JPH04285897A - 原子力施設の排ガス中から放射性気体を除去する装置 - Google Patents

原子力施設の排ガス中から放射性気体を除去する装置

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JPH04285897A
JPH04285897A JP4976891A JP4976891A JPH04285897A JP H04285897 A JPH04285897 A JP H04285897A JP 4976891 A JP4976891 A JP 4976891A JP 4976891 A JP4976891 A JP 4976891A JP H04285897 A JPH04285897 A JP H04285897A
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JP
Japan
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hollow fiber
gas
absorption liquid
fiber membrane
exhaust gas
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JP4976891A
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English (en)
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Kiyomi Funabashi
船橋清美
Yoshitaka Nishino
西野由高
Tetsuo Yamaguchi
山口哲男
Hideaki Kurokawa
黒川秀昭
Hidekazu Miura
三浦英一
Takayuki Matsumoto
松本隆行
Toshio Sawa
俊雄 沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排ガス処理装置に係り、
特に、原子力施設の排ガス中から気体状の放射性物質を
高効率で除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力施設の排ガス処理では、液体を噴
霧しこれを排ガスと接触させるスクラバ方式と、吸着剤
による吸着除去方式との2つがある。前者は、排ガス中
に種々のガスが含まれる場合にこれらを一括して除去す
ることが可能であるが、高い除去効率を得ることは難し
い。したがって、特定の施設の特定の排ガス系に適用さ
れ、多段または他の方式との組合せによって使用されて
いる。また、噴霧した液体の一部が除去されずに後段に
排ガスと共に流れ出すため、これに対する対策が必要で
ある。噴霧した液体が排ガスと共に後段に流れ出すのを
防ごうとすれば、スクラバでの噴霧液滴を小さくするこ
とができず、ガスと液との接触面積が少くなり排ガス処
理効率が低くなる。一方、後者は、前者と異なり、高い
除去効率が得られるが、除去する対象の物質が限定され
ること、除去する対象の物質の量が多いと高価な吸着剤
の使用量が多くなり、運転コストが大きくなる欠点があ
る。
【0003】また、最近、高分子の薄膜技術の進歩によ
り、直径が数mm以下の中空状の繊維(中空糸)で、そ
の繊維表面に数μm以下の微小な細孔を持つ多孔質中空
糸膜、または、分子レベルの細孔を持つガス分離中空糸
膜が製造されるようになってきた。これに伴い、一般産
業分野では、この膜の一方の側に気体を、他方の側に液
体(水、酸、アルカリ等の液)を接触させる方式が考案
されている。この方式は膜を介して液体と気体を接触さ
せるもので、両者に含まれる各々のガスを移動、若しく
は、交互に交換させようとするものである。これの方式
による一般産業での処理技術は、高い除去効率よりも大
量処理を目的とするもので、原子力施設の排ガスの処理
に要求される様な、ガス中に含まれている微量の放射性
ガスの除去の場合には、高い除去効率を満足できない。 中空糸膜を介して液体と気体を接触させて気体を移動さ
せる場合の膜および装置に関しては、特開平2−102
714、特開平2−107317、特開平1−2100
