JPH0431575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えば、容器入り麺のカツプ状容
器に施されている蓋のシール不良を検出する装置
に関する。

従来の技術とその問題点 上記のような容器の口縁部に蓋の周縁部をシー
ルする際、その口縁部にカツプ麺の具や麺の屑な
どの異物がのつていると、その異物がシール部に
かみ込まれシール不良が発生する。

シール直後においては、シール熱によつて容器
内部の空気が膨脹しているために蓋は膨らんでい
る場合が多い。そこで、現状では人手によつて蓋
の中央部を押し、シール不良がある場合は容器内
部の空気が外部に漏れるために蓋がへこむことか
ら、これをもつてシール不良と判定しているが、
効率が悪い。

この考案の目的は、上記問題点を解決した蓋の
シール不良検出装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による蓋のシール不良検出装置は、容
器の口縁部に周縁部がシールされている蓋のシー
ル不良を検出する装置であつて、容器搬送経路途
上に配置されかつ蓋の中央部に下向きの力が加わ
るように蓋および容器を上下から圧縮する圧縮装
置と、容器搬送経路途上における圧縮装置より前
および後のうちのいずれか一方に配置されかつ蓋
の中央部に上向きの力が加わるように蓋および容
器を上下から引張る引張装置と、圧縮装置と引張
装置の間および両装置のうちの前方にある装置の
前方にそれぞれ配置されかつ蓋の中央部の高さが
設定値以上であるときに高レベル検出信号を、設
定値未満であるときに低レベル検出信号を出力す
る２つの検出器と、同一の蓋について出力された
２つの検出器の信号の一方が高レベル検出信号で
あり他方が低レベル検出信号であるときにその蓋
がシール不良であると判定する判定手段とよりな
るものである。

実施例 この考案の実施例を図面を参照してつぎに説明
する。

第１図に、容器Ｃおよびその口部に被せられて
いる蓋Ｌと、これらを搬送するコンベヤ１１とが
示されている。

ここで、前後とはコンベヤ１１で容器Ｃおよび
蓋Ｌが搬送されて進む方向（第１図に矢印Ａで示
す方向）を前、これと反対側を後と定義する。

容器Ｃは、カツプ状のものであり、その口縁部
にはフランジＦが設けられている。蓋Ｌは、平板
状のものであり、その周縁部がフランジＦにヒー
トシールされている。

容器搬送コンバヤ１１は、詳しく図示しない
が、スラツト・コンベヤであり、そのスラツト１
２には容器挿入孔１３があけられており、容器挿
入孔１３に容器Ｃが挿入された状態で容器挿入孔
１３の周縁部でフランジＦが受けられている。ス
ラツト１２の移動経路にそつて後から前にかけて
順次第１〜第４ステーシヨン〜が設けられて
おり、これらのステーシヨン〜にスラツト１
２が順次停止するようにコンベヤ１１が間欠的に
駆動される。

第１ステーシヨンに圧縮装置２１が、第３ス
テーシヨンに引張装置２２がそれぞれ配置され
るとともに、第２および第４ステーシヨン，
に２つの検出器２３が１つずつ配置されている。

圧縮装置２１は、容器搬送経路を挟んでその上
下に配された上下圧縮部材３１，３２を有してい
る。上圧縮部材３１は、下向き半球状の弾性材よ
りなるものであり、これには垂直ロツド３３が直
立状に設けられている。垂直ロツド３３は、容器
搬送経路をまたいでいる支持板３４を滑動自在に
貫通してその上方に突出しており、その突出部に
はストツパ３５が固定されている。垂直ロツド３
３を取囲んで上圧縮部材３１と支持板３４の間に
圧縮コイルばね３６が介在されている。下圧縮部
材３２は、スラツト１２に保持された容器Ｃの底
面を受ける昇降台よりなる。

