JPH04303185A - 斜板型可変容量圧縮機 - Google Patents

斜板型可変容量圧縮機

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Publication number
JPH04303185A
JPH04303185A JP3067071A JP6707191A JPH04303185A JP H04303185 A JPH04303185 A JP H04303185A JP 3067071 A JP3067071 A JP 3067071A JP 6707191 A JP6707191 A JP 6707191A JP H04303185 A JPH04303185 A JP H04303185A
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JP
Japan
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pressure chamber
pressure
chamber
diaphragm
control
Prior art date
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Pending
Application number
JP3067071A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Miyagawa
宮川 和仁
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用空調装
置用の冷媒圧縮機として使用するのに有効な斜板型可変
容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダブロック内に回転自在
に支持されたシャフトに斜板を一体的に回転可能に取り
つけるとともに、この斜板の傾斜角をスプールの変位に
応じて可変させ、かつ斜板の中心位置も同時にシャフト
の軸方向に変位させることにより、シリンダブロックの
シリンダ室内のピストンのストロ−クを可変して圧縮機
の容量を制御するようにした可変容量式斜板型圧縮機が
知られている。
【0003】この種の斜板型圧縮機ではスプールの背面
に形成された制御圧室内の圧力に応じてスプールがシャ
フトの軸方向に変位し、かつこのスプールの変位に対応
して斜板の傾斜角と斜板の中心位置が同時に変位される
ようになっている。上記制御圧室に導かれる制御圧力は
制御弁により調整される。
【0004】ところで、従来の斜板型圧縮機の制御弁は
図7に示すような構成になっていた。図7中で、aは制
御弁のハウジングである。このハウジングa内には圧縮
機本体の吸入路に連結される吸入圧室b、圧縮機本体の
吐出路に連結される吐出圧室c、圧縮機本体の制御圧室
に連結される圧力調整室dがそれぞれ形成されている。 この場合、吸入圧室bは大気圧導入部eに隣接して形成
されており、これらの吸入圧室bと大気圧導入部eとの
間にはダイヤフラムfが介設されている。
【0005】また、圧力調整室d内にはダイヤフラムf
と一体的に変位するボ−ル弁gが配設されている。この
ボ−ル弁gは一端がダイヤフラムfの中央部位に固定さ
れた作動棒hの他端に固定されている。そして、このボ
−ル弁gの変位にともない圧力調整室d内と吸入圧室b
との間の連通路、およびこの圧力調整室d内と吐出圧室
cとの間の連通路がそれぞれ開閉操作されるようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、自動車用空調
装置用の冷媒圧縮機として使用される圧縮機では冷凍サ
イクル内の蒸発器の能力を常に一定状態で保持する、す
なわち、蒸発器の吹出し空気温度を一定に保持する制御
が要求される。この場合、蒸発器の吹出し空気温度は蒸
発器の出口冷媒圧力に置き換えることができるので、蒸
発器の出口冷媒圧力を略一定に保持する制御が行なわれ
る。なお、自動車用空調装置では使用環境、つまり圧縮
機回転数、及び蒸発器、凝縮器の熱負荷の変動範囲が比
較的広範囲なので、蒸発器の出口冷媒圧力を略一定に(
例えば、熱負荷の変動範囲の幅を約0.2kg/cm2
 程度)に保つ為には、冷媒循環流量の変化を見込み、
圧縮機の吸入圧力Ps を図8中の斜線部に狭まれた領
域(冷房能力不足領域と冷房能力過剰領域との間の領域
