JPH04292543A - エンジンの燃料分割噴射方法 - Google Patents

エンジンの燃料分割噴射方法

Info

Publication number
JPH04292543A
JPH04292543A JP8071191A JP8071191A JPH04292543A JP H04292543 A JPH04292543 A JP H04292543A JP 8071191 A JP8071191 A JP 8071191A JP 8071191 A JP8071191 A JP 8071191A JP H04292543 A JPH04292543 A JP H04292543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
fuel
amount
crank phase
specific crank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8071191A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuro Kojima
淳良 小島
Isatada Fujiwara
藤原 功督
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP8071191A priority Critical patent/JPH04292543A/ja
Publication of JPH04292543A publication Critical patent/JPH04292543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開弁時間に応じた量の
燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁を気筒の吸気弁近傍の
吸気通路に設けたエンジンにおいて、その電磁式燃料噴
射弁から燃料を分割して噴射するためのエンジンの燃料
分割噴射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁式燃料噴射弁(インジェ
クタ)を有するエンジンでは、所定のクランク位相間の
吸入空気量を繰り返し検出し、この検出吸入空気量情報
から一吸気行程で気筒に吸入される空気量に対応する燃
料噴射量を繰り返し求め、その結果に基づいてインジェ
クタを作動させることにより、燃料の供給を行なってい
る。
【0003】そして、この場合、図18に示すように、
吸気行程前の排気行程における例えばBTDC75°の
特定クランク位相において、インジェクタを駆動させる
ことにより、燃料を噴射している。
【0004】なお、この場合の燃料噴射量は、エンジン
の運転状態に基づいて所望の空燃比となるように決定さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエンジンの燃料噴射手段では、燃料噴射時点
から吸気弁オープン時点までの時間が短く、これにより
燃料(ガソリン)の気化を行ないにくい。
【0006】また、高回転,高負荷域においては、イン
ジェクタ駆動時間が長くなるため、燃料が粒子のまま気
筒(シリンダ)内に流入してしまうため、燃焼が悪く、
排ガスやドライバビリティを悪化させるおそれがある。
【0007】そこで、排ガス性能向上のため、噴射タイ
ミングを更に前にずらして爆発行程中とすることも提案
されているが、これでは、空気量計測タイミングが吸気
弁オープンのはるか以前となり、これにより計測空気量
と実際の空気量とのずれが大きくなるおそれがある。し
たがって、この場合は、加速補正量を大きくせざるをえ
ず、却って排ガスを悪化させる場合もある。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、吸気行程間において燃料の噴射を少なくとも
2回に分割して行なうようにした、エンジンの燃料分割
噴射方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のエン
ジンの燃料分割噴射方法は、開弁時間に応じた量の燃料
を噴射する電磁式燃料噴射弁を気筒の吸気弁近傍の吸気
通路に設けたエンジンにおいて、所定のクランク位相間
の吸入空気量を繰り返し検出する第1の手段と、この検
出吸入空気量情報から一吸気行程で気筒に吸入される空
気量に対応する燃料噴射量を繰り返し求める第2の手段
と、該第2の手段の出力に基づいて該電磁式燃料噴射弁
を作動させる第3の手段とをそなえ、気筒の吸気行程ま
たはその直前の排気行程中に設定される第1の特定クラ
ンク位相に先行するクランク位相であって前回の吸気行
程にかかる吸気弁閉塞後に設定される第2の特定クラン
ク位相において、その時点で最新の燃料噴射量から所定
量減じた先行噴射量の燃料を前噴射するとともに、該第
1の特定クランク位相において、その時点の最新の燃料
噴射量とその直前の前噴射における先行噴射量の基礎と
なる燃料噴射量との差に該所定量を加えた後行噴射量の
燃料を後噴射することを特徴としている(請求項1)。
【0010】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法は、請求項1記載の方法において、該先行噴射量また
はその基礎となる燃料噴射量が、所望の設定値より小さ
い場合は、該前噴射を行なわずに、該第1の特定クラン
ク位相において、その時点の最新の燃料噴射量の燃料を
噴射することを特徴としている(請求項2)。
【0011】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法は、請求項1記載の方法において、該先行噴射量ま
たはその基礎となる燃料噴射量が、所望の設定値より大
きい場合は、該前噴射を行なわずに、該第1の特定クラ
ンク位相において、その時点の最新の燃料噴射量の燃料
を噴射することを特徴としている(請求項3)。
【0012】この請求項3の場合、該設定値がエンジン
回転数に応じて変化するように設定されることが望まし
い(請求項4)。
【0013】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法は、請求項1記載の方法において、該先行噴射量また
はその基礎となる燃料噴射量が、該第2の特定クランク
位相から該第1の特定クランク位相までの経過時間に相
関する所望の設定量より大きい場合は、該第2の特定ク
ランク位相において、該設定量またはそれ以下の特定量
を前噴射するとともに、該第1の特定クランク位相にお
いて、その時点の最新の燃料噴射量から該設定量または
それ以下の特定量を減じた量の燃料を後噴射し、該前噴
射が該第1の特定クランク位相より前に終了するように
構成したことを特徴としている(請求項5)。
【0014】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法は、請求項1記載の方法において、該前噴射が該第
1の特定クランク位相の近傍で終了するときは、該後噴
射を、該第1の特定クランク位相に代えて、該前噴射の
終了から所定時間経過した時点で行なうことを特徴とし
ている(請求項6)。
【0015】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法は、請求項1記載の方法において、該前噴射の終了時
期が該第1の特定クランク位相以降となるときは、該後
噴射に代えて、該前噴射を継続するとともに、その終了
時期を該第1の特定クランク位相における最新の噴射燃
料量に応じて修正することを特徴としている(請求項7
)。
【0016】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法は、請求項1記載の方法において、該エンジンが、
各吸気ポートに電磁式燃料噴射弁を有する多気筒エンジ
ンとして構成されるとともに、該エンジンの各気筒が所
定のクランク位相になると順次燃料噴射を行なうもので
あって、ある気筒での前噴射にかかる該第2の特定クラ
ンク位相が他の気筒での後噴射にかかる該第1の特定ク
ランク位相と一致していることを特徴としている(請求
項8)。
【0017】
【作用】上述の本発明のエンジンの燃料分割噴射方法(
請求項1)では、第2の特定クランク位相において、そ
の時点で最新の燃料噴射量から所定量減じた先行噴射量
の燃料を前噴射するとともに、第1の特定クランク位相
において、その時点の最新の燃料噴射量とその直前の前
噴射における先行噴射量の基礎となる燃料噴射量との差
に該所定量を加えた後行噴射量の燃料を後噴射する。
【0018】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項2)では、先行噴射量またはその基礎となる
燃料噴射量が、所望の設定値より小さい場合は、前噴射
を行なわずに、第1の特定クランク位相において、その
時点の最新の燃料噴射量の燃料を噴射する。
【0019】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法(請求項3)では、先行噴射量またはその基礎とな
る燃料噴射量が、所望の設定値より大きい場合は、前噴
射を行なわずに、第1の特定クランク位相において、そ
の時点の最新の燃料噴射量の燃料を噴射する。
【0020】そして、この請求項3の場合、該設定値が
エンジン回転数に応じて変化するように設定される(請
求項4)。
【0021】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項5)では、先行噴射量またはその基礎となる
燃料噴射量が、第2の特定クランク位相から第1の特定
