、以下の2つの対立遺伝子を区別する:
【0049】
【化1】
Figure 0004731081
この2つの対立遺伝子は、下線を付した配列で結合するオリゴヌクレオチドの使用によって区別され得る。この場合では、ヘテロ接合部位(太字)は、例えば、以下:
分離エレメントが付着された、改変された(必ずしも必要ではない)終結「A」
分離エレメントを有さない、非終結「T」
改変されていない(必ずしも必要ではない)、終結「G」
終結(さもなければ、改変されていない)「C」
を提供することによって、このオリゴヌクレオチドの3’末端に直ぐ隣接されない(この多型部位は、対立遺伝子1において「T」であり、そして対立遺伝子2において「G」である)。この反応を行う場合、対立遺伝子1のみが、分離エレメントを得て、これによって、この対立遺伝子が捕捉され得る。
【0050】
(識別工程を行う他の方法)
上記のような重合化反応のみならず、対立遺伝子特異的分離エレメントを生じる、より一般的な任意の識別反応が、標的化されたフラグメントおよび標的化されないフラグメントの分離を可能にする。多くの分子生物学的方法および化学的方法が存在するか、またはこのような分離エレメントの選択的な付着または除去[9]を行うように適応され得る。例えば、核酸分子の集団に、分離基を付着した標的化エレメントを接触し得る。次いで、この分離基を、その結合された標的化エレメントから除去する。次いで、その残留する固定している基を、基板に固定し、固定された標的化エレメント−分離基複合体を形成する。次いで、この固定された標的化エレメント−分離基複合体を、目的の核酸から除去し、これによって、目的の核酸配列を、核酸分子の集団から分離する。
【0051】
(標的化されたフラグメントへの標的化フラグメントの結合)
a)標的化工程中の開始結合
配列特異的オリゴヌクレオチドでのポリヌクレオチドフラグメントの標的化は、両方が一本鎖形態で存在する場合に容易である。融解温度は、各オリゴヌクレオチド−フラグメント複合体について、ハイブリダイゼーションが生じるよりも低い温度と計算され得る。完全にマッチするオリゴヌクレオチドのみがこのフラグメントに結合するようにハイブリダイゼーション条件(主に温度および/または塩/カチオン濃度)を調整することが可能である。本発明の酵素的識別反応と本質的に類似する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ダイターミネーター配列決定法ならびにミニ配列決定またはプライマー伸長反応について、多くの文献およびプロトコルが存在する[10、11]。一本鎖DNAは、いくつかの様式(例えば、加熱およびその後の氷上でのクエンチング、NaOH変性またはビオチン化PCRプライマー(これは、PCR産物のただ1つのコピーに取り込まれる)に基づく物理的分離)で生成され得る。
【0052】
二本鎖DNA(例えば、ゲノムDNAまたはプラスミドDNA)をテンプレートとして使用する場合、標的化される位置は、そのオリゴヌクレオチドがそのフラグメントに結合するために接近可能にしなければならない。これは、このDNAが融解しそして一本鎖DNAのループを形成し始める温度に、サンプルを加熱することによって達成され得る。
【0053】
アニーリング条件下および代表的にはテンプレートに対して過剰のオリゴヌクレオチド下で、これらのオリゴヌクレオチドは、(質量作用ならびにそれらの通常の小さいサイズおよび従って高い拡散計数に起因して)融解されたフラグメント鎖の再生が生じる前に、相同領域に結合する。オリゴヌクレオチドはまた、生理学的条件下(37℃)で、相同な位置で二本鎖フラグメントに侵入し得る[13]。
【0054】
異なる対立遺伝子の対向する鎖間の交差ハイブリダイゼーションの可能性は、2つの対立遺伝子のミスマッチ二本鎖ハイブリッドの抽出を導き得るので、これは、重要である。この理由に起因して、完全な一本鎖テンプレートDNAを生成することは、通常望ましくないが、分離エレメントと標的化されたフラグメントの強い連結(以下に議論するような)は、厳しい変性および洗浄条件下でさえ、この標的化されたフラグメントを保持し得る。
【0055】
二本鎖標的(例えば、ゲノムDNAまたはプラスミドDNA)へのオリゴヌクレオチドの配列特異的導入を容易にするための方法およびキットが、開発されている[13、14]。DNA結合タンパク質(例えば、RecA(E.coli組換えタンパク質「A」)またはブドウ球菌ヌクレアーゼ)でのオリゴヌクレオチドのコーティングは、より高い濃度での類似の未改変オリゴヌクレオチドの導入と比較して、そのオリゴヌクレオチドの組み込みを数オーダースピードアップし、そしてこのような複合体の安定性を有意に増加し[15]、一方、その導入されたオリゴヌクレオチドの酵素的伸長はなお可能である[13]。
b)分離工程中の結合
