JPH04314592A - 画像作成方法 - Google Patents

画像作成方法

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JPH04314592A
JPH04314592A JP3108629A JP10862991A JPH04314592A JP H04314592 A JPH04314592 A JP H04314592A JP 3108629 A JP3108629 A JP 3108629A JP 10862991 A JP10862991 A JP 10862991A JP H04314592 A JPH04314592 A JP H04314592A
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壮太 川上
Takahiro Ogawa
隆宏 小川
Masataka Takimoto
正高 瀧本
Shigeru Mano
茂 間野
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱転写法を用いた階
調画像作成方法に関するものであり、詳しくは複数回又
は表裏面に熱記録を繰り返すことによりエックス線CT
、MRI、超音波診断等の医療診断用画像等に必要とさ
れる透過濃度が高くかつ階調性のある画像を得る画像作
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断用の放射線画像、例えばエック
ス線CT、MRI、超音波診断等で検出した電子画像は
デジタル値でコンピュータに入力され、その後診断に適
するような画像に処理されて利用されている。
【0003】従来この医療診断用の画像を記録する場合
には、画像の濃度及び階調を詳細に再現するためエック
ス線の直接又は間接撮影に使われる銀塩感光材料を用い
、これにコンピュータに接続するレーザービームを露光
して現像処理していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の画像作
成方法では、銀塩感光材料を記録用紙として用いるため
露光、現像等の処理工程が欠かせなかった。このため画
像作成工程が複雑となり、コストも高くなる欠点を有し
ていた。
【0005】一方コンピュータで処理した画像をプリン
タで記録することも可能ではあるが従来のプリンタを用
いた画像作成方法では医療診断に耐える画像を提供する
ことができなかった。即ち画像をプリンタで記録する場
合には溶融型、昇華型、転写発色型の熱転写プリンタを
利用することができるが、溶融型では高濃度画像は得ら
れるが階調性を出すことが難しく、逆に昇華型、転写発
色型では階調性は出せるが高い濃度を出すことが難しい
という欠点を有していた。
【0006】この発明は従来の画像作成方法が有する上
記の欠点を解消し、画像作成工程が簡略でコストも低い
画像作成方法を提供することを目的としている。特に医
療診断に耐え得る高濃度でかつ階調性の高い画像を作成
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
、請求項1記載の画像作成方法は、熱によって転移する
物質を含有する物質供与層を有する物質供与部材と、転
移された前記物質を受容して画像を形成する受像層を有
する受像部材とを、前記物質供与層と前記受像層とが対
向するように配置し、前記物質供与部材又は前記受像部
材の背面から加熱手段により加熱すると共に前記物質供
与部材及び前記受像部材を前記加熱手段から相対的に微
小移動させ、所要の画像形状に対応する前記物質を前記
受像層に転移させて前記受像部材上に所要の画像を形成
する画像作成方法において、前記画像形状に対応する前
記物質を前記受像部材の前記受像層に転移させて画像を
形成した後に、この画像形成済みの前記受像部材の前記
受像層と未使用の前記物質供与部材の前記物質供与層と
を対向して配置し、前記物質供与部材又は前記受像部材
の背面から前記加熱手段により同一の前記画像形状又は
同一の前記画像形状の一部を加熱し、前記画像形成済み
の前記受像層に前記物質を複数回重ねて転移して多重転
写画像を形成することを特徴としている。
【0008】又請求項2記載の画像作成方法は、前記多
重転写画像は階調を有しかつ透過濃度が2.0以上の画
像濃度を有することを特徴としている。
【0009】又請求項3記載の画像作成方法は、必要と
される前記画像濃度を前記物質の転移回数で割った濃度
分を毎回転移することを特徴としている。
【0010】又請求項4記載の画像作成方法は、必要と
される前記画像濃度が前記物質の転移1回で形成可能な
最大濃度の整数倍の濃度と前記最大濃度に満たない濃度
との和により達成するように各画像毎に演算を行い、こ
の演算結果に基づき前記最大濃度を形成するような前記
物質の転移を0を含む整数回行い、更に前記最大濃度に
満たない濃度を形成するような前記物質の転移を行うこ
とを特徴としている。
【0011】又請求項5記載の画像作成方法は、前記物
質供与部材が顕色剤含有層を有しかつ前記受像部材が発
色剤含有層を有するか、又は前記物質供与部材が発色剤
含有層を有しかつ前記受像部材が顕色剤含有層を有する
ことを特徴としている。
【0012】又請求項6記載の画像作成方法は、前記最
大濃度を形成するような前記物質の転移は前記物質供与
部材として溶融型熱転写リボンを用い、更に前記最大濃
度に満たない濃度を形成するような前記物質の転移は、
前記物質供与部材として昇華型熱転写リボンを用いかつ
前記受像部材に昇華性色素受像層を有する部材を用いる
か又は顕色剤含有層を有する前記物質供与部材を用いか
つ発色剤含有層を有する前記受像部材を用いるか又は発
色剤含有層を有する前記物質供与部材を用いかつ顕色剤
含有層を有する前記受像部材を用いることを特徴として
いる。
【0013】又請求項7記載の画像作成方法は、前記物
質供与部材から前記画像形状に対応する前記物質を前記
受像部材の前記受像層に転移させて画像を形成した後に
、この画像形成済みの前記受像部材の前記受像層に別の
新規受像層を転移し、この新規受像層に前記物質を複数
回重ねて転移して多重転写画像を形成することを特徴と
している。
【0014】又請求項8記載の画像作成方法は、前記物
質供与部材及び前記受像部材を前記加熱手段から相対的
に微小移動させる搬送速度は、前記加熱手段に対する前
記物質供与部材の相対的な搬送速度を前記加熱手段に対
する前記受像部材の相対的な搬送速度よりも小さくする
ことを特徴としている。
【0015】又請求項9記載の画像作成方法は、熱によ
って転移する物質を含有する物質供与層を有する物質供
与部材と、転移された前記物質を受容して画像を形成す
る受像層を有する受像部材とを、前記物質供与層と前記
受像層とが対向するように配置し、前記物質供与部材又
は前記受像部材の背面から加熱手段により加熱すると共
に前記物質供与部材及び前記受像部材を前記加熱手段か
ら相対的に微小移動させ、所要の画像形状に対応する前
記物質を前記受像層に転移させて前記受像部材上に所要
の画像を形成する画像作成方法において、前記受像部材
は透明支持体の両面に前記受像層を有するものであって
、この両面の前記受像層に前記画像形状に対応する前記
物質を前記加熱手段によりそれぞれ転移させ、前記両面
の前記画像形状の相互の位置関係が50μm以内となる
鏡像の画像を形成して前記受像部材上に所要の画像を形
成することを特徴としている。
【0016】又請求項10記載の画像作成方法は、前記
加熱手段は、前記受像部材の搬送路の両面に配設される
複数のサーマルヘッドであり、この相互のサーマルヘッ
ドの印字位置は前記搬送路の搬送方向に前記受像部材が
前記サーマルヘッドから相対的に微小移動する微小移動
距離の整数倍離れていることを特徴としている。
【0017】又請求項11記載の画像作成方法は、前記
受像部材の片面の前記受像層に前記画像形状に対応する
前記物質を前記加熱手段により転移させるとともに、前
記受像部材における画像転写の開始点を前記受像部材に
記録し、この画像転写の開始点を転写位置読取り手段に
より読取り、前記開始点を基準にして他の片面の前記受
像層に前記鏡像の画像を形成することを特徴としている
