JPH0430523B2 - - Google Patents

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JPH0430523B2
JPH0430523B2 JP59080976A JP8097684A JPH0430523B2 JP H0430523 B2 JPH0430523 B2 JP H0430523B2 JP 59080976 A JP59080976 A JP 59080976A JP 8097684 A JP8097684 A JP 8097684A JP H0430523 B2 JPH0430523 B2 JP H0430523B2
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/02Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring length, width or thickness
    • G01B11/06Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring length, width or thickness for measuring thickness ; e.g. of sheet material

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、膜厚、層厚等の厚みを赤外域におけ
る特性吸収を利用して検出する赤外線厚み計に関
する。
[従来技術] 従来より、厚みを測定すべき被測定物を形成す
る物質が有する特性吸収帯域の波長を有する赤外
線(以下、測定光という。)と、特性吸収帯とは
適当に離れた波長を有する参照用の赤外線(以
下、単に参照光という。)とを夫々測定物に垂直
方向から入射させ、被測定物を透過した測定光の
透過強度と参照光の透過強度とから、測定光の被
測定物による吸光度を求めこの吸光度に基づい
て、当該被測定物の厚みを算定するようにした赤
外線厚み計はよく知られている。
ところで、近年、フイルムの製造技術の進歩に
伴つて数ミクロンオーダの極薄フイルムの製造が
可能になつてきているが、上記従来の赤外線厚み
検出方式では、このような極薄化に対処しうるよ
うな検出精度を確保し難い問題があつた。
これはには、フイルム等の被測定物内における
多重反射光による干渉が大きく影響する。
即ち、厚みが厚い場合には、フイルム内で光束
の位相がランダム化し、干渉が減少するととも
に、測定光に対する吸光度が十分に大きく、多重
反射に基づく干渉の影響は実質的に無視できる
が、厚みが薄くなると、干渉の影響が無視しえな
くなつてS/N比が低下し、検出精度が低下する
からである。
また、上記のような極薄フイルム製造技術の発
展によつて、機能の異なるフイルムを積層したラ
ミネートフイルムが種々開発され、機能的に優れ
たラミネートフイルムが提供されるに至つてい
る。
かかるラミネートフイルムの製造では、個々の
フイルムの膜厚の管理とともに、フイルムを相互
に接合する接着剤を塗布量もしくは塗布膜厚の管
理も重要になつている。
かかる接着剤の塗布膜厚は、当該接着剤の特性
吸収を利用することによつて、前記赤外線厚み検
出方法により原理的に測定することができるが、
塗布膜厚は通常フイルム厚みよりさらに薄く、従
来方式では検出精度が悪化して有効な検出が行え
ない。そのうえ、塗布膜厚の測定は、接着剤層と
フイルム層の少なくとも二層を通しての測定とな
り、フイルムによる吸収の影響と各層における多
重反射光による干渉の両方が重畳されるため、測
定がさらに困難となる問題があつた。
[発明の目的] 本発明の目的は、大きいS/N比で高精度に膜
厚や層厚を検出することができる赤外線厚み計を
提供することである。
本発明のいま一つの目的は、多層構造のもので
も精度よく各層の厚みを検出することができる赤
外線厚み計を提供することである。