)内で安定させる必要がある。
【0007】しかしながら、上記従来構成のものにあっ
ては制御弁の制御特性は図8中に点線で示すように略直
線状になっていたので、システムで要求される適正な吐
出容量制御を行なわせることができず、高熱負荷時の冷
却能力と低熱負荷時の除湿能力確保および蒸発器の霜付
き防止の全てを満足する制御特性を得る事は困難であっ
た。
【0008】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、高熱負荷時冷房能力を損なうことなく、かつ、低熱
負荷時に除湿能力を確保し、さらに使用頻度の高い、中
・高熱負荷時には高回転においてもエバポレータが全く
霜付きしない、つまり、システム要求に対し、制御特性
を適正化することができる斜板型可変容量圧縮機を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、傾斜角度調整機構の制御圧室に導入される制
御圧の制御弁に、圧縮機本体の吸入路に連結される第1
の圧力室と大気圧導入部との間の差圧に応じて変位する
第1のダイヤフラムと、前記圧縮機本体の吐出路に連結
される第2の圧力室と前記圧縮機本体の吸入路に連結さ
れる第3の圧力室との間の差圧に応じて変位する第2の
ダイヤフラムと、前記圧縮機本体の制御圧室に連結され
る第4の圧力室内に配設され、この第4の圧力室内と前
記第1の圧力室との間の連通路およびこの第4の圧力室
内と前記第2の圧力室との間の連通路を開閉操作する制
御弁体と、前記第1のダイヤフラムの変位に応じて前記
制御弁体を前記第4の圧力室内と前記第1の圧力室との
間の連通路を閉塞する位置と前記第4の圧力室内と前記
第2の圧力室との間の連通路を閉塞する位置との間で一
体的に変位させる第1の作動部材と、前記第2のダイヤ
フラムと一体的に変位し、前記圧縮機本体の吸入圧力と
吐出圧力との差が小さい場合に前記第4の圧力室内と前
記第2の圧力室との間の連通路を開放する方向に前記制
御弁体を移動する第2の作動部材と、前記第1のダイヤ
フラムおよび前記第2のダイヤフラムの作動条件をそれ
ぞれ調整する作動条件調整部材とを設けたことを特徴と
する。
【0010】
【作用】このような構成によれば、圧縮機本体の吸入路
に連結される第1の圧力室と大気圧導入部との間の差圧
に応じて第1のダイヤフラムが変位し、この第1のダイ
ヤフラムの変位にともない制御弁体が第1の作動部材を
介して第4の圧力室内と第1の圧力室との間の連通路を
閉塞する位置とこの第4の圧力室内と第2の圧力室との
間の連通路を閉塞する位置との間で一体的に変位され、
制御圧室に導入される制御圧が制御される。さらに、圧
縮機本体の吐出路に連結される第2の圧力室と圧縮機本
体の吸入路に連結される第3の圧力室との間の差圧に応
じて第2のダイヤフラムが変位し、この第2のダイヤフ
ラムの変位にともない第2の作動部材が一体的に変位す
る。そして、圧縮機本体の吸入圧力と吐出圧力との差が
小さい場合にはこの第2の作動部材によって第4の圧力
室内と第2の圧力室との間の連通路を開放する方向に制
御弁体が移動操作される。また、作動条件調整部材の操
作にともない第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフ
ラムの作動条件を冷凍サイクルのシステム要求に合わせ
て適正に調整することができ、制御弁の制御特性を適正
化することができる。
【0011】
【実施例】以下本発明について、図1乃至図6に示す一
実施例にもとづき説明する。
【0012】図1は斜板型可変容量圧縮機全体の概略構
成を示すものである。図1中で、1は圧縮機本体である
。この圧縮機本体1はアルミニウム合金製のフロントハ
ウジング2、フロントサイドプレート3、吸入弁4、フ
ロントシリンダブロック5、リアシリンダブロック6、
吸入弁7、リアサイドプレート8及びリアハウジング9
がスルーボルト10によって一体的に固定して構成され
ている。
【0013】圧縮機本体1の中心軸部には図示しない自
動車走行用エンジンの駆動力を受けて回転するシャフト
11が回転自在に軸支されている。さらに、シリンダブ
ロック5,6にはシャフト11の周囲に例えば5つのシ
リンダ12…が形成されており、これらシリンダ12…
は互いに平行になるように配置されている。
【0014】また、シャフト11の略中央部分には平板
部13が形成されている。この平板部13のリア側には