単一の分離エレメントによって非常に大きい分子および複合体を固定または捕捉することが可能である[6、14、16]。相同領域間の単なるハイブリダイゼーションを利用する場合、オリゴヌクレオチド−分離エレメントの長さは、操作中のそのフラグメントの損失を妨げるに十分なサイズで選択されなければならない。数百〜数千塩基対サイズのフラグメントについては、比較的短いオリゴヌクレオチド(20塩基)が十分であり、一方、より長いフラグメント分子は、より長い距離にわたって結合するオリゴヌクレオチドを必要とする。この状況下で、オリゴヌクレオチド−分離エレメントによって周辺の溶液に対してフラグメントを操作する条件下で、ハイブリダイゼーションの安定性は幾分減少されることに注意することが重要である。なぜなら、熱の変動に起因する一時的な融解が、その配列の一部で生じ、これが、その溶液の成分間の相対的な運動が存在しない場合に安定である複合体の、鎖解離を導き得るからである。
【0056】
このオリゴヌクレオチド−分離エレメント−フラグメント複合体の安定性を増加するための別の方法は、分離エレメントが既に付着された標的化フラグメントを提供し、そしてさらに、識別反応においてその結合を安定化することである。例として、合成中にビオチン化ヌクレオチドが組み込まれたオリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドが、その標的フラグメント上の相同領域とハイブリダイズした後で、有意な距離にわたって通常のヌクレオチド(すなわち、ビオチンを含まない)で3’末端にて伸長される。
【0057】
標的化された多型部位の正体に基づく、標的化されたフラグメントと標的化されていないフラグメントとの間の酵素的識別は、上記のように達成され、その後、その標的化されたフラグメントへの大きく伸長されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび標的化されないフラグメントからの短い伸長されないオリゴヌクレオチドの解離を促進する条件下で、分離が達成される。この様式は、比較的短い長さのオリゴヌクレオチドの使用を可能にし、そして一旦、その標的フラグメントへのハイブリダイゼーション後にオリゴヌクレオチドが伸長されると、そのオリゴヌクレオチドを、強く結合する分離エレメントに変換する。
【0058】
これは、共有結合的または空間的に連結された結合が、識別反応の結果として、分離エレメントと標的化されたエレメントとの間で形成(または切断)される場合に有利である。前者は、その分離エレメントに連結された反応基を提供することによって達成され得、その結果、その分離エレメントの選択的組み込みに際して、この反応基が、標的化されたフラグメントにのみ可逆的に付着される。この目的のための使用され得る反応の例は、例えば、[17、18、19]に記載される。空間的に連結された結合の形成についての例は、[20]に記載される。
【0059】
(固体支持体への標的化されたフラグメントの結合)
通常のオリゴヌクレオチド(ビオチンを含まない)が非終結ビオチン化ヌクレオチドの使用によって伸長される、上記で議論した例において、特に強力な付着が、複数の分離エレメント(すなわち、ビオチン)と固体支持体(すなわち、ストレプトアビジンコート化ビーズ)との間の複数の結合事象によって形成される。このオリゴヌクレオチドの伸長が、その標的されたフラグメントの潜在的に長い距離にわたって位置される、多くの分離エレメントを生じることは重要である。これを、図5および9に模式的に示す。
【0060】
二本鎖DNAのねじれた螺旋構造に起因して、この複合体は、その伸長された領域の距離が、組み込まれたビオチン化ヌクレオチドとらせんのピッチとの間の平均距離(1ターンあたり約3.4nmまたは10塩基対)よりも有意に大きい場合に、その標的されたフラグメントが固体支持体に空間的に連結する様式でストレプトアビジンコート化表面に結合する。
【0061】
この方法の関連するバージョンにおいて、この固体支持体への標的化されたフラグメントの空間的に改善された結合が、複数の標的化および分離エレメントの使用によって達成される。これらのエレメントは、同時に、各エレメント対の間の介在配列を用いて、このフラグメントを固体支持体に結合する。このような複数の標的化エレメントは、標的化されたフラグメントを同時に同定して、標的化されていないフラグメントへのこのようなエレメントのいかなる結合をも妨げることは必要ではない。
【0062】
この分離工程の準備において、迅速かつ高い選択性および確率の標的化エレメントと固体支持体との間の結合を達成することが有利である。小さいフラグメントを使用する場合、室温にてローター上でインキュベートすることによって、その結合工程を行うことが十分である。大きいフラグメントになるほど、以下の2つの要因が、その反応を干渉し、そしてよりゆっくりでより少ない効率の結合を生じる:
a)大きいフラグメントほど、有意に減少した拡散効率をする
b)ただ1つの分離エレメントがフラグメント上に存在する場合、同じフラグメントの他の領域は、分離エレメントがその結合反応を開始するにその固体支持体に十分に密接して近位するのを効果的に遮蔽することによって、この結合工程を干渉し得る。
【0063】