[発明の構成] このため、本発明は、厚みを測定すべき被測定
物の特性吸収帯に属する測定光および参照光を含
む赤外線を発生する光源と、発生された赤外線を
測定光と参照光とに交互に分光する分光手段と、
測定光と参照光の入射タイミングを検出するタイ
ミング検出手段と、分光された赤外線を入射面に
平行なP偏光に偏光度95%以上で偏光させる偏光
子と、P偏光を54゜〜60゜の範囲の一定の傾斜角で
被測定物に入射させる手段と、上記タイミング検
出手段に同期して被測定物中を少なくともも一度
通過した測定光および参照光の強度を検出する手
段と、測定光の受光強度と参照光の受光強度とに
基づいて特性吸収帯における吸光度を求め、該吸
光度から被測定物の厚みを算定する手段とを備え
てある赤外線厚み計を提供するものである。
さらに、本願の第二の発明は、被測定物が、厚
みを測定すべき層を含む少なくとも2層の積層構
造体であつて、厚みを測定すべき層を構成する物
質の特性吸収帯に属する測定光および参照光を含
む赤外線を発生する光源と、赤外線を入射面に平
行なP偏光に偏光度95%以上で偏光させる偏光子
と、P偏光を54〜60゜の範囲の一定の傾斜角で被
測定物に入射させる手段と、被測定物中を少なく
とも一度通過した測定光および参照光の強度を検
出する受光手段と、これら測定光および参照光の
受光強度に基づいて被測定物による測定光の吸光
度を求める手段と、当該吸光度から厚み測定すべ
き層がない場合の吸光度を差引いて、当該層のみ
の吸光度を得る吸光度の補正手段と、当該層の吸
光度からその厚みを算定する手段とを備えてなる
赤外線厚み計を提供するものである。
かかる発明の基本的な特徴は、以下の如き事実
及び考察に基づいて得られたものである。
いま、第1図に示すように、、光源1からの光
を分光器2に入射させ、分光器2により分光した
赤外線を赤外線透過性のフイルム4に垂直方向か
ら入射させ、フイルム4の分光特性を受光センサ
5によつて測定する。
フイルム4としては延伸処理したポリプロピレ
ン製(OPPフイルム)で25.1μmの厚さのものを
用いた。その場合に得られたチヤートを第2図に
示す。
第2図に明らかなように、このフイルム4は、
波数にして約2900(cm-1)の所に特性吸収帯CBを
有しており、この特性吸収帯CBを外れたところ
では、山と谷とが交互に連続した吸収特性を示
す。このように、山と谷とが交互に連続して表わ
れる現象は、フイルム4内における多重反射の結
果惹起される光の干渉の影響を示すものである。
したがつて、例えば、上記フイルム4上にフイ
ルム4の上記特性吸収帯CBと異なる波数の特性
吸収帯を有する例えば接着剤を塗布して、その吸
光特性を測定しようとした場合、当該特性吸収帯
は上記フイルム4の山と谷の部分に重畳される結
果、正しい吸光度が得られなくなる。
第3図は、垂直入射の場合のフイルムの吸光度
に対する干渉の幅の大きさを示すグラフであつ
て、理想的に干渉が起きるとして理論計算した結
果を表わす。
この場合、フイルムの厚さを40μm、測定光の
波長を4.4μmとして、フイルムの屈折率をパラメ
ータとした。
第3図から明らかなように、フイルムの吸光度
が大きい場合には、干渉の幅はさほど大きくない
が、吸光度が小さい場合には、干渉の幅が著しく
大きくなつてS/N比が大幅に低下することとな
る。
ところで、光学上、P偏光をその物質の偏光角
で入射させると、反射が起らないことが知られて
いる(逆に言えば、これが偏光角の定義を与え
る)。
そこで、本発明者等は、第4図に示すように、
P偏光を被測定物に対し、その物質の偏光角に等
しいかその近傍で入射させれば、多重反射光によ
る干渉の影響を排除できるものと考え、入射角の
依存在を理論計算によつて求めた。なお、第4図
において、1は赤外線光源、2は光源からの光を
分光させる分光器、3は偏光子、4はフイルム、
5は受光センサである。
その結果を第5図と第6図に夫々示す。
第5図、第6図に示すデータは、波長4.4μmで