クランク位相までの経過時間に相関する所望の設定量よ
り大きい場合は、第2の特定クランク位相において、こ
の設定量またはそれ以下の特定量を前噴射するとともに
、第1の特定クランク位相において、その時点の最新の
燃料噴射量から設定量またはそれ以下の特定量を減じた
量の燃料を後噴射し、前噴射が第1の特定クランク位相
より前に終了する。
【0022】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法(請求項6)では、前噴射が第1の特定クランク位
相の近傍で終了するときは、後噴射を、第1の特定クラ
ンク位相に代えて、前噴射の終了から所定時間経過した
時点で行なう。
【0023】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項7)では、前噴射の終了時期が第1の特定ク
ランク位相以降となるときは、後噴射に代えて、前噴射
を継続するとともに、その終了時期を該第1の特定クラ
ンク位相における最新の噴射燃料量に応じて修正する。
【0024】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法(請求項8)では、各気筒が所定のクランク位相に
なると順次燃料噴射を行なうが、その際、ある気筒が第
2の特定クランク位相で前噴射を行なうと、そのとき他
の気筒は第1の特定クランク位相となっていて、この第
1の特定クランク位相で後噴射を行なう。
【0025】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明する。
【0026】(a)第1実施例の説明 図1〜図7は本発明の第1実施例としてのエンジンの燃
料分割噴射方法を説明するもので、図1はその制御系の
ブロック図、図2はその制御ハードブロック図、図3は
本方法を適用されるエンジンシステムの全体構成図、図
4,図5はそのインジェクタ駆動ルーチンを説明するフ
ローチャート、図6はその作用説明図、図7はその燃料
分割噴射タイミングを説明する図である。
【0027】さて、本方法を実施するためのエンジンシ
ステムは、図3のようになるが、この図3において、エ
ンジン(内燃機関)EGはその燃焼室1に通じる吸気通
路2および排気通路3を有しており、吸気通路2と燃焼
室1とは吸気弁4によって連通制御されるとともに、排
気通路3と燃焼室1とは排気弁5によって連通制御され
るようになっている。
【0028】また、吸気通路2には、上流側から順にエ
アクリ−ナ6,スロットル弁7および電磁式燃料噴射弁
(インジェクタ)8が設けられており、排気通路3には
、その上流側から順に排ガス浄化用の触媒コンバ−タ(
三元触媒)9および図示しないマフラ (消音器)が設
けられている。なお、吸気通路2には、サージタンク2
aが設けられている。
【0029】さらに、インジェクタ8は吸気マニホルド
部分に気筒数だけ設けられている。今、本実施例のエン
ジンEGが直列4気筒エンジンであるとすると、インジ
ェクタ8は4個設けられていることになる。即ちいわゆ
るマルチポイント燃料噴射(MPI)方式の多気筒エン
ジンであるということができる。
【0030】また、スロットル弁7はワイヤケ−ブルを
介してアクセルペダルに連結されており、これによりア
クセルペダルの踏込み量に応じて開度が変わるようにな
っているが、更にアイドルスピ−ドコントロ−ル用モ−
タ(ISCモ−タ)によっても開閉駆動されるようにな
っており、これによりアイドリング時にアクセルペダル
を踏まなくても、スロットル弁7の開度を変えることが
できるようにもなっている。
【0031】このような構成により、スロットル弁7の
開度に応じエアクリ−ナ6を通じて吸入された空気が吸
気マニホルド部分でインジェクタ8からの燃料と適宜の
空燃比となるように混合され、燃焼室1内で点火プラグ
35を適宜のタイミングで点火させることにより、燃焼
せしめられて、エンジントルクを発生させたのち、混合
気は、排ガスとして排気通路3へ排出され、触媒コンバ
−タ9で排ガス中のCO,HC,NOxの3つの有害成
分を浄化されてから、マフラで消音されて大気側へ放出
されるようになっている。
【0032】さらに、このエンジンEGを制御するため
に、種々のセンサが設けられている。まず吸気通路2側
には、そのエアクリ−ナ配設部分に、吸入空気量をカル
マン渦情報から検出するエアフロ−センサ11,吸入空
気温度を検出する吸気温センサ12および大気圧を検出
する大気圧センサ13が設けられており、そのスロット
ル弁配設部分に、スロットル弁7の開度を検出するポテ
ンショメ−タ式のスロットルセンサ14,アイドリング
状態を検出するアイドルスイッチ15等が設けられてい
る。
【0033】また、排気通路3側には、触媒コンバ−タ
9の上流側部分に、排ガス中の酸素濃度(O2 濃度)
を検出する酸素濃度センサ17(以下、単にO2 セン
サ17という)が設けられている。
【0034】なお、キャニスタ10はパージコントロー
ルソレノイドバルブ16を介して吸気通路2に接続され
ており、これにより、キャニスタ10内の蒸散燃料をパ
ージコントロールソレノイドバルブ16を介して吸気通
路2へ放出することができるようになっている。
【0035】さらに、その他のセンサとして、エンジン
冷却水温を検出する水温センサ19や図1に示すごとく
、クランク角度を検出するクランク角センサ21(この
クランク角センサ21はエンジン回転数を検出する回転
数センサも兼ねている)および第1気筒(基準気筒)の
上死点を検出するTDCセンサ(気筒判別センサ)22
がそれぞれディストリビュ−タに設けられている。
【0036】そして、これらのセンサからの検出信号は
、電子制御ユニット(ECU)23へ入力されるように
なっている。
【0037】なお、ECU23へは、バッテリの電圧を
検出するバッテリセンサ25からの電圧信号や始動時を
検出するクランキングスイッチ20あるいはイグニッシ
ョンスイッチ(キ−スイッチ)からの信号も入力される
ようになっている。
【0038】ところで、ECU23のハ−ドウエア構成
は図1のようになるが、このECU23はその主要部と
してCPU27をそなえており、このCPU27へは、
吸気温センサ12,大気圧センサ13,スロットルセン
サ14,O2センサ17,水温センサ19およびバッテ
リセンサ25からの検出信号が入力インタフェイス28
およびA/Dコンバ−タ30を介して入力されるととも
に、エアフロ−センサ11,クランク角センサ21,T
DCセンサ22,アイドルスイッチ15,クランキング
スイッチ20,イグニッションスイッチ等からの検出信
号が入力インタフェイス29を介して入力されようにな
っている。
【0039】さらに、CPU27は、バスラインを介し
て、プログラムデ−タや固定値デ−タを記憶するROM
31,更新して順次書き替えられるRAM32,フリー
ランニングカウンタ48およびバッテリが接続されてい
る間はその記憶内容が保持されることによってバックア
ップされたバッテリバックアップRAM(図示せず)と
の間でデ−タの授受を行なうようになっている。
【0040】なお、RAM32内デ−タはイグニッショ
ンスイッチをオフすると消えてリセットされるようにな
っている。
【0041】また、CPU27で演算結果に基づく燃料
噴射制御信号は、4つの噴射ドライバ34を介して、イ
ンジェクタ8のソレノイド(インジェクタソレノイド)
8a(正確には、図2に示すようにインジェクタソレノ
イド8a用のトランジスタ8b)へ出力されるようにな
っている。
【0042】なお、このCPU27は、パージ制御信号
をパージコントロールソレノイドバルブ16のパージソ
レノイド16aへ出力するようにもなっている。
【0043】さらに、このECU23を詳細に示すと、
図2のようになる。すなわち、このECU23は、この
図2に示すように、CPU27,ROM31,RAM3
2および複数のポ−ト46を有するマイクロコンピユ−
タをそなえて構成されるとともに、気筒判別用外部レジ
スタ(フリップフロップ)47,フリ−ランニングカウ
ンタ48,レジスタ49〜52,比較器53〜56およ
びRSフリップフロップ57〜60等により構成されて
いる。
【0044】また、エアフローセンサ11の出力信号は
CPU27の割込端子INT2に入力され、クランク角
センサ21からのクランク位相信号は入力インタフェイ
スとしての波形整形回路で矩形波に整形されてCPU2
7の割込端子INT1に入力される。
【0045】さらに、気筒判別センサ22からの気筒判
別信号は入力インタフェイスとしての波形整形回路で矩
形波に整形されてレジスタ47に入力され、吸気温セン
サ13,大気圧センサ13,O2 センサ17,水温セ
ンサ19等からの信号は入力インタフェイスとしてのレ
ベル調整回路で適当なレベルに調整されてアナログ/デ
ジタルコンバータ30によりアナログ/デジタル変換さ
れて、ポ−ト46に入力されるようになっている。
【0046】また、インジェクタ8は弁体開閉用インジ
ェクタソレノイド8aへの直流電源(バッテリ)による
給電がスイッチングトランジスタ8bによりオンオフ制
御されて開閉するようになっている。
【0047】今、燃料噴射制御(空燃比制御)に着目す
ると、CPU27からは後述の手法で演算された燃料噴
射用制御信号がドライバ34を介して出力され、例えば
4つのインジェクタ8を順次駆動させてゆくようになっ
ている。
【0048】そして、かかる燃料噴射制御(インジェク
タ駆動時間制御)のために、このECU23は、まずイ
ンジェクタ8のための基本駆動時間Tbを決定する基本
駆動時間決定手段を有しており、この基本駆動時間決定
手段はエアフロ−センサ11からの吸入空気量A情報と
クランク角センサ21からのエンジン回転数N情報とか
