JPS6124665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 高速型４サイクルにおいては、吸排気弁が同時
に開放されている期間、即ちバルブオーバラツプ
期間を長くすることによつて吸排気の慣性効果を
利用し、高出力化を図つていたが、この吸排気の
慣性効果は高速運転域では奏しうるものゝ、低速
運転域ではその効果は期待できず、むしろバルブ
オーバラツプ期間に吹き返しが生じ、燃費および
低速性能が劣化する傾向にあつた。

このような難点を克服するために、機関に向つ
ては混合気を流すが、逆方向への流れを阻止する
リード弁等の逆止弁を吸気通路内に設けた内燃機
関があるが、高速運転域において前記逆止弁によ
る抵抗が増大する。

またこれを改良したものとして、高速運転域で
はリード弁を吸気通路の長手方向に沿うように揺
動させたものがあつたが、このような吸気装置で
は、リード弁の下流側吸気通路にリード弁を収容
しうる凹部を形成しなければならず、高速運転域
においては、同凹部による流路横断面積の急激な
変化の結果、吸気通路内の混合気の流れに乱れが
生じ、吸気、慣性効果が十分に発揮されず出力低
下を生じる場合も有つた。

本案はこのような不都合を解消した４サイクル
内燃機関の吸気装置の改良に係り、その目的とす
る処は、低速運転域の燃費および低速性能が優れ
ているとゝもに全運転域に亘り吸気抵抗の低くか
つ高速運転域での吸気慣性効果を十分に発揮する
吸気装置を供する点にある。

以下第１図ないし第２図に図示された本案の一
実施例について説明する。

１は高速型４サイクルガソリンエンジンのシリ
ンダーで、同シリンダー１に吸気弁２を介して吸
気通路３が接続され、同吸気通路３にCV型キヤ
ブレター４および下流側に第１締り弁５が介装さ
れている。

また前記第１締り弁５からシリンダー１寄りの
吸気通路３内に、バタフライ型第２締り弁６が配
設され、同第２締り弁６には回転軸７を挾んで上
下に開口８が二個所形成され、各開口８を閉塞す
るリード９がその下方でビス１０にて取付けられ
ており、前記開口８およびリード９にてリード弁
が構成されるようになつている。

さらにCV型キヤブレター４のダイヤフラム室
１１は負圧パイプ１２を介して第２締り弁６の操
作用アクチユエータ１３のダイヤフラム室１４に
接続され、同ダイヤフラム室１４には復帰用コイ
ルスプリング１５が介装され、同ダイヤフラム室
１４のダイヤフラム１６は連結杆１７を介して第
２締り弁６のレバー（図示されず）に連結されて
いる。

第１図ないし第２図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、比較的低速運転域で
は、CV型キヤブレター４におけるベンチユリー
負圧が小さいので、操作用アクチユエータ１３の
ダイヤフラム室１４の負圧も小さく、コイルスプ
リング１５のばね力で練結杆１７が突出され、第
２締り弁６は閉塞されたまゝとなる。

従つて第２締り弁６におけるリード弁１０は通
常のリード弁と同様な作用をなし、混合気は、吸
気通路３より吸気弁２を介してシリンダー１内に
は供給されるが、逆方向の吹き返しは阻止され
る。このため燃費とアイドリング安定性は向上す
る。

また高速運転域になると、CV型キヤブレター
４におけるベンチユリー負圧が大きくなり、これ
に対応して操作用アクチユエータ１３のダイヤフ
ラム室１４の負圧も大きくなり、ダイヤフラム１
６はコイルスプリング１５のばね力に抗して上方
へ吸引され、連結杆１７が斜上方へ引上げられる
ため、第２締り弁６は吸気通路３の長手方向と略
平行な方向な方向へ開放され、第２締り弁６によ
る吸気抵抗は極めて少ない。

従つて高速運転域では、通常のリード弁を設け
たエンジンと異なり、吸気通路３の内の吸入抵抗
が著しく低下し、吸気の慣性効果を充分に利用す
ることができ、高出力化を図ることができる。

しかも吸気通路３の横断面積の変化は左程ない
ため、第２締り弁６の開放時における抵抗の増加
は殆んどない。

第１図ないし第２図に図示の実施例では、第２
締り弁６としてバタフライ型弁であつたが、第３
図ないし第４図に図示するように、第２締り弁を
仕切弁型フラツト弁１８に形成してもよく、同仕
切弁型フラツト弁１８に開口１９を形成し、その
下流側上部にリード２０を取付け、フラツト弁１
８の上端をダイヤフラム室２１のダイヤフラム２
２に固着し、同ダイヤフラム室２１をCVキヤブ
レター４のダイヤフラム室１１に接続し、フラツ
ト弁１８を常時下方へ閉塞するようにコイルスプ
リング２３を設けてもよく、同実施例においても
第１図ないし第２図に図示の実施例と略同様な作
用効果を奏しうる。

前記実施例では、CV型キヤブレター４のダイ
ヤフラム室１１の真空圧によつて第２締り弁６，
１８を開閉制御させたが、エンジンの回転数が所
定値を越えるか否かによつて電磁ソレノイドまた
は油圧アクチユエータを作動させ、この作動で第
２締り弁を開閉制御させるようにしてもよい。

本案は、前記負荷状態に応じて吸入される混合
気量を制御する第１締り弁を吸気通路の上流に有
する内燃機関において、同機関および第１締り弁
間に、吸気通路の断面形状と略同形状とし、かつ
リード弁等の逆止弁付設した第２締り弁を設け
たゝめ、高速運転域においては、前記第２締り弁
を開放すれば、吸気通路の抵抗は小さくなつて、
吸気の慣性効果を充分利用して機関の高出力化が
可能となる。また低速運転域でにおいては、前記
第２締り弁を閉塞すれば、同第２締り弁に付設さ
れた前記逆止弁により、バルブオーバラツプ期間
中の吹き返しを防止でき、燃費、安定性が良く、
出力低下もない。

しかもいずれの運転状態においても、吸気通路
横断面積は急激な変化がないため、吸気抵抗が低
く、機間の運転上好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る４サイクル内燃機関の吸気
装置の一実施例を図示した縦断側面図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図は他の実施例の縦
断側面図、第４図は第３図の−線に沿つて截
断した横断面図である。 １……シリンダー、２……吸気弁、３……吸気
通路、４……CV型キヤブレター、５……第１締
り弁、６……第２締り弁、７……回転軸、８……
開口、９……リード、１０……リード弁、１１…
…ダイヤフラム室、１２……負圧パイプ、１３…
…操作用アクチユエータ、１４……ダイヤフラム
室、１５……復帰用コイルスプリング、１６……
ダイヤフラム、１７……連結杆、１８……第２締
り弁、１９……開口、２０……リード、２１……
ダイヤフラム室、２２……ダイヤフラム、２３…
…コイルスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 負荷状態に応じて吸入される混合気量を制御す
   る第１締り弁を吸入通路の上流に有する内燃機関
   において、機関と第１締り弁の間に、リード弁な
   どの逆止片を当該した第２締り弁を設けるととも
   に、該第２締り弁の形状を吸入通路の断面形状と
   略同形状としたことを特徴とする４サイクルエン
   ジン内燃機関の吸気装置。