JP5297221B2 - 水溶性有機化合物の除去システム - Google Patents

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Description

本発明は、工場等からの排出ガスに含まれる水溶性有機化合物の除去システムに係り、特に、水処理系統を2系統設けることにより、連続運転を可能とした水溶性有機化合物の除去システムに関するものである。
浮遊粒子状物質(以下、SPM;Suspended Particulate Matter)による人の呼吸器への悪影響、光化学オキシダントによる目やのどへの刺激や呼吸器への悪影響などの健康被害は未だに生じており、これら大気汚染物質への対処が求められている。このSPM及び光化学オキシダントの発生原因は多岐に渡っているが、揮発性有機化合物(以下、VOC;Volatile Organic Compounds)がその原因の1つとなっており、VOCを溶剤として用いている化学工場や塗料を使用している印刷工場等において、VOCの除去が求められている。また、半導体工場においても、ウェハー製造ラインは24時間連続運転しており、そのため洗浄工程の排ガス系統も24時間連続運転しており、VOCを排出し続けている。
また、水溶性の揮発性有機化合物(以下、WSOC;Water Soluble Organic Compounds)は上記VOCの一部であり、トルエンなど不溶性VOCの代替として、塗装工場で使用されるようになってきているほか、製品の乾燥工場ではIPAが使用されるなど、工場からの排出ガスにWSOCが含まれる場合は多い。
一般に、VOCを分解除去する方法としては、(a)直接燃焼法、(b)蓄熱燃焼法、(c)触媒燃焼法、(d)生物分解法、(e)活性炭吸着法、(f)低温プラズマ分解法、(g)薬液を用いた吸収法などがある(特許文献1、特許文献2等)。
特開2003−161424号公報 特開2008−133751号公報
しかしながら、VOCを分解除去する方法として用いられている上記(a)〜(c)の各種燃焼法においては、大規模な事業所の場合、CO2の排出量が多くなるという問題点があり、また、分解生成物がダイオキシン等の有害物質を発生させる危険性があるという問題点があった。
また、(d)生物分解法においては、分解速度が遅い上、入口濃度が変動すると分解効率が不安定になりやすいという問題点があり、(e)活性炭吸着法においては、活性炭が破過した場合、活性炭を産業廃棄物にして処理しなければならないという問題点があった。また、再生を行う場合は、熱などのエネルギーを投入しなければならず、脱着した場合は溶剤の回収装置が必要となるという問題点があった。さらに、(f)低温プラズマ分解法においては、大量処理ができないといった問題点があった。
また、WSOC除去には、上記の方法のほか、(g)薬液を用いた吸収法の適用が可能であるが、薬液の維持管理や廃液処理が必要なため、ランニングコストが高くなるほか、吸収液として水を使用した場合は、除去性能の低下や、補給水量の増加等といった問題点が挙げられる等、既存の方法は様々な問題を抱えていた。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、排ガス中に含まれる水溶性有機化合物を効率良く分解除去することができ、長時間にわたる連続使用が可能な水溶性有機化合物の除去システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の水溶性有機化合物の除去システムは、容器内に所定の充填材が設置され、該充填材の上部から水が滴下されるように構成され、処理対象エアが導入され、前記処理対象エア中の水溶性有機化合物を前記水に溶解させて除去するスクラバー部と、前記スクラバー部から排出された循環水が、系統切り替えバルブを介して交互に導入される第1の水処理部と第2の水処理部を備え、前記第1の水処理部と第2の水処理部は、それぞれ前記循環水中の水溶性有機化合物を除去する機能を備え、前記第1の水処理部と第2の水処理部のいずれかが、前記循環水を前記スクラバー部に循環供給する通常運転モードとされている間は、他方の水処理部は閉回路とされ、前記循環水中の水溶性有機化合物の分解処理を繰り返し行う回復運転モードとされ、前記スクラバー部の循環水供給口の上流側に、循環水中の全有機体炭素濃度を測定する測定器が設置され、この測定値に基づいて、前記第1の水処理部と第2の水処理部による通常運転モードと回復運転モードの切り替えが行われるように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項1に記載の発明によれば、水処理部を2系統設け、一方の系統でスクラバーに循環させる水の処理を行うと共に、他方の系統で循環水中のTOC濃度を所望のVOC除去率を満たすための規定値以下に低減させる処理を行うことにより、24時間連続運転が可能な水溶性有機化合物の除去システムを得ることができる。また、2系統の水処理部の切り替え制御を、スクラバー部に導入される循環水中の全有機体炭素濃度を監視して行うので、より高精度に循環水の処理を行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記水処理部には、少なくとも微細気泡発生手段と、この下流側に配設される活性炭設置手段と、前記通常運転モードと回復運転モードを切り替えるモード切り替えバルブが設置されていることを特徴とするもの