らエンジン1回転あたりの吸入空気量A/N情報(以下
では、ANということがある)を求め、この情報に基づ
き基本駆動時間Tbを決定するものである。
【0049】また、水温センサ19で検出されたエンジ
ン冷却水温,吸気温センサ12で検出された吸気温,大
気圧センサ13で検出された大気圧等に応じた補正係数
Kを設定する補正手段が設けられており、更にはバッテ
リ電圧に応じて駆動時間を補正するためデッドタイム(
無効時間)Tdを設定するデッドタイム補正手段も設け
られている。
【0050】これにより、ECU23は、所定のクラン
ク位相間の吸入空気量を繰り返し検出する第1の手段,
この第1の手段で検出された吸入空気量情報から一吸気
行程で気筒に吸入される空気量に対応する燃料噴射量を
繰り返し求める第2の手段,この第2の手段の出力に基
づいてインジェクタ8を作動させる第3の手段の各機能
を有していることになる。
【0051】ところで、このECU23は、このECU
23で得られる燃料噴射量を、基本的には、各気筒につ
いて、吸気行程間において2回(BTDC255°とB
TDC75°)に分割して噴射するよう、インジェクタ
8の開閉状態を制御するように構成されている。
【0052】ここで、BTDC75°は、気筒の吸気行
程またはその直前の排気行程中に設定される第1の特定
クランク位相で、BTDC255°は、第1の特定クラ
ンク位相としてのBTDC75°に先行するクランク位
相であって前回の吸気行程にかかる吸気弁閉塞後に設定
される第2の特定クランク位相である。
【0053】以下に、この燃料分割噴射方法について、
図4,図5のフローチャートを用いて説明する。
【0054】なお、このフローチャートは、図4と図5
で1つのフローチャートとなるものであり、更にこのフ
ローチャートで示されるインジェクタ駆動ルーチンはB
TDC75°になる毎に出される割込パルスによってト
リガされるものである。
【0055】まず、図4のステップA1で、所定のクラ
ンク位相間(前回の割込パルスと今回の割込パルスとの
間)の吸入空気量(瞬時吸入空気量;ANS)を求め、
更にステップA2で、この値ANSを用いて燃焼室1に
吸い込まれる吸入空気量とエアフローセンサ11で検出
される吸入空気量との間のずれを補正して、この補正吸
入空気量ANを基本駆動時間Tbとし(ステップA3)
、更にこの基本駆動時間Tbと上記の補正係数Kとを掛
けて、この値を最新の燃料噴射量に相当する駆動時間(
爆発行程から排気行程間の空気量により計算された駆動
時間)T1とする(ステップA4)。
【0056】その後は、ステップA5で、BTDC75
°(第1の特定クランク位相)における燃料噴射量相当
駆動時間T75を、Ts+T1−T0+Tdから求める
。ここで、Tsは小さな設定量に相当する駆動時間(例
えばインジェクタ8のオンオフに要する最小時間程度の
駆動時間)、T0は最新の燃料噴射量T1の直前の前噴
射における先行噴射量の基礎となる燃料噴射量に相当す
る駆動時間(圧縮行程から爆発行程間の空気量により計
算された駆動時間)、Tdは無駄時間補正値である。な
お、(T1−T0)は、加速時は正の値をとり、減速時
は負の値をとる。
【0057】さらに、図5に示すステップA6において
、T1が(Tmax+Tso)より大きいかどうかが判
断される。
【0058】ここで、Tmax(設定値)は図6に示す
ようにクランクパルス間隔よりも多少小さくなるように
設定される。したがって、このTmaxはエンジン回転
数に応じて変化するように設定されていることになる。 すなわち、このTmaxは、エンジン回転数が大きくな
ると、クランクパルス間隔が小さくなることから、小さ
くなるように設定される。
【0059】また、Tsoも小さな設定量に相当する駆
動時間(例えばインジェクタ8のオンオフに要する最小
時間程度の駆動時間)である。
【0060】そして、上記のステップA6で、T1が(
Tmax+Tso)以下ならば、ステップA7で、T1
がTminより小さいかどうかが判断される。
【0061】ここで、Tminは開弁時間が短くなると
開弁時間と噴射量のリニアリティがなくなるので、その
点および加減速をも考慮して設定された最小開弁時間判
定用データであり、このTminとTsoとの関係は、
Tso<Tminで、Tso≒Tmin/2程度に設定
される。
【0062】もし、ステップA7で、T1がTmin以
上である場合は、ステップA8で、Ts=Tsoとして
、更にステップA9で、次期作動気筒(今、例えば気筒
#1のBTDC75°の割込でこのフローチャートが作
動しているとした場合は、気筒#3:以下「次期作動気
筒」というときは同じ)のBTDC255°(第2の特
定クランク位相)における燃料噴射量相当駆動時間T2
55を、T0−Ts+Tdから求める。
【0063】なお、ステップA6で、T1が(Tmax
+Tso)より大きい場合やステップA7で、T1がT
minより小さい場合は、ステップA10で、Ts=0
とし、更にステップA11で、T1=0とする。
【0064】さらに、ステップA12においては、気筒
判別信号有かどうかが判定され、もし有れば、カウント
値COUNTを1にする一方(ステップA13)、もし
無ければ、カウント値COUNTを1だけインクリメン
トにする(ステップA14)。これは気筒判別信号が4
回に1回出されることを考慮したために行なわれる処理
である。なお、上記の気筒は直列に配列された端のもの
から順に1,2,3,4とナンバリングしており、この
エンジンの点火順序が第1,3,4,2気筒の順である
ことから、気筒判別信号があると、気筒#1,#3用の
ものがセットされ、気筒判別信号がないと、順次気筒#
3,#4用のもの,気筒#4,#2用のもの,気筒#4
,#1用のものがセットされる。
【0065】そしてその後は、ステップA15で、CO
UNT値i(i=1〜4)に応じてT75のデータを、
BTDC75°の気筒C(i)用のインジェクタドライ
バD(i)にセットする。
【0066】そして、ステップA16で、T1が0かど
うかを判定するが、T1が(Tmax+Tso)以下の
場合またはT1がTmin以上の場合は、ステップA1
7で、COUNT値iに応じてT255のデータを、B
TDC255°の気筒C(i+1)用のインジェクタド
ライバD(i+1)にセットする。但し、i+1が4を
超えると、1にリセットされる。
【0067】このようにセットが終わると、ステップA
18で、インジェクタドライバD(i),D(i+1)
の双方をトリガする。
【0068】また、ステップA16で、T1が0の場合
、即ちT1が(Tmax+Tso)より大きい場合また
はステップA7で、T1がTminより小さい場合は、
ステップA19で、インジェクタドライバD(i)をト
リガする。
【0069】これにより、例えば気筒#1で後噴射が行
なわれると同時に気筒#3で前噴射が行なわれる。同様
にして、気筒#3で後噴射が行なわれると同時に気筒#
4で前噴射が行なわれ、気筒#4で後噴射が行なわれる
と同時に気筒#2で前噴射が行なわれ、気筒#2で後噴
射が行なわれると同時に気筒#1で前噴射が行なわれる
ことはいうまでもない。
【0070】そして、その後は、ステップA20で、T
0=T1として、データを更新しておく。
【0071】これにより、各気筒毎に、第2の特定クラ
ンク位相BTDC255°において、インジェクタ8が
オンし、これからステップA9で演算された時間T25
5だけオンし続けるので、BTDC255°の時点で最
新の燃料噴射量から所定量減じた先行噴射量の燃料を前
噴射するとともに、第1の特定クランク位相BTDC7
5°において、再度インジェクタ8がオンし、これから
ステップA5で演算された時間T75だけオンし続ける
ので、BTDC75°の時点の最新の燃料噴射量とその
直前の前噴射における先行噴射量の基礎となる燃料噴射
量との差に所定量を加えた後行噴射量の燃料を後噴射す
ることが行なわれる。
【0072】そして、この場合、吸気行程間で噴射され
る燃料量の大半は、BTDC255°の時点で噴射され
る前噴射にて行なわれ、加減速の補正がBTDC75°
の時点で噴射される後噴射にて行なわれる。
【0073】従って、燃料の気化を促進して燃費の改善
に寄与するとともに、加減速補正アップの必要もなくな
って排ガスの悪化を招くこともないのである。
【0074】このときのインジェクタ駆動時間の様子を
各気筒について示すと、図7のようになる。
【0075】なお、上記の例において、BTDC255
°において減じられ、BTDC75°加えられる所定値
Tsを採用しないと、減速時の補正ができなくなり、(
T1−T0)が小さいような弱い加速補正の精度が悪く
なるが、この実施例では、この所定値Tsを採用してい
るので、このような問題はおきない。
【0076】さらに、T1が(Tmax+Tso)より
大きい場合は、前噴射が後噴射と重なって正確な量での
噴射を行なえなくなるおそれがあるので、BTDC25
5°で行なわれる前噴射を行なわずに、BTDC75°
において、インジェクタ8が初めてオンして、BTDC
75°の時点の最新の燃料噴射量の燃料が噴射される。 これにより、正確な量での噴射を実現できる。
【0077】また、T1がTminより小さい場合は、
前噴射しなくても燃料霧化を十分行なえるので、BTD
C255°で行なわれる前噴射を行なわずに、BTDC
75°において、インジェクタ8が初めてオンして、B
TDC75°の時点の最新の燃料噴射量の燃料が噴射さ
れる。したがって、この場合は2回に分けて噴射しなく
ても、排ガスを悪化させることはない。
【0078】さらに、このエンジンEGは、各吸気ポー
トにインジェクタ8を有する4気筒エンジンとして構成
されるとともに、エンジンの各気筒が所定のクランク位