偏光度95%のP偏光を用い、被測定物の屈折率n
を夫々1.7,1.4としたときに得られたものであ
る。
例えば、吸光度0.2で入射角57゜のとき、第5図
では干渉の幅は吸光度にして0.0075であるが、第
3図に示す従来の垂直入射の場合には、吸光度
0.2での干渉幅は0.075である。つまり、干渉の幅
は、入射角をその材料の偏光角59゜に近い57゜とし
た場合、垂直入射の場合の1/10となり、S/N比
でいえば10倍大きいS/N比が得られることにな
るのである。
第6図では、偏光角は約54゜であり、入射角が
4〜5゜程度偏光角からずれても、十分に高いS/
N比が得られることが明らかである。
本発明は、以上の考察に基づいてなされたもの
である。
[実施例] 以下、本発明の実施例をより具体的に説明す
る。
第7図に示すように、本赤外線厚み計は、測定
部Aと演算部Bとを備え、検出された厚みは、表
示記録装置Cによつて表示され、記録される。
測定部Aは、被測定物としてのフイルム11に
対し、P偏光させた2種の赤外線、即ち、フイル
ム11を形成する物質のの特性吸収帯域(第2図
参照)の赤外線である測定光Raおよび特性吸収
帯域から適当に外れて設定した波長を有する参照
用の赤外線である参照光Rrをフイルム11の屈
折率によつて決まる偏光角に等しいか、その近傍
の一定の角度で入射させ、フイルム11による吸
光度を上記2つの赤外線Ra,Rrについて測定す
るためのものである。
この測定部Aは、例えばニクロム線光源よりな
る赤外線光源12を備え、赤外線光源12からは
フイルム11の測定光Raおよび参照光Rrを含む
広い帯域の赤外線を発生する。
赤外線光源12から射出された赤外線は、凹面
の集光ミラー13によりスポツト状に集光された
状態で回転円板14上に投射される。この回転円
板14は遮光性材料よりなり、電動モータ15に
より30Hz程度の回転数で回転駆動されるようにな
つており、スポツト状に集光された赤外線が投射
される位置には、測定光Raのみを通過させる第
1バンドパスフイルタ16と参照光Rrのみを通
過させる第2バンドパスフイルタ17とが、180゜
位相を違えて組付けられている。これら赤外線光
源12、電動モータ15および第1,第2バンド
パスフイルタ16,17は、上記赤外線に対する
チヨツパ手段を構成し、上記2種の赤外線Ra,
Rrを交互に通過させる。これら2種の赤外線
Ra,Rrの通過タイミングを検出するため、赤外
線光源12の外周部に対しては、これを間に対峙
する発光ダイオードとフオトトランジスタの組合
せよりなる第1,第2の光電スイツチ18,19
が設置され、第1バンドパスフイルタ16の外径
側には、第1,第2の両方の光電スイツチ18,
19をオンさせる2個の光通過穴20,20が、
また第2バンドパスフイルタ17の外径側には、
第1の光電スイツチ18のみをオンさせる1個の
光通過穴21が夫々設けられている。
上記回転円板14の光通過側には、一対の対向
した凹面の反射ミラー22,23が配置され、回
転円板14のスポツト位置に対応した反射ミラー
22は、対向するいま一つの反射ミラー23に向
けて通過光を反射し、反射ミラー23はフイルム
11に向けて、フイルム11の屈折率によつて決
まる偏光角に等しいか、偏光角近傍の一定の傾斜
角で入射させる。この反射ミラー23からフイル
ム11に向う光路の途中には、入射する赤外線
(Ra,Rr)をP偏光させる、つまり、入射面に
平行な偏光成分のみを通過させる偏光子24が介
設され、この偏光子24を通過することにより、
赤外線(Ra,Rr)はP偏光波となる。
P偏光された赤外線(Ra,Rr)はフイルム1
1を2度通過するように反射板25によつて反射
され、フイルム11を2度通過した赤外線は凹面
の反射ミラー26によつて赤外線検出器27に導
びかれ、赤外線検出器27は、2種の赤外線Ra,
Rrの受光強度に比例した検出信号を検出回路2
8に出力する。上記赤外線検出器27としては、
例えば焦電型赤外線センサを有利に用いることが
