JPH04290849A - 炭酸ジエステルの製造法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造法

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JPH04290849A
JPH04290849A JP3128833A JP12883391A JPH04290849A JP H04290849 A JPH04290849 A JP H04290849A JP 3128833 A JP3128833 A JP 3128833A JP 12883391 A JP12883391 A JP 12883391A JP H04290849 A JPH04290849 A JP H04290849A
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JP
Japan
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reaction
catalyst
nitrite
carbonic acid
palladium
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JP3128833A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Shimamura
島村 常夫
Satoru Fujizu
悟 藤津
Yoshinobu Toriyahara
鳥屋原 慶信
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭酸ジエステルの製
造法に関し、より詳しくは、一酸化炭素と亜硝酸エステ
ルとから炭酸ジエステルを選択的に、かつ、安定に製造
する方法に関する。炭酸ジエステルは、医薬、農薬等の
有機合成原料として、また、ポリカーボネートやウレタ
ン等の製造のための中間体として非常に有用な化合物で
ある。
【0002】
【従来技術の説明】炭酸ジエステルの製造方法としては
、ホスゲンとアルコールとを反応させる方法が非常に古
くから実施されているが、ホスゲンは毒性が極めて強く
、また、ホスゲンとアルコールとの反応で塩酸が副生す
るため装置材質上に問題があることなど、ホスゲンを使
用しない製造法が望まれていた。
【0003】このことからホスゲンを使用しない製造法
として、アルコールと一酸化炭素より炭酸ジエステルを
合成する方法等が各方面で研究され、提案されている(
例えば、特開昭60−75447号公報、特開昭63−
72650号公報、特開昭63−38010号公報、W
O−87/7601号明細書などを参照)。これらは、
ハロゲン化銅、ハロゲン化パラジウム等を触媒として用
い、アルコールと一酸化炭素との酸素酸化反応により液
相中で炭酸ジエステルを合成する方法であるが、二酸化
炭素が副生するために一酸化炭素基準の炭酸ジエステル
の選択率が低く、また水の生成により炭酸ジエステルの
精製にも手間がかかるという欠点がある。さらに、これ
らの特許に開示されている方法により炭酸ジエステルの
製造を行う場合は、生成物と触媒とを分離する工程が必
要であり、必ずしも産業上有利な方法であるとは言えな
い。
【0004】そこで、その改良法として、例えば、亜硝
酸エステルと一酸化炭素を、白金族金属もしくはその化
合物を担体に担持した固体触媒および一酸化炭素当たり
O2として10モル%以上の酸化剤の存在下、気相で反
応させることからなる炭酸ジエステルの製造法が、特開
昭60−181051号公報に提案されている。しかし
ながら、この方法は、シュウ酸ジエステルの副生を抑え
るために、一酸化炭素に対して上記のような割合で酸素
等の酸化剤を共存させているにもかかわらず、かなりの
量のシュウ酸ジエステルが副生しており、炭酸ジエステ
ルの選択率が低いと共に、反応速度も十分ではない。ま
た、反応に供される亜硝酸エステル、一酸化炭素、アル
コール、酸素等から成る混合ガス中における亜硝酸エス
テルの使用範囲が爆発限界を越えており、安全上からも
問題があるなど、工業的には必ずしも満足できる方法で
はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】亜硝酸エステルを使用
する従来公知の炭酸ジエステルの製造方法は、前述した
ように、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応速度が十
分ではなく、また、炭酸ジエステルの選択率も低いため
、生成した炭酸ジエステルの精製処理が煩雑になるとい
う欠点があったのである。さらには、反応系における亜
硝酸エステルの使用濃度範囲が爆発限界を越えており、