16、特開昭63−264217などの公知例がある。 特開昭63−264217はポリ(4−メチルペンテン
−1)を主要成分とし且つそれ自体で選択性を持たない
多孔質中空糸膜を用いた例である。特開平1−2100
16は、多孔質中空糸膜を用いたものであるが、加圧し
た100%のCO2 を液体中に溶解させるものである
。 特開平2−107317、特開平2−102714は、
ポリ(4−メチルペンテン−1)を主要成分とする多孔
質膜と気体分離膜の構造に関するもので、中空糸膜を糸
で結びシート状にして容器に収めたものである。いずれ
の場合も、吸収する対象とする物質は、ガス中に含まれ
る大量の成分または該ガスそのものであり、原子力施設
の排ガス中に含まれる微量の放射性ガスを高い除去効率
で除去するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
吸着剤方式の排ガス処理処置では高い除去効率を持つが
運転コストが高くなり、スクラバ方式では運転コストは
小さいが単独で高い除去効率が得られない。
【0005】また、上記のように、中空糸膜を介して液
体と気体を接触させる方式の従来装置は、原子力施設の
排ガス中から微量の放射性気体を高い除去効率で除去す
るには満足でない。例えば、14Cを含む放射性ガスが
空気中に混っている原子力施設排ガスにおいては上記放
射性ガスは、空気中の安定同位体を含めても、その濃度
は高々300ppmであり、膜を用いた従来装置が対象
とする濃度10%以上のガスに比較して1/100以下
の濃度であり、従来装置では高効率で除去することがで
きない。
【0006】本発明は原子力施設の排ガス中の微量の放
射性ガスを、中空糸膜を用いて高い除去効率で且つ低運
転コストで除去することを目的とする。他の本発明の目
的は、上記排ガス中から除去された放射性物質を容易に
固定化処理することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による原子力施設の排ガス中から放射性気体
を除去する装置は、該排ガス中の放射性気体を化学反応
によって吸収する物質の水溶液からなる吸収液と上記排
ガスを中空糸膜を介して接触させる様に構成されている
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】化学反応によって放射性気体を吸収する上記吸
収液は、放射性気体をイオン化などによって効率良く吸
収液に溶け込ませることができ、液側の放射性気体の気
体濃度が低くなり、その結果、中空糸膜内の拡散が速く
なり高い除去効率が得られる。
【0009】
【実施例】実施例1 本発明の好適な一実施例を図1、図2に示す。ここでは
、原子力施設排ガス中から放射性物質の炭素−14を除
去する装置の例を示した。具体的には、排ガスと吸収液
たる水酸化ナトリウム水溶液を疎水性多孔質中空糸質を
介して接触させ、炭素−14を吸収除去し、最終的に塩
化バリウムを用いて炭酸バリウムとして固定化する装置
の例を示した。
【0010】図1,図2で、1は中空糸膜モジュール、
2は疎水性多孔質中空糸膜(図2にのみ図示)、3は中
空糸膜ガス吸収器、4は吸収液、5は吸収液タンク、6
は吸収液補給タンク、10は固定反応槽、11は固定液
タンク、13は撹拌機、14は固定液(塩化バリウム水
溶液)、7,8,9,12はポンプである。中空糸膜2
は直径1〜2mmで長さ数十cmから数mの中空状の有
機高分子膜である。中空糸膜モジュール1は、数百本の
同じ太さの中空糸膜2が束ねられてなり、その末端部は
プラスチックに埋め込まれて相互に固定されているが、
その末端部構成は、各中空糸膜2の端面を該プラスチッ
クが塞ぐことなく、端部における中空糸膜2同志間の空
間部分が該プラスチックで埋められた構成になっている
。中空糸膜ガス吸収器3には中空糸膜モジュール1が水
平に一体又は複数体設置されて、図示したように排ガス
入口と出口の配管が水平方向に取り付けられている。 また、中空糸膜ガス吸収器3には、下部に貫通孔が2つ
設けられており、一方が吸収液タンク5にポンプ7を介
して接続され、他方は吸収液4で満たされた吸収液タン
ク5に直接接続される。吸収液補給タンク6はポンプ8
