JPH04304228A

JPH04304228A - ボトル成形用ポリエステル

Info

Publication number: JPH04304228A
Application number: JP9261791A
Authority: JP
Inventors: Akio Yonenoi; 米ノ井　章男; Takatoshi Kuratsuji; 倉辻　孝俊
Original assignee: Teijin Ltd
Current assignee: Teijin Ltd
Priority date: 1991-04-01
Filing date: 1991-04-01
Publication date: 1992-10-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボトル成形用ポリエステ
ルに関し、更に詳しくは高速成形時や肉厚の成形品を製
造する際に生じ易い成形品の結晶化による白化を抑え、
透明性が高く、また耐熱性や機械的強度が優れたポリエ
ステルに関する。

【０００２】

【従来の技術及び問題点】ポリエチレンテレフタレート
は、その優れた機械的性質、化学的性質から、繊維、フ
イルム、工業用樹脂等に広く用いられているが、最近で
はさらにボトル、カップ、トレイなどにも用いられてい
る。特にその軽量性等の取り扱い易さなどによりポリエ
ステル製のボトルが食品や化粧品などの容器として広く
使用されるに至っている。

【０００３】特に近年需要が増加し、その用途も多岐に
わたるようになるに従い、ボトルの成形スピードの向上
や用途によってはボトルをブロー成形する前の段階で射
出成形によって得られるプリフォームの肉厚を厚くする
など多くの工夫がなされるようになってきた。しかしこ
れらの用途に従来からボトル成形に用いられてきたポリ
エステル樹脂を適用するとその成形品は結晶化により白
化し、外観を損なうという欠点を生じる。そのことより
これらの用途でも白化のない透明性の優れたボトを形成
しうるポリエステル材料の開発が望まれていた。

【０００４】

【発明の目的】本発明の目的は、かかる問題を解消し高
速成形時や肉厚の成形品を成形する際に生じ易い成形品
の結晶化による白化を抑え、透明性の高い、更には耐熱
性や機械的強度の優れたポリエステルを提供することに
ある。

【０００５】

【発明の構成】本発明は主たる酸成分がテレフタル酸で
ありかつ主たるグリコール成分がエチレングリコールで
あるポリエステルにおいて、全グリコール成分に対し（
Ａ）ジエチレングリコール、及び（Ｂ）１，４−シクロ
ヘキサンジメタノール０．６〜２．４モル％を共重合し
、（Ａ）と（Ｂ）との和が１．８〜４．５モル％となる
ように変性したことを特徴とするボトル成形用ポリエス
テルである。

【０００６】ここで「主たる」とは、８５モル％を超え
る量をいう。したがって、１５モル％未満の範囲におい
てテレフタル酸、エチレングリコール以外の他のエステ
ル単位を含むことができる。かかる共重合成分としては
、テレフタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、１，４−シクロヘキサンジメタノール以外のジ
カルボン酸及びジオール又はオキシ酸がある。具体的に
は、芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウム−ス
ルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸など；脂環族
ジカルボン酸、例えばデカリンジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸など；脂肪族ジカルボン酸、例えばマ
ロン酸、コハク酸、アジピン酸などが例示でき；グリコ
ール成分として、脂肪族ジオール、例えばトリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコールなど；芳香族ジオール、例えばヒドロキノ
ン、カテコール、ナフタレンジオール、レゾルシン、４
，４′−ジヒドロキシ−ジフェニル−スルホン、ビスフ
ェノールＡ［２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）
プロパン］、テトラブロモビスフェノールＡ、ビスヒド
ロキシエトキシビスフェノールＡなど；脂環族ジオール
、例えばデカリンジオールなど；脂肪族オキシカルボン
酸、例えばグリコール酸、ヒドロアクリル酸、３−オキ
シプロピオン酸など；脂環族オキシカルボン酸、例えば
アシアチン酸、キノバ酸など；芳香族オキシカルボン酸
、例えばサリチル酸、ｍ−オキシ安息香酸、ｐ−オキシ
安息香酸、マンデル酸、アトロラクチン酸などを挙げる
ことができる。

【０００７】本発明のボトル成形用ポリエステルは、ジ
エチレングリコールを全グリコール成分に耐して１．２
〜３．６モル％共重合せしめることが必須である。添加
量が１．２モル％未満では配向結晶化を抑制する効果が
十分ではなく、また溶融状態からの静的結晶化も十分遅
くなく、結果として成形品の白化を防止する効果が不十
分となってしまう。また、３．６モル％を超えるもので
は成形した際の成形品の機械的強度が不十分であり、好
ましくは１．４〜３．０モル％である。

【０００８】更に１，４−シクロヘキサンジメタノール
を全グリコール成分に対して０．６〜２．４モル％共重
合せしめることが必須である。０．６モル％未満では配
向結晶化を抑制する効果が十分でなく、また溶融状態か
らの静的結晶化も十分遅くなく、結果として成形品の白
化を防止する効果が不十分となってしまう。２．４モル
％を超えるものでは成形した際の成形品の機械的強度が
不十分であることから、好ましくは０．８〜２．０モル
％である。