スラツト１２に保持された容器Ｃが下圧縮部材
３２の上で停止すると、下圧縮部材３２を上昇さ
せる。そうすると、下圧縮部材３２の上昇にとも
なつて下圧縮部材３２で容器Ｃが持上げられてい
くが、やがて上圧縮部材３１にその容器Ｃの蓋Ｌ
が当接する。この状態よりさらに下圧縮部材３２
を上昇させると、上圧縮部材３１がばね３６を圧
縮させることにより上昇し、これにより、上下圧
縮部材３１，３２で蓋Ｌおよび容器Ｃを上下から
圧縮することとなつて、このときに蓋Ｌの中央部
には下向きの力が加わる。この場合、蓋Ｌがシー
ル良であれば、内部の空気が漏れることがないか
ら、蓋Ｌの中央部の高さはそのままであるが、蓋
Ｌがシール不良であれば、内部の空気が漏れて、
蓋Ｌの中央部の高さが低くなる。

引張装置２２は、容器搬送経路を挟んでその上
下に配された上下引張部材４１，４２を有してい
る。上引張部材４１は下向きの上バキユームカツ
プであり、これは上垂直ロツド４３の下端に取付
けられている。上垂直ロツド４３はスリーブ４４
を介して支持板４５を貫通している。スリーブ４
４の下端にはフランジ４６が設けられており、こ
れは支持板４５下面に当接している。スリーブ４
４の外面には雄ねじ４７が設けられてこれにナツ
ト４８がはめられ、このナツト４８とフランジ４
６で支持板４５を挟みつけることにより、スリー
ブ４４が支持板４５に固定されている。上垂直ロ
ツド４３の上端にはばね押え４９が設けられ、ば
ね押え４９とスリーブ４４上端の間およびスリー
ブ４４下端と上引張部材４１の間に圧縮コイルば
ね５１，５２がそれぞれ介在されている。下引張
部材４２は、上向きの下バキユームカツプであ
り、これは下垂直ロツド５３の上端に取付けられ
ている。下垂直ロツド５３はスリーブ５４を介し
て昇降板５５を貫通している。スリーブ５４の外
面には雄ねじ５６が設けられ、これに昇降板５５
を上下から挟み付けるように２つのナツト５７，
５８がねじはめられることにより、スリーブ５４
が昇降板５５に固定されている。下垂直ロツド５
３の下端はスリーブ５４の下方に突出しており、
その突出部にストツパ５９が設けられている。そ
して、下引張部材４２とスリーブ５４上端の間に
圧縮コイルばね６１が介在されている。

スラツト１２に保持された容器Ｃが下引張部材
４２の上で停止すると、下引張部材４２を上昇さ
せる。下引張部材４２が上昇して容器Ｃの底面に
当接すると、その後は下引張部材４２で容器Ｃが
持上げられていく。やがて、容器Ｃの蓋Ｌが上引
張部材４１に当接するが、その後さらに下引張部
材４２を上昇させることにより、上下引張部材４
１，４２で蓋Ｌおよび容器Ｃを上下から挟み付け
ながら、上引張部材４１が蓋Ｌの中央部を、下引
張部材４２が容器Ｃの底部をそれぞれ吸着する。
吸着が完了すると、今度は下引張部材４２を下降
させる。すると、蓋Ｌおよび容器Ｃも下引張部材
４２とともに下降しようとするが、蓋Ｌには上引
張部材４１が吸着したままであるから、蓋Ｌが下
降しようとする際、蓋Ｌの中央部は上引張部材４
１で上向きに引張られることとなつて、このとき
に蓋Ｌの中央部には上向きの力が加わる。この場
合、蓋Ｌがシール良であれば、内部に空気が流入
することがないから、蓋Ｌ中央部の高さはそのま
まであるが、蓋Ｌがシール不良であれば、内部に
空気が流入して、蓋Ｌ中央部の高さが高くなる。