上記のような構成を有する請求項に記載の発明は、2系統の水処理部の構成を具体的に規定したものであり、微細気泡発生手段によって発生した微細気泡を含有する循環水を活性炭設置手段に導入し、循環水中の水溶性有機化合物を活性炭に吸着させることにより、循環水中の水溶性有機化合物を除去することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記微細気泡発生手段と前記活性炭設置手段の間に水槽が設置され、この水槽において、前記微細気泡発生手段によって発生した微細気泡のうち径の大きい気泡を浮力により上昇させて分離し、微細気泡含有水だけを前記活性炭設置手段に導入するように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明によれば、微細気泡含有水だけを前記活性炭設置手段に導入することができるので、より効率良く、微細気泡を用いて活性炭設置手段内に生息する微生物を活性化させることができる。これにより、活性炭に吸着された水溶性有機化合物を高効率で分解することができるので、活性炭の吸着機能をより迅速に復活させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記活性炭設置手段は、前記微細気泡を用いて該活性炭設置手段内に生息する微生物を活性化させ、活性炭に吸着された水溶性有機化合物を分解するように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明は、活性炭設置手段の機能を規定したものであり、微細気泡を用いて活性炭設置手段内に生息する微生物を活性化させ、活性炭に吸着された水溶性有機化合物を分解することができるので、活性炭の吸着機能を復活させることができる。その結果、活性炭の寿命を延ばすことができるので、循環水中の水溶性有機化合物の濃度の上昇を抑え、24時間連続で排気ガス中の水溶性有機化合物の除去を行うことができる水溶性有機化合物の除去システムを提供することができる。
請求項に記載の発明は、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記微細気泡発生手段が、nmサイズ又はμmサイズ、あるいはその両方の気泡径を有する微細気泡を発生させるように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明によれば、nmサイズ又はμmサイズ、あるいはその両方の気泡径を有する微細気泡を活性炭設置手段に導入することにより、活性炭設置手段内に生息する微生物を活性化させ、活性炭に吸着された水溶性有機化合物を分解することができるので、活性炭の吸着機能を復活させることができる。その結果、活性炭の寿命を延ばすことができる。
請求項に記載の発明は、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記水槽から前記活性炭設置手段へ逆洗水を供給する配管を設けると共に、この配管に逆洗用ポンプを設け、予め設定された所定の間隔で前記活性炭設置手段へ逆洗水を供給するように構成したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項に記載の発明によれば、予め設定された所定の間隔で活性炭設置手段へ逆洗水を供給することにより、活性炭設置手段の性能維持を図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の水溶性有機化合物の除去システムにおいて、前記活性炭設置手段が、活性炭筒であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、活性炭設置手段を具体的に規定したものである。
本発明によれば、排ガス中に含まれる水溶性有機化合物を効率良く分解除去することができ、長時間にわたる連続使用が可能な水溶性有機化合物の除去システムを提供することができる。
以下、本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの具体的な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面を参照して説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
(1−1−1)全体構成
