JPH04285105A - 高熱炉の壁落ち状況把握方法 - Google Patents
高熱炉の壁落ち状況把握方法Info
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- JPH04285105A JPH04285105A JP7456791A JP7456791A JPH04285105A JP H04285105 A JPH04285105 A JP H04285105A JP 7456791 A JP7456791 A JP 7456791A JP 7456791 A JP7456791 A JP 7456791A JP H04285105 A JPH04285105 A JP H04285105A
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Landscapes
- Blast Furnaces (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉等の高熱炉におけ
る壁落ち状況を正確且つ迅速に把握する方法に関し、詳
細には高熱炉における耐火壁や付着物等の脱落状況を把
握することによって、該壁落ちによる急激な炉熱低下を
事前に予測し、炉熱を安定に維持して高熱炉の操業安定
性を向上させようとするものである。尚本明細書では代
表的な高熱炉として高炉をとりあげて説明するが、本発
明は高炉の場合に限らず、その他各種の精錬炉(転炉,
溶銑予備処理炉,VOD炉等)においても同様に利用す
ることができる。また本発明における壁落ちとは、上述
から明らかな様に、耐火壁の脱落は勿論のこと、炉内付
着物の脱落をも含んだ意味である。
る壁落ち状況を正確且つ迅速に把握する方法に関し、詳
細には高熱炉における耐火壁や付着物等の脱落状況を把
握することによって、該壁落ちによる急激な炉熱低下を
事前に予測し、炉熱を安定に維持して高熱炉の操業安定
性を向上させようとするものである。尚本明細書では代
表的な高熱炉として高炉をとりあげて説明するが、本発
明は高炉の場合に限らず、その他各種の精錬炉(転炉,
溶銑予備処理炉,VOD炉等)においても同様に利用す
ることができる。また本発明における壁落ちとは、上述
から明らかな様に、耐火壁の脱落は勿論のこと、炉内付
着物の脱落をも含んだ意味である。
【0002】
【従来の技術】高炉は鉄鉱石等の酸化鉄原料とコークス
等の固体還元剤の高温冶金反応炉であり、厚い耐火物層
とこれを取り囲む鉄皮とから構成されている。そして高
炉内部は極めて高温であり、また鉄鉱石やコークスの落
下衝撃や摩擦を間断なく受けているので、耐火壁は各所
で浸食され、あるいは脱落する。また高炉では耐火壁に
付着物が付着成長し、この付着物は場合によっては脱落
する。
等の固体還元剤の高温冶金反応炉であり、厚い耐火物層
とこれを取り囲む鉄皮とから構成されている。そして高
炉内部は極めて高温であり、また鉄鉱石やコークスの落
下衝撃や摩擦を間断なく受けているので、耐火壁は各所
で浸食され、あるいは脱落する。また高炉では耐火壁に
付着物が付着成長し、この付着物は場合によっては脱落
する。
【0003】耐火壁や付着物の脱落即ち壁落ちが生じる
と、壁落ちが発生した部分の炉壁温度はガス流の増加に
よって上昇するが、そのため炉壁部からの熱放散量が増
加し、炉内全体での熱バランスがくずれ、炉熱(溶銑温
度)が低下する。これに迅速に対応しないと操業の安定
性が図れなくなる。特に炉内付着物の脱落が生じた場合
には、炉内で急激な吸熱をともなう還元反応が生じ、炉
内の温度が大きく低下し、その影響は大きい。こうした
ことから、壁落ち状況を適切に把握し、これに伴なって
生じる温度低下を先見的に予測して、それに応じた対応
策を講じて安定した操業を達成する必要がある。
と、壁落ちが発生した部分の炉壁温度はガス流の増加に
よって上昇するが、そのため炉壁部からの熱放散量が増
加し、炉内全体での熱バランスがくずれ、炉熱(溶銑温
度)が低下する。これに迅速に対応しないと操業の安定
性が図れなくなる。特に炉内付着物の脱落が生じた場合