を介して吸収液タンク5に接続される。吸収液タンク5
は、ポンプ9を介して固定反応槽10に接続される。固
定反応槽10は、撹拌機13が設けられ、上部側面に廃
液処理系への配管が接続され、下部には固化系への配管
が接続されている。固定液14が満たされた固定液タン
ク11はポンプ12を介して固定反応槽10に接続され
ている。
【0011】以下、手順に従って詳細に説明する。ポン
プ7を作動させ、吸収液タンク5中の吸収液(水酸化ナ
トリウム水溶液)4を中空糸膜ガス吸収器3に送る。中
空糸膜ガス吸収器3では、吸収液4がこの中に設置され
た中空糸膜モジュール1に入り、中空糸膜2を束ねた隙
間にできる空間を満たす。この際、処理する排ガス系の
圧力よりもポンプ7で送る吸収液4の圧力を高くするこ
とによって、中空糸膜2を束ねた隙間にできる空間部分
の気体が取り除ける。これは、ここで用いた疎水性の中
空糸膜2が、気体は通すが水は全く通さない性質を持つ
ためで、圧力の高い吸収液4によって空間部分の気体が
膜を透過して除去されるためである。そして、処理する
排ガスを中空糸膜ガス吸収器3に導く。排ガスは中空糸
膜ガス吸収器3内では中空糸膜モジュール1を構成する
中空糸膜2の内側に入る。
【0012】この結果、図2に詳細に示したように、排
ガスと吸収液4が中空糸膜2を介して接触する。排ガス
中の炭素−14は二酸化炭素(14CO2 )として存
在しているため、次のような反応によって、吸収液たる
水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液に炭素−14が
吸収される。
【0013】 14CO2 +2NaOH  →  Na2 14CO
3 +H2 O図2中の右側に中空糸膜モジュール1中
の中空糸膜2のガス流れ方向に対するA−A断面での炭
素−14を含む二酸化炭素(14CO2 )の濃度分布
を示す。従来の液体(単なる水)による吸収では、液体
側の二酸化炭素の濃度が十分に低下しないため、反応の
律速は膜中と液体中の二酸化炭素の拡散という2つとな
るのに対して、本発明実施例では、液体として吸収液(
水酸化ナトリウム水溶液)を用いることによって、膜中
の拡散のみとなる。 この結果、二酸化炭素の除去効率は高くすることが可能
となり、放射性物質としての二酸化炭素を除去するため
には有効な方式となる。これは、一般の工業分野では、
吸収液に吸収された二酸化炭素の回収が困難となり、こ
れを回収しようとすると運転コストが著しく増大するた
め、実施されない方式である。
【0014】この様にして、炭素−14を含む二酸化炭
素が除去されながら排ガスは中空糸膜2の内側を流れる
ことによって中空糸膜モジュール1中を下流側に移動し
、最終的に中空糸膜ガス吸収器3より流出する。一方、
吸収液は排ガスの流れの下流側から上流側に移動しつつ
上記の如く排ガス中の二酸化炭素を吸収し、中空糸膜ガ
ス吸収器3より流出して吸収液タンク5に戻る。この様
にして炭素−14を含む二酸化炭素の吸収除去が進行す
る。
【0015】また、タンク5から吸収液4の一部はポン
プ9を介して固定反応槽10に送られる。これにより減
少した分の吸収液は、吸収液補給タンク6からポンプ8
を介して吸収液タンク5に補充する。一方、固定反応槽
10には固定液タンク11より固定液14をポンプ12
を介して供給し、撹拌機13で撹拌する。このとき固定
反応槽10では固定液14である塩化バリウム水溶液と
吸収液4が次のような反応を生じ、吸収液4中の炭素−
14をバリウムの炭酸塩として固定化する。
【0016】     Na2 14CO3 +BaCl2  → B
a14CO3 ↓+2NaCl上澄み液は廃液処理系で
処理し、希釈放流または固化する。Ba14CO3 の
沈澱は、固化系で固化体とする。
【0017】本実施例での除去性能は、直径1mm、長
さ20cm中空糸膜中を線速度20cm/sで排ガスを
流したとき、除染係数(DF)は1,000以上である
【0018】本実施例によれば、吸収液を微粒子にして
排ガスと接触させる従来のスクラバと比較して、ミスト
が飛散しないため、後段でのこれに対する腐蝕などの対
策の必要がなく、また、除去効率は中空糸膜の表面積が
大きいことから、従来はDFで10〜100(除去効率
90〜99%)であるのに対し、本実施例では1,00