できるが、これに限られるものではない。また、
吸光度をかせぐため、赤外線はフイルム11を二
度通過させたが、フイルム11の厚みが厚い場合
には、一度だけ通過させるようにしてもよい。
上記検出回路28は、赤外線検出器27の出力
を増幅するとともに波形整形して、次段の暗電流
キヤンセル回路29に出力する。
検出回路28の出力信号は、測定光Raの受光
強度に比例する信号Va(以下では単に測定光透過
信号という。)と、参照光Rrの受光強度に比例す
る信号Vr(以下では、単に参照光透過信号とい
う。)とが、暗電流成分vaに重畳された信号とな
つている。暗電流成分vaは、測定部A内外の熱
輻射等によつて発生される雑音である。
暗電流キヤンセル回路29は、前記第1,第2
光電スイツチ18,19の各出力を入力信号とす
るタイミング作成回路30からの第1タイミング
信号T1によつて赤外線Ra,Rrのいずれもが投射
されていないタイミングで、検出回路28の出力
信号を読取り、つまり暗電流成分vaを読取り、
読取つた暗電流成分vaを検出回路28の出力か
ら差引いて、第8図bに示すように、測定光透過
信号Vaと参照光透過信号Vrのみを抽出分離す
る。
次に、演算部Bの構成を説明すると、演算部B
は、暗電流キヤンセル回路29から出力される測
定光透過信号Vaと参照光透過信号Vrとをタイミ
ング作成回路30から出力される第2,第3タイ
ミング信号T2,T3のタイミングで夫々個別にサ
ンプルホールドする(第8図c,d参照)サンプ
ルホールド回路31と、サンプルホールド回路3
1にサンプルホールドされた測定光透過信号Va
と参照光透過信号Vrとのlog比、即ちlog(Vr/
Va)を演算するlog比演算回路32と、得られた
log比log(Vr/Va)の値から、検量線によりフ
イルム11の厚みを演算する厚み演算回路33と
によつて基本的に構成される。
上記厚み演算回路33は、上記log比log(Vr/
Va)と、フイルム11の厚みtとが比例関係に
あり、フイルム厚みtがlog比の一時関数で表わ
されることから、フイルム11の厚みtを決定す
る。この場合の厚みの決定は、第9図に示すよう
に、予め求めておいた検量線そのものから厚みを
読取るようにしてもよく、予め上記比例定数およ
び定数項の値を与えておき、得られたlog比から
厚みを計算するようにしてもよい。
なお、上記検量線および/もしくは比例定数お
よび定数項は、周知の接触型厚み計を用いて厚み
を求めるとともに、そのときのlog比を測定する
ことにより予め求めることができる。
第9図に示したデータは、本赤外線厚み計を用
いて、ポリエチレンテレフタレート製フイルムを
測定した結果を示す。
この場合の測定光は波数にして2970cm-1であ
り、参照光は波数にして3035-1を用い、入射角は
58゜とした。第9図に示したデータの最大偏差は
±0.0μmであつた。
多層構造体の各層を層厚を測定する際にも、ほ
ぼ理想的にランベルトーベールの式が成立し、こ
の式を解くことにより、各層厚を求めることがで
きる。この場合にも、光の干渉による誤差を小さ
くできる。
第10図にいま一つの実施例を示す。この実施
例は、第11図に示すように、フイルム35上に
接着剤36を塗布した2層構造について、その塗
布膜厚を測定するようにしたものである。
この場合の赤外線厚み計は、第7図に示した構
成のうち演算部Bに、補正用フイルム吸光度記憶
回路37とフイルム吸光度補正回路38を付加し
たものである。他に変更はないので、同一のもの
には同一の番号を付して重複した説明を省略す
る。
上記補正用フイルム吸光度記憶回路37には、
接着剤36を塗布する以前のフイルム35だけに
ついて予め測定したlog比がメモリされており、
吸光度演算回路32によつて全体の(2層の)
log比が演算されるごとに、フイルム35のlog比
をフイルム吸光度補正回路38に出力する。
フイルム吸光度補正回路38は、吸光度演算回
路32から出力されてくる全体のlog比から、フ