には、炉内で急激な吸熱をともなう還元反応が生じ、炉
内の温度が大きく低下し、その影響は大きい。こうした
ことから、壁落ち状況を適切に把握し、これに伴なって
生じる温度低下を先見的に予測して、それに応じた対応
策を講じて安定した操業を達成する必要がある。
【0004】高炉の炉壁付着物脱落時の炉熱を制御する
方法として、例えば特開昭62−263905号のもの
が提案されている。この技術の概要は、次の通りである
。
方法として、例えば特開昭62−263905号のもの
が提案されている。この技術の概要は、次の通りである
。
【0005】まず、主として炉体温度の変化量から、付
着物脱落の大きさを示す指数AZを下記数式1より求め
る。尚ここで使用されるTijは図2に示す各レベル・
周方向測定点での温度であり、この温度は図3に示され
る炉体温度計によって測定したものである。
着物脱落の大きさを示す指数AZを下記数式1より求め
る。尚ここで使用されるTijは図2に示す各レベル・
周方向測定点での温度であり、この温度は図3に示され
る炉体温度計によって測定したものである。
【0006】
【数1】
但し、ai:各レベルの重み係数
Tij:現在のiレベルにおける周方向jの測定点の炉
壁温度(℃) T’ij: 前時刻のiレベルにおける周方向jの測定
点の炉壁温度(℃) mi:各レベルの測定点数 n:高さ方向のレベルの数 b:送風量の重み係数 BV:送風量(Nm3/min) C:コークス比の重み係数 CR:コークス比
壁温度(℃) T’ij: 前時刻のiレベルにおける周方向jの測定
点の炉壁温度(℃) mi:各レベルの測定点数 n:高さ方向のレベルの数 b:送風量の重み係数 BV:送風量(Nm3/min) C:コークス比の重み係数 CR:コークス比
【0007】次に、上記AZに複数のしきい値(B1,
B2,D1,D2,D3)を設定し、AZとしきい値を
比較することによってブランク装入(鉱石を装入せずコ
ークスのみの装入)や、減荷装入(鉱石装入は行なうが
装入量を減らす)等の操業アクションを行なう(図4参
照)。尚各しきい値の基準、および図4における各アク
ション領域の意味は下記の通りである。 B1:AZに対するブランク装入アクションの下限管理
値B2:AZに対するブランク装入アクションの上限管
理値D1:AZに対するブランク減荷アクションの下限
管理値D2:AZに対するブランク減荷アクションの中
間管理値D3:AZに対するブランク減荷アクションの
上限管理値領域I:アクション不要 領域II:ブランク装入1回実施 領域III:ブランク装入2回実施 領域IV:アクション不要 領域V:コークス比を20kg/t上げ、2時間後に1
0kg/t下げる。 領域VI:コークス比を50kg/t上げ、4時間後に
25kg/t下げる。 領域VII:コークス比を80kg/t上げ、その荷が
羽口レベルに降下した時点の状況を見て熱レベルの低下
がなければ40kg/t下げる。
B2,D1,D2,D3)を設定し、AZとしきい値を
比較することによってブランク装入(鉱石を装入せずコ
ークスのみの装入)や、減荷装入(鉱石装入は行なうが
装入量を減らす)等の操業アクションを行なう(図4参
照)。尚各しきい値の基準、および図4における各アク
ション領域の意味は下記の通りである。 B1:AZに対するブランク装入アクションの下限管理
値B2:AZに対するブランク装入アクションの上限管
理値D1:AZに対するブランク減荷アクションの下限
管理値D2:AZに対するブランク減荷アクションの中
間管理値D3:AZに対するブランク減荷アクションの
上限管理値領域I:アクション不要 領域II:ブランク装入1回実施 領域III:ブランク装入2回実施 領域IV:アクション不要 領域V:コークス比を20kg/t上げ、2時間後に1
0kg/t下げる。 領域VI:コークス比を50kg/t上げ、4時間後に
25kg/t下げる。 領域VII:コークス比を80kg/t上げ、その荷が
羽口レベルに降下した時点の状況を見て熱レベルの低下
がなければ40kg/t下げる。
【0008】またカーボンソリューション反応に基づく
炉頂ガス成分(CO+CO2)の変化量ΔCSを数式2
