JPH04310570A - 高炉用耐火物の製造方法 - Google Patents

高炉用耐火物の製造方法

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JPH04310570A
JPH04310570A JP3096054A JP9605491A JPH04310570A JP H04310570 A JPH04310570 A JP H04310570A JP 3096054 A JP3096054 A JP 3096054A JP 9605491 A JP9605491 A JP 9605491A JP H04310570 A JPH04310570 A JP H04310570A
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和輝 青山
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野見山 秀一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐アルカリ性、低熱伝導
性、特に耐スポール性を著しく向上させた耐熱衝撃性に
優れる高炉の炉壁並びにスチーブクーラ用埋込み耐火物
等高炉用耐火物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から高炉用耐火物として、例えば骨
材にβアルミナ、炭素、炭化珪素を用い、これに金属珪
素を添加して粒子間を炭化珪素結合もしくは炭素結合さ
せることによって、耐食性、耐スポール性および耐アル
カリ性を向上させたものが特公昭56−35630号公
報で提案されている。しかしこの耐火物は多くの物性を
向上させている反面、熱伝導率が高く、耐スポール性に
おいて十分ではなかった。それ故高炉炉壁に使用した場
合、炉外への熱損失が多く、高炉操業の熱経済性に劣り
、熱衝撃による損傷も懸念され、その改良が強く望まれ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、高炉は操炉技術
、補修技術および鉄皮からの冷却方式の改善等により炉
体を保護し、その長寿命化を図っている。この冷却方式
を採用する場合に適した耐火物として一般に高熱伝導性
のカーボン含有耐火物が多用されているが、冷却による
炉体保護は炉外に放出する熱損失が極めて多く、熱経済
面から好ましいことではない。本発明は冷却による炉体
保護にたよらず熱経済面に優れる耐火物すなわちアルカ
リアタック、熱衝撃、装入物による摩耗および水蒸気酸
化等に対して耐性の強い低熱伝導性の耐火物を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明はβ
アルミナ10〜80wt%、炭化珪素15〜85wt%
、400℃以上で熱処理したピッチ2〜10wt%を含
むカーボン5〜25wt%からなる混合物100wt%
に対し、外掛けで焼結剤2〜10wt%と酸化防止剤1
〜5wt%添加し、これに結合剤を加えて混練後、成形
、焼成した高炉用耐火物の製造方法であり、必要に応じ
て、βアルミナに代え、βアルミナと同様機能するジル
コニア、あるいはβアルミナとジルコニアを併用するこ
とを特徴とするものである。
【0005】本発明者等は、βアルミナ又はジルコニア
−炭化珪素−カーボン系の耐火物において、黒鉛化度の
低いカーボンを含有させた場合に、熱伝導率が小さくま
た緻密な組織を有しアルカリアタックに優れることを見
出した。そしてこのカーボンの一部を400℃以上で熱
処理したピッチで置換することにより、強度を低下させ
ることなく耐スポール性が向上することを見出し、本発
明を完成させたものである。
【0006】一般にカーボンを含有する耐火物において
はカーボンが酸化し組織が脆弱化して、該耐火物の使用
時にカーボンが溶銑中へ溶解して消失することが知られ
ており、このため該耐火物に耐酸化性を付与すべく超微
粉の炭化珪素を少量添加する方法が特開昭58−115
073号公報により提案されている。この方法において
はカーボンの酸化に対して抑制効果が期待できるが、耐
スポール性が充分ではなく又、熱伝導性が高く、熱損失
防止効果も充分ではない等改善の余地が残されている。
【0007】本発明においては、400℃以上で熱処理
してメソフェーズ化したピッチを適量含有させたカーボ
ンを用い、更に焼結剤および酸化防止剤を添加し、焼成
することにより耐火物の気孔径を小さくしかつ開口気孔
を密封気孔とする。その上カーボンの使用量を最小限に
止めることにより熱伝導率を低下させると共に酸化損耗
を抑制するものである。
【0008】本発明で用いるピッチは強度を発現するメ
ソフェーズを生成させ、揮発分を少なくするためには4
00℃以上で熱処理したもので、粒径0.1mm以下が
好ましい。熱処理温度が400℃以下ではピッチの揮発
分が多く、耐火物を焼成する際に気孔を形成し、強度低
下を招く。メソフェーズが消滅し、揮発分が完全になく
なりメソフェーズが消滅してしまうような高温で熱処理
することは強度発現の効果がなくなり好ましくない。こ