スリ−ブ状のスライダ14がシャフト11の外周に軸方
向に移動自在に装着されている。
【0015】このスライダ14の前端部には球状の支持
部材15が一体的に形成されている。この支持部材15
の外周には円板状の斜板16の中心部分が傾動自在に取
付けられている。さらに、この斜板16の外周縁部分に
はシリンダ12…室内の各ピストン17がそれぞれ球状
のシュ−18を介して連結されている。この場合、ピス
トン17には一対のピストン本体部17a,17bとこ
れらのピストン本体部17a,17b間に配設された連
結ロッド部17cとが設けられており、この連結ロッド
部17cにシュ−18を介して斜板16の外周縁部分に
連結される連結部が形成されている。
【0016】さらに、斜板16にはシャフト11の平板
部13に連結される連結部19が設けられている。そし
て、斜板16はこの連結部19がシャフト11の平板部
13に連結された状態でシャフト11と一体的に回転駆
動されるようになっており、この斜板16の回転にとも
ないその周縁部位が揺動され、各ピストン17がそれぞ
れシリンダ12室内で往復運動されるようになっている
。この場合、各ピストン17の往復運動のストロ−クは
斜板16の傾斜角度で決定される。
【0017】また、シャフト11のフロント側はフロン
トラジアル軸受け20a、スラストベアリング20bに
よってフロントシリンダブロック5に回転自在に支持さ
れている。さらに、このシャフト11のリア側は傾斜角
度調整機構Aを構成するスライダ14を介してリアラジ
アル軸受け21aによってスプ−ル22に回転自在に支
持されている。この場合、スプ−ル22とスライダ14
との間はスラストベアリング21bを介して連結されて
いる。
【0018】また、スプ−ル22のリア側にはピストン
23が一体的に形成されている。このピストン23はリ
アハウジング9に形成されたシリンダ24内に挿入され
た状態で装着されている。そして、このシリンダ24内
にピストン23で区画される制御圧室25が形成される
。さらに、このシリンダ24内の制御圧室25の圧力に
よってスプ−ル22がフロント方向に押され、その圧力
量に応じた位置にスプ−ル22が移動されるようになっ
ており、斜板16の傾動中心位置がシャフト11の軸方
向に沿って移動されるようになっている。なお、スプー
ル22はリアシリンダブロック6に形成した円筒部6a
内で軸方向へ摺動可能となるように配置されている。
【0019】また、シャフト11の平板部13には長溝
26が設けられている。さらに、斜板16にはこの長溝
26内に挿入されるピン27が一体的に設けられている
。したがって、斜板16の傾動中心位置がシャフト11
の軸方向に沿って変化することにより、斜板16の傾斜
角度が変化し、各ピストン17の往復運動のストロ−ク
が調整されるようになっている。すなわち、制御圧室2
5の制御圧によって斜板16の傾斜角度が可変制御され
、各シリンダ12内に形成される各ピストン17の両側
の第1および第2の作動室28、29の容積が変化され
て圧縮容量が可変されるようになっている。
【0020】さらに、フロントハウジング2には各シリ
ンダ12との対向部位に吐出室30および吸入室31が
それぞれ形成され、リアハウジング9にも同様に各シリ
ンダ12との対向部位に吐出室32および吸入室33が
それぞれ形成されている。
【0021】また、フロントサイドプレート3には各シ
リンダ12の第1の作動室28と吐出室30および吸入
室31との間を連通する吐出口34、吸入口35がそれ
ぞれ形成されている。同様に、リアサイドプレート8に
も各シリンダ12の第2の作動室29と吐出室32およ
び吸入室33との間を連通する吐出口36、吸入口37
がそれぞれ形成されている。そして、フロントサイドプ
レート3の吐出口34、リアサイドプレート8の吐出口
36は吐出弁38、39によってそれぞれ開閉される。 さらに、フロントサイドプレート3の吸入口35、リア
サイドプレート8の吸入口37は吸入弁4、7によって
それぞれ開閉される。
【0022】フロント側の吐出室30はシリンダブロッ
ク5に形成された図示しない吐出通路を介して吐出ポー
トに導かれている。また、リア側の吐出室32はシリン
ダブロック6に形成された図示しない吐出通路より吐出
ポートに導かれている。
【0023】これらフロント側の吐出ポートとリア側の
吐出ポートとは外部配管によって相互に連通されるため
、フロント側の吐出室30内の圧力とリア側の吐出室3