より求め、求めたΔCSの積算値がある上限値を超えた
ときに、カーボンソリューション増分に見合った設定コ
ークス比の変更を実施するものである。
炉頂ガス成分(CO+CO2)の変化量ΔCSを数式2
より求め、求めたΔCSの積算値がある上限値を超えた
ときに、カーボンソリューション増分に見合った設定コ
ークス比の変更を実施するものである。
【0009】
【数2】
ΔCS(%)=(CO+CO2)−(CO’+CO’2
)但し、CO:現在の炉頂ガス中のCO濃度CO2:現
在の炉頂ガス中のCO2 濃度CO’:5分前の炉頂ガ
ス中のCO濃度CO’2:5分前の炉頂ガス中のCO2
濃度
)但し、CO:現在の炉頂ガス中のCO濃度CO2:現
在の炉頂ガス中のCO2 濃度CO’:5分前の炉頂ガ
ス中のCO濃度CO’2:5分前の炉頂ガス中のCO2
濃度
【0010】
【発明が解決しとようとする課題】しかしながら上記の
技術では、次に示す様な様々な問題があった。 (a) 上記技術では各測定点の温度の時間差分値の総
和を用いて付着物脱落指数を求めているが、周方向およ
び各レベルにおいて付着物脱落による温度変化に時間差
が生じるのは当然であり、従って脱落が発生しても時間
差分値の和が小さな値しか示さないことがあり、脱落を
見逃す恐れがある。 (b) 炉体温度計を使用しているので、付着物脱落に
伴なう温度変化に対する応答に時間的なずれが生じ、先
見性が悪く、アクションが遅くなる傾向がある。 (c) 測定点の劣化に伴なう異常データの発生、若し
くはデータの欠損が生じ、誤ったアクションを伴なう場
合がある。
技術では、次に示す様な様々な問題があった。 (a) 上記技術では各測定点の温度の時間差分値の総
和を用いて付着物脱落指数を求めているが、周方向およ
び各レベルにおいて付着物脱落による温度変化に時間差
が生じるのは当然であり、従って脱落が発生しても時間
差分値の和が小さな値しか示さないことがあり、脱落を
見逃す恐れがある。 (b) 炉体温度計を使用しているので、付着物脱落に
伴なう温度変化に対する応答に時間的なずれが生じ、先
見性が悪く、アクションが遅くなる傾向がある。 (c) 測定点の劣化に伴なう異常データの発生、若し
くはデータの欠損が生じ、誤ったアクションを伴なう場
合がある。
【0011】本発明はこうした従来技術の問題点を解消
する為になされたものであって、その目的は、高熱炉の
壁落ち状況を迅速且つ正確に把握することのできる方法
を提供することにある。
する為になされたものであって、その目的は、高熱炉の
壁落ち状況を迅速且つ正確に把握することのできる方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成し得た本発
明とは、長手方向に複数の測定点を設けた温度検知セン
サーを、その先端が炉壁稼動面近傍または炉内となる様
に、高熱炉の耐火壁内に埋設し、下記(I)〜(IV)
の工程を含んで操業を行なう点に要旨を有する高熱炉の
壁落ち状況把握方法である。 (I)上記検知センサーで、耐火壁厚さ方向の温度分布
を継続的に測定する。 (II)上記検知センサーの最稼動面側の健全測定点を
決定する。 (III)(II)で決定された健全測定点の測定温度
データを用いて、一定時間毎(x・hr:xは正の数)
の標準偏差σxを計算する。 (IV)上記標準偏差と、別途設定したしきい値σsと
を比較して壁落ちの有無および程度を把握する。
明とは、長手方向に複数の測定点を設けた温度検知セン
サーを、その先端が炉壁稼動面近傍または炉内となる様
に、高熱炉の耐火壁内に埋設し、下記(I)〜(IV)
の工程を含んで操業を行なう点に要旨を有する高熱炉の
壁落ち状況把握方法である。 (I)上記検知センサーで、耐火壁厚さ方向の温度分布
を継続的に測定する。 (II)上記検知センサーの最稼動面側の健全測定点を
決定する。 (III)(II)で決定された健全測定点の測定温度
データを用いて、一定時間毎(x・hr:xは正の数)
の標準偏差σxを計算する。 (IV)上記標準偏差と、別途設定したしきい値σsと
を比較して壁落ちの有無および程度を把握する。