のピッチを2〜10wt%に限定したのは2wt%未満
では耐火物の強度の増大が見込めない。又10wt%以
上では気孔率が大きくなって、強度低下を招くからであ
る。また粒径を0.1mm以下としたのは、耐火物組織
内に均一に微小気孔が分散させることができ、強度を低
下させず気孔率を大きくし、耐スポール性を向上させる
ためである。
【0009】カーボンは適度の黒鉛化度を有する仮焼無
煙炭、石炭ピッチコークス、石油ピッチコークス、土状
黒鉛等であって、特に仮焼無煙炭が好ましい。その純度
は80wt%以上のものが好ましく、90wt%以上の
ものがより好ましい。またフランクリン(Frankl
in)のP値から求めた黒鉛化度60%以下の緻密な組
織を有するカーボンを使用する。黒鉛化度が60%を超
えると熱伝導率が高くなり好ましくない。ピッチとカー
ボンの合量を5〜25wt%に限定したのは25wt%
を超えると耐酸化性が低下し、熱伝導率が高くなる。5
wt%未満では熱間線膨張率が大きくなり、耐スポール
性が低下する。
【0010】β−アルミナはAl2O3をNa2O又は
K2Oで安定化させたβ−アルミナ相を主体とするもの
でα−アルミナ相に比べ格段に耐アルカリ性に優れた材
質である。又ジルコニアを用いた場合もこのβ−アルミ
ナと類似の性質がある。したがって本発明ではβ−アル
ミナとジルコニアを独立配合する場合の他、併用配合す
ることも考慮する。このβ−アルミナを10〜80wt
%又はジルコニアを10〜85wt%に限定したのはβ
−アルミナを80wt%又はジルコニアを85wt%を
超えると炭化珪素、カーボン量が少なく、耐スポール性
が低下する。β−アルミナまたはジルコニアが10wt
%未満では耐火物の強度が十分得られない。β−アルミ
ナ粉は粒径が0.3mm以上のものを使用するのが好ま
しく、0.3mm以下では焼成によりα−アルミナ化し
易い。
【0011】炭化珪素の純度は80wt%以上のものが
良く、90wt%以上のものがより好ましい。純度が低
下すると耐食性および耐アルカリ性が低下する。炭化珪
素を15〜85wt%又は10〜85wt%に限定した
のは85wt%を超えると熱伝導率が高くなり、耐スポ
ール性が悪くなる。10又は15wt%未満であると耐
アルカリ性および強度が低下する。
【0012】焼結剤は金属珪素、金属アルミニウム、フ
ェロシリコンおよびそれらの合金並びに炭化硼素等の硼
化物である。これらが焼成中炭化物、酸窒化物等に変化
し、気孔径を小さくすると同時に粒子間を結合させ高強
度になる。その量を2〜10wt%としたのは10wt
%を超えると添加量に比例した効果の増大が望めず、不
経済であるとともに耐スポール性が低下する。2wt%
未満では粒子間結合数が少なく、組織の強化が認められ
ない。
【0013】酸化防止化はK2O、Na2O、B2O3
、SiO2、CaO等を主成分とする低融点の釉薬、ガ
ラスの粉末長石、硼砂および粘土等である。これらが焼
成中粒子表面および粒子間隙をコーティングし、密封気
孔とし、外気と遮断する。その添加量を1〜5wt%と
したのは5wt%を超えると耐火物の耐火性が低下し、
耐用性が悪くなる。1wt%未満では酸化防止の効果が
十分得られない。
【0014】結合剤はフェノール樹脂、ピッチ、タール
等の有機系のものである。混練、成形、焼成等はこの種
の耐火物を製造する場合の一般的な方法でよく、焼成は
還元雰囲気下で1000〜1600℃の範囲で行うこと
が望ましい。
【0015】
【実施例】以下実施例について説明する。実施例および
比較例に使用した各原料の化学成分を表1に示す。ここ
に用いたβ−アルミナ、ジルコニアは電融品、カーボン
は仮焼無煙炭、ピッチコークス、ピッチ、天然リン状黒
鉛を使用した。
【0016】
【表1A】
【0017】
【表1B】
【0018】実施例および比較例の配合割合を表2およ
び表3に示す。実施例A、B、C、D、F、(A)、(
B)、(C)、(D)、(F)および比較例A′、B′
、C′、C″、D′、D″、I′、K′、(A′)、(
B′)、(C′)、(C″)、(D′)、(D″)、(
I′)、(K′)は混練、成形後還元雰囲気下、100
0〜1400℃の温度で焼成した。実施例E、G、(E
)、(G)および比較例H′、J′、(H′)、(J′
)は配合物にアントラセン8wt%を加えた硬ピッチを
4wt%加えて、130℃の加熱混練を行い、成形後還
元雰囲気下において1100℃の焼成を行った。
【0019】
【表2A】
【0020】
【表2B】
【0021】
【表2C】
【0022】
【表2D】
【0023】
【表2E】
【0024】
【表2F】
【0025】
【表3A】
【0026】
【表3B】
【0027】
【表3C】
【0028】
【表3D】
【0029】
【表3E】
【0030】
【表3F】
【0031】以上の如く製造した各供試体について、化
学成分、嵩比重、見掛気孔率、圧縮強さ、耐アルカリ性
、熱伝導率、耐スポール性、耐酸化性、耐侵食性につい
て測定し、その結果を表4、表5に示す。
【0032】
【表4A】
【0033】
【表4B】
【0034】
【表4C】
【0035】
【表4D】
【0036】
【表4E】
【0037】
【表4F】
【0038】
【表5A】
【0039】
【表5B】
【0040】
【表5C】
【0041】
【表5D】
【0042】
【表5E】
【0043】
【表5F】 嵩比重、見掛気孔率はJIS  R2205に基づいて
測定した。圧縮強さはJIS  R2206に基づいて
測定した。熱伝導率は各供試体を20φ×150mmの
円柱に切りだし、直接熱流法により測定し600℃での
値で表示した。
【0044】耐酸化性については各供試体を1辺40m
mの立方体に切りだし、電気炉で1400℃×30分間
保定後取り出し、切断面観察より比較評価した。耐アル
カリ性は各供試体を20×20×60mmの角柱に切り
だし、試薬炭酸カリとコークス粉20:80の混合物を
詰めた容器内に埋め込み、その容器を密封し、電気炉で
1300℃×5時間保定する。これを5回繰り返した後
供試体を取り出し、寸法変化率により比較した。
【0045】耐スポール性は各供試体を40×50×1
80mmの角柱に切り出し、誘導炉にて1500℃の溶
銑中に90秒間浸漬後水冷した供試体の外観および切断
面観察より比較評価した。
【0046】耐侵食性については各供試体を台形状(上
辺70mm×底辺150mm×高さ70mm×長さ13
0mm)に切りだし、比較品と張り合わせて、酸素プロ
パンガスバーナーにて1500℃まで昇温し、その中に
銑鉄と高炉スラグを50:50の割合で投入し、回転し
つつその温度に3時間保定した後、解体して溶損された
量を比較評価した。
【0047】表4、表5から明らかなように、比較例A
′,(A′)に比べ実施例A,(A)は耐スポール性が
優れ、ピッチの効果が現われている。比較例B′,(B
′)に比べ実施例B,(B)は見掛気孔率が小さく耐酸
化性、耐侵食性が優れる。すなわちピッチの配合量が多
すぎると見掛気孔率が大きく、耐酸化性および耐侵食性
は悪くなる。
【0048】比較例C′,(C′)に比べ実施例C,(
C)は圧縮強さが大きく、耐酸化性に優れる。すなわち
金属無添加品は強度が小さく耐酸化性は悪い。 比較例C″,(C″)に比べ実施例C,(C)は耐スポ
ール性に優れる。すなわち金属アルミニウムの添加量が
多い場合耐スポール性が悪くなる。 比較例D′,(D′)に比べ実施例D,(D)は耐酸化
性、耐侵食性が優れ、酸化防止剤の効果が現われている
。 比較例D″,(D″)に比べ実施例D,(D)は耐アル
カリ性、耐侵食性が優れる。すなわち酸化防止剤が多い
と耐アルカリ性、耐侵食性が悪くなる。
【0049】表に示すように、実施例E,F,G,(E
),(F),(G)は諸特性に優れるものである。 比較例H′,(H′)はβ−アルミナが多くカーボンが
少ないため、耐スポール性および耐アルカリ性に劣る。 比較例I′,(I′)はカーボンが少ないため耐アルカ
リ性および耐スポール性に劣る。 比較例J′,(J′)は黒鉛化度の大きい原料を用い、
配合量が多いため、熱伝導率が大きく、耐酸化性が悪い
。 このように本発明の実施例14種は低熱伝導率、耐アル
カリ性および耐スポール性を兼ね備える新規な耐火物で
ある。
【0050】
【発明の効果】本発明の耐火物は、熱伝導率が低く、熱
損失が小さく、加えて耐アルカリ性および耐スポール性
を兼ね備えたものであり、多くの用途があるが、特に高
炉の炉壁並びにステーブクーラー用埋込み耐火物として
、炉壁保護および熱経済性に優れ、その工業的価値は大
きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  βアルミナ10〜80wt%、炭化珪
    素15〜85wt%、400℃以上で熱処理したピッチ
    2〜10wt%を含むカーボン5〜25wt%からなる
    混合物100wt%に対し外掛けで焼結剤2〜10wt
    %と酸化防止剤1〜5wt%添加し、これに結合剤を加
    えて混練後、成形、焼成したことを特徴とする高炉用耐
    火物の製造方法。
  2. 【請求項2】  ジルコニア10〜85wt%、炭化珪
    素15〜85wt%、400℃以上で熱処理したピッチ
    2〜10wt%を含むカーボン5〜25wt%からなる
    混合物100wt%に対し外掛けで焼結剤2〜10wt
    %と酸化防止剤1〜5wt%添加し、これに結合剤を加
    えて混練後、成形、焼成したことを特徴とする高炉用耐
    火物の製造方法。
  3. 【請求項3】  βアルミナとジルコニアの合量10〜
    85wt%、炭化珪素10〜85wt%、400℃以上
    で熱処理したピッチを2〜10wt%を含むカーボン5
    〜25wt%からなる混合物100wt%に対し外掛け
    で焼結剤2〜10wt%と酸化防止剤1〜5wt%添加
    し、これに結合剤を加えて混練後、成形、焼成したこと
    を特徴とする高炉用耐火物の製造方法。
  4. 【請求項4】  400℃以上で熱処理したピッチの粒
    度が0.1mm以下である請求項1又は2記載の高炉用
    耐火物の製造方法。
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