2内の圧力とは同一圧力になる。
【0024】また、フロント側の吸入室31は吸入通路
40により圧縮機本体1の中央部に形成された吸入空間
41に導かれ、同様にリア側の吸入室33も吸入通路4
2により吸入空間41に導かれている。
【0025】一方、圧縮機本体1のリアハウジング9に
は制御圧室25内の圧力を制御する制御弁50が取付け
られている。この制御弁50には図2(A),(B),
(C)に示すように制御弁ハウジング51内にその中心
軸方向に沿って第1のダイヤフラム室52,ボ−ル弁室
(第4の圧力室)53,第2のダイヤフラム室54がそ
れぞれ形成されている。この場合、第1のダイヤフラム
室52とボ−ル弁室53との間、およびボ−ル弁室53
と第2のダイヤフラム室54との間は制御弁ハウジング
51の中心軸上に形成された連通路55,56を介して
それぞれ連結されている。
【0026】また、第1のダイヤフラム室52には室内
を第1の圧力室57と大気圧室(大気圧導入部)58と
に仕切る第1のダイヤフラム59が配設されている。こ
の場合、第1の圧力室57は連結通路60を介して圧縮
機本体1の吸入室33(吸入路)に連結されている。さ
らに、大気圧室58は制御弁ハウジング51の一端部に
形成されたねじ穴61に螺着される調整ナット62の中
心孔63を介して大気開放されている。そして、第1の
ダイヤフラム59は第1の圧力室57と大気圧室58と
の間の差圧に応じて変位するようになっている。
【0027】また、第2のダイヤフラム室54には室内
を第2の圧力室64と第3の圧力室65とに仕切る第2
のダイヤフラム66が配設されている。この場合、第2
の圧力室64は連結通路67を介して圧縮機本体1の吐
出室32(吐出路)に連結されている。さらに、第3の
圧力室65は連結通路68を介して圧縮機本体1の吸入
室33(吸入路)に連結されている。そして、第2のダ
イヤフラム66は第2の圧力室64と第3の圧力室65
との間の差圧に応じて変位するようになっている。
【0028】また、ボ−ル弁室53内にはこのボ−ル弁
室53の室内と第1の圧力室57との間の連通路55お
よびこのボ−ル弁室53の室内と第2の圧力室64との
間の連通路56を開閉操作するボ−ル弁(制御弁体)6
9が配設されている。この場合、ボ−ル弁室53は連結
通路70を介して圧縮機本体1の制御圧室25に連結さ
れている。
【0029】さらに、ボ−ル弁69は第1のダイヤフラ
ム59の中心部位に基端部が固定された第1の作動部材
71の先端部に溶接されて固定されている。そして、第
1のダイヤフラム59の変位に応じてこの第1の作動部
材71によってボ−ル弁69を図2(A)に示すように
ボ−ル弁室53内と第1の圧力室57との間の連通路5
5を閉塞する位置と図2(B)に示すようにボ−ル弁室
53内と第2の圧力室64との間の連通路56を閉塞す
る位置との間で一体的に変位させるようになっている。
【0030】また、第2のダイヤフラム66の中心部位
には第2の作動部材72の基端部が固定されている。こ
の第2の作動部材72の先端部はボ−ル弁69の方向に
向けて延出され、連通路56内に挿入されている。そし
て、この第2の作動部材72は第2のダイヤフラム66
と一体的に変位し、圧縮機本体1の吸入圧力と吐出圧力
との差が小さい場合に図2(C)に示すようにボ−ル弁
室53内と第2の圧力室64との間の連通路56を開放
する方向(図2中で下方向)にボ−ル弁69を移動する
ようになっている。
【0031】なお、制御弁ハウジング51には第3の圧
力室65側の端部に第2のダイヤフラム66の作動条件
を調整する調整ねじ(作動条件調整部材)73が螺着さ
れている。この調整ねじ73の先端は第3の圧力室65
内に挿入されている。さらに、第3の圧力室65内には
この調整ねじ73の先端面と第2のダイヤフラム66の
中心部位との間にコイルスプリング74が配置され、第
2の圧力室64内には第2の作動部材72の基端部と連
通路56の周縁部位との間にコイルスプリング75が配
置されている。ここで、コイルスプリング74、75は
圧縮ばねによって形成されており、調整ねじ73のねじ
込み量に応じて第2のダイヤフラム66の作動条件を適
宜設定できるようになっている。
【0032】また、大気圧室58内には調整ナット62
と第1のダイヤフラム59の中心部位との間にコイルス
プリング76が配置され、第1の圧力室57内には第1
の作動部材71の基端部と連通路55の周縁部位との間