操作上危険を伴うという問題もあったのである。そこで
、この発明の目的は、反応生成物の分離、回収が容易な
気相法により、温和な反応条件下に、炭酸ジエステルを
高選択率、高収率、かつ、安定に製造し得る工業的に好
適な炭酸ジエステルの製造法を提供することにある。特
に、実用的な固定床気相法プロセスにおいては、触媒活
性が長期にわたって安定していることが重要であり、こ
の発明は、そのような要望に添った炭酸ジエステルの製
造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、従来公
知の炭酸ジエステルの製造法における前述したような問
題点を克服すべく、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの気
相触媒反応によって、炭酸ジエステルを製造する際の触
媒等、亜硝酸エステル使用による炭酸ジエステルの合成
反応について鋭意検討した結果、温和な反応条件下、前
述したような固体触媒を使用すれば、極めて高収率で目
的生成物の炭酸ジエステルが得られることを見出してこ
の発明に到達した。
【0007】すなわち、この発明は、パラジウムテトラ
アンミンモリブデートと、鉄、銅、ビスマス、コバルト
、ニッケルおよび錫からなる群から選ばれた少なくとも
1種類の金属の化合物とを担体に担持した固体触媒の存
在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルとを気相接触反応さ
せることを特徴とする炭酸ジエステルの製造法に関する
【0008】
【本発明の各要件の詳しい説明】以下に、この発明の方
法を詳しく説明する。この発明で使用される亜硝酸エス
テルとしては、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n
−(またはi−)プロピル、亜硝酸n−(またはi−)
ブチル、亜硝酸sec−ブチル等の炭素数1〜4個の低
級脂肪族一価アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸シク
ロヘキシル等の脂環式アルコールの亜硝酸エステル、亜
硝酸ベンジル、亜硝酸フェニルエチル等のアルアルキル
アルコールの亜硝酸エステルなどが好適に挙げられるが
、特に前記の炭素数1〜4個の低級脂肪族一価アルコー
ルの亜硝酸エステルが好ましく、中でも亜硝酸メチルお
よび亜硝酸エチルが最も好ましい。
【0009】また、この発明で用いられる固体触媒は、
パラジウムテトラアンミンモリブデート(第1触媒成分
)と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケルおよび錫
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属の化合
物(第2触媒成分)とを担体に担持したものである。 この発明で使用する化学式は、例えば  Pd(NH3
)4MoO4・H2O等で表されるパラジウムテトラア
ンミンモリブデートは、パラジウム塩とモリブデン酸塩
とを、アンモニア性水溶液中で、パラジウム塩に対する
モリブデン酸塩のモル比が、0.2〜5.0である割合
で反応させることによって得られる。この発明のパラジ
ウムテトラアンミンモリブデートは、一例を挙げれば、
次式で示される反応によって得られる。   PdCl2+Na2MoO4+4NH4OH   
                 →Pd(NH3)
4MoO4・H2O+2NaCl+3H2O
【0010】パラジウムテトラアンミンモリブデートの
合成に用いるパラジウム塩は、塩化パラジウム、臭化パ
ラジウム、ヨウ化パラジウム、フッ化パラジウム、のハ
ロゲン化物又は硝酸塩硫酸塩、酢酸塩であるが、特に好
適に塩化パラジウム、臭化パラジウム、硝酸パラジウム
、硫酸パラジウムが使用される。また、モリブデン酸塩
は、Li,Na,K,Rb,Cs等のアルカリ金属塩又
はアンモニウム塩であるが、特に好適にはモリブデン酸
ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アン
モニウムが使用される。上記反応は、定量的に進行する
ので、パラジウム塩に対するモリブデン酸塩のモル比は
、1にするのが最も望ましいが、その過不足は、上記範
囲を逸脱しない限り本質的な問題とはならない。
【0011】この反応に使用される溶媒としては、パラ
ジウム塩およびモリブデン酸塩を溶解するアンモニア性
の水が挙げられる。アンモニアの濃度は、5〜25重量
%が使用され、特に好ましくは14〜25重量%が使用
される。溶媒の使用量は、パラジウム塩およびモリブデ
ン酸塩を全量溶解するのに必要な量以上であるのが望ま
しい。また、反応を実施する際の原料の添加方法は、特
に限定されないが、例えばパラジウム塩をアンモニア性