0以上(99.9%以上)となり、その装置規模は従来
のスクラバの1/3となる。
【0019】実施例2 本発明の好適な他の一実施例を図3に示す。ここでは、
原子力施設排ガス中からの放射性物質の炭素−14を除
去する装置の例を示した。具体的には、排ガスと吸収液
たる塩化バリウム水溶液を疎水性多孔質中空糸膜を介し
て接触させ、炭素−14を炭酸バリウムとして吸収固定
化するシステムの例を示した。図3中の記号は図1,図
2と同じである。図3が図1と相違する点は、図1にお
ける構成要素9〜13が無く、吸収液タンク5の上部側
面および下部にはそれぞれ廃液処理系への配管および固
化系への配管が直接接続されていること、吸収液4が塩
化バリウム水溶液であることである。
【0020】以下、手順に従って詳細に説明する。ポン
プ7を作動させ、吸収液タンク5中の吸収液(塩化バリ
ウム水溶液)4を中空糸膜ガス吸収器3に送る。中空糸
膜ガス吸収器3では、吸収液4がこの中に設置された中
空糸膜モジュール1に入り、疎水性多孔質中空糸膜2を
束ねた隙間にできる空間を満たす。この際、処理する排
ガス系の圧力よりもポンプ7で送る吸収液4の圧力を高
くすることによって、中空糸膜2を束ねた隙間にできる
空間部分の気体が取り除ける。そして、処理する排ガス
を中空糸膜ガス吸収器3に導く。中空糸膜ガス吸収器3
内では排ガスは中空糸膜モジュール1を構成する中空糸
膜2の内側に入る。この結果、図2に詳細に示したよう
に、排ガスと吸収液4が中空糸膜2を介して接触する。 排ガス中の炭素−14は二酸化炭素(14CO2 )と
して存在するので、次のような反応によって、塩化バリ
ウム(BaCl2 )の水溶液に炭素−14が吸収され
、固定化される。
【0021】     14CO2 +BaCl2 +H2 O  →
  Ba14CO3 ↓+2HClこの様にして、炭素
−14を含む二酸化炭素が除去されながら排ガスは中空
糸膜2の内側を流れることによって中空糸膜モジュール
1中を下流側に移動し、最終的に中空糸膜ガス吸収器3
より流出する。一方、吸収液は排ガスの流れの下流側か
ら上流側に移動しつつ上記の如く排ガス中の二酸化炭素
を吸収し、中空糸膜ガス吸収器3より流出して吸収液タ
ンク5に戻る。上澄み液は廃液処理系で処理し、希釈放
流または固化する。Ba14CO3 の沈澱は固化系で
固化体とする。
【0022】本実施例によれば、実施例1の効果に加え
て、固定化操作のためのタンク等の機器類が不要となり
、システムが簡素化できる。しかし、中空糸膜中を沈澱
物を含む吸収液が流れるため、膜の目詰まりの問題が発
生し易い。
【0023】実施例3 本発明の好適な第3の実施例を図4に示す。ここでは、
原子力施設排ガス中からの放射性物質の炭素−14を除
去する多段のシステムの例を示した。具体的には、排ガ
スと吸収液たる水酸化ナトリウム水溶液を疎水性多孔質
中空糸膜を介して2段階で接触させ、炭素−14を吸収
除去し、最終的に塩化バリウムを用いて炭酸バリウムと
して固定化するシステムの例を示した。図4において、
3,23は中空糸膜ガス吸収器、4は吸収液(水酸化ナ
トリウム水溶液)、5,25は吸収液タンク、6は吸収
液補給タンク、10は固定反応槽、11は固定液タンク
、13は撹拌機、14は固定液(塩化バリウム水溶液)
、7,8,9,12,27,28はポンプである。 中空糸膜ガス吸収器3には疎水性多孔質中空糸膜モジュ
ール1が水平に設置されて、排ガス入口と出口の配管が
水平方向に取り付けられている。また、中空糸膜ガス吸
収器3には、下部に貫通孔が2つ設けられており、一方
が吸収液タンク5とポンプ7を介して接続され、他方は
吸収液4で満たされた吸収液タンク5に直接接続される
。また、中空糸膜ガス吸収器23には同じく疎水性中空
糸膜モジュール1が水平に設置されて、排ガス入口と出
口の配管が水平方向に取り付けられている。中空糸膜ガ
ス吸収器3の排ガス出口の下流側には、中空糸膜ガス吸
収器23の排ガス入口が接続されている。中空糸膜ガス
吸収器23には、下部に貫通孔2つが設けられており、
一方が吸収液タンク25とポンプ27を介して接続され
、他方は吸収液4で満たされた吸収液タンク25に直接
接続される。吸収液補給タンク6はポンプを介して吸収