【0013】また上記方法において、しきい値σsを、
上記(III)工程における一定時間(x・hr)より
も長い時間(y・hr:yは正の数)による標準偏差σ
yに基づき、次式によって時々刻々と変化させつつ設定
してなる構成を付加することも有効であり、この様にし
てしきい値を設定することによって、炉況変化に対する
応答性が向上し、より高い信頼性が得られる。 σs=a・σy 但し、a:係数σy:温度の一
定時間y・hrの標準偏差
上記(III)工程における一定時間(x・hr)より
も長い時間(y・hr:yは正の数)による標準偏差σ
yに基づき、次式によって時々刻々と変化させつつ設定
してなる構成を付加することも有効であり、この様にし
てしきい値を設定することによって、炉況変化に対する
応答性が向上し、より高い信頼性が得られる。 σs=a・σy 但し、a:係数σy:温度の一
定時間y・hrの標準偏差
【0014】
【作用】本発明においては、長手方向に複数の測定点を
有する温度検知センサー(以下多点型検知センサーと呼
ぶ)を、高熱炉耐火壁内に埋設し、該センサーの情報を
上述した(I)〜(IV)の工程によって解析すること
によってその目的を達成するものである。上記の様な多
点型検知センサーとしては、例えば本出願人が先に提案
し、既に出願公告された実公昭59−16816号や実
公平2−44186号等の検知センサーを用いることが
でき、これらの検知センサーは高い耐久性および信頼性
が得られる。
有する温度検知センサー(以下多点型検知センサーと呼
ぶ)を、高熱炉耐火壁内に埋設し、該センサーの情報を
上述した(I)〜(IV)の工程によって解析すること
によってその目的を達成するものである。上記の様な多
点型検知センサーとしては、例えば本出願人が先に提案
し、既に出願公告された実公昭59−16816号や実
公平2−44186号等の検知センサーを用いることが
でき、これらの検知センサーは高い耐久性および信頼性
が得られる。
【0015】本発明では、温度の標準偏差を計算し、こ
の標準偏差と別途設定したしきい値を比較することによ
り各センサー部における壁落ちの有無および程度を把握
するものであるので、壁落ちの発生を見逃すこともない
。即ち、上述した従来の技術の様に時間差分値の総和を
用いれば、ある部分で大きな壁落ちを示す情報が得られ
ても他の部分で負の値を示せば、相殺されることになっ
て、上記壁落ちを見逃すことになる。これに対し本発明
の構成では、検知センサー毎にその部分の壁落ちを迅速
且つ正確に把握することができ、従来技術で述べた様な
不都合は生じない。
の標準偏差と別途設定したしきい値を比較することによ
り各センサー部における壁落ちの有無および程度を把握
するものであるので、壁落ちの発生を見逃すこともない
。即ち、上述した従来の技術の様に時間差分値の総和を
用いれば、ある部分で大きな壁落ちを示す情報が得られ
ても他の部分で負の値を示せば、相殺されることになっ
て、上記壁落ちを見逃すことになる。これに対し本発明
の構成では、検知センサー毎にその部分の壁落ちを迅速
且つ正確に把握することができ、従来技術で述べた様な
不都合は生じない。
【0016】ところで高炉等の炉壁温度の測定は、耐火
壁稼動面から数百mm離れたところ(例えば炉体)に熱
電対等を設定して行なうのが普通である。稼動面で発生
する壁落ちを、上記の様な温度測定方式で得られた温度
情報によって行なうと、耐火壁の熱伝導による時間遅れ
(100mmで1時間程度)の発生や温度の変動量が小
さくなること、等に原因して検知の遅れや見逃しが生じ
る。本発明で用いる検知センサーは、長手方向(即ち耐
火物の厚さ方向)に複数の測定点を有し、その最先端は
炉壁部稼動面近傍または炉内に位置している。検知セン
サーの埋設当初は、先端部分の測定点における温度変化
によって壁落ちを検出する。またセンサーを埋設した部
分の耐火壁が侵食を受けると、検知センサー自体も同時
に侵食を受け消耗していくが、本発明では検知センサー
の最稼動面側の健全な測定点を決定し、この温度情報に
よって前記標準偏差を計算するので、常に稼動面付近の
正確な温度情報が得られる。