にコイルスプリング77が配置されている。ここで、コ
イルスプリング76、77は圧縮ばねによって形成され
ており、調整ナット62のねじ込み量に応じて第1のダ
イヤフラム59の作動条件を適宜設定できるようになっ
ている。
【0033】なお、調整ねじ73における制御弁ハウジ
ング51側のねじ挿入孔内への挿入部外周面にはOリン
グ装着溝が形成されており、第3の圧力室65の内部の
圧力ガスが外部側に漏れることを防止するOリング78
がこのOリング装着溝内に嵌着されている。上記構成に
よる圧縮機の作動について述べる。
【0034】まず、自動車用空調装置の使用時には図示
しない電磁クラッチが接続され、圧縮機本体1のシャフ
ト11にエンジンからの駆動力が伝えられると圧縮機は
起動する。
【0035】起動時には圧縮機本体1の内部で圧力が均
衡しているため、制御圧室25内におけるピストン23
の前後で圧力差がなくなっている。すなわち、起動時に
おいては支持部材15を介して斜板16を傾斜させる方
向に荷重が加わっていない。このような状態でシャフト
11が回転を開始すると、斜板16がシャフト11と一
体的に回転駆動され、この斜板16の回転にともないそ
の周縁部位が揺動されて各ピストン17がそれぞれシリ
ンダ12室内で往復運動される。このピストン17の往
復移動にともない作動室28,29内で冷媒の吸入、圧
縮、吐出が行われる。
【0036】また、圧縮機本体1の運転中は制御弁50
によって圧縮機本体1の制御圧室25の圧力が制御され
る。そして、制御圧室25の圧力によってスプ−ル22
がフロント方向に押され、その圧力量に応じた位置にス
プ−ル22が移動されて斜板16の傾動中心位置がシャ
フト11の軸方向に沿って移動される。このように斜板
16の傾動中心位置がシャフト11の軸方向に沿って変
化することにより、斜板16の傾斜角度が変化し、各ピ
ストン17の往復運動のストロ−クが調整される。すな
わち、制御圧室25の制御圧によって斜板16の傾斜角
度が可変制御され、各シリンダ12内に形成される各ピ
ストン17の両側の第1および第2の作動室28、29
の容積が変化されて圧縮容量が可変される。
【0037】この場合、斜板型可変容量圧縮機では、制
御圧室25の圧力を冷凍サイクルの熱負荷に応じて変化
させ、常に、サイクル上最適な吐出容量に変化させるよ
うに制御している。このときの圧縮機本体1の吐出容量
と制御弁50の制御圧力Pcとの関係を示す制御特性は
図3に示す様にほぼリニアな特性となっている。従って
、図2(A)の様にボール弁69がボ−ル弁室53内と
第1の圧力室57(内部圧力がPs1)との間の連通路
55を閉塞する状態に接触シールした場合はボ−ル弁室
53内の圧力Pc が第2の圧力室64内の圧力Pd 
と等しく(Pc =Pd)なり、この状態で、100%
容量となる。
【0038】そして、ボール弁69が図2(A)中で上
方に移動するに従い、第1の圧力室57内とボ−ル弁室
53内との間が連通する。このとき、ボ−ル弁室53と
第2の圧力室64との間の連通路56が徐々に絞られる
ので、ボ−ル弁室53内の圧力Pc はPd とPs 
との間の中間となる。
【0039】図4は図2(A)に示すように圧縮機本体
1の吐出容量が100%(Pc =Pd )の状態を基
準(0)としてこの基準位置からのボール弁69の上方
への移動(変位)量δとボ−ル弁室53内の制御圧力P
c との関係を示す。ここで、δmax はボール弁6
9がボ−ル弁室53内と第2の圧力室64との間の連通
路56を閉塞する状態に接触・シールした時の移動量を
示す。
【0040】従って、このボール弁69の移動量を制御
する事により、圧縮機本体1の吐出容量を制御できるこ
とがわかる。すなわち、この実施例ではボール弁69の
移動量は冷凍サイクルの熱負荷に応じて、最適にマッチ
ングするように次のように制御される。
【0041】まず、調整ナット62のねじ込み量に応じ
てコイルスプリング76の圧縮力を調整する。このとき
、調整ナット62のねじ込み量は高熱負荷時(つまり、
吐出圧力Pd が高く、例えばPd =15kg/cm
2 G 程度で、吸入圧力Ps が例えば1.5kg/
cm2 G 以下で、ボール弁69が、移動し始める様
に第1のダイヤフラム59の作動条件を設定してある。
【0042】また、コイルスプリング76、77のバネ
定数は同じ吐出圧力Pd の状態で吸入圧力Ps が、
例えば0.2 kg/cm2 (サイクル要求値)の幅