本実施形態の水溶性有機化合物の除去システムは、図1に示すように、大別して、WSOCを含む排ガスを循環水と接触させることにより、排ガス中のVOC濃度を低減させるスクラバー部1と、このスクラバー部1において循環水に溶解したWSOCを除去する第1の水処理部2と第2の水処理部3から構成されている。なお、本明細書中において、循環水中に含まれるWSOCの量を、全有機体炭素(以下TOC:Total Organic Carbon)濃度を用いて説明する場合もある。
また、前記第1の水処理部2と第2の水処理部3は、以下に述べるような同一の構成を有し、三方弁等からなる系統切り替えバルブ10によって、スクラバー部1から導入される循環水の流路を第1の水処理部2と第2の水処理部3の間で切り替えることができるように構成されている。なお、本実施形態においては、前記系統切り替えバルブ10による切り替え動作は、制御装置20によって、予め設定された一定時間ごとに行われるように構成されている。また、後述するように、制御装置20は、モード切り替えバルブ28による切り替え動作及び排水バルブ29の開閉動作を制御するように構成されている。なお、図中点線は、制御装置20による制御指令を示している。
(1−1−2)スクラバー部の構成
前記スクラバー部1は筒状容器11から構成され、その容器の中央部には所定の充填材12が充填され、この充填材12の上下にはそれぞれ上部空間及び下部空間が形成されている。そして、前記下部空間には、処理対象となるWSOCを含む排ガスを該スクラバー部1内に導入する排ガス供給配管13が接続されると共に、排ガス中のWSOCを溶解した循環水を後述する水処理部2、3に送るための循環水排出配管14が接続されている。なお、前記排ガス供給配管13には送風機15が設けられ、スクラバー部1内に導入する排ガス量を適宜調整できるように構成されている。
一方、前記上部空間には散水ヘッダー16が設けられ、水処理部2、3で処理された循環水が前記充填材12に散水されるように構成されている。また、散水ヘッダー16の上部にはミストセパレータ17が設けられ、このミストセパレータ17を通過した処理後の排ガスが、筒状容器11の上端に設けられた排ガス排出配管18を介して外部に排出されるように構成されている。
上記のような構成を有するスクラバー部1に導入された排ガス中のWSOCは、散水ヘッダー16によって上部から滴下された循環水により充填材12の表面に形成された液膜で吸収除去される。
なお、上記充填材12としては、有効面積が大きく、圧損が小さく、合成樹脂製で化学的・機械的性質が強く、軽量で、充填材の取出し作業が容易であり、懸濁物質(以下SS:Suspended Solid)などの付着物の除去が容易である充填材が好ましい(例えば、テラレット(商品名):月島環境エンジニアリング社製)。なお、処理対象物質によっては、容易に気液接触面積を向上できる気化式加湿膜(例えば、VHRシリーズ:ウェットマスター社製)を利用しても良い。
(1−1−3)水処理部の構成
前記水処理部2、3においては、ろ過槽21、微細気泡発生槽22、水槽23が順次設置され、この水槽23にはポンプ24を介して活性炭筒25(請求項にいう活性炭設置手段に相当)が接続されている。また、水槽23の下流側には補給水槽26、循環ポンプ27及びモード切り替えバルブ28が順次設置されている。そして、通常運転時(通常運転モード)においては、前記モード切り替えバルブ28によって、循環水をスクラバー部1へ戻すように構成され、TOC回復運転時(TOC回復運転モード)においては、前記モード切り替えバルブ28によって、循環水を再度ろ過槽21の上流側に戻すように構成されている。なお、前記ろ過槽21の上流側には、循環水の一部を排水するための排水バルブ29が設置されている。
次に、水処理部2、3に設置された各水槽の役割について説明する。まず、ろ過槽21ではSSが除去される。スクラバー部1によって循環水中のTOC濃度が上昇した後が最もSSが発生しやすいため、SSを除去するろ過槽21を設置したものである。また、微細気泡発生槽22には微細気泡発生装置22aが接続されており、循環水中に微細気泡を発生させるように構成されている。また、水槽23では、微細気泡発生槽22で発生した微細気泡のうち径の大きい気泡を浮力により上昇させて分離し、微細気泡含有水だけを活性炭筒25に導入するように構成されている。ここでいう前記微細気泡発生槽22及び微細気泡発生装置22aが、請求項にいう微細気泡発生手段に相当する。
なお、前記微細気泡発生装置22aは、高速せん断方式等によりnmサイズ又はμmサイズ、あるいはその両方の気泡径を有する微細気泡を発生させる装置であり、これにより微細気泡発生槽22内において数十nm〜数十μmの微細気泡を発生させることができるように構成されている。ここでいう微細気泡とは、マイクロサイズの気泡、ナノサイズの気泡、またはその両方を含む気泡であり、微細気泡発生直後の粒径が数十nm〜数十μmの微細な気泡をいう。