壁稼動面から数百mm離れたところ(例えば炉体)に熱
電対等を設定して行なうのが普通である。稼動面で発生
する壁落ちを、上記の様な温度測定方式で得られた温度
情報によって行なうと、耐火壁の熱伝導による時間遅れ
(100mmで1時間程度)の発生や温度の変動量が小
さくなること、等に原因して検知の遅れや見逃しが生じ
る。本発明で用いる検知センサーは、長手方向(即ち耐
火物の厚さ方向)に複数の測定点を有し、その最先端は
炉壁部稼動面近傍または炉内に位置している。検知セン
サーの埋設当初は、先端部分の測定点における温度変化
によって壁落ちを検出する。またセンサーを埋設した部
分の耐火壁が侵食を受けると、検知センサー自体も同時
に侵食を受け消耗していくが、本発明では検知センサー
の最稼動面側の健全な測定点を決定し、この温度情報に
よって前記標準偏差を計算するので、常に稼動面付近の
正確な温度情報が得られる。
【0017】本発明において健全な測定点を決定する為
の方法としては、例えば検知センサーの断線等を検知セ
ンサーの電気抵抗を測定して監視し、その結果に基づい
て行なう。熱電対等の断線検知は通常行なわれているが
、完全な断線が生じたとき、即ち電気抵抗が数MΩを超
えるときにのみ検知しているのがほとんどである。高炉
等では、炉内の装入物(コークス,鉄鉱石)や金属蒸気
等が熱電対の断線部分に付着し、断線が生じているにの
かかわらず電気抵抗が数KΩにしか上昇しない場合が多
い。従って、通常行なわれている断線検知を適用したの
では、検知センサーの十分な健全性を確保することはで
きない。
の方法としては、例えば検知センサーの断線等を検知セ
ンサーの電気抵抗を測定して監視し、その結果に基づい
て行なう。熱電対等の断線検知は通常行なわれているが
、完全な断線が生じたとき、即ち電気抵抗が数MΩを超
えるときにのみ検知しているのがほとんどである。高炉
等では、炉内の装入物(コークス,鉄鉱石)や金属蒸気
等が熱電対の断線部分に付着し、断線が生じているにの
かかわらず電気抵抗が数KΩにしか上昇しない場合が多
い。従って、通常行なわれている断線検知を適用したの
では、検知センサーの十分な健全性を確保することはで
きない。
【0018】そこで本発明では、健全測定点の決定基準
として、例えば測定点の電気抵抗が1000Ωよりも少
なく、且つ熱起電力が最大の値を示すところが選ばれる
。尚検知センサーの健全性をより容易に知る手段として
、熱電対に一定電流若しくは一定電圧を印加して電気抵
抗を測定することが挙げられる。この様な手段を採用す
れば、上述した様な場合であっても、健全な測定点の決
定がより容易に行なえる。
として、例えば測定点の電気抵抗が1000Ωよりも少
なく、且つ熱起電力が最大の値を示すところが選ばれる
。尚検知センサーの健全性をより容易に知る手段として
、熱電対に一定電流若しくは一定電圧を印加して電気抵
抗を測定することが挙げられる。この様な手段を採用す
れば、上述した様な場合であっても、健全な測定点の決
定がより容易に行なえる。
【0019】次に、しきい値の設定基準について説明す
る。操業当初は、炉内の状況や温度レベルを考慮し、各
位置の検知センサーにしきい値を設定するが、しきい値
をそのままにして操業を継続することは困難である。図
5(a),(b) に示す様に、稼動面と測定点との位
置関係は、耐火壁の侵食等によって変化する。稼動面に
近い位置で測定している場合は、測定値の変動が大きく
、稼動面から離れた位置で測定している場合は測定の値
の変動が小さくなる。従って、常に同一のしきい値によ
って壁落ちの発生を検知することはできない。また炉の
操業条件の変化に伴ない、炉壁各部の温度レベルも変化
する。 このことは同一規模の壁落ちが発生しても、温度レベル
の違いによって温度変動量が異なることを意味し、こう
したことからしても同一のしきい値によって壁落ちを正
確に検知することは困難である。
る。操業当初は、炉内の状況や温度レベルを考慮し、各
位置の検知センサーにしきい値を設定するが、しきい値
をそのままにして操業を継続することは困難である。図
5(a),(b) に示す様に、稼動面と測定点との位
