JPH04312879A - 熱転写用記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真複写機による複
写可能なイエロー印像を与える熱転写用記録媒体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から熱転写法によって受像体上に着色印像をうる方法は
よく知られている。それらの方法において使用されてい
る熱転写用記録媒体は、加熱ヘッドに設けられた多数の
発熱素子の選択的な発熱制御によって、加熱された部分
のインクが選択的に軟化ないし溶融して受像体上に転写
される着色された熱転写インク層が基材の表面に設けら
れているものである。

【０００３】前記方法においてえられる印像は、従来は
専ら黒色であったが、近ごろはカラー印像が好んで使用
されるようになってきた。ところで、従来知られている
カラー用の記録媒体を用いてえられたカラー印像は、通
常の白黒の電子写真複写機で複写した際にイエロー像が
実質的に複写できず、コピー用紙の地の部分と区別がつ
かない状態となるばあいがあった。

【０００４】本発明は、熱転写によってえられた印像の
色相は従来からえられているものとほとんど変わらない
色相であって、かつ通常の電子写真複写機によってイエ
ロー部分がコピー用紙の地の部分と区別できる程度に複
写できるイエロー印像を形成することができる熱転写用
記録媒体を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、５２０　〜５
６０ｎｍ　の波長範囲における反射率が８０％以下の印
像を与えるイエロー熱転写インク層を有する熱転写用記
録媒体に関する。

【０００６】

【作用および実施例】本発明の熱転写用記録媒体は、　
５２０〜５６０ｎｍ　の波長範囲における反射率が８０
％以下、好ましくは６０％以下の熱転写印像を与えるイ
エローインク層を有するものである。

【０００７】通常の白黒の電子写真複写機の光源光は　
５００ｎｍ以上の波長しかもたないため、５００ｎｍ　
以上に強い吸収をもたないイエロー印像は該波長域の光
を吸収せず、そのためコピー用紙の地の部分と区別がつ
く複写像がえられない。本発明の記録媒体を使用してえ
られるイエロー印像は５２０　〜５６０　μｍ　の波長
範囲における反射率が８０％以下、好ましくは６０％以
下であるため、コピー用紙の地の部分と区別できる複写
像がえられる。

【０００８】本発明にいう熱転写後の印像の反射率とは
、本発明の熱転写用記録媒体を用いて、受像体（三菱製
紙（株）製熱転写用紙ＴＴＲ−ＰＷ）上に熱転写してえ
られたイエロー印像の分光反射率を測定したばあいの反
射率値をいう。

【０００９】５２０　〜５６０ｎｍ　の波長範囲におけ
る反射率が８０％以下とは、　５２０〜５６０ｎｍ　の
範囲の波長すべてにおいて前記反射率が８０％を超えな
いことを意味する（他の波長範囲における反射率につい
ても同様）。

【００１０】前記波長範囲における反射率が前記値を超
えると熱転写されたイエロー印像の複写像とコピー用紙
の地の部分との区別がつきにくくなる。

【００１１】なおイエロー印像の色相が、イエロー系色
からズレないように、さらにマゼンタ、シアンの両イン
ク層とともにフルカラー印像を作成するばあいの色再現
を良好にするために、本発明の記録媒体のイエローイン
ク層としては前記条件に加えて、５２０　〜５６０　ｎ
ｍの波長範囲における反射率が２０％以上、好ましくは
３０％以上、４００　〜４８０ｎｍ　の波長範囲におけ
る反射率が３０％以下、好ましくは２０％以下、かつ６
２０〜７００ｎｍ　の波長範囲における反射率が７０％
以上、好ましくは８０％以上の印像を与えるものが好ま
しい。

【００１２】前記イエローインク層の着色剤としては、
単独の着色剤を使用してもよく、通常のイエロー着色剤
（以下、着色剤Ａという）と他の着色剤（以下、着色剤
Ｂという）の組み合わせを用いてもよい。

【００１３】着色剤Ａとしては、たとえばナフトールエ
ローＳ　、ハンザエロー５Ｇ、ハンザエロー３Ｇ、ハン
ザエローＧ　、ハンザエローＧＲ、ハンザエローＡ　、
ハンザエローＲＮ、ハンザエローＲ　、ベンジジンエロ
ーＧ　、ベンジジンエローＧＲ、パーマネントエローＮ
ＣＧ　、キノリンエローレーキなどの透明性顔料やオー
ラミンなどの染料があげられる。