また、前記微細気泡発生装置22aとしては、例えば、ガラス、金属又はセラミック等の微粒子を弱く結合したポーラスフィルタ、あるいは金属板等に微細孔を開け、処理対象となる排ガスを加圧しながら押し込み、急速な流れを作ることによって微細気泡を発生させるもの、高速せん断方式、加圧溶解方式、エゼクター方式、スタティックミキサー方式又はベンチュリー管方式等を単独で、または、異なる方式を組合わせて適用することができる。
また、前記水槽23に接続された活性炭筒25では、活性炭のポーラス(細孔)にWSOCを吸着させることにより循環水中のTOC濃度を減少させるように構成されている。また、補給水槽26では、スクラバー部1に供給される循環水の水量が不足している場合に、適宜水を補給することができるように構成されている。
なお、活性炭筒25には微生物が存在し、この微生物が微細気泡によって活性化され、ポーラスへ吸着したWSOCを分解することにより、活性炭のポーラスが空き、再びWSOCの吸着が可能となる。従って、通常の活性炭よりも破過時間を遅らせることができ、長寿命化することができる。
(1−2)作用
上記のような構成を有する本実施形態の水溶性有機化合物の除去システムは、以下のように作用する。
スクラバー部1においては、循環水が散水ヘッダー16によって上部から滴下され、充填材12の表面に液膜が形成されている。このスクラバー部1の下部から、排ガス供給配管13を介してWSOCを含む排ガスが導入されると、この排ガスは筒状容器11内を上昇し、充填材12の表面に形成された液膜と接触する。その結果、排ガス中に含まれるWSOCは、充填材12の表面に形成された液膜によって吸収され、排ガス中から除去される。
WSOCが除去された排ガスは、ミストセパレータ17を経た後、排ガス排出配管18を介して外部に排出される。一方、排ガス中のWSOCを溶解した循環水は、スクラバー部1の底部に貯留され、循環水排出配管14を介して、第1の水処理部2に導入される。
この第1の水処理部2において、スクラバー部1から導入された循環水の一部は排水バルブ29によって排水され、その他はろ過槽21に導入される。このろ過槽21において循環水中のSSが除去される。続いて、SSが除去された循環水は微細気泡発生槽22へ導入され、循環水中に微細気泡を発生させ微細気泡含有水となった後、水槽23へ導入される。
水槽23に導入された微細気泡含有水は、ポンプ24により活性炭筒25へ導入され、この活性炭筒25において、WSOCを活性炭のポーラス(細孔)へ吸着させることにより循環水中のTOC濃度を減少させる。活性炭筒25で処理された循環水は水槽23へ戻された後、補給水槽26へ導入される。この補給水槽26では、スクラバーでの加湿による消失分と一部排水したことによる損失分が補給される。その後、循環ポンプ27及びモード切り替えバルブ28を通り、再びスクラバー部1の上部の散水ヘッダー16に供給される。予め設定された一定時間、この循環が繰り返される(図2参照)。
そして、予め設定された一定時間が経過すると、図3に示すように、制御装置20によって、系統切り替えバルブ10が第2の水処理部3側に切り替えられると共に、第2の水処理部3側の排水バルブ29が開かれ、スクラバー部1から導入された循環水の一部が排水される。これと同時に、第1の水処理部2のモード切り替えバルブ28が「TOC回復運転モード」に切り替えられると共に、第1の水処理部2側の排水バルブ29が閉じられる。この結果、スクラバー部1から導入される循環水の流路が、第1の水処理部2から第2の水処理部3に切り替えられ、第2の水処理部3において、上述したと同様の処理が行われる。
また、これと同時に、第1の水処理部2においては、ろ過槽21〜モード切り替えバルブ28〜ろ過槽21と循環水が循環する。これにより、循環水中のWSOCは、活性炭のポーラス(細孔)へ吸着されるため循環水中のTOC濃度は減少する。同時に微細気泡によって活性化された活性炭筒25内の微生物により分解されるため、循環水中のTOC濃度はさらに減少する。
その後、再度予め設定された一定時間が経過すると、図4に示すように、制御装置20によって、系統切り替えバルブ10が第1の水処理部2側に切り替えられると共に、第1の水処理部2側の排水バルブ29が開かれ、スクラバー部1から導入された循環水の一部が排水される。これと同時に、第2の水処理部3のモード切り替えバルブ28が「TOC回復運転モード」に切り替えられると共に、第1の水処理部2側の排水バルブ29が閉じられ、上記と同様の処理が行われる。なお、上述したようにスクラバー部1から導入された循環水の一部を排水バルブ29によって排水することは必須ではない。
ここで、循環水中のTOC濃度は、スクラバーを通過し排ガスと接触することにより上昇する。スクラバー入口におけるTOC濃度とVOC除去率の関係を図5に示す。図5より、VOC除去率とスクラバー入口におけるTOC濃度には、負の強い相関があること分かる。また、図5より、例えばスクラバー入口におけるTOC濃度が100mg/Lであれば、VOC除去率は60%前後となることが分かる。
次に、運転モードを切り替え、スクラバーを通過させない場合の循環水中のTOC濃度は、微細気泡によって活性化された活性炭筒内の微生物により分解されて減少する。図6は、循環水をスクラバーに通さず、補給水を入れず、水処理部のみで循環した場合のTOC濃度の回復性能を示したものである。