置関係は、耐火壁の侵食等によって変化する。稼動面に
近い位置で測定している場合は、測定値の変動が大きく
、稼動面から離れた位置で測定している場合は測定の値
の変動が小さくなる。従って、常に同一のしきい値によ
って壁落ちの発生を検知することはできない。また炉の
操業条件の変化に伴ない、炉壁各部の温度レベルも変化
する。 このことは同一規模の壁落ちが発生しても、温度レベル
の違いによって温度変動量が異なることを意味し、こう
したことからしても同一のしきい値によって壁落ちを正
確に検知することは困難である。
【0020】そこで本発明では、上記の標準偏差を計算
した一定期間よりも長い期間(1日〜30日程度)にお
ける温度変化によって温度の標準偏差を求め、この標準
偏差に基づき操業当初に設定したしきい値を修正しつつ
時々刻々と変化させるのが好ましい。このことによって
、しきい値を常に適正な値を設定することができ、一定
の感度で壁落ち状況を把握することができる。
した一定期間よりも長い期間(1日〜30日程度)にお
ける温度変化によって温度の標準偏差を求め、この標準
偏差に基づき操業当初に設定したしきい値を修正しつつ
時々刻々と変化させるのが好ましい。このことによって
、しきい値を常に適正な値を設定することができ、一定
の感度で壁落ち状況を把握することができる。
【0021】尚本発明では、標準偏差としきい値を比較
し、標準偏差がしきい値よりおおきくなる時点を把握し
て壁落ちの有無を判定するものであるが、壁落ちがあっ
た場合に作業者にそれを知らせる表示手段については特
に限定するものではなく、例えば表示灯や警報器等の一
般的なものが挙げられるが、その他LEDやメータ表示
、陰極線管(CRT)表示等を採用することもできる。
し、標準偏差がしきい値よりおおきくなる時点を把握し
て壁落ちの有無を判定するものであるが、壁落ちがあっ
た場合に作業者にそれを知らせる表示手段については特
に限定するものではなく、例えば表示灯や警報器等の一
般的なものが挙げられるが、その他LEDやメータ表示
、陰極線管(CRT)表示等を採用することもできる。
【0022】以下本発明を実施例によってより具体的に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0023】
【実施例】図1は本発明のシステム構成を示す概略説明
図であり、図6は操業手順を示すフローチャートである
。図1に示す様に複数の多点型検知センサー1が高炉2
の周方向および高さ方向(レベル)に夫々複数埋設され
る。尚図中3はスキャナー,4は壁落ち検出器,5はC
RT,6は警報器の夫々を示す。
図であり、図6は操業手順を示すフローチャートである
。図1に示す様に複数の多点型検知センサー1が高炉2
の周方向および高さ方向(レベル)に夫々複数埋設され
る。尚図中3はスキャナー,4は壁落ち検出器,5はC
RT,6は警報器の夫々を示す。
【0024】高炉の周方向・高さ方向に夫々配置された
検知センサー1によって、各位置の温度および電気抵抗
値が測定され、これらの情報が一定周期(例えば1〜6
分毎)でスキャナーによって採取される。そして採取さ
れた情報は、壁落ち検出器に入力される。
検知センサー1によって、各位置の温度および電気抵抗
値が測定され、これらの情報が一定周期(例えば1〜6
分毎)でスキャナーによって採取される。そして採取さ
れた情報は、壁落ち検出器に入力される。
【0025】壁落ち検出器では、入力された情報に基づ
き下記の動作を行なう。まず検知センサーの最稼動面側
の健全測定点を決定する。健全測定点は、電気抵抗値と
熱起電力に基づき次の様に決定する。例えば6点式検知
センサーを用いて表1に示したデータが得られたとして
、電気抵抗が1000Ω未満で且つ熱起電力が最大の測
定点としてT3が選ばれる。
き下記の動作を行なう。まず検知センサーの最稼動面側
の健全測定点を決定する。健全測定点は、電気抵抗値と
熱起電力に基づき次の様に決定する。例えば6点式検知
センサーを用いて表1に示したデータが得られたとして
、電気抵抗が1000Ω未満で且つ熱起電力が最大の測
定点としてT3が選ばれる。
【0026】