【００１４】着色剤Ｂとしては、マゼンタ系色のものが
好ましく、たとえばパーマネントレッド４Ｒ、ブリリア
ントファストスカーレット、ブリリアントカーミンＢＳ
、パーマネントカーミンＦＢ、リソールレッド、パーマ
ネントレッドＦ５Ｒ　、ブリリアントカーミン６Ｂ、ピ
グメントスカーレット３Ｂ、ローダミンレーキＢ　、ロ
ーダミンレーキＹ　、アリザリンレーキなどの透明性顔
料やローダミンなどの染料などがあげられる。

【００１５】着色剤ＡとＢの割合は、前記各波長域での
反射率条件を満たすように決めればよいが、通常着色剤
Ａ　１００部（重量部、以下同様）に対して着色剤Ｂ１
〜２５部の割合が好ましい。

【００１６】本発明に用いるイエローインクは熱溶融性
ベヒクル中に前記着色剤を分散せしめた透明性のインク
である。

【００１７】本発明の記録媒体は基材上に前記イエロー
インクを塗布してイエローインク層を形成したものであ
る。

【００１８】本発明においては、基材上に前記のイエロ
ーインク層に加えて、マゼンタインク層、シアンインク
層を、さらに要すればブラックインク層を設けて減法混
色法によるフルカラー像形成用の熱転写用記録媒体とし
てもよい。

【００１９】そのばあい、マゼンタ用着色剤としては、
たとえばパーマネントレッド４Ｒ、ブリリアントファス
トスカーレット、ブリリアントカーミンＢＳ、パーマネ
ントカーミンＦＢ、リソールレッド、パーマネントレッ
ドＦ５Ｒ　、ブリリアントカーミン６Ｂ、ピグメントス
カーレット３Ｂ、ローダミンレーキＢ　、ローダミンレ
ーキＹ　、アリザリンレーキなどの透明性顔料やローダ
ミンなどの染料の１種または２種以上が用いられる。

【００２０】またシアン用着色剤としては、たとえばビ
クトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーなどの透
明性顔料やビクトリアブルーなどの染料の１種または２
種以上が用いられる。

【００２１】さらにブラックインク層を設けるばあいに
は、着色剤としてカーボンブラック、ニグロシンベース
などの顔料が使用される。

【００２２】各着色剤の量は各インク層の　５〜５０％
（重量％、以下同様）、なかんづく１０〜１５％の範囲
を占めることが好ましい。着色剤の含有量が前記範囲を
超えるときは透明性が低下し、色再現が困難となり、ま
た前記範囲未満のときは着色力が低下し、いずれも好ま
しくない。

【００２３】前記ベヒクルとしては、ワックス状物質を
主体とするものが好ましく用いられる。ワックス状物質
としては、たとえばカルナバワックス、パラフィンワッ
クス、木ろう、蜜ろう、セレシンワックス、鯨ろう、低
分子量ポリエチレン、酸化ワックス、エステルワックス
などがあげられる。また前記ワックス状物質に加えて、
たとえば石油樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リスチレン、スチレン−　ブタジエン共重合体、セルロ
ースエステル類、セルロースエーテル類、アクリル系樹
脂などの熱溶融性樹脂類を併用してもよく、さらに油類
を併用してもよい。

【００２４】さらに本発明においては、かかる熱転写イ
ンク層に良好な熱伝導性および溶融転写性を付与させる
ために、インク層に体質顔料を少量、たとえば１０％以
下の割合で含有せしめることができる。

【００２５】本発明における前記基材は、適度な耐熱強
度を有し、かつ熱伝導性にすぐれたものであるのが好ま
しく、たとえば厚さ２〜２５μｍのプラスチックフィル
ム（セロハン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフ
タレートなど）または紙類（コンデンサー紙、グラシン
紙、合成紙、ラミネート紙など）が好適に使用される。

【００２６】本発明における前記熱転写インク層を基材
上に形成するにはホットメルトコーティング、ソルベン
トコーティングなどの方法によればよく、基材上に乾燥
後の固形量が１〜４　ｇ／ｍ２　、好ましくは２〜３　
ｇ／ｍ２　になるように塗布される。

【００２７】なお本発明において、前記各色の熱転写イ
ンク層を同一基材上に設けるばあいには、それら各色の
層の間に間隙をもって基材上に形成するようにしてもよ
いが、隣接するインク層がたがいに突き合わされるよう
にして密接して基材上に形成してもよい。なお製造上の
都合で隣接するインク層がわずかに重なり合うばあいが
あるが、実用上支障のない範囲であれば許容される。

【００２８】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳述
するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない
。