図6より、TOC濃度は時間経過に伴って減少していることが分かり、48時間経過後には活性炭筒の数や活性炭筒ポンプの流量の違いにもよるが、TOC濃度はおよそ20mg/L前後に回復していることが分かる。この値は、循環水をスクラバーへ導入させる前の値とほぼ同じである。なお、スクラバー部1に導入する循環水のTOC濃度は30mg/L以下が望ましい。TOC濃度が30mg/L以下となれば、図5より、VOC除去率は80%以上となることが予想されるためである。
(1−3)効果
上述したように、本実施形態によれば、水処理部を2系統設け、一方の系統でスクラバーに循環させる水の処理を行うと共に、他方の系統で循環水中のTOC濃度を所望のVOC除去率を満たすための規定値以下に低減させる処理を行うことにより、24時間連続運転が可能な水溶性有機化合物の除去システムを得ることができる。
また、本実施形態によれば、WSOCを溶解した水を連続して処理することができると共に、再度、スクラバーに供給して利用することが可能となるので、補給水を大幅に削減することができる。
(2)第2実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、図7に示すように、スクラバー部1の入口に、循環水中のTOC濃度を測定するTOC濃度測定器30を設置し、この測定値に基づいて、前記制御装置20が系統切り替えバルブ10及びモード切り替えバルブ28の切り替え動作や、排水量の調整を行うことにより、TOC濃度が予め設定された規定値以上にならないように調整するように構成したものである。なお、前記TOC濃度測定器30としては、例えば、島津製作所製:TOC−4110を用いることができる。
なお、本システムにおいては、VOC除去率は少なくとも50%以上で連続運転を行うことが望ましいが、このVOC除去率が得られるTOC濃度は、図5より140mg/L以下であるため、制御装置20によって、TOC濃度が常にこの値以下となるように制御するように構成されている。
また、前記TOC濃度測定器30を、各水処理部2、3のTOC回復運転を行っている水処理系統に設置して、その測定値に基づいて、前記制御装置20が系統切り替えバルブ10及びモード切り替えバルブ28の切り替え動作や、排水量の調整を行うことにより、循環水中のTOC濃度が予め設定された規定値以下に回復した場合に、水処理系統を切り替えて運転を行うようにすることも可能である。
上記のような構成を有する本実施形態の水溶性有機化合物の除去システムによれば、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られるだけでなく、より高精度に循環水の処理を行うことができる。また、水質管理にオンライン式TOC計を用いることによって、効率的にスクラバーを運転することができるので、24時間連続で稼動している半導体工場等で採用可能なシステムとなる。
(3)第3実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、活性炭筒25の性能維持を図ったものである。すなわち、本実施形態においては、図8に示すように、水槽23から活性炭筒25に逆洗水を供給するための配管31が設けられ、この配管31に逆洗用ポンプ32が設置されている。また、活性炭筒25には排水用配管33が接続され、SSを含んだ逆洗水を排水することができるように構成されている。なお、排水用配管33に分岐配管34を接続し、SSを含んだ逆洗水の一部を前記ろ過槽21に戻すように構成しても良い。
また、本実施形態においては、制御装置20によって、予め設定された一定時間ごとに、あるいはタイマーなどで指定した時刻に、10〜20分間程度ポンプ24を停止し、逆洗用ポンプ32を作動させるように構成されている。これにより、SSを含んだ逆洗水をシステム外に排水するか、又はろ過槽21へ戻すことができるので、活性炭筒25の性能維持を図ることができる。
(4)他の実施形態
本発明は上述したような実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が考えられる。例えば、上記の実施形態においてスクラバー1に設置した充填材12の代わりに熱交換コイルを配置して、排気の熱回収を行うと共に、そのコイルフィン面に形成した水膜によって排ガス中のWSOCを吸収するように構成しても良い。
また、WSOCの種類によりスクラバー部1でのTOC濃度上昇が高い場合、水処理部を2つ以上設置しても良い。例えば、水処理部を3つ設置し、1つを「通常運転モード」とし、他の2つを「TOC回復運転モード」とするように構成しても良い。
また、生産装置が昼間操業し、夜間は休止しているような印刷工場や塗装工場においては、水処理部を1つとし、操業中は「通常運転モード」にて運転し、生産装置などが休止している夜間などは、「TOC回復運転モード」にてTOC濃度を低減させるように構成しても良い。