【表1】
【0027】次に、測定点T3における測定温度t3の
過去一定時間(x・hr)におけるで標準偏差σxを下
記数式3によって計算する。
過去一定時間(x・hr)におけるで標準偏差σxを下
記数式3によって計算する。
【0028】
【数3】
【0029】そしてしきい値σsを設定し、このしきい
値σsと上記標準偏差σxを比較し、標準偏差σxがし
きい値より大きいと、壁落ちが発生したと判断する。尚
上記しきい値σxは、レベルや炉内状況によって20〜
50の範囲で適宜設定されるが、レベルが高い程および
炉内活動が活発である程高い値が選ばれる。
値σsと上記標準偏差σxを比較し、標準偏差σxがし
きい値より大きいと、壁落ちが発生したと判断する。尚
上記しきい値σxは、レベルや炉内状況によって20〜
50の範囲で適宜設定されるが、レベルが高い程および
炉内活動が活発である程高い値が選ばれる。
【0030】壁落ちが発生したと判断されると、その情
報が壁落ち検出器から警報器やCRT等の表示装置に入
力され、夫々の表示装置に応じた出力を行なう。そして
表示装置によって作業者に壁落ちが知らされると、作業
者は炉熱の低下を防止する為のアクションを行なう。壁
落ちを判断したときの出力結果の一例を図7に示す。上
記実施例では予め設定したしきい値を入力する場合につ
いて示したけれども、前述した様に同一のしきい値を用
いて操業を続けることは困難である。こうした点を是正
する為に、前述の標準偏差σxを求めたときよりも長い
時間(y・hr)の標準偏差σyを求め、この標準偏差
σyを数式4によって修正しつつ変化させていくのが好
ましい。このことによって、炉況変化に十分追従できる
ことになる。尚数式4において、aは係数であるが、こ
の係数aは通常2〜10の値をとる。
報が壁落ち検出器から警報器やCRT等の表示装置に入
力され、夫々の表示装置に応じた出力を行なう。そして
表示装置によって作業者に壁落ちが知らされると、作業
者は炉熱の低下を防止する為のアクションを行なう。壁
落ちを判断したときの出力結果の一例を図7に示す。上
記実施例では予め設定したしきい値を入力する場合につ
いて示したけれども、前述した様に同一のしきい値を用
いて操業を続けることは困難である。こうした点を是正
する為に、前述の標準偏差σxを求めたときよりも長い
時間(y・hr)の標準偏差σyを求め、この標準偏差
σyを数式4によって修正しつつ変化させていくのが好
ましい。このことによって、炉況変化に十分追従できる
ことになる。尚数式4において、aは係数であるが、こ
の係数aは通常2〜10の値をとる。
【0031】
【数4】σs=a・σy
【0032】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されており、高
熱炉の壁落ち状況を迅速且つ正確に把握することができ
る様になった。
熱炉の壁落ち状況を迅速且つ正確に把握することができ
る様になった。
【図1】本発明のシステム構成を示す概略説明図である
。
。
【図2】従来技術における測温位置を示す模式図である
。
。
【図3】従来技術のシステム構成を示す概略説明図であ
る。
る。
【図4】従来技術における各アクション領域を示す説明
図である。
図である。
【図5】炉内稼動面と測定点の位置関係を示す概略説明
図である。
図である。
【図6】本発明の操作手順を示すフローチャートである
。
。
【図7】壁落ちと判断されたときの出力結果の一例を示
すグラフである。
すグラフである。
1 多点型検知センサー
2 高炉
3 スキャナー
4 壁落ち検出器
5 陰極線管
6 警報器
Claims (2)
- 【請求項1】 長手方向に複数の測定点を設けた温度
検知センサーを、その最先端が炉壁稼動面近傍または炉
内となる様に、高熱炉の耐火壁内に埋設し、下記(I)
〜(IV)の工程を含んで操業を行なうことを特徴とす
る高熱炉の壁落ち状況把握方法。 (I)上記検知センサーで、耐火壁厚さ方向の温度分布
を継続的に測定する。 (II)上記検知センサーの最稼動面側の健全測定点を
決定する。 (III)(II)で決定された健全測定点の測定温度