【００２９】実施例１ 幅　３１５ｍｍ、厚さ６μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム基材上に、表１に示す組成からなるイエロ
ーのインクを厚さ３　ｇ／ｍ２　にホットメルトコーテ
ィングして熱転写用記録媒体をえた。

【００３０】

【表１】

【００３１】実施例２ 実施例１における着色剤を、Ａ　１０．５　部、Ｂ　１
．５部に変えたほかは実施例１と全く同様にして熱転写
用記録媒体を作製した。

【００３２】実施例３ 実施例１における着色剤を、Ａ　１０．７　部、Ｂ　１
．３部に変えたほかは実施例１と全く同様にして熱転写
用記録媒体を作製した。

【００３３】実施例４ 実施例１における着色剤を、Ａ　１１．５　部、Ｂ　０
．５部に変えたほかは実施例１と全く同様にして熱転写
用記録媒体を作製した。

【００３４】実施例５ 実施例１における着色剤を、Ａ　１１．７　部、Ｂ　０
．３部に変えたほかは実施例１と全く同様にして熱転写
用記録媒体を作製した。

【００３５】比較例１ 実施例１における着色剤をベンジジンエロー１２部のみ
とし、ブリリアントカーミンを使用しなかったほかは実
施例１と全く同様にして熱転写用記録媒体を作製した。

【００３６】実施例１〜５および比較例１でえた熱転写
用記録媒体を三菱電機（株）製Ｇ−６５０　プリンター
に装着し、受像体として三菱製紙（株）製熱転写用紙Ｔ
ＴＲ−ＰＷを使用して、熱転写してえられたイエロー印
像の分光反射率を測定した。結果を図１に示す。図１に
おいて横軸は波長を示し、縦軸は反射率を示す。

【００３７】また前記イエロー印像を有する熱転写用紙
をＰＰＣ電子写真複写機（富士ゼロックス５０５５）を
使用して複写し、前記イエロー印像部分に対応する複写
像と地色の区別が可能か否かを目視で調べた。結果を表
２に示す。ただし、評価結果の表示はつぎのとおりであ
る。 ○：イエロー印像部分に対応する複写像が地色と明瞭に
区別できた。 △：イエロー印像部分に対応する複写像が地色と区別可
能であった。 ×：イエロー印像部分に対応する複写像が地色と区別で
きなかった。

【００３８】

【表２】

【００３９】実施例１〜５から、本発明の熱転写用記録
媒体を用いてえられたイエロー印像は、電子写真複写に
よって地色と明瞭に区別してコピーされることがわかる
。

【００４０】実施例６ 幅　３１５ｍｍ、厚さ６μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム基材上に、実施例１に示す組成からなるイ
エローインク、および表３に示す組成かならるマゼンタ
、シアンの各インクをホットメルトコーティングにより
基材上にその長さ方向にそって長さ　４１０ｍｍで順次
塗布し各色のインク層を設け、熱転写用記録媒体をえた
。

【００４１】

【表３】

【００４２】塗布量は各層とも３　ｇ／ｍ２　であった
。

【００４３】比較例２ 実施例６におけるイエローインクを比較例１で用いたイ
エローインクに変えた他は、実施例６とまったく同様に
して熱転写用記録媒体をえた。

【００４４】実施例６および比較例２でえられた熱転写
用記録媒体を用いて、同一のフルカラーのオリジナルか
ら熱転写によりそれぞれフルカラーの印像をえた。えら
れた各フルカラーの印像の色再現には差がなかった。こ
のことから、本発明におけるイエローインク層はフルカ
ラー印像の作成に従来のイエローインク層と同様に使用
できることを確認した。

【００４５】

【発明の効果】本発明の熱転写用記録媒体を用いてえら
れたイエロー印像は、電子写真複写によって地色と明瞭
に区別してコピーされうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１〜５および比較例１の熱転写用記録媒
体をそれぞれ用いてえられたイエロー印像の分光反射率
曲線を示すグラフである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　５２０　〜５６０ｎｍ　の波長範囲に
   おける反射率が８０％以下の印像を与えるイエロー熱転
   写インク層を有する熱転写用記録媒体。
2. 【請求項２】　　基材の片面のほぼ全面に前記イエロー
   熱転写インク層を有する請求項１記載の熱転写用記録媒
   体。
3. 【請求項３】　　同一の基材の片面上に前記イエロー熱
   転写インク層に加えて、マゼンタ熱転写インク層と、シ
   アン熱転写インク層とを有する請求項１記載の熱転写用
   記録媒体。