の水溶媒に溶解した溶液とを、同時に徐々にアンモニア
性の水溶媒中に加えるか、または上記パラジウム塩の溶
液にモリブデン酸塩の溶液を徐々に添加することが好ま
しい。
【0012】反応温度は、水の沸点以下であればよく、
一般には−10〜100℃、好ましくは10〜100℃
の範囲内の温度であればよい。反応は一般に常圧で行わ
れるが、加圧下でも行うことができる。反応時間は、反
応温度、反応規模、攪拌の条件によって異なるが、一般
には、5分〜5時間の範囲内であればよい。前記反応条
件においては、パラジウム塩に対するモリブデン酸塩の
モル比が1の場合、反応生成混合物は、目的生成物とア
ンモニウム塩とアンモニウム性水溶媒からなり、目的生
成物は、室温以下では溶媒にほとんど溶解せず、沈澱と
して存在するので、濾別によって目的生成物を単離する
ことができる。
【0013】前記鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケ
ル、錫等の金属の化合物としては、これら金属の塩化物
、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化合物、硝酸塩
、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩などの無機塩や有機塩が好ま
しいが、中でも前記のハロゲン化合物または硫酸塩が特
に好適に挙げられる。上述したような金属の化合物を担
持する担体としては、珪藻土、活性炭、シリコンカーバ
イド、チタニア、アルミナ、シリカアルミナなどが好適
に挙げられるが、活性炭が最も好ましい。前記各触媒成
分を担体に担持する方法は、特別なものである必要はな
く通常実施される方法、すなわち、含浸法(浸漬吸着法
)、混練法、沈着法、蒸発乾固法、共沈法等でよいが、
この発明では、含浸法または蒸発乾固法により調製され
ることが簡便であることからして望ましい。なお、上記
の触媒成分の担体への担持は、同時に行ってもまたは逐
次に行ってもよい。
【0014】そして、担体に担持する前記パラジウムテ
トラアンミンモリブデートの担持量は、パラジウム金属
換算で担体に対し、通常0.1〜10重量%、特には0
.5〜2重量%が好ましい。また、鉄、銅、ビスマス、
コバルト、ニッケル、錫等の金属の化合物の担持量は、
これら金属の量に換算してパラジウムに対して0.1〜
50グラム原子当量、好ましくは1〜10グラム原子当
量であることが好ましい。
【0015】この発明で使用する固体触媒は、前述した
ようにパラジウムテトラアンミンモリブデートに加えて
、さらに鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケルおよび
錫からなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属の化
合物を担体に担持させているが、この発明において、こ
れらの金属の化合物は、助触媒的な役割を果たすもので
あり、これら金属の化合物を上記の量で担体に担持する
ことによって、パラジウムテトラアンミンモリブデート
単独担持の場合に比較して、一酸化炭素と亜硝酸エステ
ルとの反応速度が大幅に向上し、触媒の失活速度が大幅
に小さくなるのである。
【0016】また、この発明では、上記の触媒は、粉末
、粒状のもの、もしくは成形体が使用されるが、そのサ
イズについては、特に限定されるものではなく、粉末の
場合は、通常用いられる20〜100μmのもの、そし
て粒状の場合は、4〜200メッシュ程度の通常用いら
れるものが好適である。また、成形体の場合は、通常数
mmのものが好適に用いられる。さらに、一酸化炭素と
亜硝酸エステルの接触反応は、非常に温和な条件下で行
えるのもこの発明の一つの特徴である。例えば、0〜2
00℃、好ましくは50〜140℃の温度で、常圧で行
われ得る。もちろん、加圧系でも問題なく行うことがで
き、1〜20kg/cm2Gの圧力および50〜140
℃の温度の範囲で実施することができる。
【0017】ところで、前述したような原料の亜硝酸エ
ステルは、例えば、亜硝酸ソーダ水溶液の硝酸もしくは
硫酸分解により、一酸化炭素(NO)および二酸化炭素
(NO2)の混合ガスを発生させ、次いで、この混合ガ
ス中のNOの一部を分子状酸素で酸化してNO2と成し
て、NO/NO2=1/1(容量比)のNOxガスを得
、これにアルコールを接触させることにより、容易に合
成されるものであるが、この亜硝酸エステルの合成まで
を含めて考えると、前記一酸化炭素と亜硝酸エステルと
の接触反応は、2〜3kg/cm2G程度の若干の加圧
系の方が特に望ましい。前記一酸化炭素と亜硝酸エステ
ルとの反応の形式としては、気相で、バッチ式、連続式
の何れでも行うことができるが、連続式の方が工業的に