【0018】又請求項12記載の画像作成方法は、前記
物質供与部材が顕色剤含有層を有しかつ前記受像層が発
色剤含有層を有するか、又は前記物質供与部材が発色剤
含有層を有しかつ前記受像層が顕色剤含有層を有し、前
記加熱手段は熱源として集光された光を利用する光源を
有し、前記受像部材の両面に設けられる前記受像層を前
記光源により同時に発色させることを特徴としている。
【0019】又請求項13記載の画像作成方法は、前記
物質供与部材が顕色剤含有層を有しかつ前記受像層が発
色剤含有層を有するか、又は前記物質供与部材が発色剤
含有層を有しかつ前記受像層が顕色剤含有層を有し、前
記加熱手段は熱源として集光された光を利用する光源を
有し、前記受像部材の両面に設けられる前記受像層に対
して前記光源からの前記集光された光を前記受像部材の
両面から照射し、それぞれの前記受像層を同時に発色さ
せることを特徴としている。
【0020】請求項1乃至請求項8記載の発明を図1乃
至図8に基づき説明する。図1はこの発明の高濃度階調
画像を作成する熱転写システムの概略図、図2は多重転
写の動作を説明する説明図、図3は図1で使用する熱転
写リボン及び受像シートの構成図、図4は熱昇華型転写
媒体を用いる場合の熱転写リボン及び受像シートの構成
図、図5は熱転写発色型媒体を用いる場合の熱転写リボ
ン及び受像シートの構成図、図6は熱溶融型以外の媒体
を含有する熱転写リボンを利用して多重転写する場合の
受像層転写手段を別途設ける熱転写システムの概略図、
図7は複数の熱転写リボンを並列に用いる熱転写システ
ムの概略図、図8は複数の熱転写リボンを直列に用いる
熱転写システムの概略図である。
【0021】図1に示す熱転写システムAは物質供与部
材を構成する未使用の熱転写リボン1を巻着する元巻マ
ガジン2と、この熱転写リボン1を加熱手段を構成する
サーマルヘッド3と転写ドラム4との間にガイドしなが
ら搬送するガイドローラ5及び巻取ローラ6と、受像部
材を構成する受像シート7をこの搬送される熱転写リボ
ン1と転写ドラム4との間に送り込む送りローラ8を有
している。
【0022】転写ドラム4の外周には送りローラ8で搬
送される受像シート7の先端部を挟持する先頭部保持手
段4aと受像シート7の後端部を保持する後端部保持手
段4bとが装着されている。この転写ドラム4の回転軸
4cには駆動モータ4d及び回転角度検出手段9、例え
ばロータリーエンコーダ等が係合している。転写ドラム
4の回転角度は回転角度検出手段9を介して熱転写シス
テムの制御手段10に送られている。この制御手段10
は送りローラ8、巻取ローラ6、転写ドラム4の駆動モ
ータ4d及びサーマルヘッド3にも接続しており、それ
ぞれの動作を制御している。
【0023】なおここでは加熱手段としてサーマルヘッ
ド3を用いているが、転写の熱源に使用できればこれに
限定されるものではなく、レーザー光源、フラッシュラ
ンプ、LEDでもよい。
【0024】次に図1における熱転写システムAの動作
を説明する。送りローラ8で搬送される受像シート7の
先端部は転写ドラム4の受像シート先頭部保持手段4a
に保持され、転写ドラム4の回転に伴いサーマルヘッド
3部に送られてくる。この時受像シート7と熱転写リボ
ン1は重ね合わされて搬送される。受像シート7の所定
の位置がサーマルヘッド3部に位置したことを回転角度
検出手段9及び制御手段10が検知すると、受像シート
7及び熱転写リボン1の搬送を停止する。その後サーマ
ルヘッド3は画像入力手段11及び階調・濃度読取り手
段12を介して制御手段10に入力された画像信号に基
づいて走査を行い、熱転写リボン1の裏側から加熱して
、熱転写リボン1の物質供与層の熱転移物質を1ライン
分受像シート7上に転写する。この受像シート7上に転
写が開始された位置及びその時の転写ドラム4の回転角
度は回転角度検出手段9を介して制御手段10内に記憶
される。
【0025】その後制御手段10は転写ドラム4を微小
角度回転させ転写ドラム4に巻着する受像シート7をサ
ーマルヘッド3に対し微小距離送り出すと共に巻取ロー
ラ6を微小回転させ熱転写リボン1を順次巻き取る。こ
のサーマルヘッド3に対する熱転写リボン1の搬送速度
は、熱転写リボン1の経済性を考慮してサーマルヘッド
3に対する受像シート7の送り速度よりも小さい速度に
制御することが望ましい。
【0026】このように受像シート7を順次送り出しな
がら熱転写リボン1の熱転移物質を順次受像シート7に
転移させて第1回目の画像転写を終了する。この時受像
シート7の後端は図2に示すように後端部保持手段4b
により保持されるため、転写ドラム4から離れることな
く回転する。第1回目の画像転写が行われた受像シート
7は転写ドラム4の回転により再度サーマルヘッド3部
に送られてくる。転写ドラム4の回転角度が制御手段1
0が記憶する第1回目の画像転写開始転角度と一致した
時に転写ドラム4はその回転を停止し、再度サーマルヘ
ッド3により同一画像を先の画像上に重ねて転写する。
【0027】この多重転写を所定回数繰り返して形成さ
れる画像の透過濃度Dは2.0以上、好ましくは3.0
以上である。なお透過濃度Dは数式1により表わされる
【0028】
【数1】 又同一画像を先の画像に重ねて転写する際には、画像入
力手段11に入力されている画像情報は階調・濃度読取
り手段12に入力され、画像各部の階調・濃度が判断さ
れ詳細に分類される。この分類により画像各部の多重転
写回数が定められる。即ち、最明部に当たる画像部の転
写回数は当初のみ(1回)であり、ハーフトーンでは順
次転写回数が増加し、最暗部(最高濃度部)では最大多
重転写回数となる。このように画像の各部により転写回
数を変更することで高階調でしかも所要の透過濃度Dを
有する画像を作成することが可能になる。
【0029】この熱転写システムAで医療診断用の画像
を作成するためには最低でも256階調は必要となる。 更に解像度を示す線密度としては300dpi以上が好
ましい。階調を細かくすることで微妙な濃度変化を再現
し、線密度を大きくすることで入力された画像情報を忠
実に再現する。受像シート7への全ての画像転写が終了
すると制御手段10は転写ドラム4の先頭保持手段4a
及び後端部保持手段4bの保持を解除して、受像シート
7を搬送ガイド13に挿入し、搬出ローラ14に挟持し
て外部に排出する。
【0030】次に熱転写リボン1及び受像シート7の構
成を図3に基づき説明する。この熱転写リボン1は支持
体1a上に物質供与層1bを有しており、この物質供与
層1b内には加熱手段であるサーマルヘッド3の熱によ
って受像シート7に転移する熱転移物質を含有している
【0031】この熱転写リボン1に用いられる支持体1
aとしては、寸法安定性がよく画像記録時の加熱に耐え
るものが必要であるが、一般的には普通紙、コンデンサ
ー紙、ラミネート紙及びコート紙等の紙類;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びポリイミド等の樹脂フィルム類
;紙と樹脂フィルムとの複合体ならびにアルミ箔等の金
属シートなどを挙げることができる。支持体1aの厚み
は、通常30μm以下、好ましくは2〜30μmの範囲
内である。支持体1aの厚みが30μmを超えると、熱
伝導性が劣化して印字品質の低下を招くことがある。 なお、支持体1aの裏面側の構成については任意であり
、例えばAST層等のバックコート層やスティッキング
防止層を設けてもよい。このスティッキング防止層等の
厚みは0.1〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0032】又物質供与層1bの熱転移物質としては、
■熱溶融型転写媒体を含有する場合と、■熱昇華型転写
媒体を含有する場合と、■熱転写発色型媒体を含有する
場合が挙げられる。これら熱転移物質の構成に伴い受像
シート7の構成も異なってくる。
【0033】先ず■熱溶融型転写媒体を用いる場合は図
3における物質供与層1bには、無機及び有機の顔料な
らびに染料等の色材を含有する。この無機顔料としては
、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、プルシ
アンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛
、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩などが挙げられ
る。また、有機顔料としては、アゾ系、チオインジゴ系
、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェン
ジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニ
ン顔料、例えば銅フタロシアニン及びその誘導体ならび
にキナクリドン顔料などが挙げられる。さらに、染料と
しては、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、
含金属油溶性染料などが挙げられる。
【0034】この場合の受像シート7は支持体7aが受
像層を兼用する。支持体7aはポリエチレン等の公知な
材料で構成されるが、良好な耐熱強度を有するとともに
寸法安定性の高いこと材料であることが望ましい。
【0035】熱溶融型転写媒体を用いると、1回の転写
で高濃度の画像を得ることができるが、反面階調性を出
すことが難しくなるため、線密度を大きくするとともに
画像各部の階調を詳細に判断し分類する必要がある。
【0036】次に■熱昇華型転写媒体を用いる場合の熱
転写リボン1及び受像シート7の構成を図4に基づき説
明する。図4の熱転写リボン1の支持体1a上に設けら
れる物質供与層1cには、熱拡散性もしくは昇華性を有
する熱拡散性色素を含有する。この熱拡散性色素として
は、シアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素を挙げる
ことができる。これらの色素は1又は複数で黒色色素を
構成する。この熱拡散性色素はバインダー樹脂に混入さ
れて物質供与層1cとしてのインク層を構成する。この
インク層は単層に限らず複数層から構成されていても良
い。バインダー樹脂としては、感熱転写記録分野で公知
の樹脂を用いることが可能であるが、好ましいのは以下
に述べるアセタール系樹脂及び/又はセルロース系樹脂
である。アセタール系樹脂としては、アセタール系の程
度、アセチル基等の含有率によって種々の化合物があり
、代表例にポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブ
チラール等を挙げることができる。又感熱転写記録分野
での公知樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂
、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリ
ドン、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、アイオノ
マー樹脂等を挙げることができる。
【0037】更にインク層には各種の添加剤を添加する
ことができ、その添加剤としてはフッ素樹脂、界面活性
剤、ワックス類等の剥離性化合物、金属微粉末、シリカ
ゲル、カーボンブラック、樹脂微粉末等のフィラー、バ
インダー成分と反応可能な硬化剤(例えはイソシアネー
ト類やアクリル類やエポキシ類等の放射線活性化合物)
等を挙げることができる。又、転写を促進するため、例
えば特開昭59−106997号等に記載されたワック
スや高級脂肪酸エステル等の熱溶融性物質を用いること
ができ、添加剤の添加量については、添加剤の種類や添
加目的により一律に決められないが、添加剤全体として
は、通常バインダー樹脂に対して20重量%以下の範囲
である。
【0038】なおインク層と支持体1aとの間には、接
着性等を高めるために、下引き層を設けることができる
。さらに、インク層の上には、融着防止層を設けること
ができる。その厚みは通常0.01〜5μm、好ましく
は0.05〜1μmの範囲である。0.01μm未満で
は、融着の防止硬化が十分に発現しないし、また5μm
を超えると、インク層から受像層への熱拡散性色素の拡
散を阻害し、十分な画像濃度が得られにくくなるので好
ましくない。
【0039】融着防止層は通常、例えばポリエチレンワ
ックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワ
ックス類、フッ素、リン酸エステル系の界面活性物質シ
リコンオイル、シリコン樹脂、フッ素系樹脂等により形
成することができる。また、支持体の裏面(インク層と
は反対側)には、感熱ヘッドが支持体に粘着やスティッ
キング、シワの発生するのを防止する目的でスティッキ
ング防止層を有していてもよい。このスティッキング防
止層の厚みは0.1〜1μmの範囲にするのが好ましい
。さらに、熱転写記録用インクシートにパーフォレーシ
ョンを形成したり、あるいは色相の異なる区域の位置を
検出するための検知マーク等を設けることによって、使
用時の便を図ることができる。
【0040】この熱昇華型転写媒体を受容する受像シー
ト7には、支持体7a上に受像層7bが設けられている
。この受像層7bは、熱昇華性色素受像層であり、受像
層用バインダーと各種の添加剤とで形成される。場合に
よっては受像層用バインダーのみから形成することもで
きる。受像層用バインダーとしては、ポリエステル樹脂
、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの
共重合体(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニルーイソブチルエーテル共重合体等)、アクリル
酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート
、三酢酸セルロース、スチレン−アクリレート樹脂、ビ
ニルトルエン−アクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、
スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリアクリロニトリル樹脂等を挙げることができる。
【0041】これらの中でも好ましいのは、塩化ビニル
−イソブチルエーテル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等
である。前記各種の樹脂は新たに合成して使用しても良
いが、市販品を使用することもできる。
【0042】上記各種の樹脂に反応活性点があれば、そ
の反応活性点を利用して、あるいは反応活性点がなけれ
ばそれを付与して、放射線、熱、湿気触媒等により、架
橋もしくは硬化しても良い。その場合には、エポキシや
アクリルの如き放射線活性モノマーやイソシアナートの
如き架橋剤を用いることができる。
【0043】この受像層7bには、剥離剤、酸化防止剤
、UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機
樹脂粒子、)、顔料を添加しても良い。また、増感剤と
して可塑剤等を添加しても良い。
【0044】剥離剤としては、シリコーンオイル(シリ
コーン樹脂と称されるものも含む。);ポリエチレンワ
ックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワ
ックス類;弗素系,燐酸エステル系の界面活性剤等が挙
げられ、中でもシリコーンオイルが好ましい。このシリ
コーンオイルは、単に添加するタイプ(単純添加型)と
、硬化もしくは反応させるタイプ(硬化反応型)とがあ
る。単純添加型の場合には、バインダーとの相溶性を向
上させるために、変性シリコーンオイルを使用するのが
好ましい。
【0045】前記酸化防止剤としては、特開昭59−1
82785、同60−130735、特開平1−127
387等に記載の酸化防止剤及び写真その他の画像記録
材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化
合物を挙げることができる。
【0046】前記UV吸収剤及び光安定剤としては、特
開昭59−158287、同63−74686、同63