イルム35のみのlog比を差引いて、塗布膜36
のみのlog比を得、その塗布膜36のlog比を厚み
演算回路33に出力する。その結果、厚み演算回
路33は、第12図に示す如き検量線を用いて、
塗布膜厚を演算することができる。
なお、第12図に示した検量線は、単位面積当
たりの接着剤36の塗布量(g/m2)と吸光度と
の関係を示しているが、塗布量から塗布膜厚は容
易に換算することがができる。
この種の接着剤として汎用されているウレタン
系接着剤が使用される場合は、イソシアネート基
を含むことから、イソシアネート基の特性吸収帯
4.40〜4.44μmを測定波長として使用することが有
利である。その理由は、4.0〜5.5μmの波長範囲で
は、フイルム35による吸収が小さく、その影響
を小さくすることができることである。
この点、従来の赤外線測定方式によつて接着剤
の塗布膜厚もしくは塗布量を測定する場合、特性
吸収帯域としてC−H結合の吸収波長2.1〜2.5,
3.3〜3.6,6.7〜7.0μmや、溶剤の特性吸収帯域が
使用されてきた。
しかし、C−H結合の特性吸収帯は、基材フイ
ルム自体の吸収が大きく、特に基材フイルムの厚
みに比べて接着剤の塗布膜厚が極めて薄い場合に
は、基材フイルムの吸収を補正する際の誤差によ
り接着剤のみの吸収を精度よく得ることが困難と
なる。また、溶剤の特性吸収帯を用いる場合に
は、無溶剤型接着剤には使用できないこと、溶剤
の揮散速度が速いので、溶剤の量から固形分量を
推定するうえで誤差を生じやすいこと等の問題が
ある。
第10図に示す実施例において、その測定結果
を第12図に示す。
フイルム35としては、OPPフイルム(延伸
処理したポリプロピレン製フイルム)を用い、接
着剤としてはポリウレタン系接着剤、具体的には
武田薬品株式会社製 タケラツクA−967とタケ
ネートA−7を1:1で混合し、酢酸エチルを溶
剤としたものを用いた。
この場合の測定光は波数にして2,270cm-1
参照光は波長にして2000cm-1のものを用い、入射
角は56゜(偏光角)とした。
得られたデータは検量線によくのり、最大偏差
は±0.06(g/m2)であつた。
この種の接着剤は、反応の進行に伴なつてイソ
シアネート基が減少するが、反応速度はそれほど
速くなく、手早く測定することにより、反応によ
る影響は実際上無視することができる。
この実施例の原理によれば、第13図に示すよ
うなすでに硬化反応の終了したラミネート材40
上にさらに接着剤41を塗布するような場合に
も、硬化反応終了によりイソシアネート基の吸収
はなく、何ら問題なしに新しい塗布膜厚を測定す
ることができる。
また、このようにして得られた厚みを表わす厚
み演算回路33の出力は、これを接着剤の塗布量
調整手段にフイードバツクすることにより、塗布
量を有効に制御することが可能となる。
以上述べた本発明の原理的な構成によれば、被
測定物が静止している場合のみならず、走行して
いる被測定物の厚みを測定することができる。
ただ、上記の実施例の構造では、測定光が入射
されるときと参照光が入射されるときのタイミン
グが僅かにずれることになるが、そのようなタイ
ミングのずれはごく僅か(1/60秒)であるの
で、被測定物が余程高速で走行しない限り実際上
問題はないと考えられる。
もしも、このタイミングのずれが問題となる場
合には、測定光と参照光の両方を含むある程度広
い範囲の赤外線をP偏光させたうえで、被測定物
に入射させ、受光側で測定光と参照光とを分離し
て各々の強度を測定することができる。
その場合には、第14図に示す如き受光部を用
いればよい。
図において、フイルムを透過してきた透過光5
1はバンドパスフイルタ61によつて、測定光及
び参照光近傍の赤外線のみがフイルタされ、入射
スリツト62で絞られた後、コリメートミラー6
3に導光される。コリメートミラー63によつて
反射された平行光は回折格子64に導光され、分
光される。分光光は再度コリメートミラー63で