は有利である。また、触媒の反応系への存在形態として
は、固定床または流動床の何れの反応器を用いても実施
することができる。
【0018】この発明では、原料ガスの一酸化炭素およ
び亜硝酸エステルは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈し
て前記の反応器にフィードされることが望ましいが、そ
の組成としては、反応上からは特に限定されるものでは
ない。しかし、安全上の観点からすれば、前記亜硝酸エ
ステルの濃度は、20容量%以下、好ましくは5〜20
容量%であることが望ましい。それに伴い、一酸化炭素
の濃度は、5〜20容量%の範囲にするのが経済的に好
ましい。
【0019】すなわち、工業的な製造プロセスを考えれ
ば、反応に供する一酸化炭素、亜硝酸エステル等のガス
を循環使用し、該循環ガスの一部を系外へパージするこ
とが好ましく、また、一酸化炭素のワンパスの転化率が
20〜30%程度であることからして、一酸化炭素の濃
度を20容量%より高くしてもロスが増えるだけであり
、また、5容量%より低くすると生産性が落ちるなどの
問題があるのである。しかし、この経済性を無視すれば
、一酸化炭素の濃度は、実際には80容量%までは可能
である。つまり、亜硝酸エステルを、前記不活性ガスの
代わりに一酸化炭素で希釈した形でフィードすることも
可能なのである。
【0020】従って、一酸化炭素と亜硝酸エステルの使
用割合は、亜硝酸エステル1モルに対して、一酸化炭素
が、0.1〜10モル、好ましくは0.25〜1モルの
範囲であることが望ましい。また、この発明では、前記
反応器にフィードされる、一酸化炭素および亜硝酸エス
テルを含有するガスの空間速度は、500〜20000
hr−1の範囲、好ましくは2000〜15000hr
−1の範囲で行うことが望ましい。さらに、この発明の
製法では、前記の亜硝酸エステルは、反応に携わった後
、分解して一酸化炭素(NO)を発生するが、前記反応
器から導出される反応ガスから、このNOを回収し、酸
素および前記亜硝酸エステルに対応するアルコールと反
応させて、再度亜硝酸エステルに変換せしめ、循環使用
することが好ましい。
【0021】以上のようにして、反応器から目的生成物
の炭酸ジエステルの他に、シュウ酸ジエステル等の副生
物、未反応の一酸化炭素および亜硝酸エステル、一酸化
窒素、二酸化炭素、不活性ガスなどを含む反応ガスが導
出されるが、例えば、この反応ガスを冷却後、一酸化炭
素、亜硝酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素、不活性
ガス等の未凝縮ガスは、前述した如く、その一部をパー
ジしながら、再度反応器に循環せしめる一方、凝縮液か
ら例えば蒸留等の常法により炭酸ジエステルを分離精製
するのである。
【0022】なお、原料の亜硝酸エステルは、前述した
ように、通常、アルコールと窒素酸化物を必要に応じて
分子状酸素の存在下に反応させて調製され、そのガス中
には亜硝酸エステルの他に、未反応のアルコール、窒素
酸化物(特に一酸化窒素)、場合によっては微量の水や
酸素が含まれている。この発明では、このような亜硝酸
エステル含有ガスを、亜硝酸エステル源として使用する
場合にも好結果が得られるのである。
【0023】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、この発
明の方法を具体的に説明するが、これらは、この発明の
方法を何ら限定するものではない。なお、各実施例およ
び比較例における空時収量(STY)Y(g/l・hr
)は、一酸化炭素と亜硝酸エステルの接触反応時間をθ
(hr)、その間に生成した炭酸ジエステルの量をa(
g)、そして反応管への触媒の充填量をb(l)として
、次式により求めた。 Y=a/(b×θ) また、各実施例および比較例における活性低下係数Da
(hr−1)は、所定反応条件下で、反応初期(反応を
開始してから2時間経過後)の空時収量Yo(g/l・
hr)と反応を開始してからt時間経過後の空時収量Y
t(g/l・hr)との間で Yt=Yo・exp(−kt)    とおいて、kを
求めた後、 Da=100×k    とした値である。
【0024】(実施例1) 〔パラジウムテトラアンミンモリブデート〕塩化パラジ
ウム17.73g(100mmol)を25%アンモニ
ア水400mlに80℃で溶解し、これにモリブデン酸
アンモニウム17.66g(100/7mmol)を1
50mlの25%アンモニア水に溶解した溶液を徐々に
加えた。すぐに白色沈澱が生成するが、添加終了後さら
に1時間静置した後、反応生成混合物を吸引濾過し、濾
集物を少量のメタノールで洗浄し、120℃で10時間
乾燥してパラジウムテトラアンミンモリブデート31.
3g(収率89%)を得た。
【0025】この結晶の物性を以下に測定した。 元素分析値(%) Pd:30.4%,Mo:27.0%,O:23.0%
,N:15.9%,H:4.2% Pd(NH3)4MoO4・H2Oとしての計算値Pd
:30.2%,Mo:27.2%,O:22.7%,N
:15.9%,H:3.97% この結晶の融点を測定したが、160℃付近で徐々に変
色し始め、180℃付近から分解した。各種溶媒への溶
解度は、石油エーテル、石油ベンジン、n−ヘキサン、
リグロイン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、四塩
化炭素、塩化エチレン、二硫化炭素、酢酸エチル、アセ
トニトリル、メタノール、エタノール、n−ブタノール
、イソプロパノール、シクロヘキサノールに熱時および
冷時において不溶または難溶であった。また得られた結
晶の赤外吸収スペクトル図、熱分析曲線図、X線回析図
、ESCAスペクトルをそれぞれ第1図,第2図,第3
図,第4図に示す。
【0026】パラジウムテトラアンミンモリブデート0
.66gおよび塩化第二銅(CuCl2・2H2O)0
.65gを25重量%アンモニア水70mlに80〜9
0℃で加熱溶解させ、Pd、Cu、Mo含有溶液を調製
した。他方、0.5〜0.7mmの径の粒状活性炭(C
)を25重量%アンモニア水に浸漬させ、この中に前記
のPd、Cu、Mo含有溶液を加えて1時間静置した。 その後減圧下に80℃で水分を蒸発除去し、さらに窒素
雰囲気中、200℃で乾燥し、触媒を製造した。得られ
た触媒中の金属化合物の担持量は、Pdが金属として担
体に対して1重量%、そして、Pd:Cu:Mo=1:
2:1(原子比)であった。
【0027】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒2.5
mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット付)
に充填した後、この反応管を垂直に固定し、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させ、触媒層内温度が120℃にな
るように加熱制御した。この反応管の上部から、一酸化
炭素、酸素およびメタノールより合成した亜硝酸メチル
を含むガスと一酸化炭素との混合ガス、すなわち、亜硝
酸メチル;8容量%、一酸化炭素;8容量%、一酸化窒
素;3容量%、メタノール;10容量%および窒素;7
1容量%の組成からなる混合ガスを、8500hr−1
の空間速度(GHSV)で供給し、常圧下に反応させた
。次いで、この反応管を通過した反応生成物を、氷冷さ
れたメタノール中を通して捕集した。得られた捕集液を
ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、反応開
始2時間後の炭酸ジメチルのSTYは398g/l・h
rであり、そして反応開始6時間後の炭酸ジメチルのS
TYは340g/l・hrであった。その結果、活性低
下係数Daが3.9hr−1であることが判った。
【0028】(比較例) 〔触媒の製造〕パラジウムテトラアンミンモリブデート
0.66gを25重量%アンモニア水70mlに80〜
90℃で加熱溶解させ、Pd、Mo含有溶液を調製した
。他方、0.5〜0.7mmの径の粒状活性炭(C)を
25重量%アンモニア水30mlに浸漬させ、この中に
前記のPd、Mo含有溶液を加えて1時間静置した。 その後減圧下に80℃で水分を蒸発除去し、さらに窒素
雰囲気中、200℃で乾燥し、触媒を製造した。得られ
た触媒中の金属化合物の担持量は、Pdが金属として担
体に対して1重量%、そして、Pd:Mo=1:1(原
子比)であった。
【0029】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒を用い
た以外は、実施例1と同様にして、炭酸ジメチルの合成
を行った。得られた捕集液をガスクロマトグラフィーに
よって分析した結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開
始2時間後で85g/l・hr、そして反応開始6時間
後で50g/l・hrであった。従って、この場合の活
性低下係数Daは9.7hr−1であることが判った。
【0030】(実施例2〜8) 〔触媒の製造〕各実施例において、実施例1の方法に準
じて第1表に示す触媒組成および触媒成分の金属の原子
比を有するパラジウムテトラアンミンモリブデートと、
鉄、銅およびビスマスの内から選ばれた少なくとも1種
類の金属の化合物とを担持した触媒を製造した。 〔炭酸ジメチルの合成〕各実施例において、上記の触媒
をそれぞれ用いたことのほかは、実施例1と同様の操作
で炭酸ジメチルの合成を行った。結果を第1表に示す。
【0031】(比較例2) 〔触媒の製造〕実施例1の方法に準じて第1表に示す触
媒組成および触媒成分の金属の原子比を有するパラジウ
ムテトラアンミンモリブデートとアセチルアセトン銅と
を担持した触媒を製造した。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒を用いたことのほか
は、実施例1と同様の操作で炭酸ジメチルの合成を行っ
た。結果を第1表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例9(炭酸ジメチルの合成)触媒層内
温度を120℃に代えて100℃にしたこと以外は実施
例1と同様な方法で、炭酸ジメチルの合成反応を行った
。反応開始2時間後の炭酸ジメチルのSTYは、275
g/l・hrであった。また、活性低下係数Daは1.
4hr−1であった。
【0034】実施例10(炭酸ジメチルの合成)触媒層
内温度を120℃に代えて140℃にしたこと以外は実
施例1と同様な方法で炭酸ジメチルの合成反応を行った
。反応開始2時間後の炭酸ジメチルのSTYは、650
g/l・hrであった。また、活性低下係数Daは6.
5hr−1であった。
【0035】実施例11(炭酸ジエチルの合成)反応管
の上部から供給する混合ガスの成分として亜硝酸メチル
に代えて亜硝酸エチルを、そしてメタノールに代えてエ
タノールを用いたこと以外は実施例1同様な方法で、炭
酸ジエチルの合成反応を行った。反応開始2時間後の炭
酸ジエチルのSTYは、510g/l・hrであった。 また、活性低下係数Daは4.2hr−1であった。
【0036】実施例12(炭酸ジメチルの合成)実施例
1において調製された触媒8.5mlを反応管に充填し
たこと、および反応管の上部から、亜硝酸メチル;9容
量%、一酸化炭素;9容量%、一酸化窒素;4容量%、
メタノール;3容量%および窒素;75容量%の組成か
らなる混合ガスを2500hr−1の空間速度(GHS
V)で供給し、2.0kg/cm2の加圧下に反応させ
たことのほかは、実施例1と同様な方法で、炭酸ジメチ
ルの合成反応を行った。反応開始2時間後の炭酸ジメチ
ルのSTYは、255g/l・hrであった。 また、活性低下係数Daは1.9hr−1であった。
【0037】
【作用効果の説明】この発明の方法は、前述したように
、従来公知の、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの気相接
触反応による炭酸ジエステルの製法が、その反応速度に
おいて十分満足の行くものではなく、また、炭酸ジエス
テルの選択率も低く、反応生成物からの炭酸ジエステル
の分離精製操作が煩雑となるという欠点があったのに対
し、一酸化炭素と亜硝酸エステルとを、パラジウムテト
ラアンミンモリブデートと、第2触媒成分として、鉄、
銅、ビスマス、コバルト、ニッケルおよび錫からなる群
から選ばれた少なくとも1種類の金属の化合物とを担体
に担持した触媒の存在下、低温・低圧の条件で気相反応
させることによって、温和な条件下に、高選択率、高収
率、かつ、安定に炭酸ジエステルを製造する方法を提供
し得る効果を奏するものである。
【0038】また、従来公知の液相法に比べて、この発
明の方法は気相で行えるため、反応液からの分離の必要
もなく、触媒からの金属成分の溶出もないなど、反応液
からの炭酸ジエステルの分離精製が容易であり、工業的
規模の生産において、高い優位性を有する効果をも奏す
る。
【0039】
【図面の簡単な説明】
各図は、それぞれ実施例1で得られたパラジウムテトラ
アンミンモリブデートの測定図である。
【図1】赤外吸収スペクトル
【図2】熱分析曲線図
【図3】X線回析図
【図4】ESCAスペクトル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウムテトランアンミンモリブデート
    と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケルおよび錫か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属の化合物
    とを担体に担持した固体触媒の存在下、一酸化炭素と亜
    硝酸エステルとを気相接触反応させることを特徴とする
    炭酸ジエステルの製造法。
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