で、ボール弁69が最大変位位置δmaxまで移動する
様に設定してある。
【0043】次に、調整ねじ73のねじ込み量に応じて
コイルスプリング74の圧縮力を調整する。このとき、
調整ねじ73のねじ込み量は低熱負荷時(つまり吐出圧
力Pd が比較的低い、例えばPd =9kg/cm2
 G 程度)に吸入圧力Ps が例えば2.0kg/c
m2 G 程度で、ボール弁69に第2の作動部材72
の先端が接触する様に第2のダイヤフラム64の作動条
件を設定してある。さらに、コイルスプリング74、7
5のバネ定数は同じ吐出圧力Pd の状態で吸入圧力P
s が、例えば0.2 kg/cm2 の幅で、第2の
作動部材72が図2(C)に示す最大変位位置δmax
 まで移動する様に設定してある。
【0044】図5は制御弁50を上記のように設定した
場合の制御圧室25内の圧力の制御特性を示すものであ
る。この図5中で、実線で囲まれたハッチング領域が、
圧縮機本体1の吐出容量可変時における吐出圧力Pd 
と吸入圧力Ps との制御特性領域となる。
【0045】以下、その理由を具体的に説明する。まず
、高熱負荷時(例えば吐出圧力PdがPd ≧9kg/
cm2 )にはボール弁69は第1の作動部材71と一
体に動く為、図5中で、実線δ=0より上の領域ではボ
ール弁69は変位しない。このとき、第2の作動部材7
2がボール弁69の変位に影響することはないので、図
5中のPd ≧9kg/cm2 G の領域における制
御弁50による吐出容量の制御特性は後掲する表1の式
(1)に示すようになる。
【0046】
【表1】
【0047】なお、Dはボール弁69の弁口径、A1 
は第1のダイヤフラム59の有効径、F1 はδ=0の
時のコイルスプリング76、77の合成力、F1 ′は
δ=δmaxの時のコイルスプリング76、77の合成
力である。また、図2(B)はPd ≧9kg/cm2
 G の時のδ=δmax 時の状態を示す。
【0048】次に、図5中の吐出圧力Pd が9kg/
cm2 以下の領域では第2の作動部材72がボール弁
69に接触し、ボール弁69を図2(A)中で下方に押
圧する押圧力が作用する。その時の制御弁50による吐
出容量の制御特性は後掲する表2の式(2)に示すよう
になる。
【0049】
【表2】
【0050】なお、A2 は第2のダイヤフラム66の
有効径、F2 はδ=0の時のコイルスプリング74、
75の合成力、F2 ′はδ=δmax の時のコイル
スプリング74、75の合成力である。また、図2(C
)は0<δ<δmax 時の状態を示す。特に、第2の
ダイヤフラム66の有効径をボール弁69の弁口径Dと
同程度に設定した場合には第5図のようになる。
【0051】そこで、上記構成のものにあっては制御弁
50の調整ナット62および調整ねじ73のねじ込み量
を適宜調整することにより、制御弁50のボール弁69
の移動量を冷凍サイクルの熱負荷に応じて最適にマッチ
ングさせることができるので、圧縮機の吸入圧力Ps 
を図6中の斜線部に狭まれた領域(冷房能力不足領域と
冷房能力過剰領域との間の領域)内で安定させることが
できる。そのため、高熱負荷時冷房能力を損なうことな
く、低熱負荷時の除湿能力を確保することができるとと
もに、使用頻度の高い、中・高熱負荷時には高回転にお
いても蒸発器が全く霜付きしない、つまり、冷凍サイク
ルのシステム要求に対し、制御特性を適正化することが
できる。なお、本発明は上記実施例に制約されるもので
はなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形実施
可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧縮機は、
高熱負荷時冷房能力を損なうことなく、かつ、低熱負荷
時に除湿能力を確保し、さらに使用頻度の高い、中・高
熱負荷時には高回転においてもエバポレータが全く霜付
きしない、つまり、システム要求に対し、制御特性を適
正化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧縮機全体の概略構成を示
す縦断面図。
【図2】制御弁を示すもので、(A)は第4の圧力室内
と第1の圧力室との間の連通路の閉塞状態を示す縦断面
図、(B)は第4の圧力室内と第2の圧力室との間の連
通路の閉塞状態を示す縦断面図、(C)は第2の作動棒
によって第4の圧力室内と第2の圧力室との間の連通路
を開放する方向に制御弁体が移動操作された状態を示す