データを用いて、一定時間毎(x・hr:xは正の数)
の標準偏差σxを計算する。 (IV)上記標準偏差と、別途設定したしきい値σsと
を比較して壁落ちの有無および程度を把握する。 - 【請求項2】 請求項1において、しきい値σsを、
上記(III)工程における一定時間(x・hr)より
も長い時間(y・hr:yは正の数)による標準偏差σ
yに基づき、次式によって時々刻々と変化させつつ設定
する高熱炉の壁落ち状況把握方法。 σs=a・σy 但し、a:係数σy:温度
の一定時間y・hrの標準偏差
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7456791A JPH04285105A (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 高熱炉の壁落ち状況把握方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7456791A JPH04285105A (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 高熱炉の壁落ち状況把握方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285105A true JPH04285105A (ja) | 1992-10-09 |
Family
ID=13550921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7456791A Withdrawn JPH04285105A (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 高熱炉の壁落ち状況把握方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04285105A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5577157A (en) * | 1994-02-07 | 1996-11-19 | Midwest Research Institute | Optical processing furnace with quartz muffle and diffuser plate |
JP2012181164A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-20 | Kobe Steel Ltd | 耐火物残厚評価方法 |
WO2023060663A1 (zh) * | 2021-10-12 | 2023-04-20 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种高炉渣皮脱落判断方法、终端设备及存储介质 |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP7456791A patent/JPH04285105A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5577157A (en) * | 1994-02-07 | 1996-11-19 | Midwest Research Institute | Optical processing furnace with quartz muffle and diffuser plate |
JP2012181164A (ja) * | 2011-03-03 | 2012-09-20 | Kobe Steel Ltd | 耐火物残厚評価方法 |
WO2023060663A1 (zh) * | 2021-10-12 | 2023-04-20 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种高炉渣皮脱落判断方法、终端设备及存储介质 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |