JPH0429057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内燃機関に対する過給に、当該内燃
機関によつて常時駆動される容積型の過給機を使
用した過給機付き内燃機関に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

一般に、内燃機関への吸気系に、当該内燃機関
によつて常時駆動される容積型の過給機を使用し
た内燃機関では、例えば、特開昭59−147820号公
報等に記載されているように、その吸気系に、前
記過給機からの過給空気の一部を放出するための
リーク通路を設け、該リーク通路に、内燃機関へ
の吸入空気を調節するためのスロツトル弁を閉じ
ると開きスロツトル弁を開くと閉じるようにした
リーク弁を設け、低負荷域において過給空気の一
部を前記リーク通路を放出することにより、低負
荷域において過給圧が上昇することを防止するよ
うにしている。

しかし、このように吸気系に対するリーク通路
中に設けたリーク弁を、スロツトル弁の開閉に連
動して逆方向に閉開作動するように構成した場
合、内燃機関の急加速に際してスロツトル弁を急
開するとリーク弁がこれに連動して急速に全閉と
なり、過給機からの内燃機関への過給空気量が急
速に増大し、内燃機関に対する吸入空気に対する
燃料の供給が遅れて、吸気混合気が一時期にきわ
めてリーンな状態になるから、内燃機関の運転に
息付きが発生したり、バツクフアイヤが発生した
りするのであり、特にこの不具合の発生は、燃料
の気化が悪い低温度時における急加速のときに顕
著になるのであつた。

そこで、これを防止するには、スロツトル弁の
開作動に連動してリーク弁を閉作動する場合にお
いて、リーク弁の閉作動を、スロツトル弁の開作
動に対して遅延させるようにすれば良いと考えら
れるが、かくすると、内燃機関の加速に際して内
燃機関に対する過給圧の上昇が遅れるので、加速
応答性が低下することになる。

本考案は、内燃機関の加速応答性を損なうこと
なく、急加速時において内燃機関の運転に息付き
が発生したり、バツクフアイヤが発生したりする
ことを確実に防止できるようにすることを目的と
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、エアクリー
ナから内燃機関への吸気系に、内燃機関によつて
常時駆動される容積型の過給機と、該過給機から
の過給空気の一部を放出するためのリーク通路
と、内燃機関への吸入空気を調節するためのスロ
ツトル弁とを備える一方、前記リーク通路に、前
記スロツトル弁に当該スロツトル弁を閉じたとき
全開でスロツトル弁を開くと閉じるように連動す
るリーク弁を設けて成る過給機付き内燃機関にお
いて、前記リーク弁に、当該リーク弁をその全開
位置から全閉位置に近い或る開度までは前記スロ
ツトル弁の開作動に連動して閉作動し、前記或る
開度から全閉位置までは前記スロツトル弁の開作
動と無関係に緩やかに閉作動するようにした緩閉
制御手段を設ける構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、スロツトル弁の開作動
に連動してリーク弁が閉じる場合において、該リ
ーク弁は、当該リーク弁における全閉位置に近い
開度まではスロツトル弁の開作動に連動して閉じ
るが、前記全閉位置に近い開度から全閉位置まで
は、緩閉制御手段によつて緩やかに閉じることに
なる。

換言すると、リーク弁の閉作動は、当該リーク
弁における全閉位置に近い開度まではスロツトル
弁の開作動に連動してこれと同じ速度で行うこと
ができる一方、前記全閉位置に近い開度から全閉
位置までは前記スロツトル弁の開作動とは無関係
に前記緩閉制御手段によつて緩やかな速度で行う
ことができるから、内燃機関における加速応答性
を損なうことがなく、内燃機関の急加速時におい
て、過給圧の上昇に対する燃料の供給遅れによ
り、内燃機関の運転に息付きが発生したり、バツ
クフアイヤが発生したりすることを確実に防止で
きるのである。

〔実施例〕 以下、本考案の実施例を図面について説明する
に、図において符号１は、左右一対の中空状サイ
ドフレーム１ａ，１ｂを中空状のクロスメンバー
１ｃにて連結した自動車用車体フレーム、符号２
は、該車体フレーム１に搭載した内燃機関を各々
示す。

符号３は、ルーツ型、可動翼型、スクリユー型
又は往復型等の容積型過給気を示し、該過給機３
には、前記内燃機関２におけるクランク軸２ａの
回転がベルト４等の動力伝達機構を介して二倍に
増速して常時伝達されている。

この場合、容積型過給機３の吐出容量は、内燃
機関２の全運転域において内燃機関に対して過給
を行うことができるように設定され、且つ、この
過給機３への吸入空気は、前記車体フレーム１に
おける一方のサイドフレーム１ａからエアクリー
ナ５付き吸気通路６を介して取り入れるように構
成されている。

また、符号７は、前記内燃機関２に対する吸気
マニホールド、符号８は、前記吸気マニホールド
７に接続したスロツトル弁９付き横型気化器、符
号１０は、前記気化器８の上流側に過給通路１１
を介して接続した脈動消去用のサージタンクを
各々示す。

前記サージタンク１０には、前記過給機３の吐
出側からの過給通路１２が接続されると共に、リ
ーク通路１３が接続され、このリーク通路１３の
他端を、前記車体フレーム１における他方のサイ
ドフレーム１ｂ等のように前記過給機３の上流側
の部位にサイレンサー１４を介して接続する。

そして、前記リーク通路１３内には、バタフラ
イ式のリーク弁１５を設けて、このリーク弁１５
を、前記気化器８におけるスロツトル弁９に、当
該スロツトル弁９を閉じたときリーク弁が全開
で、スロツトル弁９が或る開度以上に開くとリー
ク弁１５が全閉となるように連動機構１６を介し
て連動するように構成する。

この連動機構１６は、中間軸１７に回転自在に
設けた三つのレバー１８，１９，２０と、前記リ
ーク弁１５における弁軸２１に固着したリーク弁
レバー２２とを備え、中間軸１７における第１レ
バー１８を、前記スロツトル弁９の弁軸に固着し
たレバー２３にロツド２４を介して連結し、該第
１レバー１８に、中間軸１７における第２レバー
１９に設けた調節ねじ２５を接当し、該第２レバ
ー１９と第３レバーとの２０との間に、第２レバ
ー１９における突起１９ａに第３レバー２０にお
ける突起２０ａを押圧接当するためのばね２０ｂ
を設ける一方、前記第３レバー２０とリーク弁レ
バー２２とを、ロツド２６を介して連結して、ス
ロツトル弁９が全閉のとき前記リーク弁レバー２
２は、位置（Ｏ）にあつてリーク弁１５が全開に
なつているが（このとき、リーク弁レバー２２に
設けた突起２２ａは、ストツパー２７に接当して
いる）、スロツトル弁９を或る開度以上に開くと、
前記リーク弁レバー２２が、位置（Ｃ）まで角度
θだけ回転することによりリーク弁１５が全閉と
なるように構成されている。

そして、前記リーク弁１５には、当該リーク弁
１５をその全閉位置（Ｃ）より小さい角度（θ）
だけ前の全閉に近い開度（Ｎ）の開度から全閉位
置（Ｃ）まで緩やかに閉じるようにした緩閉制御
手段２８を設ける。

この緩閉制御手段２８は、リーク弁１５におけ
る弁軸２１に、回転自在に被嵌したレバー２９
と、該レバー２９にロツド３０を介して連結した
ダイヤフラム機構３１とから成り、前記レバー２
９には、前記リーク弁レバー２２が、リーク弁１
５の全閉方向に回動したとき、その突起２２ａが
接当するストツパー２９ａを設ける一方、ダイヤ
フラム機構３１における圧力室３１ａ内には、前
記レバー２９をリーク弁１５の閉方向に付勢する
ばね３２を設ける。また、この圧力室３１ａに
は、前記吸気マニホールド７からの吸気圧伝達通
路３３を接続して、圧力室３１ａに負圧が作用し
たとき前記レバー２９におけるストツパー２９ａ
が前記全閉に近い開度（Ｎ）に位置するように構
成し、更に、大気への連通通路３４を接続して、
この連通通路３４中に絞りオリフイス３５を設け
る一方、前記吸気圧伝達通路３３中に、吸気マニ
ホールド７への方向にのみ開くように逆止弁３６
を設ける。