縦断面図。
【図3】圧縮機本体の吐出容量と制御弁の制御圧力との
関係を示す特性図。
【図4】ボ−ル弁の変位と制御弁の制御圧力との関係を
示す特性図。
【図5】圧縮機本体の吐出圧力と吸入圧力との関係を示
す特性図。
【図6】圧縮機本体の制御特性を示す特性図。
【図7】従来例を示す制御弁の縦断面図。
【図8】従来の圧縮機本体の制御特性を示す特性図。
【符号の説明】
1…圧縮機本体,5,6…シリンダブロック,11…シ
ャフト,12…シリンダ,15…支持部材,16…斜板
,17…ピストン,A…傾斜角度調整機構,25…制御
圧室,50…制御弁,53…ボ−ル弁室(第4の圧力室
),55,56…連通路,57…第1の圧力室,58…
大気圧室(大気圧導入部),62…調整ナット(作動条
件調整部材),59…第1のダイヤフラム,64…第2
の圧力室,65…第3の圧力室,66…第2のダイヤフ
ラム,69…ボ−ル弁(制御弁体),71…第1の作動
部材,72…第2の作動部材,73…調整ねじ(作動条
件調整部材)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シリンダブロック内に回転自在に支持
    されたシャフトと一体的に回転される斜板と、この斜板
    の回転時の揺動運動を受けて前記シリンダブロックのシ
    リンダ室内のピストンを前記シリンダ室内で往復移動さ
    せ、このピストンの往復運動にともない前記シリンダ室
    内における前記ピストンの両側の作動室への流体の吸入
    、圧縮、吐出を行なわせる圧縮機本体と、前記シャフト
    と同軸上に軸方向に変位可能に配設され、軸方向の変位
    にともない前記斜板をその傾斜角度を変化可能に支持す
    る支持部と、容量制御用の制御圧が導入される制御圧室
    を備え、この制御圧室内の制御圧に応じて前記支持部を
    前記シャフトの軸方向に変位させて前記斜板の傾斜角度
    を変化させる傾斜角度調整機構と、前記制御圧室内の圧
    力を制御する制御弁とを具備し、前記制御弁は前記圧縮
    機本体の吸入路に連結される第1の圧力室と大気圧導入
    部との間の差圧に応じて変位する第1のダイヤフラムと
    、前記圧縮機本体の吐出路に連結される第2の圧力室と
    前記圧縮機本体の吸入路に連結される第3の圧力室との
    間の差圧に応じて変位する第2のダイヤフラムと、前記
    圧縮機本体の制御圧室に連結される第4の圧力室内に配
    設され、この第4の圧力室内と前記第1の圧力室との間
    の連通路およびこの第4の圧力室内と前記第2の圧力室
    との間の連通路を開閉操作する制御弁体と、前記第1の
    ダイヤフラムの変位に応じて前記制御弁体を前記第4の
    圧力室内と前記第1の圧力室との間の連通路を閉塞する
    位置と前記第4の圧力室内と前記第2の圧力室との間の
    連通路を閉塞する位置との間で一体的に変位させる第1
    の作動部材と、前記第2のダイヤフラムと一体的に変位
    し、前記圧縮機本体の吸入圧力と吐出圧力との差が小さ
    い場合に前記第4の圧力室内と前記第2の圧力室との間
    の連通路を開放する方向に前記制御弁体を移動する第2
    の作動部材と、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2
    のダイヤフラムの作動条件をそれぞれ調整する作動条件
    調整部材とを有することを特徴とする斜板型可変容量圧
    縮機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1014016A3 (en) * 1998-12-21 2002-01-16 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Air conditioning systems

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1014016A3 (en) * 1998-12-21 2002-01-16 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Air conditioning systems

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