液タンク25に接続される。吸収液タンク25はポンプ
28を介して吸収液タンク5に接続される。吸収液タン
ク5は、ポンプ9を介して固定反応槽10に接続される
。固定反応槽10は、撹拌機13が設けられ、上部側面
に廃液処理系への配管が接続され、下部には固化系への
配管が接続されている。固定液14が満たされた固定液
タンク11は、ポンプ12を介して固定反応槽10に接
続されている。
【0024】以下、手順に従って詳細に説明する。ポン
プ7,27を作動させ、吸収液タンク5,25中の吸収
液4をそれぞれ中空糸膜ガス吸収器3,23に送る。中
空糸膜ガス吸収器3,23では、吸収液4がこの中に設
置された中空糸膜モジュール1に入り、疎水性多孔質中
空糸膜2を束ねた隙間にできる空間を満たす。この際、
処理する排ガス系の圧力よりもポンプ7,27で送る吸
収液4の圧力を高くすることによって、中空糸膜2を束
ねた隙間にできる空間部分の気体が取り除ける。これは
、ここで用いた疎水性多孔質の中空糸膜が、気体は通す
が水は全く通さない性質を持つためで、圧力の高い吸収
液4によって空間部分の気体が膜を透過して除去される
ためである。そして、処理する排ガスを中空糸膜ガス吸
収器3に、次いで中空糸膜ガス吸収器23に導く。排ガ
スは中空糸膜ガス吸収器3,23内では中空糸膜モジュ
ール1を構成する中空糸膜2の内側に入る。
【0025】この結果、中空糸膜ガス吸収器3では排ガ
ス中に二酸化炭素(14CO2 )として存在する炭素
−14は、次のような反応によって吸収液たる水酸化ナ
トリウム(NaOH)の水溶液に吸収される。
【0026】 14CO2 +2NaOH  →  Na2 14CO
3 +H2 Oこの様にして、炭素−14を含む二酸化
炭素が除去されながら排ガスは中空糸膜の内側を流れる
ことによって中空糸膜ガス吸収器3より流出する。一方
、吸収液は中空糸膜ガス吸収装置3中を排ガスの流れの
下流側から上流側に移動し、中空糸膜ガス吸収器3より
流出して吸収液タンク5に戻る。この様にして炭素−1
4を含む二酸化炭素の吸収除去が進行する。さらに、中
空糸膜ガス吸収器3より流出した排ガスを中空糸膜ガス
吸収器23に導き、同様の除去を行なう。
【0027】また、吸収液タンク25の吸収液4の一部
をポンプ28を介して吸収液タンク5に送る。これによ
り減少した吸収液タンク25の吸収液は、吸収液補給タ
ンク6からポンプ8を介して吸収液タンク25に補充す
る。吸収液タンク5の吸収液4の一部をポンプ9を介し
て固定反応槽10に送る。一方、固定反応槽10には、
固定液タンク11より固定液14をポンプ12を介して
供給し、撹拌機13で撹拌する。このとき、固定反応槽
10では固定液14である塩化バリウム水溶液と吸収液
4が次のような反応を生じ、吸収液4中の炭素−14を
バリウムの炭酸塩として固定化する。
【0028】     Na2 14CO3 +BaCl2  →  
Ba14CO3 ↓+2NaCl上澄み液は廃液処理系
で処理し、希釈放流または固化する。Ba14CO3 
の沈澱は、固化系で固化体とする。
【0029】本実施例によれば、実施例1の効果に加え
てさらに以下の効果を奏する。2段目の吸収液中の二酸
化炭素の濃度が1段目に比べて低いため、さらに高い除
去効率が得られる。また、同じ除去性能を得る場合には
、1段目の吸収液中の二酸化炭素の濃度が高くできるた
め、使用する吸収液の量が少なくなり、廃棄物発生量が
少なくなる。しかし、システムが複雑になる問題点があ
る。
【0030】実施例4 本発明の好適な第4の実施例を図5に示す。ここでは、
原子力施設排ガス中から放射性物質の炭素−14を除去
するシステムの例を示した。具体的には、疎水性多孔質
中空糸膜の一方の側に塩化バリウムの水溶液と固体を充
填し、排ガスと接触させて炭素−14を吸収除去し、膜
内に炭酸バリウムとして固定化するシステムの例を示し
た。図5で、1は中空糸膜モジュール、2は疎水性多孔
質中空糸膜、4は吸収物質(塩化バリウム)を水に溶解
した吸収液、34は吸収物質(塩化バリウム)の固体で
ある。中空糸膜2は直径1〜2mm、長さ数十cmから
数mの中空状の有機高分子膜である。中空糸膜モジュー
ル1は、数百本の中空糸膜2が束ねられ、その末端部は