−145089、同59−196292、同62−22
9594、63−122596、同61−283595
、特開平1−204788等に記載の化合物及び写真そ
の他の画像記録材料における画像耐久性を改善するもの
として公知の化合物を挙げることができる。
【0047】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子としし
ては、シリガゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性
白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機
微粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、
アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂微粒子等の樹脂粒子を
挙げることができる。これらの無機・有機樹脂粒子は比
重により異なるが、0.1〜70重量%の添加が好まし
い。
【0048】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
等を挙げることができる。
【0049】前記可塑剤としては、フタル酸エステル類
(例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル等)、トリメリット
酸エステル類(例えばトリメリット酸オクチルエステル
、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸
イソデソルエステル等)、プロメリット酸オクチルエス
テル等のピロメリット酸エステル類、アジピン酸エステ
ル類(アジピン酸ジオクチル、アジピン酸メチルラウリ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸エ
チルラウリル等)、その他オレイン酸エステル類、コハ
ク酸エステル類、マレイン酸エステル類、セバチン酸エ
ステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エ
ポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、
さらには、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル等
の正リン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、ト
リス・トリデシルホスファイト、ジブチル・ハイドロジ
エン・ホスファイト等の亜燐酸エステル類、エチルフタ
リルエチルグリコート、ブチルフタリルブチルグリコー
ト等のグリコールエステル類等があげられる。
【0050】熱昇華型転写媒体を用いると、階調性をあ
る程度出すことはできるが、1回の転写で高濃度の画像
を得ることができないため、高濃度部分を実現するため
には転写回数を増加させる必要がある。
【0051】次に■熱転写発色型媒体を用いる時の熱転
写リボン1及び受像シート7の構成を図5に基づき説明
する。この場合には支持体1a上に顕色剤または発色剤
を含有する物質供与層1dを設けた熱転写リボン1と、
支持体7a上に発色剤または顕色剤を含有する受像層7
cを設けた受像シート7とを用いる。この受像層7cと
物質供与層1dに含有される発色剤と顕色剤は相互に異
なる関係が必要で、物質供与層1dに顕色剤が含有され
る場合には受像層7cに発色剤が含有され、物質供与層
1dに発色剤が含有される場合には受像層7cに顕色剤
が含有されることになる。
【0052】熱転写リボン1の物質供与層1dを受像シ
ート7の受像層7cに対向して密着させ、加熱手段たる
サーマルヘッド3により物質供与層1dの顕色剤または
発色剤を受像層7cに転写させるとともに加熱により十
分に発色させる。
【0053】この顕色剤に対する要求特性は、1)顕色
能が高い、2)安定性が高く、昇華性、揮発性がなく経
時劣化を示さない、3)安定性または堅牢性が高い発色
画像を与える等があげられ、モノフェノール系、ジフェ
ノール系、ポリフェノール系と非フェノール系化合物に
大別することができる。その具体的な化合物として、1
)モノフェノール系:安息香酸誘導体、フタル酸誘導体
、ナフトエ酸誘導体、ヒドロキシジフェニルスルホン誘
導体等、2)ジフェノール系:ビスフェノールA、ビス
フェノールスルホン、ビスフェノールスルフィド等の誘
導体及びこれらの類似体、ジヒドロキシ安息香酸エステ
ル誘導体等、3)ポリフェノール系:没食子酸誘導体、
トリフェノール誘導体等、4)非フェノール系:金属錯
体化合物、サッカリン誘導体、チオ尿素誘導体等がある
【0054】又発色剤に対する要求特性は、1)無色ま
たは白色に近いこと、2)顕色剤との敏速な発色反応を
起こして濃色を呈示すること、3)発色後においても光
空気などに安定であること、4)安価に工業的量産化さ
れること等を挙げることができ、これらを満足させる代
表的なロイコ染料として、トリフェニルメタン系、フタ
リド系(この系はさらにトリフェニルメタン系、アザ系
、インドリル系等にわけられる)、フルオラン系その他
としてフェノチアジン系またはフェノキシジン系染料、
ローダミンラクタム系、スピロピラン系、オーラミン系
、クロメノインドール系等の染料がある。
【0055】熱転写発色型媒体を用いた場合にも、階調
性をある程度出すことはできるが、1回の転写で高濃度
の画像を得ることができないため、高濃度部分を実現す
るためには転写回数を増加させる必要がある。
【0056】なお以上述べた受像シート7に共通する物
性として、転写後の密着工程の作業性を高めるため、滑
り性は次の条件を満たすことが要求される。
【0057】即ち支持体7a裏面の中心線上の平均表面
粗さが、0.1から2.0μmの範囲にあることである
。この表面粗さは、例えばマット剤の添加により達成さ
れる。マット剤の粒径は0.2〜6.0μm程度が好ま
しく、これ以上の粒径ではピンホールとなりやすく、ま
た小さずぎると効果がない。ただし、0.2μm以下或
いは6.0μm以上の粒径のものも、全マット剤の30
%以内であれば特に問題を生じない。
【0058】マット剤の材質としては、シリカ、ガラス
粉、アルカリ土類金属或いはカドミウム、亜鉛などの炭
酸塩、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリカーボネー
トなどの樹脂等の微粒子が用いられる。
【0059】又、受像シート7に共通する他の物性とし
ては表面抵抗率が、25℃、25%PHの雰囲気下で、
1012Ω以下であることである。表面抵抗率がこれ以
上であると、帯電が発生しやすく、ゴミの付着等により
ピンホール等が発生しやすくなり好ましくない。
【0060】表面抵抗率を低下させる手段として、導電
性金属、金属酸化物或いは導電性高分子化合物等の導電
性物質の添加が挙げられる。導電性金属、金属酸化物は
蒸着によって成膜されても良いし、微粒子の形で添加さ
れても良い。導電性高分子化合物は、溶剤に溶解、分散
、乳化等された後、塗布しても良い。
【0061】導電成金属、金属酸化物としては、Al,
Cu,Zn,Sn,Ti,ZnO,TiO2 ,SnO
2 ,MgOなどが例として挙げられる。
【0062】導電性金属、金属酸化物としては、これに
限らず、また二種以上の合金、微量金属の含有等があっ
ても、基本的な導電性をみたせば、どんなものでも良い
【0063】導電性高分子化合物としては、例えばポリ
ビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベンジルト
リメチルアンモニウムクロリド、米国特許第4,108
,802 号、同第4,118,231号、同第4,1
26,467号、同第4,137,217号に記載の4
級塩ポリマー類、米国特許第4,070,189号、特
開昭61−296352号、同61−62033号等に
記載のポリマーラテックス等が好ましい。その他、特開
平2−110447号、394頁記載の活性剤を併用し
てもよい。この他、導電性を得るためカーボンブラック