この構成において、気化器８におけるスロツト
ル弁９の開度が小さい状態では、これに連動し
て、リーク弁１５が略全開の状態になつている一
方、スロツトル弁９より下流における吸気マニホ
ールド７には負圧が発生し、この負圧が圧力室３
１ａに伝達していることにより、リーク弁１５に
おけるレバー２９のストツパー２９ａは、全閉に
近い開度（Ｎ）に位置している。

そこで、内燃機関２の加速に際してスロツトル
弁９を大きく開くと、これに連動してリーク弁１
５が閉作動するのであるが、このリーク弁１５の
閉じ回動の途次においてその弁軸１５ａに固着し
たリーク弁レバー２２における突起２２ａが、前
記全閉に近い開度（Ｎ）に位置しているストツパ
ー２９ａに接当することにより、全閉位置（Ｃ）
までの閉作動が阻止される。この場合、中間軸１
７上における第２レバー１９と、第３レバー２０
と、その間に設けたばね２０ｂに抗してその各々
における突起１９ａ，２０ａが離れるように回動
するので、スロツトル弁９の開作動を妨げること
はないのである。

一方、緩閉制御手段２８における圧力室３１ａ
には、逆止弁３６によりスロツトル弁９より下流
における過給圧が作用することはなく、絞りオリ
フイス３５を介して大気空気が少しづつ流入して
いて、前記ストツパー２９ａを備えたリーク弁レ
バー２９は、圧力室３１ａへの大気空気の流入に
応じてリーク弁１５の閉方向にばね３２により回
動されるから、リーク弁１５の全閉に近い開度
（Ｎ）から全閉位置（Ｃ）までの閉作動は、スロ
ツトル弁９における開作動の速度とは無関係に、
前記絞りオリフイス３５を介して圧力室３１ａに
大気空気が少しづつ流入することに応じて緩やか
に行なわれるのである。

つまり、リーク弁１５の閉作動は、当該リーク
弁１５における全閉位置に近い開度（Ｎ）までは
スロツトル弁９の開作動に連動してこれと同じ速
度で、前記全閉位置に近い開度（Ｎ）から全閉位
置（Ｃ）までは、緩閉制御手段２８によつて緩や
かな速度で行うことができるのである。

なお、前記スロツトル弁９を大きく開いたと
き、吸気マニホールド７における吸気圧は、略大
気圧に近い状態か大気圧以上になつていることか
ら、圧力室３１ａに絞りオリフイス３５付き大気
連通通路３４を接続することに代えて、絞りオリ
フイス３５を、第３図に示すように吸気圧伝達通
路３３に、当該吸気圧伝達通路３３中における逆
止弁３６に対して並列的に設けるように構成して
も良いのである。

また、前記吸気圧伝達通路３３中に、内燃機関
２の温度が高いとき当該吸気圧伝達通路３３の連
通を遮断し、内燃機関２の温度が低いとき当該吸
気圧伝達通路３３を連通するようにした温度感知
弁３７を設けておけば、前記の作用を内燃機関の
温度が低いときにおいてのみ行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体
図、第２図は第１図の要部拡大図、第３図は別の
実施例を示す図である。 ２……内燃機関、３……過給機、７……吸気マ
ニホールド、８……気化器、９……スロツトル
弁、１１，１２……過給通路、１３……リーク通
路、１５……リーク弁、１６……連動機構、２８
……緩閉制御手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアクリーナから内燃機関への吸気系に、内燃
   機関によつて常時駆動される容積型の過給機と、
   該過給機からの過給空気の一部を放出するための
   リーク通路と、内燃機関への吸入空気を調節する
   ためのスロツトル弁とを備える一方、前記リーク
   通路に、前記スロツトル弁に当該スロツトル弁を
   閉じたとき全開でスロツトル弁を開くと閉じるよ
   うに連動するリーク弁を設けて成る過給機付き内
   燃機関において、前記リーク弁に、当該リーク弁
   をその全開位置から全閉位置に近い或る開度まで
   は前記スロツトル弁の開作動に連動して閉作動
   し、前記或る開度から全閉位置までは前記スロツ
   トル弁の開作動と無関係に緩やかに閉作動するよ
   うにした緩閉制御手段を設けたことを特徴とする
   過給機付き内燃機関。