相になると順次燃料噴射を行なうもの(シーケンシャル
噴射を行なうもの)であって、図4,5のフローチャー
トあるいは図7の燃料噴射タイミング図から明らかなよ
うに、ある気筒での前噴射にかかる第2の特定クランク
位相BTDC255°が他の気筒での後噴射にかかる第
1の特定クランク位相BTDC75°と一致しているの
で、噴射タイミングの共通化をはかることができ、制御
アルゴリズムの簡素化ひいてはコストの低減に寄与する
ものである。
【0079】(b)第2実施例の説明 つぎに、本発明の第2実施例としてのエンジンの燃料分
割噴射方法について説明する。この第2実施例は、前述
の第1実施例と同様の手法を用いて、6気筒エンジンに
本発明を適用したものである。
【0080】以下に、図8,9に示すフローチャートを
用いて本発明の第2実施例を説明する。
【0081】なお、このフローチャートも、図8と図9
で1つのフローチャートとなるものであり、更にこのフ
ローチャートで示されるインジェクタ駆動ルーチンはB
TDC75°になる毎に出される割込パルスによってト
リガされるものである。
【0082】まず、図8のステップB1で、所定のクラ
ンク位相間(前回の割込パルスと今回の割込パルスとの
間)の吸入空気量(瞬時吸入空気量;ANS)を求め、
更にステップB2で、この値ANSを用いて燃焼室1に
吸い込まれる吸入空気量とエアフローセンサ11で検出
される吸入空気量との間のずれを補正して、この補正吸
入空気量ANを基本駆動時間Tbとし(ステップB3)
、更にこの基本駆動時間Tbと上記の補正係数Kとを掛
けて、この値を最新の燃料噴射量に相当する駆動時間(
排気行程間の空気量により計算された駆動時間)T2と
する(ステップB4)。
【0083】その後は、ステップB5で、BTDC75
°(第1の特定クランク位相)における燃料噴射量相当
駆動時間T75を、Tss+T2−T0+Tdから求め
る。ここで、Tssは小さな設定量に相当する駆動時間
(例えばインジェクタ8のオンオフに要する最小時間程
度の駆動時間)、T0は最新の燃料噴射量T2の直前の
前噴射における先行噴射量の基礎となる燃料噴射量に相
当する駆動時間〔圧縮行程から爆発行程間の空気量(T
2を求めた空気量の2回前の空気量)により計算された
駆動時間〕、Tdは無駄時間補正値である。
【0084】さらに、図9に示すステップB6において
、T75がTs1より小さいかどうかを判定する。もし
、そうであれば、ステップB7で、T75を0にする。 これはエンジン負荷が急減した場合には、BTDC75
°での噴射を中止する趣旨である。
【0085】また、ステップB7のあと、もしくはステ
ップB6でNOの場合は、ステップB8で、T2がTm
axより大きいかどうかが判断される。
【0086】ここで、このTmax(設定値)はクラン
クパルス間隔2つ分よりも多少小さくなるように設定さ
れる。したがって、このTmaxもエンジン回転数に応
じて変化するように設定されていることになる。
【0087】そして、上記のステップB8で、T2がT
max以下ならば、ステップB9で、T2がTminよ
り小さいかどうかが判断される。もし、ステップB9で
、T2がTmin以上である場合は、ステップB10で
、Ts=Tsoとして、更にステップB11で、次々期
作動気筒(今、例えば気筒#1のBTDC75°の割込
でこのフローチャートが作動しているとした場合は、気
筒#3)のBTDC315°(第2の特定クランク位相
)における燃料噴射量相当駆動時間T315を、T2−
Ts+Tdから求める。
【0088】ここで、Tminも開弁時間が短くなると
開弁時間と噴射量のリニアリティがなくなるので、その
点および加減速をも考慮して設定された最小開弁時間判
定用データであり、このTminとTsoとの関係は、
Tso<Tminで、Tso≒Tmin/2程度に設定
される。また、TsoとTs1との関係は、Tso>T
s1とる。
【0089】なお、ステップB8で、T2がTmaxよ
り大きい場合またはステップB9で、T2がTminよ
り小さい場合は、ステップB12で、Ts=0とし、更
にステップB13で、T2=0とする。
【0090】さらに、ステップB14においては、気筒
判別信号有かどうかが判定され、もし有れば、カウント
値COUNTを1にする一方(ステップB15)、もし
無ければ、カウント値COUNTを1だけインクリメン
トにする(ステップB16)。
【0091】その後は、ステップB17で、T75が0
かどうかを判定するが、T75が0でない場合は、ステ
ップB18で、COUNT値i(i=1〜6)に応じて
T75のデータを、BTDC75°の気筒C(i)用の
インジェクタドライバD(i)にセットして、インジェ
クタドライバD(i)をトリガする。
【0092】そして、ステップB18の次またはステッ
プB17でNOの場合は、ステップB19で、T2が0
かどうかを判定するが、T2がTmax以下の場合また
はT2がTmin以上の場合は、ステップB20で、C
OUNT値iに応じてT315のデータを、BTDC3
15°の気筒C(i+2)用のインジェクタドライバD
(i+2)にセットして、インジェクタドライバD(i
),D(i+2)の双方をトリガする。但し、i+2=
7のときは1にリセットされる。
【0093】これにより、例えば気筒#1で後噴射が行
なわれると同時に気筒#3で前噴射が行なわれる。同様
にして、気筒#2で後噴射が行なわれると同時に気筒#
4で前噴射が行なわれ、気筒#3で後噴射が行なわれる
と同時に気筒#5で前噴射が行なわれ、気筒#4で後噴
射が行なわれると同時に気筒#6で前噴射が行なわれ、
気筒#5で後噴射が行なわれると同時に気筒#1で前噴
射が行なわれ、気筒#6で後噴射が行なわれると同時に
気筒#2で前噴射が行なわれることはいうまでもない。
【0094】そして、その後は、T0=T1とし(ステ
ップB21)、T1=T2とし(ステップB22)、T
ss=Tsx(このTsxはバッファ用である)とし(
ステップB23)、Tsx=Tsとして(ステップB2
3)、データを更新しておく。
【0095】これにより、各気筒毎に、第2の特定クラ
ンク位相BTDC315°において、インジェクタ8が
オンし、これからステップB11で演算された時間T3
15だけオンし続けるので、BTDC315°の時点で
最新の燃料噴射量から所定量減じた先行噴射量の燃料を
前噴射するとともに、第1の特定クランク位相BTDC
75°において、再度インジェクタ8がオンし、これか
らステップB5で演算された時間T75だけオンし続け
るので、BTDC75°の時点の最新の燃料噴射量とそ
の直前の前噴射における先行噴射量の基礎となる燃料噴
射量との差に所定量を加えた後行噴射量の燃料を後噴射
することが行なわれる。
【0096】そして、この場合、吸気行程間で噴射され
る燃料量の大半は、BTDC315°の時点で噴射され
る前噴射にて行なわれ、加減速の補正がBTDC75°
の時点で噴射される後噴射にて行なわれる。
【0097】従って、燃料の気化を促進して燃費の改善
に寄与するとともに、加減速補正アップの必要もなくな
って排ガスの悪化を招くこともないのである。
【0098】このときのインジェクタ駆動時間の様子を
各気筒について示すと、図10のようになる。
【0099】なお、上記の例においても、BTDC31
5°において減じられ、BTDC75°加えられる所定
値Tssを採用しないと、減速時の補正ができなくなり
、(T2−T0)が小さいような弱い加速補正の精度が
悪くなるが、この第2実施例でも、この所定値Tssを
採用しているので、このような問題はおきない。
【0100】さらに、T2がTmax(このTmaxは
第1実施例のものよりやや大きい)より大きい場合は、
前噴射が後噴射と重なって正確な量での噴射を行なえな
くなるおそれがあるので、BTDC315°で行なわれ
る前噴射を行なわずに、BTDC75°において、イン
ジェクタ8が初めてオンして、BTDC75°の時点の
最新の燃料噴射量の燃料が噴射される。これにより、正
確な量での噴射を実現できる。
【0101】また、T2がTminより小さい場合は、
前噴射しなくても燃料霧化を十分行なえるので、BTD
C315°で行なわれる前噴射を行なわずに、BTDC
75°において、インジェクタ8が初めてオンして、B
TDC75°の時点の最新の燃料噴射量の燃料が噴射さ
れる。したがって、この場合は2回に分けて噴射しなく
ても、排ガスを悪化させることはない。
【0102】さらに、このエンジンEGは、各吸気ポー
トにインジェクタ8を有する6気筒エンジンとして構成
されるとともに、エンジンの各気筒が所定のクランク位
相になると順次燃料噴射を行なうもの(シーケンシャル
噴射を行なうもの)であって、図8,9のフローチャー
トあるいは図10の燃料噴射タイミング図から明らかな
ように、ある気筒での前噴射にかかる第2の特定クラン
ク位相BTDC315°が他の気筒での後噴射にかかる
第1の特定クランク位相BTDC75°と一致している
ので、噴射タイミングの共通化をはかることができ、制
御アルゴリズムの簡素化ひいてはコストの低減に寄与す
ることは、前述の第1実施例と同様である。
【0103】また、上記の第1,2実施例をその他の気
筒数を有するエンジン(単気筒エンジンを含む)に適用
することももちろん可能である。
【0104】(c)第3実施例の説明 つぎに、本発明の第3実施例としてのエンジンの燃料分
割噴射方法について説明する。この第3実施例は、前述
の第1実施例と同様、4気筒エンジンに本発明を適用し
たものであるが、前述の第1実施例と異なる点は、T1
が(Tmax+Tso)より大きい場合でも、BTDC
255°で行なわれる前噴射を行なう点である。すなわ
ち、このような場合は前噴射が後噴射と重なるおそれが
あるので、前述の第1実施例では、前噴射をやめたが、
燃料霧化という点ではやはり前噴射をした方がよいため
、この第3実施例では、先行噴射量またはその基礎とな
る燃料噴射量が、第2の特定クランク位相BTDC25
5°から第1の特定クランク位相BTDC75°までの
経過時間に相関する所望の設定量より大きい場合、即ち
、この例ではT1が(Tmax+Tso)より大きい場
合は、第2の特定クランク位相BTDC255°におい
て、設定量またはそれ以下の特定量を前噴射するととも
に、第1の特定クランク位相BTDC75°において、
その時点の最新の燃料噴射量から上記の設定量またはそ
れ以下の特定量を減じた量の燃料を後噴射し、前噴射が
第1の特定クランク位相BTDC75°より前に終了す
るように構成しているのである。
【0105】以下に、図11,12に示すフローチャー
トを用いて本発明の第3実施例を説明する。
【0106】なお、このフローチャートは、図11と図
12で1つのフローチャートとなるものであり、更にこ
のフローチャートで示されるインジェクタ駆動ルーチン
はBTDC75°になる毎に出される割込パルスによっ
てトリガされる。
【0107】まず、図11のステップC1で、所定のク
ランク位相間(前回の割込パルスと今回の割込パルスと
の間)の吸入空気量(瞬時吸入空気量;ANS)を求め
、更にステップC2で、この値ANSを用いて燃焼室1
に吸い込まれる吸入空気量とエアフローセンサ11で検
出される吸入空気量との間のずれを補正して、この補正
吸入空気量ANを基本駆動時間Tbとし(ステップC3
)、更にこの基本駆動時間Tbと上記の補正係数Kとを
掛けて、この値を最新の燃料噴射量に相当する駆動時間
T1とする(ステップC4)。
【0108】その後は、ステップC5で、BTDC75
°(第1の特定クランク位相)における燃料噴射量相当
駆動時間T75を、Ts+T1−T0+Tdから求める
【0109】さらに、図12に示すステップC6におい
て、T1が(Tmax+Tso)より大きいかどうかが
判断される。
【0110】そして、上記のステップC6で、T1が(
Tmax+Tso)以下ならば、ステップC7で、T1
がTminより小さいかどうかが判断される。
【0111】もし、ステップC7で、T1がTmin以
上である場合は、ステップC8で、Ts=Tsoとして
、更にステップC9で、次期作動気筒のBTDC255
°(第2の特定クランク位相)における燃料噴射量相当
駆動時間T255を、T1−Ts+Tdから求める。
【0112】なお、ステップC7で、T1がTminよ
り小さい場合は、ステップC10で、Ts=0とし、更
にステップC11で、T1=0とする。
【0113】以上のルーチンは、前述の第1実施例のも
のと同じである。
【0114】ところで、ステップC6で、T1が(Tm
ax+Tso)より大きい場合は、ステップC12で、
次期作動気筒のT255=Tmax+Tdとし、ステッ
プC13で、Ts=T1−Tmaxとする。
【0115】もしくは、ステップC6で、T1が(Tm
ax+Tso)より大きい場合は、次期作動気筒のT2
55=Tmin+Tdとし、Ts=T1−Tminとし
てもよい(ステップC12′,ステップC13′)。
【0116】また、T1が(Tmax+Tso)より大
きい場合は、図示しないが、次期作動気筒のT255=
Ta+Tdとし、Ts=T1−Taとしてもよい。ここ
で、TaはTmaxとTmin間の大きさをもつ値であ
る。
【0117】かかる処理が、第2の特定クランク位相B
TDC255°において、設定量またはそれ以下の特定
量を前噴射するための処理である。
【0118】その後は、前述の第1実施例と同様の要領
の処理を実行する。
【0119】すなわち、ステップC14において、気筒
判別信号有かどうかが判定され、もし有れば、カウント
値COUNTを1にする一方(ステップC15)、もし
無ければ、カウント値COUNTを1だけインクリメン
トにする(ステップC16)。その後は、ステップC1
7で、COUNT値i(i=1〜4)に応じてT75の
データを、BTDC75°の気筒C(i)用のインジェ
クタドライバD(i)にセットし、そして、ステップC
18で、T1が0かどうかを判定するが、T1が(Tm
ax+Tso)以下の場合またはT1がTmin以上の
場合は、ステップC19で、COUNT値iに応じてT
255のデータを、BTDC255°の気筒C(i+1
)用のインジェクタドライバD(i+1)にセットする
。但し、この場合も、i+1が4を超えると、1にリセ
ットされる。
【0120】このようにセットが終わると、ステップC
20で、インジェクタドライバD(i),D(i+1)
の双方をトリガし、また、ステップC18で、T1が0
の場合、即ちT1がTminより小さい場合は、ステッ
プC21で、インジェクタドライバD(i)をトリガす
る。
【0121】これにより、例えば気筒#1で後噴射が行
なわれると同時に気筒#3で前噴射が行なわれる。同様
にして、気筒#3で後噴射が行なわれると同時に気筒#
4で前噴射が行なわれ、気筒#4で後噴射が行なわれる
と同時に気筒#2で前噴射が行なわれ、気筒#2で後噴
射が行なわれると同時に気筒#1で前噴射が行なわれる
ことはいうまでもない。
【0122】そして、その後は、ステップC22で、T
0=T1として、データを更新しておく。
【0123】これにより、各気筒毎に、第2の特定クラ
ンク位相BTDC255°において、BTDC255°
の時点で最新の燃料噴射量から所定量減じた先行噴射量
の燃料を前噴射するとともに、第1の特定クランク位相
BTDC75°において、BTDC75°の時点の最新
の燃料噴射量とその直前の前噴射における先行噴射量の
基礎となる燃料噴射量との差に所定量を加えた後行噴射
量の燃料を後噴射することが行なわれ、この場合も、吸
気行程間で噴射される燃料量の大半は、BTDC255
°の時点で噴射される前噴射にて行なわれ、加減速の補
正がBTDC75°の時点で噴射される後噴射にて行な
われるので、燃料の気化を促進して燃費の改善に寄与す
るとともに、加減速補正アップの必要もなくなって排ガ
スの悪化を招くこともない。
【0124】さらに、T1が(Tmax+Tso)より
大きい場合でも、BTDC255°で前噴射を行なう。 すなわち、このような場合は前噴射が後噴射と重なるお
それがあるので、前述の第1実施例では、前噴射をやめ
たが、燃料霧化という点ではやはり前噴射をした方がよ
いため、この第3実施例では、先行噴射量またはその基
礎となる燃料噴射量が、第2の特定クランク位相BTD
C255°から第1の特定クランク位相BTDC75°
までの経過時間に相関する所望の設定量より大きい場合
、即ち、この例ではT1が(Tmax+Tso)より大
きい場合は、第2の特定クランク位相BTDC255°
において、設定量またはそれ以下の特定量を前噴射する
とともに、第1の特定クランク位相BTDC75°にお
いて、その時点の最新の燃料噴射量から上記の設定量ま
たはそれ以下の特定量を減じた量の燃料を後噴射し、前
噴射が第1の特定クランク位相BTDC75°より前に
終了するように構成している。これにより、排ガス性能
の悪化を極力抑えることができる。
【0125】また、T1がTminより小さい場合は、
前噴射しなくても燃料霧化を十分行なえるので、BTD
C255°で行なわれる前噴射を行なわずに、BTDC
75°において、BTDC75°の時点の最新の燃料噴
射量の燃料が噴射される。したがって、この場合は2回
に分けて噴射しなくても、排ガスを悪化させることはな
い。
【0126】もちろん、この第3実施例においても、エ
ンジンEGは4気筒エンジンとして構成されるとともに
、シーケンシャル噴射を行なうものであり、図11,1
2のフローチャートからもわかるように、ある気筒での
前噴射にかかる第2の特定クランク位相BTDC255
°が他の気筒での後噴射にかかる第1の特定クランク位
相BTDC75°と一致しているので、噴射タイミング
の共通化をはかることができ、制御アルゴリズムの簡素
化ひいてはコストの低減に寄与する点は、前述の第1実
施例のものと同じである。
【0127】なお、この第3実施例を6気筒エンジンや
その他の気筒数を有するエンジン(単気筒エンジンを含
む)に適用することもできる。
【0128】(d)第4実施例の説明 つぎに、本発明の第4実施例としてのエンジンの燃料分
割噴射方法について説明する。この第4実施例は、前述
の第1実施例と同様、4気筒エンジンに本発明を適用し
たものであるが、前述の第1実施例と異なる点は、前噴
射が後噴射と重なるおそれがある場合でも、BTDC2
55°で行なわれる前噴射を行なう点である。すなわち
、このような場合前述の第1実施例では、前噴射をやめ
たが、燃料霧化という点ではやはり前噴射BTDC25
5°をした方がよいため、この第4実施例では、前噴射
が第1の特定クランク位相BTDC75°の近傍で終了
するときは、後噴射を、第1の特定クランク位相BTD
C75°に代えて、前噴射の終了から所定時間経過した
時点で行なったり、前噴射の終了時期が第1の特定クラ
ンク位相BTDC75°以降となるときは、後噴射に代
えて、前噴射を継続するとともに、その終了時期を第1
の特定クランク位相BTDC75°における最新の噴射
燃料量に応じて修正したりするのである。
【0129】ところで、この第4実施例では、後噴射を
、第1の特定クランク位相BTDC75°に代えて、前
噴射の終了から所定時間経過した時点で行なう場合があ
るので、これに対応するため、演算装置のハード部分に
、図13に示すように、レジスタ61(これをレジスタ
Tということもある),比較器62,アンドゲート63
,RSフリップフロップ64,ワンショットマルチバイ
ブレータ65が付加されている。
【0130】すなわち、前噴射が第1の特定クランク位
相BTDC75°の近傍で終了するときは、CPU27
からレジスタ61に前噴射の終了後所定時間経過した時
間に相当するデータをセットするとともに、RSフリッ
プフロップ64をセット状態にし、比較器62で現時刻
と比較する。そして、上記セット時間になると、比較器
62からのその旨の信号がアンドゲート63を通り、こ
の信号でワンショットマルチバイブレータ65をトリガ
させる。これにより、ワンショットマルチバイブレータ
65からCPU27へ割込信号が入る。その結果、この
割込によって、後噴射のタイミングが規定される。すな
わち、前噴射終了後所定時間経過後に、後噴射のタイミ
ングが設定されるのである。
【0131】以下に、図14,15および図17に示す
フローチャートを用いて本発明の第4実施例の作用を更
に詳細に説明する。
【0132】なお、図14と図15で1つのフローチャ
ートとなるものであり、更にこの図14と図15で示さ
れるフローチャートはBTDC75°になる毎に出され
る割込パルスによってトリガされるものである。
【0133】また、図17で示されるフローチャートは
、割込端子INT3に割込信号が入力されるとトリガさ
れるものである。
【0134】まず、図14のステップD1で、所定のク
ランク位相間(前回の割込パルスと今回の割込パルスと
の間)の吸入空気量(瞬時吸入空気量;ANS)を求め
、更にステップD2で、この値ANSを用いて燃焼室1
に吸い込まれる吸入空気量とエアフローセンサ11で検
出される吸入空気量との間のずれを補正して、この補正
吸入空気量ANを基本駆動時間Tbとし(ステップD3
)、更にこの基本駆動時間Tbと上記の補正係数Kとを
掛けて、この値を最新の燃料噴射量に相当する駆動時間
T1とする(ステップD4)。
【0135】その後は、ステップD5で、BTDC75
°(第1の特定クランク位相)における燃料噴射量相当
駆動時間T75を、Ts+T1−T0+Tdから求める
【0136】さらに、ステップD6において、T1がT
minより小さいかどうかが判断される。
【0137】そして、上記のステップD6で、T1がT
min以上である場合は、ステップD7で、Ts=Ts
oとして、更にステップD8で、次期作動気筒のBTD
C255°(第2の特定クランク位相)における燃料噴
射量相当駆動時間T255を、T1−Ts+Tdから求
める。
【0138】なお、ステップD6で、T1がTminよ
り小さい場合は、ステップD9で、Ts=0とし、更に
ステップD10で、T1=0とする。
【0139】その後は、ステップD11において、気筒
判別信号有かどうかが判定され、もし有れば、カウント
値COUNTを1にする一方(ステップD12)、もし
無ければ、カウント値COUNTを1だけインクリメン
トにする(ステップD13)。
【0140】さらに、図15に示すように、ステップD
14において、COUNT値iに対応した気筒用のレジ
スタi(i=A〜D;Aはレジスタ49,Bはレジスタ
50,Cはレジスタ51,Dはレジスタ52である)の
値をTZに入力する。これにより、前噴射の終了時期が
セットされる。
【0141】そして、ステップD15で、フリーランニ
ングカウンタ48の値をTFに入力する。これは現時刻
を見ることを意味する。
【0142】その後は、ステップD16で、TZ−TF
>ΔT1かどうかを判定する。ここで、ΔT1は、TZ
のデータ書換に必要な時間である。
【0143】もし、ステップD16で、TZ−TF>Δ
T1でない場合は、前噴射は終わっていることになるが
、この場合は、前噴射が第1の特定クランク位相BTD
C75°の近傍で終了しているかどうかを、ステップD
17で、TZ−TF>−ΔT2をみることにより、判定
する。
【0144】もし、前噴射が第1の特定クランク位相B
TDC75°の近傍で終了しておらず、余裕が有る場合
には、TZをTF+T75とし(ステップD18)、T
Zのデータをレジスタiに再セットし(ステップD19
)、トライバのフリップフロップi(フリップフロップ
57〜60)をトリガする。
【0145】また、前噴射が第1の特定クランク位相B
TDC75°の近傍で終了している場合には、TFをT
F+ΔT2とし(ステップD21)、TFのデータをレ
ジスタTにセットし(ステップD22)、フリップフロ
ップFFT(フリップフロップ64)(ステップD23
)にセット信号を出力する。
【0146】このようにすると、前噴射終了後所定時間
経過すれば、比較器62からのその旨の信号がアンドゲ
ート63を通り、この信号でワンショットマルチバイブ
レータ65をトリガさせ、CPU27への割込信号が入
る。その結果、この割込によって、図17のフローチャ
ートが動作を開始する。
【0147】すなわち、図17に示すように、ステップ
E1で、フリーランニングカウンタ48の値をTFに入
力し、ステップE2で、TF+T75をTYとする。そ
して、ステップE3で、COUNT値iに対応した気筒
用のレジスタiにTYのデータをセットし、ステップE
4で、ドライバのフリップフロップiをトリガする。こ
れにより、前噴射が第1の特定クランク位相BTDC7
5°の近傍で終了するときは、後噴射が、第1の特定ク
ランク位相BTDC75°に代えて、前噴射の終了から
所定時間経過した時点で行なわれる。その結果、燃料の
霧化の促進をはかりながら、正確な燃料噴射が可能にな
る。
【0148】また、図15において、ステップD16で
、TZ−TF>ΔT1である場合は、前噴射は終わって
おらず、燃料噴射中ということになるが、この場合(前
噴射の終了時期が第1の特定クランク位相BTDC75
°以降となる場合)は、TZをTZ+T75−Tdとし
(ステップD24)、TZのデータをレジスタiに再セ
ットする(ステップD19)。これにより、後噴射に代
えて、前噴射を継続するとともに、その終了時期を第1
の特定クランク位相BTDC75°における最新の噴射
燃料量に応じて修正することになる。その結果、燃料の
霧化の促進をはかりながら、正確な燃料噴射が可能にな
る。
【0149】その後は、ステップD26で、T1が0か
どうかを判定するが、T1がTmin以上の場合は、ス
テップD27で、COUNT値iに応じてT255のデ
ータを、BTDC255°の気筒C(i+1)用のイン
ジェクタドライバD(i+1)にセットする。但し、i
+1が4を超えると、1にリセットされる。
【0150】このようにセットが終わると、ステップD
20で、インジェクタドライバD(i+1)をトリガす
る。
【0151】これにより、例えば気筒#1で後噴射が行
なわれると同時に気筒#3で前噴射が行なわれる。同様
にして、気筒#3で後噴射が行なわれると同時に気筒#
4で前噴射が行なわれ、気筒#4で後噴射が行なわれる
と同時に気筒#2で前噴射が行なわれ、気筒#2で後噴
射が行なわれると同時に気筒#1で前噴射が行なわれる
ことはいうまでもない。
【0152】そして、その後は、ステップD29で、T
0=T1として、データを更新しておく。
【0153】これにより、通常の状態では、各気筒毎に
、第2の特定クランク位相BTDC255°において、
BTDC255°の時点で最新の燃料噴射量から所定量
減じた先行噴射量の燃料を前噴射するとともに、第1の
特定クランク位相BTDC75°において、BTDC7
5°の時点の最新の燃料噴射量とその直前の前噴射にお
ける先行噴射量の基礎となる燃料噴射量との差に所定量
を加えた後行噴射量の燃料を後噴射することが行なわれ
、この場合も、吸気行程間で噴射される燃料量の大半は
、BTDC255°の時点で噴射される前噴射にて行な
われ、加減速の補正がBTDC75°の時点で噴射され
る後噴射にて行なわれるので、燃料の気化を促進して燃
費の改善に寄与するとともに、加減速補正アップの必要
もなくなって排ガスの悪化を招くこともない。
【0154】さらに、前噴射が第1の特定クランク位相
BTDC75°の近傍で終了するときは、後噴射を、第
1の特定クランク位相BTDC75°に代えて、前噴射
の終了から所定時間経過した時点で行なったり、前噴射
の終了時期が第1の特定クランク位相BTDC75°以
降となるときは、後噴射に代えて、前噴射を継続すると
ともに、その終了時期を第1の特定クランク位相BTD
C75°における最新の噴射燃料量に応じて修正したり
することが行なわれるので、燃料の霧化の促進をはかり
ながら、正確な燃料噴射が可能になる。
【0155】また、T1がTminより小さい場合は、
前噴射しなくても燃料霧化を十分行なえるので、BTD
C255°で行なわれる前噴射を行なわずに、BTDC
75°において、BTDC75°の時点の最新の燃料噴
射量の燃料が噴射される。したがって、この場合は2回
に分けて噴射しなくても、排ガスを悪化させることはな
い。
【0156】もちろん、この第4実施例においても、エ
ンジンEGは4気筒エンジンとして構成されるとともに
、シーケンシャル噴射を行なうものであり、図14,1
5のフローチャートから明らかなように、ある気筒での
前噴射にかかる第2の特定クランク位相BTDC255
°が他の気筒での後噴射にかかる第1の特定クランク位
相BTDC75°と一致しているので、噴射タイミング
の共通化をはかることができ、制御アルゴリズムの簡素
化ひいてはコストの低減に寄与する点は、前述の第1,
3実施例のものと同じである。
【0157】なお、この第4実施例において、前噴射が
第1の特定クランク位相BTDC75°の近傍で終了す
る場合に、図16に示すように、TZをTZ+ΔT2と
し(ステップD21′)、TZのデータをレジスタTに
セットしてから(ステップD22′)、フリップフロッ
プFFT(フリップフロップ64)(ステップD23)
にセット信号を出力するようにしてもよい。
【0158】また、図15,16において、ステップD
16でNOの場合は、すぐにステップD21へジャンプ
して、ステップD21の処理を行なってもよい。
【0159】この場合は、インジェクタによる噴射のリ
ニアリティを確保しながら、判定ロジックを単純化する
ことができる。
【0160】なお、この第4実施例を6気筒エンジンや
その他の気筒数を有するエンジン(単気筒エンジンを含
む)に適用することももちろん可能である。
【0161】また、上記の4気筒エンジンの場合の実施
例においては、燃料噴射時期は前噴射が爆発行程、後噴
射が排気行程のものが示されているが、前噴射が排気行
程、後噴射が吸気行程のものあるいは前噴射が爆発行程
、後噴射が吸気行程のものでも、本発明の適用が可能で
ある。すなわち、前噴射は前回の吸気が終了していれは
、本発明は成立するのである。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のエンジン
の燃料分割噴射方法(請求項1)によれば、第2の特定
クランク位相において、その時点で最新の燃料噴射量か
ら所定量減じた先行噴射量の燃料を前噴射するとともに
、第1の特定クランク位相において、その時点の最新の
燃料噴射量とその直前の前噴射における先行噴射量の基
礎となる燃料噴射量との差に該所定量を加えた後行噴射
量の燃料を後噴射するので、燃料の気化を促進して燃費
の改善に寄与するとともに、加減速補正アップの必要も
なくなって排ガスの悪化を招かないという利点がある。
【0163】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項2)では、先行噴射量またはその基礎となる
燃料噴射量が、所望の設定値より小さい場合は、前噴射
を行なわずに、第1の特定クランク位相において、その
時点の最新の燃料噴射量の燃料を噴射するので、2回に
分けて噴射しなくても、排ガスを悪化ないようにできる
【0164】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法(請求項3,4)によれば、先行噴射量またはその
基礎となる燃料噴射量が、所望の設定値(この設定値は
エンジン回転数に応じて変化するように設定される)よ
り大きい場合は、前噴射を行なわずに、第1の特定クラ
ンク位相において、その時点の最新の燃料噴射量の燃料
を噴射するので、正確な量での噴射を実現できる。
【0165】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項5)では、先行噴射量またはその基礎となる
燃料噴射量が、第2の特定クランク位相から第1の特定
クランク位相までの経過時間に相関する所望の設定量よ
り大きい場合は、第2の特定クランク位相において、設
定量またはそれ以下の特定量を前噴射するとともに、第
1の特定クランク位相において、その時点の最新の燃料
噴射量から設定量またはそれ以下の特定量を減じた量の
燃料を後噴射し、前噴射が該第1の特定クランク位相よ
り前に終了するように構成したので、正確な量での噴射
を実現しながら、排ガス性能の悪化を極力抑えることが
できる。
【0166】さらに、本発明のエンジンの燃料分割噴射
方法(請求項6,7)では、前噴射が該第1の特定クラ
ンク位相の近傍で終了するときは、後噴射を、第1の特
定クランク位相に代えて、前噴射の終了から所定時間経
過した時点で行なうようにしたり、前噴射の終了時期が
第1の特定クランク位相以降となるときは、後噴射に代
えて、前噴射を継続するとともに、その終了時期を該第
1の特定クランク位相における最新の噴射燃料量に応じ
て修正したりするので、燃料の霧化の促進をはかりなが
ら、正確な燃料噴射が可能になる。
【0167】また、本発明のエンジンの燃料分割噴射方
法(請求項8)では、エンジンが、各吸気ポートに電磁
式燃料噴射弁を有する多気筒エンジンとして構成される
とともに、エンジンの各気筒が所定のクランク位相にな
ると順次燃料噴射を行なうものであって、ある気筒での
前噴射にかかる第2の特定クランク位相が他の気筒での
後噴射にかかる第1の特定クランク位相と一致している
ので、噴射タイミングの共通化をはかることができ、制
御アルゴリズムの簡素化ひいてはコストの低減に寄与す
るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における制御系のブロック
図である。
【図2】本発明の第1実施例における制御ハードブロッ
ク図である。
【図3】本方法を適用されるエンジンシステムの全体構
成図である。
【図4】本発明の第1実施例の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図5】本発明の第1実施例の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図6】本発明の第1実施例の作用説明図である。
【図7】本発明の第1実施例の燃料分割噴射タイミング
を説明する図である。
【図8】本発明の第2実施例の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図9】本発明の第2実施例の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図10】本発明の第2実施例の燃料分割噴射タイミン
グを説明する図である。
【図11】本発明の第3実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図12】本発明の第3実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図13】本発明の第4実施例における制御ハードブロ
ック図である。
【図14】本発明の第4実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図15】本発明の第4実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図16】本発明の第4実施例の変形例の作用を説明す
るフローチャートである。
【図17】本発明の第4実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図18】従来例の燃料分割噴射タイミングを説明する
図である。
【符号の説明】
1  燃焼室 2  吸気通路 3  排気通路 4  吸気弁 5  排気弁 6  エアクリ−ナ 7  スロットル弁 8  インジェクタ 8a  インジェクタソレノイド 9  触媒コンバ−タ 10  キャニスタ 11  エアフロ−センサ 12  吸気温センサ 13  大気圧センサ 14  スロットルセンサ 15  アイドルスイッチ 16  パージコントロールソレノイドバルブ16a 
 パージソレノイド 17  O2 センサ 19  水温センサ 20  クランキングスイッチ 21  クランク角センサ 22  気筒判別センサ 23  電子制御ユニット(ECU) 25  バッテリセンサ 27  CPU 28,29  入力インタフェイス 30  A/Dコンバ−タ 31  ROM 32  RAM 34  噴射ドライバ 35  点火プラグ 46  ポート 47  外部レジスタ 48  フリ−ランニングカウンタ 49〜52  レジスタ 53〜56  比較器 57〜60  RSフリップフロップ 61  レジスタ 62  比較器 63  アンドゲート 64  RSフリップフロップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  開弁時間に応じた量の燃料を噴射する
    電磁式燃料噴射弁を気筒の吸気弁近傍の吸気通路に設け
    たエンジンにおいて、所定のクランク位相間の吸入空気
    量を繰り返し検出する第1の手段と、この検出吸入空気
    量情報から一吸気行程で気筒に吸入される空気量に対応
    する燃料噴射量を繰り返し求める第2の手段と、該第2
    の手段の出力に基づいて該電磁式燃料噴射弁を作動させ
    る第3の手段とをそなえ、気筒の吸気行程またはその直
    前の排気行程中に設定される第1の特定クランク位相に
    先行するクランク位相であって前回の吸気行程にかかる
    吸気弁閉塞後に設定される第2の特定クランク位相にお
    いて、その時点で最新の燃料噴射量から所定量減じた先
    行噴射量の燃料を前噴射するとともに、該第1の特定ク
    ランク位相において、その時点の最新の燃料噴射量とそ
    の直前の前噴射における先行噴射量の基礎となる燃料噴
    射量との差に該所定量を加えた後行噴射量の燃料を後噴
    射することを特徴とする、エンジンの燃料分割噴射方法
  2. 【請求項2】  該先行噴射量またはその基礎となる燃
    料噴射量が、所望の設定値より小さい場合は、該前噴射
    を行なわずに、該第1の特定クランク位相において、そ
    の時点の最新の燃料噴射量の燃料を噴射することを特徴
    とする、請求項1記載のエンジンの燃料分割噴射方法。
  3. 【請求項3】  該先行噴射量またはその基礎となる燃
    料噴射量が、所望の設定値より大きい場合は、該前噴射
    を行なわずに、該第1の特定クランク位相において、そ
    の時点の最新の燃料噴射量の燃料を噴射することを特徴
    とする、請求項1記載のエンジンの燃料分割噴射方法。
  4. 【請求項4】  該設定値がエンジン回転数に応じて変
    化するように設定されたことを特徴とする、請求項3に
    記載のエンジンの燃料分割噴射方法。
  5. 【請求項5】  該先行噴射量またはその基礎となる燃
    料噴射量が、該第2の特定クランク位相から該第1の特
    定クランク位相までの経過時間に相関する所望の設定量
    より大きい場合は、該第2の特定クランク位相において
    、該設定量またはそれ以下の特定量を前噴射するととも
    に、該第1の特定クランク位相において、その時点の最
    新の燃料噴射量から該設定量またはそれ以下の特定量を
    減じた量の燃料を後噴射し、該前噴射が該第1の特定ク
    ランク位相より前に終了するように構成したことを特徴
    とする、請求項1記載のエンジンの燃料分割噴射方法。
  6. 【請求項6】  該前噴射が該第1の特定クランク位相
    の近傍で終了するときは、該後噴射を、該第1の特定ク
    ランク位相に代えて、該前噴射の終了から所定時間経過
    した時点で行なうことを特徴とする、請求項1記載のエ
    ンジンの燃料分割噴射方法。
  7. 【請求項7】  該前噴射の終了時期が該第1の特定ク
    ランク位相以降となるときは、該後噴射に代えて、該前
    噴射を継続するとともに、その終了時期を該第1の特定
    クランク位相における最新の噴射燃料量に応じて修正す
    ることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの燃料分
    割噴射方法。
  8. 【請求項8】  該エンジンが、各吸気ポートに電磁式
    燃料噴射弁を有する多気筒エンジンとして構成されると
    ともに、該エンジンの各気筒が所定のクランク位相にな
    ると順次燃料噴射を行なうものであって、ある気筒での
    前噴射にかかる該第2の特定クランク位相が他の気筒で
    の後噴射にかかる該第1の特定クランク位相と一致して
    いることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの燃料
    分割噴射方法。
JP8071191A 1991-03-19 1991-03-19 エンジンの燃料分割噴射方法 Pending JPH04292543A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8071191A JPH04292543A (ja) 1991-03-19 1991-03-19 エンジンの燃料分割噴射方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8071191A JPH04292543A (ja) 1991-03-19 1991-03-19 エンジンの燃料分割噴射方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04292543A true JPH04292543A (ja) 1992-10-16

Family

ID=13725923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8071191A Pending JPH04292543A (ja) 1991-03-19 1991-03-19 エンジンの燃料分割噴射方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04292543A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19581453B4 (de) * 1994-11-17 2007-06-14 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Brennstoff-Einspritz-Steuergerät und -Verfahren für einen Verbrennungsmotor mit Direkteinspritzung
JP2009214644A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Denso Corp バッテリ電圧算出装置
JP2014055581A (ja) * 2012-09-14 2014-03-27 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射時期制御装置および燃料噴射時期制御方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS639653A (ja) * 1986-06-27 1988-01-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPS6317846B2 (ja) * 1977-05-14 1988-04-15 Bayer Ag
JPS63129141A (ja) * 1986-11-18 1988-06-01 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH0326853A (ja) * 1989-06-21 1991-02-05 Mazda Motor Corp エンジンの燃料噴射装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317846B2 (ja) * 1977-05-14 1988-04-15 Bayer Ag
JPS639653A (ja) * 1986-06-27 1988-01-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPS63129141A (ja) * 1986-11-18 1988-06-01 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH0326853A (ja) * 1989-06-21 1991-02-05 Mazda Motor Corp エンジンの燃料噴射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19581453B4 (de) * 1994-11-17 2007-06-14 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Brennstoff-Einspritz-Steuergerät und -Verfahren für einen Verbrennungsmotor mit Direkteinspritzung
JP2009214644A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Denso Corp バッテリ電圧算出装置
JP2014055581A (ja) * 2012-09-14 2014-03-27 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料噴射時期制御装置および燃料噴射時期制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3426744B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射制御装置及び内燃機関の燃料噴射制御方法
US7747379B2 (en) Control device of direct injection internal combustion engine
US5794585A (en) Cylinder injection fuel control device for an internal-combustion engine
JPH0680304B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御方法
JP2003506608A (ja) 内燃機関の動作のための方法
JPH11190241A (ja) 希薄燃焼内燃機関の燃焼制御装置
JP2000303894A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JPH0517390B2 (ja)
JPH04292543A (ja) エンジンの燃料分割噴射方法
JP2001280182A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH0217704B2 (ja)
JP3348690B2 (ja) 多気筒内燃機関の気筒判別装置
JP3841872B2 (ja) 内燃機関の筒内噴射燃料制御装置
JPH1162658A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0544538A (ja) 多気筒内燃機関の空燃比制御方法及び空燃比制御装置
JP2000257476A (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JPH0557362U (ja) 火花点火式エンジンの制御装置
JP3019577B2 (ja) 多気筒内燃機関の始動燃料制御方法
JP3524771B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2000130211A (ja) 希薄燃焼内燃機関
JP3879214B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0742604A (ja) 内燃機関の燃料噴射時期制御装置
JP2000008927A (ja) 内燃機関の機関制御量設定方法
JPH05171974A (ja) エンジンの空燃比制御方法
JP3525990B2 (ja) 内燃機関の燃料制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19970819