の添加も効果がある。
【0064】以上述べた熱転写リボン1及び受像シート
7を用いて階調性を有し、しかも所要の最高濃度を実現
する画像を作成するためには次のような多重転写を行う
【0065】即ち第1番目としては必要とされる最高濃
度に対し、毎回均等な濃度分を転写して目的の濃度を達
成するものである。即ち熱転写リボン1の物質供与層1
b,1c,1dの熱転移物質の1回の転移で受像シート
7に形成し得る濃度を予め制御手段10に入力しておき
、これと画像入力手段11から入力され階調・濃度読取
り手段12から入力された画像の最高濃度を比較し転写
回数を求めるものである。この場合には常に一定の濃度
を転写するため熱転写リボン1は物質供与層1b,1c
,1dとして■熱溶融型転写媒体を含有する場合、■熱
昇華型転写媒体を含有する場合、■熱転写発色型媒体を
含有する場合、いずれの場合においても1種類だけでよ
い。但し最暗部以外の画像部の濃度が濃くなり過ぎない
ように、階調・濃度読取り手段12により、画像各部の
階調を判断し、画像各部の転写回数は制御する。
【0066】なお熱溶融型以外、即ち■熱昇華型転写媒
体を含有する熱転写リボン1又は■熱転写発色型媒体を
含有する熱転写リボン1を利用して多重転写する場合に
は、各転写時の受像シート7に所定の受像層が必要とな
るため、図6に示すような受像層転写手段15を別途設
ける。この受像層転写手段15は熱転写リボン1の構成
に応じた受像層を有する受像層転写媒体16と、この受
像層転写媒体16を巻着する元巻マガジン17、受像層
転写媒体16を転写ドラム4に押圧して受像層を受像シ
ート7に転写する転写ローラ18と、転写後の受像層転
写媒体16を巻き取る巻取マガジン19とを有している
【0067】ここで熱転写リボン1の構成に応じた受像
層とは、例えば熱昇華型転写媒体の熱転写リボン1を用
いる場合には熱昇華性色素受像層であり、発色剤又は顕
色剤を含有する熱転写発色型媒体の熱転写リボン1を用
いる場合にはそれぞれ顕色剤又は発色剤を含有する受像
層となる。
【0068】この受像層転写手段15は、熱転写リボン
1の物質供与層1b,1c,1dの熱転移物質を転移し
た受像シート7に、制御手段10の制御により転写ロー
ラ18を介して受像層転写媒体16を押圧し、受像シー
ト7の転写画像上に所定の受像層を転写する。新たな受
像層を被覆した受像シート7は再度サーマルヘッド3部
に送られてくる。転写ドラム4の回転角度が制御手段1
0が記憶する第1回目の画像転写開始角度と一致した時
に転写ドラム4はその回転を停止し、再度サーマルヘッ
ド3により同一画像を先の画像上に重ねて転写する。以
上のような動作を繰り返して多重転写を行い、所要の最
高濃度を実現する。
【0069】次に第2番目としては必要とされる最高濃
度を、物質供与層1b,1c,1dの熱転移物質の転移
1回で形成可能な最大濃度の整数倍の転写と、この最大
濃度に満たない濃度の転写により達成するものである。 そのためには第1番目と同様に1回の転移で形成し得る
最大濃度を予め制御手段10に入力するとともに、入力
された画像の最高濃度を制御手段10で解析し、最大濃
度の転写回数と残りの必要な濃度を計算する。この最大
濃度の転写回数は画像の最高濃度及び熱転写リボン1の
最大濃度の値により異なり0回の場合もある。制御手段
10は階調・濃度読取り手段12により、画像各部の階
調・濃度を判断しながら、求められた回数の転写を実行
するとともに、残りの必要な濃度分の転写を行うべくサ
ーマルヘッド3による印字を制御する。この場合にも熱
転写リボン1は物質供与層1b,1c,1dとして■熱
溶融型転写媒体を含有する場合、■熱昇華型転写媒体を
含有する場合、■熱転写発色型媒体を含有する場合、い
ずれの場合においても1種類だけでもよいが、残りの必
要な濃度分の転写を行う熱転写リボン1を最大濃度を実
現する熱転写リボン1と別のものにしてもよく、この場
合には複数の熱転写リボン1を用いることになる。
【0070】複数の熱転写リボン1を用いるケースを図
7に基づき説明する。この熱転写システムAでは最大濃
度を実現する熱転写リボン21としては熱溶融型転写媒
体を含有するものを用い、残りの必要な濃度を実現する
熱転写リボン31としては熱昇華型転写媒体を含有する
もの又は熱転写発色型媒体を含有するものを用いる。な
お熱溶融型以外の熱転写リボン31を用いる場合には、
受像シート7の受像層は熱昇華型転写媒体又は熱転写発
色型媒体に対応するものでなければならない。
【0071】図7において2種類の熱転写リボン21,
31はそれぞれ別の搬送系で搬送される。即ち熱溶融型
以外の熱転写リボン31は元巻マガジン32、ガイドロ
ーラ35、巻取ローラ36からなる搬送系30で搬送さ
れ、熱溶融型の熱転写リボン21は元巻マガジン22、
ガイドローラ25、巻取ローラ26からなる搬送系20
で搬送される。この2つの搬送系20,30は一方が転
写ドラム4に接触する転写位置(a)にある場合には、
他方は転写ドラム4に触れない退避位置(b)に位置す
るように制御手段10により制御されている。
【0072】2種類の熱転写リボン21,31を用いる
熱転写システムAでは、先ず熱溶融型以外の搬送系30
が転写位置(a)に位置し、受像シート7の受像層に階
調性を有する画像を転写する。なお搬送系30で複数回
の転写を行う場合には図6に示すような受像層転写手段
が別途必要になる。搬送系30での転写が終了した後、
熱溶融型の搬送系20を転写位置(a)に移動し受像シ
ート7に重ねて画像を転写し、必要な濃度を確保する。
【0073】なお図7における熱転写システムAではサ
ーマルヘッド3及び転写ドラム4を1組設け、これらに
交互に接触する熱転写リボン1の搬送系を並列に2組設
けているが、図8に示すように固定した2つの搬送系4
0,50を直列に配設し、それぞれの搬送系に独立した
2組のサーマルヘッド43,53及び転写ドラム44,
54を設けるものでもよい。
【0074】この場合にも先に転写する搬送系40には
、熱溶融型以外の熱転写リボン41を巻着する元巻マガ
ジン42とガイドローラ45及び巻取ローラ46を用い
る。又熱転写リボン41の構成に応じた受像層を有する
受像層転写媒体16を巻着する元巻マガジン17と転写
ローラ18及び巻取マガジン19から構成される受像層
転写手段15を付設する。
【0075】搬送系40で所定の多重転写が行われた受
像シート7は、制御手段10により転写ドラム44の先
頭保持手段44a及び後端部保持手段44bの保持を解
除され、搬送ガイド13に挿入されて搬出ローラ14に
挟持され搬送系50に送られる。この搬送系50には、
熱溶融型の熱転写リボン51を巻着する元巻マガジン5
2とガイドローラ55及び巻取ローラ56が配設される
。ここで受像シート7に重ねて画像を転写し、必要な濃
度を確保する。
【0076】次に請求項9乃至請求項11記載の発明を
図9乃至図10に基づき説明する。図9は請求項9乃至
請求項11記載の発明の高濃度階調画像を作成する熱転
写システムの概略図、図10は図9で使用する熱転写リ
ボン及び受像シートの構成図である。
【0077】図9の熱転写システムAは、透明支持体の
両面に受像層を設けた受像シート107を送り込む送り
ローラ108と、この受像シート107を両面から挟む
位置に配設される2本の熱転写リボン101と、それぞ
れの熱転写リボン101を巻着する2個の元巻マガジン
102と、それぞれの熱転写リボン101の外側に1台
ずつ配設されるサーマルヘッド103a,103bと、
これらサーマルヘッド103a,103b間に熱転写リ
ボン101をガイドしながら搬送するガイドローラ10
5と、使用済みのそれぞれの熱転写リボン101を巻き
取る2個の巻取ローラ106とを有している。又受像シ
ート107は熱転写リボン101の外部に配設される微
動搬送ローラ109に挟持され、両面を熱転写リボン1
に挟まれながらサーマルヘッド103a,103b間の
転写搬送路113を通過する。この微動搬送ローラ10
9は制御手段110によりその回転角度を厳密に制御さ
れており、受像シート107の転写搬送路113での微
小移動を可能にしている。
【0078】2本の熱転写リボン101のそれぞれ外側
に配設されるサーマルヘッド103a,103bは、制
御手段110の制御を受けて受像シート107の両面か
らの印字をそれぞれ独立に行うため、相互の印字位置を
距離dだけ離して配設される。この距離dは、受像シー
ト107の両面から鏡像の関係にある2つの画像を転写
するため、微動搬送ローラ109による受像シート10
7の1回の微小移動距離Δの整数倍、即ちd=nΔの関
係を有している。この微小移動距離Δはサーマルヘッド
103a,103bによる副走査距離に該当しており、
主走査により熱転写リボン101の物質供与層の熱転移
物質を1ライン分受像シート107上に転写した後、副
走査によりΔずつ送り、次の1ライン分の転写を行う。 この送り操作をn回繰り返すとサーマルヘッド103a
で転写したラインがサーマルヘッド103bに到達する
。これにより時間差をおいて受像シート107の両面か
ら相互の位置関係が50μm以内となる鏡像の画像を形
成することができる。
【0079】又この2つのサーマルヘッド103a,1
03b間には転写搬送路113を挟む位置に位置検出セ
ンサ114が配設されており、先行するサーマルヘッド
103aで受像シート107の端部に記録された画像転
写開始点を読み取り、その読取り信号を制御手段110
に送っている。制御手段110はこの信号を受けて微動
搬送ローラ109の送り回転角度を微調整し、サーマル
ヘッド103bで転写する画像とサーマルヘッド103
aで転写した画像との相互の位置関係をより正確に一致
させる。
【0080】このように受像シート107の両面から転
写を行って形成される画像の透過濃度Dは2.0以上、
好ましくは3.0以上である。又画像の階調性は最低で
も256階調は必要である。更に解像度を示す線密度と
しては300dpi以上が好ましい。
【0081】次に図9で使用する熱転写リボン101及
び受像シート107の構成を図10に基づき説明する。 この熱転写リボン101は支持体101a上に物質供与
層101cを有しており、この物質供与層101c内に
は加熱手段であるサーマルヘッド103a,103bの
熱によって受像シート107に転移する熱転移物質を含
有している。この熱転移物質としては、階調性を出しや
すくするため前述した熱昇華型転写媒体を含有するもの
が好ましい。
【0082】又両面から熱昇華型転写媒体を受容する受
像シート107には透明支持体107aの両面に受像層
107bが設けられている。この受像層107bは熱昇
華性色素受像層であり、前述した受像層用バインダーと
各種の添加剤とで形成される。
【0083】又透明支持体107aとしては、例えばプ
ラスチック(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリアクリル等)、ガラス等がある。この透明支
持体107aの厚さは補強性を考慮して50から300
μmが好ましい。この透明支持体107aの光透過率は
光源光に対して80%、好ましくは90%とする。
【0084】受像シート107の物性としては、転写後
の密着工程の作業性を高めるため、前述した滑り性の条
件を満たすことが要求される。即ち受像シート107裏
面の中心線上の平均表面粗さが、0.1から2.0μm
の範囲にあることであり、この表面粗さを達成するため
前述したマット剤が添加される。
【0085】又、受像シート107の表面抵抗率は25
℃、25%PHの雰囲気下で1012Ω以下とする。表
面抵抗率を低下させるために前述した導電性金属、金属
酸化物或いは導電性高分子化合物等の導電性物質の添加
がなされる。
【0086】次に請求項12乃至請求項13記載の発明
を図11乃至図12に基づき説明する。図11は請求項
12乃至請求項13記載の発明の高濃度階調画像を作成
する熱転写システムの概略図、図12は図11で使用す
る熱転写リボン及び受像シートの構成図である。
【0087】この熱転写システムAは、透明支持体の両
面に感熱発色性の受像層を設けた受像シート207を送
り込む送りローラ208と、この受像シート207を両
面から挟む位置に配設される2本の熱転写リボン201
と、それぞれの熱転写リボン201を巻着する2個の元
巻マガジン202と、それぞれの熱転写リボン201と
受像シート207とを搬送途中で接触させ、その後熱転
写リボン201と受像シート207とをそれぞれ分離し
て搬送する接触部203と、熱転写リボン201をガイ
ドしながらこの接触部203に搬送するガイドローラ2
05と、接触後の熱転写リボン201を巻取る2個の巻
取ローラ206とを有する。又受像シート207は熱転
写リボン201の外部に配設される微動搬送ローラ20
9に挟持され、両面を熱転写リボン201に挟まれなが
ら転写搬送路213を通過する。この微動搬送ローラ2
09は制御手段210によりその回転角度を厳密に制御
されており、受像シート207の転写搬送路213での
微小移動を可能にしている。
【0088】接触部203には熱転写リボン201を受
像シート207に押圧しながら搬送するための透明部材
で構成される一対のプレッシャローラ204が配設され
、このプレッシャローラ204外側に一対のレーザ光の
光源212が配設されている。光源212よりプレッシ
ャローラ204を透過して熱転写リボン201に照射さ
れるレーザービームの照射熱エネルギーによりそれぞれ
の熱転写リボン201に設けられる物質供与層の熱転移
物質が加熱溶融される。
【0089】この光源212としてはキセノンフラッシ
ュ、レーザ、LEDアレイ等が用いられる。キセノンフ
ラッシュとしては10W/cm2以上、レーザ光源とし
ては50mW以上のものが好ましい。
【0090】プレッシャローラ204を形成する透明部
材は物質供与層にレーザ光を集光するための光学部材を
兼ねることが好ましい。レーザ光は通常の場合その断面
が若干楕円状となっているが、集光効果を有する透明部
材を透過することでシリンドリカルレンズ効果を受けて
集束する。このためレーザ光はスポット形状補正を受け
、断面が正確な円状となり高解像度の印字が得られる。
【0091】一対の光源212は制御手段210が発す
る画像記録信号に基づいて受像シート207に設けられ
る受像層の両面から鏡像の関係になる画像のレーザービ
ームを同時に出力する。このレーザービームにより熱転
写リボン201の物質供与層の熱転移物質が溶融し、プ
レッシャローラ204に受像シート207と熱転写リボ
ン201を挟持押圧することで、加熱溶融した熱転移物
質を受像シート207の両面の受像層に転写記録する。 その後熱転写リボン201は巻取ローラ206の回転に
より搬出され、受像シート207はプレッシャローラ2
04の回転により外部に排出される。以上の動作により
受像シート207の両面から相互の位置関係が50μm
以内となる鏡像の画像を形成することができる。
【0092】このように受像シート207の両面から転
写を行って形成される画像の透過濃度Dは2.0以上、
好ましくは3.0以上である。又画像の階調性は最低で
も256階調は必要である。更に解像度を示す線密度と
しては300dpi以上が好ましい。
【0093】なお片側の光源212より照射されるレー
ザービームで、受像シート207の両面に配置される熱
転写リボン201の物質供与層の熱転移物質が加熱溶融
される場合には光源212は片側のみでもよい。
【0094】次に図11で使用する熱転写リボン201
及び受像シート207の構成を図12に基づき説明する
。この熱転写リボン201は支持体201aの一面に物
質供与層201dを有しており、他面には光熱交換層2
01eを有している。この物質供与層201dには前述
の熱転写発色型媒体と同様な顕色剤または発色剤が含有
されており、受像シート207にも透明支持体207a
の両面に発色剤または顕色剤を含有する受像層207c
が設けられている。この受像層207cと物質供与層2
01dに含有される発色剤と顕色剤は前述の熱転写発色
型媒体と同様に相互に異なる関係が必要である。
【0095】光熱交換層201eは、レーザービームの
照射により光を熱に変換するためカーボンブラックを含
有しバインダーとしては熱可塑性樹脂が用いられ、光源
212に対向して配置される。又近赤外吸収色素を含有
しバインダーとしてエンジニアリングプラスチックを用
いてもよい。なお支持体201aが光熱交換層を兼ねて
もよいし、又物質供与層201dが光熱交換層を兼ねて
もよい。
【0096】熱転写リボン201の物質供与層201d
を受像シート207の受像層207cに対向して密着さ
せ、加熱手段たるレーザービームにより光熱交換層20
1eを介して物質供与層201dの熱転移物質を受像層
207cに転移させるとともに加熱により十分に発色さ
せる。
【0097】この物質供与層201dまたは受像シート
207の受像層207cに含有される顕色剤又は発色剤
に要求される特性は前述の熱転写発色型媒体の場合と同
様である。
【0098】
【作用】請求項1記載の画像作成方法は、物質供与部材
の物質供与層と受像部材の受像層とを対向して配置し、
物質供与部材又は受像部材の背面から加熱手段により加
熱すると共に物質供与部材及び受像部材を微小移動させ
、所要の画像形状に対応する熱転移物質を受像層に転移
させて受像部材上に所要の画像を形成する。次にこの画
像形成済みの受像層と未使用の物質供与層とを対向して
配置し、再度加熱手段により同一の画像形状又は画像形
状の一部を加熱し、画像形成済みの受像層に熱転移物質
を複数回重ねて転移し、多重転写画像を形成する。
【0099】又請求項2記載の画像作成方法は、多重転
写により階調性をもたせ、かつ透過濃度を2.0以上と
する。
【0100】又請求項3記載の画像作成方法は、毎回均
等な濃度分の熱転移物質の転移で必要とされる画像濃度
を達成する。
【0101】又請求項4記載の画像作成方法は、転移1
回で形成可能な最大濃度分を有する熱転移物質の転移を
0を含む整数回行い、この最大濃度分に満たない濃度分
を有する熱転移物質の転移を行い、必要とされる画像濃
度を達成する。この最大濃度分の転移回数と最大濃度に
満たない濃度分の演算は各画像毎に行う。
【0102】又請求項5記載の画像作成方法は、物質供
与部材に設けた顕色剤含有層の熱転移物質を発色剤含有
層を有する受像部材に転移させ、転写発色により必要と
される濃度を有する画像を作成する。又物質供与部材に
設けた発色剤含有層の熱転移物質を顕色剤含有層を有す
る受像部材に転移させ、転写発色させてもよい。
【0103】又請求項6記載の画像作成方法は、最大濃
度を形成するような熱転移物質の転移は物質供与部材と
して溶融型熱転写リボンを用い、最大濃度に満たない濃
度を形成するような熱転移物質の転移は物質供与部材と
して昇華型熱転写リボンを用いる。この時の受像部材は
昇華性色素受像層を有している。又最大濃度分の転移は
溶融型熱転写リボンを用い、最大濃度に満たない濃度分
の転移には請求項5記載の転写発色を行う物質供与部材
を用いてもよい。
【0104】又請求項7記載の画像作成方法は、物質供
与部材から熱転移物質を受像部材の受像層に転移させて
画像を形成した後に、この受像層に別の新規受像層を転
移し、この新規受像層に重ねて熱転移物質を転移して多
重転写画像を形成する。
【0105】又請求項8記載の画像作成方法は、加熱手
段に対する受像部材の相対的な搬送速度よりも、加熱手
段に対する物質供与部材の相対的な搬送速度を小さくす
る。
【0106】又請求項9記載の画像作成方法は、透明支
持体の両面に受像層を有する受像部材と物質供与部材の
物質供与層を対向して配置し、加熱手段により受像部材
の両面の受像層に所要の画像形状に対応する熱転移物質
を転移させて受像部材上に所要の画像を形成する。この
受像部材の表裏面に形成される画像形状の相互の位置関
係はそのズレが50μm以内となる鏡像である。
【0107】又請求項10記載の画像作成方法は、受像
部材の搬送路の両面に配設される複数のサーマルヘッド
で物質供与層を加熱し受像部材の両面に熱転移物質を転
移させる。この相互のサーマルヘッドの印字位置は受像
部材が印字時にサーマルヘッドから相対的に微小移動す
る微小移動距離の整数倍離れている。
【0108】又請求項11記載の画像作成方法は、1つ
のサーマルヘッドで片面の受像層に熱転移物質を転移さ
せる時に画像転写の開始点を受像部材に記録し、別のサ
ーマルヘッドで印字するときにこの画像転写の開始点を
転写位置読取り手段により読取り、この開始点を基準に
して他の片面の受像層に画像を形成する。
【0109】又請求項12記載の画像作成方法は、物質
供与層及び受像層に光熱交換型の転写発色型の媒体を用
い、かつ加熱手段として集光された光を利用する光源を
用い、受像部材の両面に設けられる受像層を光源により
照射して同時に発色させる。
【0110】又請求項13記載の画像作成方法は、受像
部材の受像層に対して光源からの集光された光を両面か
ら照射し、それぞれの受像層を同時に発色させる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の画
像作成方法は、画像形成済みの受像層に熱転移物質を複
数回重ねて転移し多重転写画像を形成することで、高濃
度でかつ階調性の高い画像を作成することができる。
【0112】又請求項2記載の画像作成方法は、高階調
及び透過濃度を2.0以上とすることで、医療診断に耐
え得る画像を作成することができる。
【0113】又請求項3記載の画像作成方法は、毎回均
等な濃度分の熱転移物質を転移することで、画像作成工
程が簡略でコストも低いしかも必要とされる画像濃度を
達成する画像作成方法を提供する。
【0114】又請求項4記載の画像作成方法は、最大濃
度分の転移と最大濃度に満たない濃度分の転移を分けて
行うことにより、的確な濃度分の画像を作成することが
できる。
【0115】又請求項5記載の画像作成方法は、転写発
色による多重転写で画像を作成することにより、高濃度
でかつ階調性の高い画像を作成することができる。
【0116】又請求項6記載の画像作成方法は、最大濃
度分の転移は溶融型熱転写リボンを用い、最大濃度に満
たない濃度分の転移には熱昇華型転写媒体又は熱転写発
色型媒体を含有する物質供与部材を用いることで、高濃
度を容易に実現するとともに階調性の高い画像を作成す
ることができる。
【0117】又請求項7記載の画像作成方法は、画像を
形成した受像層に別の新規受像層を転移し、この新規受
像層に重ねて熱転移物質を転移することで、熱昇華型転
写媒体又は熱転写発色型媒体を含有する物質供与部材で
も的確な多重転写を行い、高濃度でかつ階調性の高い画
像を作成することができる。
【0118】又請求項8記載の画像作成方法は、加熱手
段に対する物質供与部材の相対的な搬送速度を小さくす
ることで、熱転写リボンの送り量を少なくし経済的な画
像作成方法を提供する。
【0119】又請求項9記載の画像作成方法は、透明支
持体の両面に設けられた受像層に熱転移物質を転移させ
て相互のズレが50μm以内の鏡像関係にある画像を形
成することで、画像作成工程が簡略でコストも低いしか
も必要とされる画像濃度を達成する画像作成方法を提供
する。
【0120】又請求項10記載の画像作成方法は、受像
部材の搬送路の両面に受像部材の微小移動距離の整数倍
離れて配設される複数のサーマルヘッドで熱転移物質を
それぞれ転移させることで、サーマルヘッドを用いても
透明支持体の両面に鏡像関係にある画像を形成すること
ができる。
【0121】又請求項11記載の画像作成方法は、片面
の受像層に画像転写の開始点を記録し、この開始点を転
写位置読取り手段により読取ることで、より精度のよい
鏡像関係にある画像を作成することができる。
【0122】又請求項12記載の画像作成方法は、物質
供与層及び受像層に光熱交換型の転写発色型の媒体を用
い、かつ加熱手段として集光された光を利用する光源を
用いることで、精度のよい鏡像関係にある画像を容易に
作成することができる。
【0123】又請求項13記載の画像作成方法は、受像
部材の受像層に対して光源からの集光された光を両面か
ら照射し、それぞれの受像層を同時に発色させることで
、鏡像関係にある画像を確実に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高濃度階調画像を作成する熱転写システムの概
略図である。
【図2】多重転写の動作を説明する説明図である。
【図3】図1で使用する熱転写リボン及び受像シートの
構成図である。
【図4】熱昇華型転写媒体を用いる場合の熱転写リボン
及び受像シートの構成図である。
【図5】熱転写発色型媒体を用いる場合の熱転写リボン
及び受像シートの構成図である。
【図6】受像層転写手段を別途設ける熱転写システムの
概略図である。
【図7】複数の熱転写リボンを並列に用いる熱転写シス
テムの概略図である。
【図8】複数の熱転写リボンを直列に用いる熱転写シス
テムの概略図である。
【図9】高濃度階調画像を作成する別の熱転写システム
の概略図である。
【図10】図9で使用する熱転写リボン及び受像シート
の構成図である。
【図11】高濃度階調画像を作成する他の熱転写システ
ムの概略図である。
【図12】図11で使用する熱転写リボン及び受像シー
トの構成図である。
【符号の説明】
A熱転写システム 1  熱転写リボン 1b  物質供与層 3  サーマルヘッド 4  転写ドラム 7  受像シート 7b  受像層 9  回転角度検出手段 10  制御手段 12  階調・濃度読取手段

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  熱によって転移する物質を含有する物
    質供与層を有する物質供与部材と、転移された前記物質
    を受容して画像を形成する受像層を有する受像部材とを
    、前記物質供与層と前記受像層とが対向するように配置
    し、前記物質供与部材又は前記受像部材の背面から加熱
    手段により加熱すると共に前記物質供与部材及び前記受
    像部材を前記加熱手段から相対的に微小移動させ、所要
    の画像形状に対応する前記物質を前記受像層に転移させ
    て前記受像部材上に所要の画像を形成する画像作成方法
    において、前記画像形状に対応する前記物質を前記受像
    部材の前記受像層に転移させて画像を形成した後に、こ
    の画像形成済みの前記受像部材の前記受像層と未使用の
    前記物質供与部材の前記物質供与層とを対向して配置し
    、前記物質供与部材又は前記受像部材の背面から前記加
    熱手段により同一の前記画像形状又は同一の前記画像形
    状の一部を加熱し、前記画像形成済みの前記受像層に前
    記物質を複数回重ねて転移して多重転写画像を形成する
    ことを特徴とする画像作成方法。
  2. 【請求項2】  前記多重転写画像は階調を有しかつ透
    過濃度が2.0以上の画像濃度を有することを特徴とす
    る請求項1記載の画像作成方法。
  3. 【請求項3】  請求項2において、必要とされる前記
    画像濃度を前記物質の転移回数で割った濃度分を毎回転
    移することを特徴とする画像作成方法。
  4. 【請求項4】  請求項2において、必要とされる前記
    画像濃度が前記物質の転移1回で形成可能な最大濃度の
    整数倍の濃度と前記最大濃度に満たない濃度との和によ
    り達成するように各画像毎に演算を行い、この演算結果
    に基づき前記最大濃度を形成するような前記物質の転移
    を0を含む整数回行い、更に前記最大濃度に満たない濃
    度を形成するような前記物質の転移を行うことを特徴と
    する画像作成方法。
  5. 【請求項5】  前記物質供与部材が顕色剤含有層を有
    しかつ前記受像部材が発色剤含有層を有するか、又は前
    記物質供与部材が発色剤含有層を有しかつ前記受像部材
    が顕色剤含有層を有することを特徴とする請求項3乃至
    請求項4記載の画像作成方法。
  6. 【請求項6】  前記最大濃度を形成するような前記物
    質の転移は前記物質供与部材として溶融型熱転写リボン
    を用い、更に前記最大濃度に満たない濃度を形成するよ
    うな前記物質の転移は、前記物質供与部材として昇華型
    熱転写リボンを用いかつ前記受像部材に昇華性色素受像
    層を有する部材を用いるか又は顕色剤含有層を有する前
    記物質供与部材を用いかつ発色剤含有層を有する前記受
    像部材を用いるか又は発色剤含有層を有する前記物質供
    与部材を用いかつ顕色剤含有層を有する前記受像部材を
    用いることを特徴とする請求項4記載の画像作成方法。
  7. 【請求項7】  前記物質供与部材から前記画像形状に
    対応する前記物質を前記受像部材の前記受像層に転移さ
    せて画像を形成した後に、この画像形成済みの前記受像
    部材の前記受像層に別の新規受像層を転移し、この新規
    受像層に前記物質を複数回重ねて転移して多重転写画像
    を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6記載
    の画像作成方法。
  8. 【請求項8】  前記物質供与部材及び前記受像部材を
    前記加熱手段から相対的に微小移動させる搬送速度は、
    前記加熱手段に対する前記物質供与部材の相対的な搬送
    速度を前記加熱手段に対する前記受像部材の相対的な搬
    送速度よりも小さくすることを特徴とする請求項1乃至
    請求項7記載の画像作成方法。
  9. 【請求項9】  熱によって転移する物質を含有する物
    質供与層を有する物質供与部材と、転移された前記物質
    を受容して画像を形成する受像層を有する受像部材とを
    、前記物質供与層と前記受像層とが対向するように配置
    し、前記物質供与部材又は前記受像部材の背面から加熱
    手段により加熱すると共に前記物質供与部材及び前記受
    像部材を前記加熱手段から相対的に微小移動させ、所要
    の画像形状に対応する前記物質を前記受像層に転移させ
    て前記受像部材上に所要の画像を形成する画像作成方法
    において、前記受像部材は透明支持体の両面に前記受像
    層を有するものであって、この両面の前記受像層に前記
    画像形状に対応する前記物質を前記加熱手段によりそれ
    ぞれ転移させ、前記両面の前記画像形状の相互の位置関
    係が50μm以内となる鏡像の画像を形成して前記受像
    部材上に所要の画像を形成することを特徴とする画像作
    成方法。
  10. 【請求項10】  前記加熱手段は、前記受像部材の搬
    送路の両面に配設される複数のサーマルヘッドであり、
    この相互のサーマルヘッドの印字位置は前記搬送路の搬
    送方向に前記受像部材が前記サーマルヘッドから相対的
    に微小移動する微小移動距離の整数倍離れていることを
    特徴とする請求項9記載の画像作成方法。
  11. 【請求項11】  前記受像部材の片面の前記受像層に
    前記画像形状に対応する前記物質を前記加熱手段により
    転移させるとともに、前記受像部材における画像転写の
    開始点を前記受像部材に記録し、この画像転写の開始点
    を転写位置読取り手段により読取り、前記開始点を基準
    にして他の片面の前記受像層に前記鏡像の画像を形成す
    ることを特徴とする請求項9記載の画像作成方法。
  12. 【請求項12】  前記物質供与部材が顕色剤含有層を
    有しかつ前記受像層が発色剤含有層を有するか、又は前
    記物質供与部材が発色剤含有層を有しかつ前記受像層が
    顕色剤含有層を有し、前記加熱手段は熱源として集光さ
    れた光を利用する光源を有し、前記受像部材の両面に設
    けられる前記受像層を前記光源により同時に発色させる
    ことを特徴とする請求項9記載の画像作成方法。
  13. 【請求項13】  前記物質供与部材が顕色剤含有層を
    有しかつ前記受像層が発色剤含有層を有するか、又は前
    記物質供与部材が発色剤含有層を有しかつ前記受像層が
    顕色剤含有層を有し、前記加熱手段は熱源として集光さ
    れた光を利用する光源を有し、前記受像部材の両面に設
    けられる前記受像層に対して前記光源からの前記集光さ
    れた光を前記受像部材の両面から照射し、それぞれの前
    記受像層層を同時に発色させることを特徴とする請求項
    9記載の画像作成方法。
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