標的化されたフラグメントと固体支持体との間の相対的な運動は、両方の問題を克服する。これは、種々の手段によって(例えば、捕捉するために使用するビーズを繰り返しの沈殿および懸濁によって溶液中に前後に運動させることによってか、または電気泳動的に生成される運動によって)達成され得る。
【0064】
(固体支持体への非特異的結合)
固体支持体への標的化されないフラグメントの任意の非特異的結合は、標的化されたフラグメントおよび標的化されないフラグメントの不完全な分離を生じ得る。特に、一本鎖DNAは、未処理の磁気ビーズまたは他の表面に容易に結合され得る。この問題は、その表面上の非特異的結合部位を飽和するが、その分離エレメントの特異的結合を干渉しない成分を含む溶液に、その表面を曝露することによって克服される[21]。
【0065】
例として、ブロッキング緩衝液「MBSB」を使用して、ビーズ(2.8μm磁気ビーズ「Dynabeads M−280 Streptavidin」、Dynal A.S.,Oslo,Norway,または1μmポリスチレンビーズ(「Strepavidin Coated Latex」)、Interfacial Dynamic Corporation,Portland,OR)への非特異的結合を抑制し、ビオチン化フラグメントが、両方のタイプのビーズ(磁気またはポリスチレン)に対する非ビオチン化フラグメントの産物の検出可能でないレベルと比較して、PCRによって容易に増幅される結果を生じる。
【0066】
緩衝液「MBSA」は、10mM Tris(pH 7.5)、2mM EDTA,0.2% Teewn−20、1M NaCl、5μg/ml BSA、1.25mg/ml 「カーネーション」乾燥ミルク(Nestle)、1mg/ml グリシンを含有する溶液である。
【0067】
緩衝液「MBSB」は、200ng/μlの剪断サケ精子DNA(GIBCO
BRL)(平均サイズ、約1000塩基対、3分煮沸しそして氷上で冷却した)および50nMの以下の配列のオリゴヌクレオチドを添加した「MBSB」と同一である:
【0068】
【化2】
Figure 0004731081
ビーズを、1ml「MBSA」中で、手短にボルテックスしそして沈殿することによって、2回洗浄する。沈殿は、粒子収集磁石(Polyscience,Warrington,PA)を用いて1分間(磁気ビーズ)で行うか、または卓上遠心分離器で13,000rpm、3分間の遠心分離(ポリスチレンビーズ)によって行う。次いで、これらのビーズを、新しいチューブの100μl「MBSB」中で、室温で回転させながらインキュベートし、そして「MBSB」中で冷凍保存した。
【0069】
同一の配列かつ225塩基対長のビオチン化フラグメントおよびビオチン化されてないフラグメントを、HLA(ヒト白血球関連)遺伝子座における領域のPCR増幅によって生成した。
【0070】
非特異的に抽出された標的化されないフラグメントの混入を妨げる代替的手段は、切断可能なリンカーを使用することであり、これは、分離が完了した後に溶液への標的化されたフラグメントの選択的放出を可能にする[22]。
【0071】
(多重化)
この方法は、1より多いフラグメントまたは1つのフラグメントの1より多い領域を一度に標的化することによる、多重化様式において行われる。例として、これは、異なる多型を標的化する異なる配列の複数のオリゴヌクレオチドの使用によって達成され得る。
【0072】
多型が、全て同じ型(例えば、全てが「T」)である場合、全ての標的化されるフラグメントを、同じ型の分離エレメントで抽出し得る(この例では、ビオチン化「A」)(図10に示される、「一次多重化」と呼ばれる)。これらの多型が異なる型である場合、異なる型のヌクレオチドに付着させた種々の分離エレメントを使用して、その対応するフラグメントを選択的に抽出し得る(図11に示される、「二次多重化」と呼ばれる)。例えば、タイプ「T」の全ての多型を、ビオチン化「A」の使用によって標的化しそしてストレプトアビジンコート化ビーズで抽出し得、タイプ「C」の全ての多型は、フルオレセイン改変「G」で標的化しそして「G」に対する抗体を含有するビーズで抽出し得る、など。この実施形態は、特定の標的された多型部位での遺伝子型が未知であるサンプルの対立遺伝子を分離する場合に、特に有用である。
【0073】
(ハプロタイプ決定ライブラリーの作製)
この方法を使用して、DNA(複数の対立遺伝子を含むサンプルの染色体フラグメントに由来する)を、分離される対立遺伝子のみを含む画分に分離し、そして異なるフラグメントの重複するヘテロ接合領域を使用して、連続性のフラグメントにわたる同時遺伝されたゲノム領域に対する情報を構築し得る。このようなライブラリーは、対立遺伝子のさらなる分離を必要とすることなく、異なる領域で繰り返して分析され得、以前に分類されていない多型を研究し得る。
【0074】
(引用文献)
【0075】
【表1】
Figure 0004731081
Figure 0004731081
Figure 0004731081
Figure 0004731081
Figure 0004731081