検出器２３は、容器搬送経路の上方にある近接
センサであり、２つの検出器２３はいずれも同じ
機能をもつている。検出器２３は、蓋Ｌの中央部
の高さが設定値以上であるときに高レベル検出信
号を、設定値未満のときに低レベル検出信号を出
力する。同一の蓋Ｌに対して出力された２つの検
出器２３の信号Ｓ１，Ｓ２は、第２図に示すよう
に、判定回路７１に入力され、判定回路７１は、
つぎに説明する判定信号Ｓ３を出力する。

(A) 第１および第２検出器２３の信号Ｓ１，Ｓ２
がいずれも高レベル検出信号であるときは、シ
ール良である。

これは、つぎに説明する状況に対応する。す
なわち、シール不良検出装置にかけられる前の
蓋Ｌの中央部の高さは設定値以上であり、その
蓋Ｌがシール良であるために、シール不良検出
装置にかけられた前後で蓋Ｌの中央部の高さは
変化することなくて設定値以上のままである。

(B) 第１および第２の検出器の信号Ｓ１，Ｓ２が
いずれも低レベル検出信号であるときは、シー
ル良である。

これは、つぎに説明する状況に対応する。す
なわち、シール不良検出装置にかけられる前の
蓋Ｌの中央部の高さは設定値未満であり、その
蓋Ｌがシール良であるために、シール不良検出
装置にかけられた前後で蓋Ｌの中央部の高さは
変化することなくて設定値未満のままである。

(C) 第１検出器の信号Ｓ１が低レベル検出信号で
あり、第２検出器の信号Ｓ２が高レベル検出信
号であるときは、シール不良である。

これは、つぎに説明する２つの状況に対応す
る。すなわち、その１つの状況では、シール不
良検出装置にかけられる前の蓋Ｌの中央部の高
さは設定値以上であり、その蓋Ｌがシール不良
であるために、シール不良検出装置の圧縮装置
２１にかけられると、蓋Ｌの中央部の高さは設
定値未満となり、その後シール不良検出装置の
引張装置２２にかけられると、再び蓋Ｌの中央
部の高さは設定値以上となる。いま１つの状況
では、シール不良検出装置にかけられる前の蓋
Ｌの中央部の高さは設定値未満であり、その蓋
Ｌがシール不良であるために、シール不良検出
装置の圧縮装置２１にかけられても、蓋Ｌの中
央部の高さは設定値未満のままであるが、その
後シール不良検出装置の引張装置２２にかけら
れると、蓋Ｌの中央部の高さは設定値以上とな
る。

考案の効果 この考案によれば、蓋のシール不良を人手によ
ることなく自動的に判定することができ、しかも
その判定は、蓋および容器を圧縮しかつ引張るこ
とにより蓋の変化の具合を検出することによるも
のであるから、判定が正確なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は電気的構成を示す電気ブロツク図で
ある。 ２１……圧縮装置、２２……引張装置、２３…
…検出器、７１……判定手段、Ｃ……容器、Ｌ…
…蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器Ｃの口縁部に周縁部がシールされている蓋
   Ｌのシール不良を検出する装置であつて、 容器搬送経路途上に配置されかつ蓋Ｌの中央部
   に下向きの力が加わるように蓋Ｌおよび容器Ｃを
   上下から圧縮する圧縮装置２１と、 容器搬送経路途上ににおける圧縮装置２１より
   前および後のうちのいずれか一方に配置されかつ
   蓋Ｌの中央部に上向きの力が加わるように蓋Ｌお
   よび容器Ｃを上下から引張る引張装置２２と、 圧縮装置２１と引張装置２２の間および両装置
   ２１，２２のうちの前方にある装置２２の前方に
   それぞれ配置されかつ蓋Ｌの中央部の高さが設定
   値以上であるときに高レベル検出信号を、設定値
   未満であるときに低レベル検出信号を出力する２
   つの検出器２３と、 同一の蓋Ｌについて出力された２つの検出器２
   ３の信号の一方が高レベル検出信号であり他方が
   低レベル検出信号であるときにその蓋Ｌがシール
   不良であると判定する判定手段７１と、 よりなる、蓋のシール不良検出装置。