反射され、出射スリツト面に分光スペクトルの帯
を形成する。分光スペクトルの測定光に対応する
箇所に形成したスリツト67を通つて測定光65
が射出すると同時に、参照光に対応する箇所に形
成したスリツト68を通つて参照光66が射出す
る。
射出光65,66はそれぞれの光検出器65
D,66Dに受光される。光検出器65D,66
Dからは、分光光の強度に応じた測定光透過信号
Va、参照光透過信号Vrが出力される。なお、測
定光と参照光に分光する手段は、回折格子64に
替えてプリズムとすることもできる。
また、測定光、参照光の検出器65D,66D
に関し、特性吸収波長領域において感度の良好な
ものを使用する。
つまり、上記の検出方式を用いれば、同時測定
が可能となり、前記のタイミングのずれの問題は
完全に解消することができる。
この場合には、タイミングが同一となるため、
各検出器65D,66Dからの出力を夫々増幅し
たうえで、別個にサンプルホールドするようにす
ればよい。他の処理はは、前記各実施例と異なる
ところがないので、これ以上の説明は省略する。
次に、被測定物が振動等によりゆらぐ場合に
は、そのゆらぎによる影響が考えられるが、ゆら
ぎが激しい場合を除き、走行の場合と同様に、ゆ
らぎによる影響を無視することができる。ゆらぎ
が激しい場合には、直上で述べた如き同時測定が
好ましい。
本出願人は、特願昭58−183636号の特許出願
(発明の名称“赤外線厚み計”)において、被測定
物に対する赤外線の入射角を変化させ、反射光強
度の変化から偏光角(ブリユースター角)を検出
して、その偏光角における吸光度から厚みを検出
する方式を提案している。
この方式によれば、被測定物が走行する場合や
走行に伴なうゆらぎが存在する場合でも、最も正
確に被測定物の厚みを検出することができる。
本発明は、P偏光を用いる点および偏光角に着
目した点においては、上記特許出願にかかる発明
と基礎を共通にする。
しかしながら、本発明者等の考察によれば、第
5図、第6図において示された如く、入射角を偏
光角に正確に一致させる必要はなく、偏光角近傍
の角度に設定すれば、十分大きいS/N比が得ら
れることが明らかであり、この意味で本発明は、
偏光角に限定されるものではない。
第16図には、入射角を52゜から62゜の範囲で1゜
毎に変えて、屈折率と干渉の幅との関係を理論計
算によつて求めた結果を示す。干渉の幅は、即ち
誤差の程度を表わすものであつて、干渉の幅
0.010が干渉による測定誤差5%に相当する。
この図から、54゜〜60゜の入射角であれば、屈折
率が1.4〜1.7の範囲である限り、干渉による測定
誤差を5%以下にすることができ、入射角を走査
せずに固定しても十分な測定精度が得られること
が理解される。
即ち、被測定物が、偏光角が必ずしも既知でな
いフイルム材や、2材質以上の積層フイルムで偏
光角が1つに定まらない場合でも、フイルム材の
屈折率は1.4〜1.7の範囲内にあり、上記のよう
に、54゜〜60゜の範囲内で入射角を一定に設定して
も、十分な測定精度で測定が可能となり、入射角
を走査する必要なしに、或いは入射角を屈折率に
合せて変更することなしに測定できることとな
り、きわめて実用的なものとすることができる。
測定精度に影響を及ぼすいま一つの要因は、偏
光子24の性能、即ち偏光子24による偏光度で
ある。
第15図に、偏光率と干渉の幅との関係を示
す。この場合の測定光の波長は4.4μmとし、フイ
ルムの屈折率を1.7とし、入射角を58゜とし、干渉
の幅を理論計算によつて求めたものである。
第15図にも明らかなように、干渉の幅は偏光
度が100%に近い程小さくなるので、偏光度は高
ければ高い程好ましいが、95%以上であれば入射
角を54゜〜60゜の範囲のいずれかに固定した場合、
干渉の幅は0.0025〜0.0089となり、これはサンプ
ル本来の吸光度の1.2〜4.5%に相当することにな
る。
[発明の効果] 本発明によれば、偏光度95%以上のP偏光を
54゜〜60゜の範囲内の一定の入射角で入射させて測
定を行うようにしたので、入射角を走査させるこ
となしに高いS/N比で高精度の厚み測定が行
え、しかも入射角を走査させる場合に比して測定
に要する時間を大幅に短縮でき、連続測定が可能
となり、生産現場での膜厚管理にも有効に適用す
ることができる。
さらに、本発明によれば、フイルム材上に塗布
した接着剤の塗布膜厚等、多層構造体の各層の層
厚の測定が高精度で行なえるので、ラミネート工
程における接着剤の塗布量や塗布膜厚の管理等に
有効に貢献することができきる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の分光分析の原理的説明図、第2
図は第1図に示す分光分析方式で得られたチヤー
ト図、第3図は測定光を垂直入射させたときのフ
イルムの吸光度(横軸)と干渉の幅(縦軸)との
関係を示すグラフ、第4図は本発明の原理的構成
を示す図、第5図、第6図は夫々入射角を偏光角
近傍で変化させたときの干渉の幅の大きさの変化
を示すグラフ、第7図は本発明の実施例の全体概
略説明図、第8図a,bb,c,dは測定光透過
信号および参照光透過信号の抽出方式を順次に示
す各波形図、第9図はフイルムの検量線および測
定結果を示すグラフ、第10図は本発明のいま一
つの実施例の全体概略説明図、第11図は多層構
造体の一例を示す断面説明図、第12図は接着剤
の検量線および測定結果を示すグラフ、第13図
は多層構造体の他の例を示す断面説明図、第14
図は受光部の一例を示す概略説明図、第15図は
偏光度と干渉の幅との関係を示すグラフ、第16
図は入射角を種々変えたときのフイルムの屈折率
と干渉の幅との関係を示すグラフである。 11…フイルム、12…赤外線光源、16,1
7…バンドパスフイルタ、24…偏光子、27…
赤外線検出器、31…サンプルホールド回路、3
2…log比演算回路、33…厚み演算回路、35
…フイルム、36…接着剤、38…フイルム吸光
度補正回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 厚みを測定すべき被測定物の特性吸収帯に属
    する測定光および参照光を含む赤外線を発生する
    光源と、発生された赤外線を測定光と参照光とに
    交互に分光する分光手段と、測定光と参照光の入
    射タイミング検出するタイミング検出手段と、分
    光された赤外線を入射面に平行なP偏光に偏光度
    95%以上で偏光させる偏光子と、P偏光を54゜〜
    60゜の範囲の一定の傾斜角で被測定物に入射させ
    る手段と、上記タイミング検出手段に同期して被
    測定物中を少なくとも一度通過した測定光および
    参照光の強度を検出する手段と、測定光の受光強
    度と参照光の受光強度とに基づいて特性吸収帯に
    おける吸光度を求め、該吸光度から被測定物の厚
    みを算定する手段とを備えてなる赤外線厚み計。 2 被測定物が、厚みを測定すべき層を含む少な
    くとも2層の積層構造体であつて、厚みを測定す
    べき層を構成する物質の特性吸収帯に属する測定
    光および参照光を含む赤外線を発生する光源と、
    赤外線を入射面に平行なP偏光に偏光度95%以上
    で偏光させる偏光子と、P偏光を54゜〜60゜の範囲
    の一定の傾斜角で被測定物に入射させる手段と、
    被測定物中を少なくとも一度通過した測定光およ
    び参照光の強度を検出する受光手段と、これら測
    定光および参照光の受光強度に基づいて被測定物
    による測定光の吸光度を求める手段と、当該吸光
    度から厚みを測定すべき層がない場合の吸光度を
    差引いて、当該層のみの吸光度を得る吸光度の補
    正手段と、当該層の吸光度からその厚みを算定す
    る手段とを備えてなる赤外線厚み計。
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