本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第1実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第1実施形態において、第1の水処理部が通常運転モードの状態を示す図である。 本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第1実施形態において、第1の水処理部がTOC回復運転モード、第2の水処理部が通常運転モードの状態を示す図である。 本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第1実施形態において、第1の水処理部が通常運転モード、第2の水処理部がTOC回復運転モードの状態を示す図である。 スクラバー入口におけるTOC濃度とVOC除去率の関係を示す図である。 循環水を水処理部のみで循環させた場合のTOC濃度の回復性能を示す図である。 本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第2実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る水溶性有機化合物の除去システムの第3実施形態の構成を示す図である。
1…スクラバー部
2…第1の水処理部
3…第2の水処理部
10…系統切り替えバルブ
11…筒状容器
12…充填材
13…排ガス供給配管
14…循環水排出配管
15…送風機
16…散水ヘッダー
17…ミストセパレータ
18…排ガス排出配管
20…制御装置
21…ろ過槽
22…微細気泡発生槽
22a…微細気泡発生装置
23…水槽
24…ポンプ
25…活性炭筒
26…補給水槽
27…ポンプ
28…モード切り替えバルブ
29…排水バルブ
30…TOC濃度測定器
31…配管
32…逆洗用ポンプ
33…排水用配管
34…分岐配管

Claims (7)

  1. 容器内に所定の充填材が設置され、該充填材の上部から水が滴下されるように構成され、処理対象エアが導入され、前記処理対象エア中の水溶性有機化合物を前記水に溶解させて除去するスクラバー部と、
    前記スクラバー部から排出された循環水が、系統切り替えバルブを介して交互に導入される第1の水処理部と第2の水処理部を備え、
    前記第1の水処理部と第2の水処理部は、それぞれ前記循環水中の水溶性有機化合物を除去する機能を備え、
    前記第1の水処理部と第2の水処理部のいずれかが、前記循環水を前記スクラバー部に循環供給する通常運転モードとされている間は、他方の水処理部は閉回路とされ、前記循環水中の水溶性有機化合物の分解処理を繰り返し行う回復運転モードとされ、
    前記スクラバー部の循環水供給口の上流側に、循環水中の全有機体炭素濃度を測定する測定器が設置され、この測定値に基づいて、前記第1の水処理部と第2の水処理部による通常運転モードと回復運転モードの切り替えが行われるように構成されていることを特徴とする水溶性有機化合物の除去システム。
  2. 前記水処理部には、少なくとも微細気泡発生手段と、この下流側に配設される活性炭設置手段と、前記通常運転モードと回復運転モードを切り替えるモード切り替えバルブが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
  3. 前記微細気泡発生手段と前記活性炭設置手段の間に水槽が設置され、
    この水槽において、前記微細気泡発生手段によって発生した微細気泡のうち径の大きい気泡を浮力により上昇させて分離し、微細気泡含有水だけを前記活性炭設置手段に導入するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
  4. 前記活性炭設置手段は、前記微細気泡を用いて該活性炭設置手段内に生息する微生物を活性化させ、活性炭に吸着された水溶性有機化合物を分解するように構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
  5. 前記微細気泡発生手段が、nmサイズ又はμmサイズ、あるいはその両方の気泡径を有する微細気泡を発生させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
  6. 前記水槽から前記活性炭設置手段へ逆洗水を供給する配管を設けると共に、この配管に逆洗用ポンプを設け、予め設定された所定の間隔で前記活性炭設置手段へ逆洗水を供給するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
  7. 前記活性炭設置手段が、活性炭筒であることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の水溶性有機化合物の除去システム。
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