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、いくつかの多型を含む母系および父系の染色体フラグメントの模式図である。
【図2】 図2は、多型部位の領域におけるオリゴヌクレオチドのアニーリングを示す模式図である。
【図3】 図3は、固定可能なヌクレオチドの組み込みを示す模式図である。
【図4】 図4は、3’塩基ミスマッチを有するオリゴヌクレオチドのアニーリングを示す模式図である。
【図5】 図5は、ミスマッチを欠くオリゴヌクレオチドの伸長を示す模式図である。
【図6】 図6は、固体支持体を使用する標的化された画分の分離を示す模式図である。
【図7】 図7は、変位センサーによって観察した場合の、単一のビーズに対する経時的な個体DNA分子の付着および放出事象を示すグラフである。
【図8】 図8は、分離エレメント−ビーズ複合体に共有結合連結した個体DNA分子の付着事象を示すグラフである。
【図9】 図9は、標的フラグメントを固体支持体に空間的に固定する、複数の分離エレメントの模式図である。
【図10】 図10は、一次多重化反応の模式図である。
【図11】 図11は、二次多重化反応の模式図である。
【0076】
【配列表】
SEQUENCE LISTING

<110> TRUSTEES OF PRINCETONUNIVERSITY
Dapprich Johannes

<120> Method for SelectivelyIsolating a Nucleic Acid

<130> F102A46E56

<140> JP P2001-544381
<141> 2000-12-11

<150> 60/170,140
<151> 1999-12-10

<150> 09/733,846
<151> 2000-12-08

<160> 4

<170> PatentIn Ver. 2.1

<210> 1
<211> 15
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Description of ArtificialSequence: Allele 1

<400> 1
gattaccaaa aattc 15


<210> 2
<211> 15
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Description of ArtificialSequence: Allele 2

<400> 2
gattaccaaa aagtc 15


<210> 3
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Description of ArtificialSequence:
Oligonucleotide

<400> 3
ttagtgctga acaagtagat caga 24


<210> 4
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> Description of ArtificialSequence:
Oligonucleotide

<400> 4
gtatattcca agatccatta gcag 24

Claims (6)

  1. ゲノムDNA分子の集団からポリヌクレオチド分子を分離するための方法であって、該方法は、
    (a)該ポリヌクレオチド分子を含むゲノムDNA分子の集団を提供する工程であって、該ポリヌクレオチド分子は、標的核酸配列および識別エレメントを含む、工程;
    (b)該ゲノムDNA分子の集団に標的化エレメントを接触させる工程であって、該標的化エレメントは、該ポリヌクレオチド分子の該標的核酸配列に特異的に結合し、かつ、該ポリヌクレオチド分子の該標的核酸配列に対して相補的である、工程;
    (c)複数の分離基を含むように該標的化エレメントを伸長させることによって、該結合した標的化エレメントに複数の分離基を選択的に付着する工程であって、分離基の付着は、該標的化エレメントが該標的核酸配列に結合している場合にのみ生じる、工程;
    (d)該付着された分離基を基板に固定し、それによって、固定されたポリヌクレオチド−標的化エレメント−分離基複合体を形成する工程;および
    (e)該ゲノムDNA分子の集団から該固定されたポリヌクレオチド−標的化エレメント−分離基複合体を取り出し、それによって、該ゲノムDNA分子の集団から該ポリヌクレオチド分子を分離する、工程;
    を包含し、
    該識別エレメントは、多型であり、該標的化エレメントは、該識別エレメントと部分的に重複するオリゴヌクレオチドであり、該分離基は、固定可能な非終結ヌクレオチドであり、該オリゴヌクレオチドの3’末端は、該多型に対して相補的である、方法。
  2. 前記分離基が、ビオチン化ヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基板が、粒子、ビーズ、磁気ビーズ、またはガラス表面である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記固定されたポリヌクレオチド−標的化エレメント−分離基複合体が、複数の分離基を介して前記基板に空間的に連結される、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(c)が、3’終結ヌクレオチドをDNAポリメラーゼにより伸長させることによって実施される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記多型が、単一ヌクレオチド多型である、請求項1に記載の方法。
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