【０００９】本発明は更にジエチレングリコールと１，
４−シクロヘキサンジメタノールとの和が全グリコール
成分に対して１．８〜４．５モル％の範囲とすることが
必須である。４．５モル％を超えるものでは成形品の機
械的強度の点で十分ではない。

【００１０】本発明の共重合ポリエステルは固有粘度［
フェノール／テトラクロロエタン（重量比６０／４０）
の混合溶媒を用い、３５℃で測定］０．３〜１．５であ
ることが好ましい。特に０．４以上であることが好まし
い。かかるポリエステルは、従来からポリエチレンテレ
フタレートの製造に際して蓄積された技術手段で製造す
ることができる。例えば、テレフタル酸及びエチレング
リコール化合物を用いてエステル反応を行い、あるいは
テレフタル酸の低級アルキルエステル（例えばジメチル
エステル）及びエチレングリコール化合物を用いてエス
テル交換反応を行い、得られた反応生成物をさらに重縮
合せしめることによって製造できる。また、これらのポ
リエステルを製造する際にエステル交換触媒、重合触媒
、安定剤などを使用することが好ましい。これら触媒、
安定剤などはポリエステル、特にポリエチレンテレフタ
レートの触媒、安定剤などとして知られているものを用
いることができる。また、必要に応じて他の添加剤、例
えば着色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難
燃剤などを使用してもよい。

【００１１】

【発明の効果】本発明のポリエステルは高速成形時や肉
厚の成形品を成形する際に生じ易い成形品の結晶化によ
る白化を抑えたものであり、また成形品は優れた透明性
・耐熱性・機械的強度を示す。それ故ボトル形成用材料
として極めて有効である。

【００１２】

【実施例】以下実施例により本発明を補説する。なお実
施例中「部」は重量部を意味する。また実施例中で用い
た特性の測定法を以下に示す。

【００１３】・固有粘度（［η］）フェノール／テトラクロロエタン（６０／４０重量比）
混合溶媒を用い３５℃で測定した溶液粘度から算出した
。

【００１４】・プリフォーム白化乾燥ポリマーをシリンダー温度２９５℃の射出成形機を
用い、射出圧力５０％、３３秒サイクルで重量５０ｇの
プリフォームを形成し、該プリフォームの白化を目視に
より良好○，やや白化△，白化×に区別した。

【００１５】・ボトル曇り性射出圧力を３５％とする以外は上述の方法を用いて成形
したプリフォームを１０５〜１１０℃に再加熱し、二軸
延伸ブローを施して内容積１リットルのボトルを得ると
き、そのボトルが白化しないでブローできる予熱時間を
もってボトル曇り性の尺度とした。予熱可能時間が長く
なる程曇りが生じ難く透明性が良好であることを意味す
る。

【００１６】

【実施例１】テレフタル酸ジメチル１７００部、エチレ
ングリコール１１００部、酢酸チタンのエチレングリコ
ール溶液（Ｔｉとして１％）１．３部、ジエチレングリ
コール４．９部、１，４−シクロヘキサンジメタノール
１８．９部をエステル交換反応槽に仕込み１７０〜２３
５℃でエステル交換反応を行った。留出物が出なくなっ
た時点で０．７６ｗｔ％の酸化ゲルマニウム水溶液を４
２部、メチルアシドホスフェートのエチレングリコール
溶液（Ｐとして５．５％）を１．５部添加し重合反応槽
に移した。２６０〜２７０℃で所定時間常圧反応せしめ
、その後２６５℃で高真空下（数ｍｍＨｇ以上の高真空
）にて約３時間反応を行った。その後重合反応槽より常
法によって大量の流水中に抜き出しストランド型のチッ
プに切断した。このチップの［η］は０．５５であった
。このチップを１５０〜１６０℃で約３時間予備乾燥し
た後０．５ｍｍＨｇの高真空下２３０℃で１０時間固相
重合を行った。その処理したチップの［η］は０．７５
であった。またジエチレングリコール成分は１．５ｗｔ
％であった。

【００１７】

【実施例２，比較例１〜３】ジエチレングリコール及び
１，４−シクロヘキサンジメタノールの添加量を変える
以外は前記の方法を用いて得た。

【００１８】

【比較例４〜６】ジエチレングリコール、１，４−シク
ロヘキサンジメタノールの添加量を変える以外は前記の
方法を用いて得た。これらはいずれもプリフォーム白化
、ボトル曇り性の観点からは良好であった。成形ボトル
の機械的強度が十分でない為ボトル形状不良を起こし、
使用に耐えうるものではなかった。これらの結果をまと
めて実施例１〜２，他の比較例とともに表示する。

【００１９】

【表１】

【００２０】

【表２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】主たる酸成分がテレフタル酸であり、主た
るグリコール成分がエチレングリコールであるポリエス
テルにおいて、全グリコール成分に対し、（Ａ）ジエチ
レングリコール１．２〜３．６モル％及び（Ｂ）１，４
−シクロヘキサンジメタノール０．６〜２．４モル％を
共重合し、（Ａ）と（Ｂ）との和が１．８〜４．５モル
％の範囲となるように変性したことを特徴とするボトル
の成形用ポリエステル。