プラスチックに埋め込まれて相互に固定されているが、
その末端部構成は、各中空糸膜の端面を該プラスチック
が塞ぐことなく、端部における中空糸膜2同志間の空間
部分が該プラスチックで埋められた構成になっている。 中空糸膜モジュール1には、その末端部を除く部分で、
中空糸膜2同士の外側にできる空間部分に塩化バリウム
の水溶液4と塩化バリウムの固体34とを共存状態で充
填してある。従って、該塩化バリウム水溶液は飽和溶液
になっている。中空糸膜モジュール1は全体としてプラ
スチック外被1’で包囲されて密封されており、その中
に上記の塩化バリウムの水溶液4と塩化バリウムの固体
34とが共存状態で封入されている。この結果、排ガス
を中空糸膜2内を通過させることによって排ガス中の炭
素−14をモジュール1中で除去固定化できる。使用済
みとなった中空糸膜モジュール1は、そのまま、又は、
中空糸膜の中に加熱された乾燥用ガスを流すなどして乾
燥した後、セメントなどの固化材を用いて直接固化体と
することができる。これにより、固化系の負担を少なく
できる。
【0031】本実施例によれば、実施例1に加えてさら
に以下の効果を奏する。吸収液の循環ラインが不要とな
り、装置がコンパクト化できる。また、使用済みの中空
糸膜モジュールを、セメントなどの固化材を用いて直接
固化体とすることができ、固化系の負担を少なくできる
。ただし、吸収液や吸収する固体物質の量が制限される
ため、大量処理ができない。
【0032】実施例5 上記実施例1〜4では、中空糸膜として疎水性多孔質中
空糸膜を使用したが、それに代えてガス分離中空糸膜を
使用するとさらに次の効果を奏する。すなわち、ガス分
離中空糸膜では、吸収液の液体の蒸発による溶存塩(こ
の場合、水酸化ナトリウムなど)の析出による膜の細孔
の目詰まりが防止できる。また、ガス分離中空糸膜の気
体の選択透過性により、吸収するガスの選択的な吸収除
去が可能となる。一方、ガス分離中空糸膜は、多孔質中
空糸膜に比べて気体の透過速度が小さいため、疎水性多
孔質膜を用いた実施例1〜4に比べて装置が大きくなる
欠点がある。
【0033】実施例6 上記実施例1〜5では、中空糸膜モジュール内のガス流
路断面が均一となるように、同じ太さの中空糸膜内をガ
ス流路としているが、突起を外側に設けた中空糸膜を使
用することによって、各中空糸膜の外側にそれら同志間
に均一な流路を作り、これら中空糸膜の外側の流路をガ
ス流路とすることができる。
【0034】以上いくつかの実施例を述べたが、疎水性
多孔質中空糸膜の具体例としてはポリスルホン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、PTFEなどの素材製であっ
て、強制的に孔をあけたものが挙げられ、また、ガス分
離中空糸膜としてはシリコンゴム、天然ゴム、ポリ(4
−メチルペンテン−1)、エチルセルローズ、ポリジメ
チルシロキサン、ポリエチレン、PTFEなどの素材製
で分子レベルの細孔を持つものが挙げられる。
【0035】なお、前記実施例1,3では吸収液として
水酸化ナトリウム水溶液を用いる代りに、他のアルカリ
金属、アルカリ土類金属の水酸化物の水溶液を用いても
同様の効果を奏する。
【0036】前記実施例1,3では固定液として、また
、実施例2,4では吸収液(兼固定液)として、塩化バ
リウム溶液を用いる代りに、バリウムの硝酸塩などの他
の塩や水酸化物の溶液を用いても同様の効果を奏する。 また、バリウムの代わりに他のアルカリ土類金属の塩や
水酸化物を使用できる。
【0037】以上の実施例では中空糸膜ガス吸収器によ
る単独処理を記載したが、この吸収器の上流側にHEP
Aフィルタなどの粒子除去フィルタを設置することによ
って、中空糸膜の粒子による目詰まりの防止、中空糸膜
の粒子状放射性物質による汚染の防止ができる。特に、
放射性物質による汚染は中空糸膜モジュールの放射線線
量率を増加させ、中空糸膜モジュールの交換作業時の放
射線による作業員の被曝が問題となるため、その防止は
重要である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果を奏する。
【0039】(1)除去効率は、中空糸膜の表面積が大
きいことから、DFで1,000以上(除去効率99.
9%以上)となり、従来のスクラバ方式のDFが10〜
100(除去効率90〜99%)であるのと比べて、1
桁以上大きい。
【0040】(2)装置規模は従来のスクラバの1/3
となる。
【0041】(3)従来の吸収液を微粒子にして排ガス
と接触させるスクラバと比較して、ミストが飛散しない
ため、後段でのこれに対する腐蝕などの対策の必要がな
い。 (4)ガス中の大量の成分または該ガス自体を吸収対象
とする従来の中空糸膜式気液接触ガス分離装置と異なり
、原子力施設の排ガス中に含まれる微量の放射性二酸化
炭素ガス等の放射性気体を高効率で除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の装置を示した図。
【図2】本発明における中空糸膜モジュールとその作用
を示した図。
【図3】本発明の実施例2の装置を示した図。
【図4】本発明の実施例3の装置を示した図。
【図5】本発明の実施例4の中空糸膜モジュール構造を
示した図。
【符号の説明】
1…中空糸膜モジュール      2…中空糸膜3…
中空糸膜ガス吸収器      4…吸収液5…吸収液
タンク            6…吸収液補給タンク
10…固定反応槽            11…固定
液タンク14…固定液

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  原子力施設の排ガス中の放射性気体を
    化学反応によって吸収する物質の水溶液からなる吸収液
    と上記排ガスを中空糸膜を介して接触させる様に構成し
    たことを特徴とする、原子力施設の排ガス中から放射性
    気体を除去する装置。
  2. 【請求項2】  前記吸収液および排ガスを中空糸膜の
    長手方向に流す様に構成したことを特徴とする請求項1
    記載の原子力施設の排ガス中から放射性気体を除去する
    装置。
  3. 【請求項3】  前記放射性気体を化学反応によって吸
    収する物質の水溶液はその中に該物質の固相が共存して
    いる水溶液であり、この固相が共存している水溶液より
    なる吸収液が中空糸膜の膜面の一方の側に密封状態で充
    填されており、中空糸膜の膜面の他方の側に前記排ガス
    を中空糸膜の長手方向に流す様に構成したことを特徴と
    する請求項1記載の原子力施設の排ガス中から放射性気
    体を除去する装置。
  4. 【請求項4】  前記放射性気体が炭素−14の化合物
    であり、かつ吸収液をなす水溶液がアルカリ金属または
    アルカリ土類金属の塩または水酸化物の水溶液であるこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の原子力施設の
    排ガス中から放射性気体を除去する装置。
  5. 【請求項5】  放射性気体を吸収した後の吸収液から
    放射性気体を固定化する固定化手段を有することを特徴
    とする請求項2記載の原子力施設の排ガス中から放射性
    気体を除去する装置。
  6. 【請求項6】  前記放射性気体が炭素−14の化合物
    であり、かつ前記固定化手段がアルカリ土類金属の塩ま
    たは水酸化物を用いて該炭素−14の化合物をアルカリ
    土類金属の炭酸塩として固定化することを特徴とする請
    求項5記載の原子力施設の排ガス中から放射性気体を除
    去する装置。
  7. 【請求項7】  中空糸膜が疎水性多孔質膜、またはガ
    ス分離膜である請求項1ないし6のいずれかに記載の原
    子力施設の排ガス中から放射性気体を除去する装置。
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